第20話 フレフレ!チア部のエール!

あお「休みなのに、たっくん起きないね」

せな「それな。大丈夫なの?」

あお「あんでんねぇはずだよ?」

あか「どうしたの?いきなり訛って」

あお「たっくんのが移ったの」

たく「んだぁ・・・?」

せな「たくみん!すぐ準備して!」

たく「おっけ・・・」


たっくんは珍しく朝10時に起きて呑気に準備を始めた。うちらは揃いも揃ってブルーのブラウスにホワイトのチュールスカートを着たあとにハーフアップを整えて、チアのリボンをつけた。全てはうちらとあいちゃんのお兄ちゃん、たっくんのために。


あお「できた?」

たく「おん」

あお「昨日は頑張ったもんね」

あか「今日は頑張ったたくみ兄さんにご褒美!」

たく「はぁ・・・」

あお「元気ないね?あじしたの?」

たく「いやさ、あいちゃんどこいった?」

あか「あっ・・・」

全員「うーん・・・」

あい「たったー!!」

たく「あいちゃん!?あにしてはんの!?」

あい「え?ぱぱのとこ」

たく「あにしてはんのまじで・・・」

あい「ぱぱがね、きょうのよるね、みんなでごはんね、たべにいくって」

たく「おぉまじか、それを聞いてきてくれたの?」

あい「あい!」

たく「いいこだべなー。あとでいっぱい遊ぼうな。あっちで遊んでてな」

あい「あい!」


あいちゃんが遊びはじめたあたりで、うちらはポンポンを両手に持って、たっくんに話しはじめた。あんなに辛かったのに、最後までやったたっくんにうちは泣きそうになったから。たっくんはパソコンの画面を見ながら、話を聞いてくれた。たっくんらしくて、うちは大好き。


せな「いい?たくみん」

たく「うん」

あお「たっくん昨日すっごい頑張ったよね」

たく「おん」

せな「なんであんなに頑張れたの?」

たく「愛央と瀬奈と明里のおかげかなぁ」

あお「あ、じゃあチアの服が可愛いとか応援が可愛すぎるってことではなかったの?」

たく「別にそこはな」

あか「チアの練習、最近ずっとたくみ兄さんの横でやってたもんね」

たく「ちょうどバイト辞めて暇だったしな」

あお「じゃあ、愛央たちのチアの練習ずっと見てたのがおっきかったの?」

たく「いやそういうわけじゃないな」

あか「えっ?」

たく「あんな、あんだべな、愛央とか瀬奈が両手でずっと祈ってたんよ。風吹いてる中でポンポン持って、たくみん頑張れ、たっくん頑張ってってな、ずっと祈ってたのが見えたんだわ」

せな「それってつまり・・・」

あお「愛央たちの願いが届いたってこと?」

たく「んだ」

あか「すごいね、それって」

たく「だからなんとか辛くてもいけたんだよ。帰ってきた瞬間どかーってなったけど」

あお「はーうち絶対忘れらんない」

たく「だべな?」

あか「そんなたくみ兄さんに!」


3人「エールを送りますっ!」


たく「お前らガチで応援する気じゃねぇか」

あお「うん!いくよ!」

せな「せーの!」


3人「フレー!フレー!たーくーみっ!がんばれがんばれたっくーみ!ふぁいとふぁいとたくみっ!Go!Go!Let's Go!You are No.1!!Fooooooo〜!!」


うちらは3人でポンポンを振って、たっくんにとびきり可愛い応援をしてあげた!


あお「どう?少しは元気出てきた?」

たく「愛央、おいで」

あお「・・・?」

せな「行ってあげて」

あか「フレフレ、あおっち!」

せな「愛央なら行けるから♪」

あお「うん!(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡」

たく「愛央、俺はあんたが大好きだよ」

あお「うっ・・・うわぁぁぁん。愛央も大好き!」

たく「おいおい、泣くなって・・・」

せな「愛央、よかったね!」

あお「うん!」

あか「たくみ兄さんもね!」

たく「おらはべつにあんでんねぇわ!!」

全員「・・・あははははは!!」

あお「さすが漫才師、強え」


うちらはそう言ったあと、外に出た。近くの公園で、日向ぼっこしたかったから。


あお「あいちゃーん。おそといこー?」

あい「あい!」

せな「誰のところに来るかな?」

あい「たったー!!」

たく「おぉおぉ、まじか・・・」

あい「きゅぴ〜♡」

あお「実家のような安心感、だね♡」


To be continued.

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