歴史のお勉強

 あー…

 穂乃果ちゃんってかわいいなぁ。

 しかも面白いし。

 家に帰りベッドの上でボーっと考えていた。

 

 アッ

 ‼︎…穂乃果ちゃん受験生だけど⁉︎

 今更だけど穂乃果ちゃんってどこの高校受

 験するんだ‼︎

 場合によっては、オレなんかじゃ力になら

 ない可能性もありうる…。

 

 あー…穂乃果ちゃんの未来がかかってるっ

 ていうのに…

 オレは…

 オレはただただぬるま湯に浸かりながら浮

 かれ過ぎていた。

 ぷかぷかし過ぎでしょうよー‼︎

 

 

 家庭教師の日

 

 穂乃果ちゃんの顔を見るなりオレは、いき

 なりの質問。

 

「穂乃果ちゃん、高校どこ受ける予定?」

「もちろん、空先生の高校です」

 ニコッ

 

 …うっ、なんだ…あの笑顔の破壊力…

 やばい…可愛すぎる。

 思わず抱きしめたくなる衝動に至る。

 しかし‼︎

 あんなキラキラ女神様みたいな素敵なオー

 ラが出ていたら手なんか出せるわけもない。

 だいたい女神様は、美しい。

 普通女神様は目の保養をする為に存在する

 のだ。…ん?

 そうなのか⁇

 女神様ってどういう存在⁇

 って‼︎

 女神様について考えている場合ではない‼︎

 

「えっ、穂乃果ちゃんオレたちと同じ高校受

 験するの?」

「はい‼︎」

「そうなんだ。でもなんでその高校?あんま

 り特徴ない高校だけど」

「えっ…えと、す、す…」

「すす?」

 顔を赤らめながら恥ずかしそうにする穂乃

 果ちゃん。

 

 …すす?

 なんだろう?

 すすき?

 でも、すすきなら顔を赤らめる必要がない

 ような気も…。

「すきな…じゃなくて…えと…憧れの先輩が

 いまして」

「あぁ、そう言う事ね。部活の先輩とか?」

「へっ⁈あー…どさくさに紛れるとそういう

 部類に入ります」

 …どさくさに紛れると…か。

 ま、あんまり詮索したら悪いよな。

 

「そういえば穂乃果ちゃん何部だったの?」

「テニス部です。ラケットふっておりました。

 空先生はサッカー部でしたよね?」

「うん。修に聞いた?」

「…はい。まぁ、ニュアンス的にはそうなり

 ます」

 …そっか。

 なら、オレが勉強教えてても大丈夫かな…

 ?

 

 一応先輩だし。

 オレと同じ高校ならオレの勉強法でも受か

 るってことだもんな。

 

「穂乃果ちゃんってさ、一番好きな教科って

 何?」

「えと、帰りの会です。やっと帰れるので」

 えっ⁉︎

 それは、教科じゃなくね⁉︎

 まさかの返事だ。

 

「あー、そうきたか…。じゃあ、オレ給食の

 時間」

「あー、それもありです‼︎テンション上がり

 ますよね」

「だよなー」

 って…

 なんだこの話…。

 

 よし!気を取り直して勉強を始めようとし

 ましょうか。

 

「じゃ、今日は歴史やろっか」

「歴史ですね。誰の黒歴史です?」

 …いやいや。

 そんなの学んで何になる…

「黒は、余計かなー」

「あー、そうなんですか。残念です。」

「うん。普通の歴史ね」

「わかりました。黒歴史は、いつの日かのデ

 ザートとして残しておきます」

 

 …デザートって…

 

 では、問題開始

 

「じゃあ、猿人は何歩行ですか?」

「えーと…よつんばい歩行?あっ、直立不動

 ?でしたか?」 

「うーん。直立二足歩行ね」

「あー、思い出しました。猿人さん、昨夜猫

 背でわたしの夢で歩いていらっしゃいまし

 た」

 …どんな夢みてたんだ。

「じゃあ、原人ね」

「原人さん、ほら穴にすんでいらっしゃいま

 したよね。昨晩夢でほら穴におじゃまさせ

 ていただきました。打製石器お借りしま

 したよ」

 …打製石器問題に出そうとしたけど先に言

 われてしまった。

「あー、打製石器ね!そうそう」

 

 じゃあ…

「次は、新人ね、何石器を使用?」

「えーと、新人さん…新入りだから作りかけ

 の石器を使用?」

「いやいや、違うよ」

「じゃあ、不良品を使用?」

「あのー、新人って新入りとかじゃないよ。

あと、磨製石器ね」

「えっ、そうなんですか?わたしは、てっき

 り入ったばかりのお方だと思いました」

「うん。じゃあ、今覚えられてよかったね」

「はい!」

 

 そんな感じで歴史を学ぶのでありました。

 

 続く。

 

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