第3話 青天の霹靂

「ただいま」

「お帰り……なっ!」

 僕にとって大事件が起きた!


「さあ、上がって」

「お邪魔します」


 姉ちゃんが男を連れて来た!

 スーツでカッチリ決めた男が成瀬家にやって来た!


 マジかっ!?



 目の前で姿勢正しく挨拶するのはイケメンだ。

 うちのリビングのソファに、僕とお父さん以外の男が今初めて座ろうとしている。


 僕はそいつにどういう態度を取るか悩んだ。

 弟として歓迎するか?

 悪態をつくか?


 僕は恋のライバル登場に頭がしっちゃかめっちゃか。


「こんばんはタケルくん」

「こんばんは」


 僕は対処法を考えた結果、思いっきりわざとらしい笑顔で接してやる。


「付き合い始めたばかりなの。真一くんをタケルとお父さんに会わせておきたくて」


 はあー!!

 いらないよ。

 そんな気づかい。


 僕は恋のライバル登場に衝撃をくらってしまった。


 さっきまでの幸せな気分が全部、オセロみたいにひっくり返っていく。

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