第53話 小汚い男は労働者ではなく、冒険者になりたい(3)
「はぁ、そうですか」
ア・リシャーは小汚い小男話の大袈裟過ぎる程の自画自賛の、自慢話を聞き、大変な呆れ顔と声音で返事を返せば。
「でッ、貴方は、自身が向いていない冒険者になりたいようですが。一体何の職業になりたいのですか?」
ア・リシャーは小汚い小男へと気配りする訳でもなく、大変に気だるげ、面倒くさそうな顔をしつつ尋ねるのだよ。
先程この小汚い小男の侵入に対して、上位冒険者のアレンとア・リシャー自身が気がつかずに会話を続けていた事を彼女はすっかり忘れて、自分自身の目の前に座る臭い貧相な男を侮り、「フッ」と嘲笑うものだから。
彼女、ア・リシャーのはるか後方で、「ガリッ、ガリガリ」と歯を食いしばり鳴らす音と。ザワザワと小さな騒めきが立つのだが。ア・リシャー自身は、自身の目の前に座る男の事が歯痒くて仕方が無い。
だから彼女は、自身の周りの事に気がつかなくなっている。まあ、そんな最中に今度は、男はこんな言葉をア・リシャーへと告げる。
◇◇◇
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