第10話 ちっちゃな反抗から

祖父母宅から電車を乗り継ぎ約1時間半

休む事は許されず私は中学に通った

ミッション系の女子中学校

高等科 短大と進んでいける

中学生のまみ子は相変わらずだ

クラスに1人必ず居るリーダー的存在にまたもや目をつけられる

女子の虐めほど陰湿なものは無い

靴は隠され 鞄や筆箱なんかは校庭に埋められ泥だらけで見つけるなんて事は当たり前 体操服がビリビリになっていたのは流石に見学にしてもらった

水泳の授業にもなれば下から足を引っ張られる

虐められる側にもきっと問題があるのだろうとはよく言われたが…大人【先生】は見て見ぬふり

そりゃそうだろう

問題は起こさないが無愛想なまみ子か

成績優秀 家族構成問題ないいじめっ子

どちらを特別視するかなんて

後者に決まっている

イジメは突然始まりターゲットが変わる時が来る。

その時がきた

1年以上無視をされ、

鞄や靴も隠され

体操服も破られ

後ろの席の子から

髪を切られたこともあった

それが終わったのだ。

朝いつもの様に上履きを確認し

押しピンが入っていない。

不思議に思いながらクラスに入る

みんなが『おはよう』と笑う

何事も無かったかのように。

まみ子『…』

リーダーの女が歩いてくる

目の前に来て『おはよう♡まみ子』

気持ちが悪い

『いきなり何?』まみ子は答える

『今までごめんね!ちょと意地悪だったよね?これからは仲良くしよ!』とまた話しかけてくる

『何企んでるのか知らないけど』

まみ子は、鞄を机の横に掛けながら返事をした。

彼女はそっと耳元で『今日からあの子と喋ったりしたらダメだよ?』と

指を指す。

指の先を見たら、今迄彼女に従って居た

A子だった。

ずっと下を向いている。

『聞いてる?わかった?』

彼女は綺麗なロングヘアーをポニーテールにしている。

ピアノも上手くてクラス委員長

成績もよく父親は大手の会社で働いているらしい

母親はPTAに忙しいらしい

そんな素敵な家庭の彼女は悪魔だった

無言の私に『聞こえる?ねぇ』

正直まみ子は、誰が虐められようが自分で身を守れば良いとおもっていたが

その時のクラスの空気が気持ち悪かった

ムカムカした

気がつけばあたしは

机の中に入っていたハサミを右手に持ち綺麗な彼女のポニーテールを切っていた

クラス中叫び声と共に泣き出す彼女

切った髪の毛をゴミ箱に捨てに行き

まみ子は職員室まで歩いていった。

職員室に行きハサミで髪を切った事

伝えた

担任と生活指導の先生が急いで教室に向かう、もちろんまみ子も連行され

ホームルームが始まった

誰一人本当の事を言う人は居ない

皆泣いてる彼女を慰めている

虐めがある事は担任も黙認していた

学校とはそういうものだろう

もちろんその後は保護者が呼ばれる

まみ子の祖父母が来た

祖父は元小学校の教師だった

祖母は元保育園の先生をしていた

その祖父母の娘がまみ子のあの母親だ。

校長室で待っていると綺麗なロングヘアーがバラバラになった彼女とその母親

ずっと騒いでた。

祖父母が到着し、

先ずまみ子の傍に来た

祖父は虐めに気がついていた

ただまみ子が言うのを待っていた様だった。

祖父は担任 生活指導 校長の前で

『先生方はクラスでイジメがあったのはご存知でしたか?まみ子がイジメを受けていたのは知っていたでしょう』等言っていたように記憶する。

祖母は髪が短くなった彼女の母に

『髪を切った事は本当に申し訳ないですがそれ以上の事を貴方の娘さんはしていたのよ。気がついていましたか?』と聞いていた。

祖父は先生に聞くもあやふやな態度を取る担任に対して『無論、こちらが今回の件は加害者です反省もさせます罰も受けさせます。ですがここまで来るまでに対処が出来ていない学校等義務教育と言えど明日からまみ子は登校させません刺されなくて良かったですね』と言っていた。


クラスに戻り荷物を片付けてる時に皆が興味津々に聞いてくる

A子は気にした様子で少しこっちを見ていた。

片付けも終わったのでまみ子は

皆に『髪の毛はまた伸びる、体の傷はいつかは治るイジメとかくだらない事やるな、刺されなくて良かったね』と

祖父と同じ台詞を言った。スッキリした

まみ子は祖父母と一緒に車に乗った

祖父は昔から寡黙な人だ

趣味は読書 、多弁な方ではない。

車の後ろに乗り祖父が運転をしながら

『まみ子は小さい時から我慢をして生きてるよなぁ。難しいか?考えを言葉に出すのは?』

まみ子は『言っても何も変わらない』

そう言うと助手席の祖母が運転している祖父に

『おじいさん、折角ここまで来たし何か食べて帰りますか?まみ子何が食べたい?』と言っていたがあたしの鞄には朝5時から作ってくれた祖母のお弁当が入っている

祖父母と帰り道うどん屋に寄った

味は覚えてないけど

その日は祖父母が大きく見えた

次の日からは学校には行かなかった

14歳中学2年のあたしの記憶

祖父母は、趣味で畑をしていた

働かなくても充分な貯蓄もあった

朝は祖父と散歩に行き

祖父もあたしも少し距離をとり歩く

帰って来たら祖母が用意した朝ごはんを食べる。それから畑に行き野菜を収穫

昼前に祖母に教えて貰いながら昼食の準備をするのが日課となった。

一つだけ祖父母との約束で

祖母と交換日記をつけること

ただなんでも良いから書きなさいと。

それは守った

内容はどうであれ続けた

その生活を2ヶ月くらいした後

まみ子は学校に行くと決めた

祖父母宅にいる間祖父母は学校の事も

何も言わなかった。

とても大きな愛だと思う

『明日学校行くわ』まみ子が言うと

『お弁当いるねぇ買い物行こうか』と

祖母と近くのスーパーに行った

家に帰ると庭で祖父が釣り道具を磨いていた。

玄関に入ると通学用のローファーがピカピカになっていた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る