告白

私は深く深呼吸をする。

呼吸を気持ちを整える。

そして、先生の瞳をまっすぐみつめる。


「先生、好きです!」


これが最初で最後だから。

どうか、私の気持ちを受け止めて。


「気持ちは嬉しいが、答えられない」


私はやっぱり、ダメだったかーと思った。


「なんて言うと思いますか?」


私には理解が追いつかなかった。


「なんで先に言うの? 俺から言いたかったのに。この日をどれだけ待ちわびたことか」


私はいまだに混乱している。

どういうこと?

先生の好きな人ってもしかして。


「好きです。俺と付き合ってくれませんか?」


あの好きで好きで仕方なかった先生と両想い?

思わず、涙が出る。


「大丈夫? どっか痛いの?」


先生は優しい。

寂しがり屋のうさぎさんで、ちょっといじわるで、可愛くて、かっこよくて、ほんとずるい。


「大丈夫ですよ。全然、そんな素振りなくてびっくりしました。私のどこが好きになったんですか?」


先生は少し恥ずかしそうにしながら、話し始めた。


「スマホ拾ったじゃん? そん時に一目惚れした。まさか、教え子とは思わなかったから、諦めようとしたけど、そんなのお構いなしにぐいぐいくるんだもん」


あー。

私も先生もあの時にすでに結ばれていたんだ。

なんだか、少し遠回りしすぎたのかな?

だけど、そんなことはどうでもいいや。

今、この瞬間が幸せだから。

もっと幸せになりましょう。

2人で......。


「先生、私と結婚してくれませんか?」

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私と結婚してくれませんか? 蓬莱蒼璃 @SouriHourai

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