山口さんちの努くん~~♪ は劇場部に入っておられます(#^^#)
演劇部ではありませんよ、劇場部です。
ひょんなことからあの世とこの世のはざまで迷える魂相手に芝居を披露することになった劇場部の面々は、なんと公演を一回しかしない、同じ芝居はしないという条件のもと公演をしていきます。
何本もストーリーが用意されているのですが正直、劇中劇をこれほど用意するのは大変だったんじゃないかなと思います。お疲れ様でした(作者さまへ💛)
そして、物語の中心にいるのは華やかな劇場部の面々に囲まれたモブなオレです。努君はモブなんですけれども(あっ、認めちゃったね)、彼がいるからみんながそこにいられるというか。彼のじんわりとした優しさがだんだん伝わってきて、ああ、人間を書かれているのだなあと感銘しています。そこには優しさだったり、悔しさだったり、憧れだったり。人間らしい感情を置き去りにしないその慈しみにじんわりと包まれていました。
ヒロインともピュアな愛を育まれます。努くんも一歩一歩考えながらですね、恋愛や進路について。人間ってそうやって生きていくのですよね、だからモブだなんて笑わないでね。ちゃんと歩いてるんです。
さてさて、芝居の行方は……
続きは劇場でご覧ください!
その辺の女子よりもかわいいツラをしてる薫。王子様がリアルにいたら、こんな感じという舜。プレーリードッグみたいにかわいい響。そして、モブキャラ努。
小学生からの幼なじみであるこの高校生四人の所属する部活は、劇場部。
彼らは、ひょんなことからある人達に向けた劇をやっていくことになるのですが、そのある人達というのは、なんと、なかなかあの世に行こうとしない死者達。
この世への未練がある方々に劇を見せて、清々しい気持ちで旅立ってもらう。それが、彼らに課せられた使命です。
事情が事情ですので、もちろんただ劇をやるわけではありません。無くなった人達が最後に何を思っているのかは、彼らにとっても大きな影響を与えることでしょう。
そして見所はもう一つ。劇場部にこんな依頼をした糸子さんという女性がいるのですが、なんと努が彼女に惚れ込んだ。
とはいえ努は部員の中でも唯一のモブキャラ。
果たしてこの恋は叶うのか。
劇に、人の生死に、恋愛。彼らの不思議でかけがえのない青春が始まります。
自他共に認める地味で目立たない男子高校生、モブキャラの努くんとその仲間達の青春ストーリー。
高校で演劇を行う部活、劇場部(演劇部でなく劇場部)に入っている努くん達は、ある日知り合った糸子さんと言うおばあさんに頼まれ事をします。
それは亡くなった人の魂が心穏やかに三途の川を渡れるよう、劇を見せてほしいと言うもの。
つまり、幽霊相手に演劇をするわけです。
幽霊に劇を見せるなんて、怖いと思いますか?
けど読んでいてそんな印象は受けませんでした。
それは笑顔で三途の川を渡ってもらいたい、最後に良い思い出を作ってあげたいという、劇場部の面々の人のよさのおかげでしょう。
本作は人の死が一つのテーマになっていますけど、決して後ろ向きな気持ちにはなりません。
仲間と共に何かをする事の素晴らしさ。爽やかな青春の香りがありました。
ちょっと不思議な劇場部の青春物語を、覗いてみてください。