第36話 父 2

私は由緒あるものを、人間の腐臭が漂う、入った事も無い家の中で


電気もない蔵や、膨大に積み上げられたものの中から探していた。


独りでだ。私はいつも独りだ。


あの臭い。初めて嗅いだら吐く人もいるのも理解できる。


私は外に逃げる事は無かったが、かと言って庭のほうにある扉は


開けれなかった。塀で遮ってはいたが、そこにも昔ながらの金持ちが


住んでいたからだ。


私は反対側の窓とドアを開けてしのいだ。


もう台所は使っていなかったようで、コンクリートむき出しの上に

人型の血の痕がしみ込んでいた。


外観からは分からなかったが、大きな台風が来れば崩れそうなほど


もう中はボロボロ状態だった。特に蔵は、そっと歩かなければ底は抜ける

程まで傷んでいた。


そして、私は業者に消毒とベッドの撤去などを頼んだ。

そしてそれを一応代表となったその一族の代表に連絡し、見積もりなど確認して

もらい、OKが出たので業者に頼んだ。


当日、没落したその代表になれなかった盗人ぬすっと同然の一族が

呼んでも無いのに来た。そしてベッドの下に空いていた穴に対して、泥棒扱いで

業者と私を責め立てた。


息子がきていたが、40代半ばにして、母に全て任せていますと言った。


私はその瞬間、時代錯誤の没落した家の愚かさと馬鹿さ加減に呆れた。

業者はもし裁判になったら、呼んでください。証言しますと言ってくれた。


それほどまでに、生きながらにして腐り果てていた。

没落している事を何も活かしていない。根性も生きる意味も分からず


唯々ただただ、昔の名残だけを気にしていた。私には実に哀れに見えた。


そして息子だ。私は葬式の時には絡んでないが、私のこれまたイカれた母は


話したと言っていた。そして初対面でありながらも、


「僕、キレやすいんです」と言ったらしい。


私はそれを知らず、話しかけた。思わず苦笑してしまったが、そのイカれた母のほうに対して、私は道理を説こうとした。既に責任者にもOKを貰っていてその今してる

事も仕事の中に入っているので無駄です。と言った。


無駄ですと言ったのは、当然、クソ馬鹿野郎たちだったからだ。

頼まれた業者も困るし、と私は話した。


キレやすい遺伝子があるのかは知らないが、母親はいきなりキレた。

やったらいけないの?! と言うからまた同じ事を私は言った。


母親が侮辱されているのかどうかは知らないが、キレた息子が出て来た。


正直疲れていた私は、金玉を潰して完全に滅ぼしてやろうかとも思ったが、

冷静沈着(笑)な私は冷静に対処したが、あっちが喧嘩を売って来た。


私は一応、その辺の草むらに捨てる気でいた為、代表になったほうの叔父に


連絡を取った。叔父は私を止めて、電話に出すように言ってきた。


息子だけでもと私は言ったが、叔父に必死に止められた。


ため息交じりに私は電話を変わった。


そして話をしていた。


暫くして電話を変わった。私はその時、知り合いに頼んでとりあえず

事故らして二度と会いたくないと思わせようかと思っていた。


車をぶつけて、どんな馬鹿でも分かる程、

人生を終わらせるほど侮辱してやろうかと思った。


それほど相手が狂っていただけで、私は基本的に温厚だ。、

だから友人も驚いてはいた。そして、私は中止の連絡を入れた。

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