(四)-2

 何それ? 私、そんなこと言ったの? 私は顔が熱くなるのを感じた。

 その直後、彼のビールと、私のカクテルが運ばれてきた。私たちは乾杯もせずにそれぞれそれに口をつけた。

「ねえ、なんであんた、私にあんなに突っかかってきたのよ」

「そ、そんなの……」

 彼は口ごもった。何か言いにくいことでもあるのか。まあ、そりゃあ大人になったわけだし、面と向かってブスとかバカとか言ったりはできないわよね。それにしても、その続きはなんていうつもりなのかしら。

「そ、そんなこと、言えるわけないじゃん」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る