(四)

 五限目の講義が終わり、大学の正門の所に来ると、有田、いや永尾が私のことを待っていた。

 そして私と彼は、この前サークルの飲み会でもやってきた、無国籍ダイニングの居酒屋へ来た。

 席に着き、最初の一杯を注文すると、早速私は本題について聞いてみることにした。

「あれはお前が酔いつぶれたから、お前の家まで送って行ったんじゃないか。部屋の中まで入れてベッドにお前を連れて行ったんだ。そうしたらお前、抱きついてきて『一緒に寝よう』なんて言ってきたんだぞ。覚えてないのか」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る