第3話 宿題

 一年生の夏休みでは宿題をかなり残していて、最後の一週間にかためてやろうとして絵日記とかの天気や気温などが分からなくて必死に片付けたので、二年生には早めにやろうと思ったものです。


 こういうやり方は子供っぽくないかもしれませんが、クラスの女の子は真面目の子が多くて、彼女たちから宿題の進め方を教えてもらったりしました。教室で勉強する時にも後でノートを見せてもらって、字が綺麗なのとわかりやすく纏めてありとても為になりました。

 (実際のところ子供の頃は女の子の方が精神年齢が高いので頭がいいからねぇ。分からないことがあればクラスメイトの女の子に聞いた方が早い。)



 絵日記は別としても漢字や算数のドリルなどは早めにやってしまう方が効率がいいから。根っから面倒くさがり屋なので、まずは効率よくやるのはどうすればいいかを考えるようになりました。うまくすれば夏休みもガッチリ遊べると思ったのです。


 難しそうなのだけ残して、簡単なものはどんどん先にすすめました。

なので「アサガオの観察」とかは毎日のルーチンでラジオ体操の前にやり、朝ご飯の後は宿題に取り掛かり、昼御飯の後には友達と小学校のプールに泳ぎに行きました。


 当時は毎日プールが解放されていて、交代で先生が指導してくれて、アルバイトの高校生も監視員にきてました。


 水泳帽に細い黒線が1本、2本、3本で、その後は太い線でマックスでした。

小学3年生の頃は黒線2本だったと思います。



 宿題は半分くらいやって置き、後は絵日記を付けたらプールに。

プールから戻って来て昼寝。



 昼寝の後には本を読んでました。


 誕生日に貰える本(父親と一緒に本屋へ行き、私が選んだものを買ってくれるので、結構高い本でも買ってくれました。)はそれこそ表紙は手垢でボロボロになるほど読み返してましたが、小学校の図書室で本を借りる事を覚えてからはいろんな本に手を付けました。


 最初は絵本や図鑑が多かったと思います。


 「エルマーの冒険」「不思議の国のアリス」「長靴を履いた猫」「ガリバー」などは絵がとても気に入って絵から入り込むことも有りました。

 曲を実際に聞く前にレコードジャケットのデザインから入り込むのに近い感じ。


 本の良さは内容は勿論ですが、本に載ってる漢字にはフリガナがあるため自然と新しい漢字を覚えられるし、前後の内容から漢字の意味を類推できるので、いざ授業で新しい漢字を覚えたときには大体あってました。


 なので宿題にも困ったことはあまり無かったと思います。


 この年に副読本で「輪中」を読みました。

岐阜県の特に西濃地方には輪中が多く、昔から洪水や堤防が切れたりで、当時の幕府から薩摩藩へ手伝い普請をさせられました。その時の過酷な作業や役人からの虐めなどがあり普請家老の平田靱負ひらたゆきえも含めて自死(実際は抗議のための切腹であり、幕府に知られるとお潰しとなるかもしれないので自死としたそうです)された85名を薩摩義士として「祭神」として顕彰するために「治水神社」が建立されました。


 これは私が小学3年生の頃としては相当なショッキングな事件でして、薩摩から遠くまでやって来て治水をしてくれたということで、学校の授業にも再三行われて、毎年、夏になると学校の放送部で放送されました。


 

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