最終章 進み続ける未来

第27話 疑問

時はアイリがアマギの家に着く1時間前に遡る


王城~勇者パーティの部屋~


王城では人手不足で色んな事が遅れている、本来であればすぐに勇者パーティは国王の前に呼ばれて式典を開くのだが、国王自体も外交などで忙しくリムル達はその間王城の部屋で寝泊まりをしていた。


アミ「リムル様....その....今夜どうですか?久しぶりに」


ミア「あ!ずるーい、私も私も!」


勿論男女別れているはずもなく、昼間から彼女達は男を誘う服装でリムルに迫る、何故そこまでするか、簡単だ、これで子供でも孕めば勇者と結婚は間違いなく玉の輿を狙えるからだ。


リムル「あー、ごめんこの後用事があるんだ」


今まではルクスとアカギの為に我慢していたが、その役目も終わり、魂胆も見え見えのためリムルは嫌悪感を抱いていた


リムル(なんだよこいつら毎夜毎夜一緒に寝てくるし、サキュバスか!気持ち悪い)


リムルにとって女性はアカギとアマギだけであり、他の女には興味がない、そもそも魅了の眼のせいで嫌な目にあっているので、こういう奴らとは関わりたくないのだ。


リムル(魅了はとっくに解けている、つまり今は玉の輿を狙って媚びってるな、気持ち悪い)


こんな事をすれば逆効果だが、彼女達は知る由もない


そんな中、部屋の中に魔法陣が現れる


アミ「何!?」


ミア「まさか!魔族!?」


リムル(2人が気付かないって事は、彼女か)


アミとミアは腐っても聖女と賢者、魔法陣が現れる前に魔力で気付きそうなはずだが、どうやらリムルとの事で頭がいっぱいらしい


アマギ「到着!」


ルクス「......ここは?」


アカギ「部屋......の.....中?」


3人はリムルの魔力を辿ってここまで魔法陣で転移してきた、その為ここにアミとミアがいる事がわからなかった。


そのため


アミ「!......貴方あの時の!」


ミア「無能男!」


そう言って、驚く、それもそうだアイリによって左腕を斬られていたはずなのに、今のルクスにはあるのだから


ルクス「......なんだ、お前らか」


ルクスは塵を見るような目でアミ達を見る


アカギ「....誰?......この......女.....」ギュ


ルクス「ちょっ、アカギ、痛い」


アカギがルクスの手を強く握る、ルクスの事を知っている女性が夜で誘う服装でいるのだ

婚約者としてはちょっと心配になるだろう。

(勿論そんな事は100%ないとわかっているが)


ルクス「アカギ、心配するな、こいつらは勇者パーティの2人だ」


そう言って頭を撫でる


その言葉を聞いてアカギは


アカギ「ふーん」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


とてつもない殺気を出しながら睨みつけた


アミ「ひっ!」ビクッ


ミア「ひっ...」ブルッ


アマギ.リムル((うわー、マジでキレてる))


それはそうだ、ルクスの過去は既に知っている、つまり言えば今そこにいる屑共は自分の婚約者を愛する人を馬鹿にし、傷つけたのだ、それはそうなるだろう。


だが、今はそんなところではない、ルクスはアカギを抱き寄せて話す


ルクス「アカギ、俺の為に怒ってくれてありがとう、それだけでも嬉しいよ、だから落ち着いて、今はそれどころではないだろ?」


そう言って落ち着かせる、そう彼等には時間がないのだ、彼女がアイリがこちらに向かってきている。


リムル「......それどころではない、ここに来た時点で何かあるとわかっていましたが.....詳しく教えてくれませんか?」


アミ「リムル様.....その口調」


ミア「え?何?どう言うこと?」


いきなり敬語で話し始めるリムルに困惑するアミとミア、その2人を無視して話し始める。


ルクス「実はな、ついさっき俺とアカギはアイリに会ったんだ」


その言葉にリムルを含め、アミとミアも驚く、

何故なら彼女は魔王城で四天王と戦った後、行方不明になっていたのだ、そのアイリがルクス達の目の前に現れたのだ、驚くのも必然だろう。


アミ「そんな!私達があんなに探しても見つからなかったのに!どうして!」


ミア「嘘に決まってる!こんな無能野郎の話なんか聞かなくていいよ!リムル」


2人はそう否定する、確かに普通に考えればありえない話なのだ


ここから魔王城まで村々を救いながらとは言え約3年もかかっている、魔王軍が作った魔法陣がなければ彼等はここに来る事は出来なかった。


そんな所に1人残された者がこの短期間に来れるはずがない、つまり見間違いか、彼が嘘をついている、そう思っているのだ。


リムル「2人共、少し黙ってくれ」


アミ「え?」


しかしリムルは冷たく言う


リムル「ルクスさん、それは見間違いじゃないんですね?」


ルクス「ああ、アカギも見ている、間違いない」


アカギ「それ.....に.....彼女......ルク......スの.....名.....前...言って.....た」


リムル(成る程、アイリ本人だな、似ている人間がこの王都にいたとしても、ルクスの名前を知っているわけがない)


ミア「ねぇ、ちょっと、なんで私達を無視するの?」


状況を全く飲めていない2人が困惑しながら、リムルに問いかける


アマギ「うるさいわねぇ」ス....


アマギが2人に手をかざすと


アミ「........っ!!!」


ミア「!!、....!?」


2人が口を大きく開けて何かを言っているが、何を言っているのかわからない


アマギ「"サイレント"よ、今の彼女達なら私でもこう言う事は出来るわ」


と言った


ルクス「さすが師匠、凄いですね。」


リムル「義姉さんありがとうございます。」


アカギ「これ.....で.....ちゃん.....と....話せ....る」


ルクスとアカギ、そしてリムルは安堵の息を溢した後、話し始める。


ルクス「アイリは今、この王都にいて、そして俺を狙ってる」


リムル「理由とかはわかっているんですか?」


ルクス「いや、それはわからない」


そう言った後、「いや.....」と言い考え始める


アカギ「ルク.....ス」


ルクス「.......ああ」


アカギが服を引っ張って何かを伝えようとするが、ルクスも考えがまとまったのか、2人で話し始める。


リムル「何か思い出しましたか?」


ルクス「ああ、あの時あいつは俺達.....いや俺に」


アカギ「浮.....気.....して......るっ.....て...言っ.....てた」


アマギ「浮気?ルクスが?」


2人の言葉にアマギが反応する


ルクス「するわけないですからね?」


リムル「当然です」


ルクスの否定に、低く答えるリムル、当たり前だ、もしそんな事をすれば、リムルの苦労は全て無駄になってしまう


アカギ「ル.....クス.....は......そん......な......事絶対.......にしな.......い」ギュ....


ルクスの腕を強く抱きしめ、先程の言葉を否定する


アマギ「冗談で言ったつもりだったけど、ごめんね、そんなつもりはなかったのよ。」


そう言って謝る


ルクス「まぁいいですよ、元々そんなに気にしていませんし、とりあえず、アイリは俺とまだ婚約関係が続いていると思っている可能性がある、と言う事がわかった」


リムル「......僕の能力で記憶が混濁(こんだく)している?」


アカギ「わか......らな.....い、け......ど.....今の......彼女......は....異常.....だと思.....う」


彼女がルクスを求める理由、彼等にはそれがわからなかった


——————————————————————


続く

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