成瀬くんとデート⁈

 成瀬くんをドキドキさせよう作戦なんかな

 いかなー…。

 

 ドキドキといえば…

 遊園地‼︎

 

「成瀬くん、成瀬くん」

「なんだよ、来てそうそううるさいやつだな

 ー。」

「ジャジャーン‼︎遊園地のチケット」

「それが?」

「行こっ」

「はぁ?」

「いつも助けてくれてるお礼です」

「お礼じゃなくね?むしろおまえの子守りな

 んて負担だ」

「ひっどー。とにかくたまには、はしゃごう

 よ。ね?」

「遊園地かー」

「昔は、あんなにはしゃいでいたのに。たけ

 ひこちゃんったらすっかり大人ぶって…」

「たけひこって誰だよ…」

「あぁ、つい妄想の世界へ。」

 フッ

「しょうがねーな、子守りしてやるよ」

「えっ、いいの⁉︎ありがとう‼︎なら今週の土

 曜ね!晴れるから‼︎」

「晴れるんだ…ってか急だな。ま、暇だしい

 いか。」

「わーい」

「わーいって…お礼とか言いつつ楽しそうで

 すね」

「あー…そりゃ遊園地ですもの。」

「ふーん」

 

 

 

 成瀬くんが遊園地に一緒に行ってくれる。

 わーいわーい‼︎

 断られたら、チケットどうしようって思っ

 たけどよかったー。

 

 そして当日

 うわぁ〜。

 これってよく考えたらデートみたい。

 もうこれはデートでしょーよ‼︎

 私との時間。

 成瀬くんが私のためにこの場所にくるんだ

 よ〜。

 ワクワク。るんるん。

 

「ねぇ、君一人?」

「えっ」

「暇ならどっか行こうよ」

「い、いえ、待ち合わせしてて」

「まだ来てないし少しいいじゃん」

「あのっ、」

 ぐいっ

 うわ…すごい力…

 連れてかれる⁉︎

 せっかく成瀬くんとデートなのにー‼︎

 

「あれっ、カレン何してんの?早速浮気かよ

 ?」

「あっ、成瀬くん!」

 成瀬くんのところに急いでつかまった。

「チェッ、男と約束かよ」

 強引な男の人は、行ってしまった。

 

 はぁ〜。

 よかったー。

 ってか、今カレンって呼んでくれた⁉︎

 

 

「遅れてわりぃ」

「ううん、ちょうどぴったりじゃん。また助

 けられちゃったね」

「まーな」

「ありがとう」

「うん。じゃ行くか」

「はいっ」

 

 ヒョイ

 ん?成瀬くんが手を差し出した。

 なんだろ?

「えっ、たけし…お小遣いの催促かい?もう

 ばあちゃんは、お金ないんじゃよ」

「プッ、誰だよ、たけしって。手」

 手…?

「ワン」

 よくわからないからお手してみた。

「おまえ…もういいよ」

 ガシッ

 えっ…

 手繋いでくれるの⁇

 なんで?

「手…あのっ」

「嫌なら離すけど。」

「嫌じゃない」

「そ、なら繋いどけ。子守り中迷子になられ

 たら困るから」

「うん。ありがと」

 

 早速遊園地につくなりドキドキ作戦開始!

 ってか、手なんか繋ぐから私の方がドキド

 キだよ。

 

 

 

 遊園地ときたら、

 やっぱりジェットコースターでしょ。

「キャーッ!」

 やっぱり私がドキドキしたわ…。

 久々の遊園地。

 恐るべし。

 

「成瀬くんどう?」

「ん?どうって?」

「ドキドキした?」

「ドキドキってか、スカッとした」

「…あー、、ならよかった」

 そうね。

 うん。そうよね…。

 ははっ。

 

 ならばお次はこわい系‼︎

 暗いところは、意外と平気だけどここは女

 の子らしく

「え〜、こわいよ〜」

 ここぞとばかりに成瀬くんの腕をつかんだ

 り腕を組んでみたりした。

 どうだどうだ、ドキドキしたかな⁇

 

「あー怖かったねー」

「うん。おまえの握力が強すぎて怖かったわ

 ー。」


 ⁉︎   ⁉︎   ⁉︎


「えっ。ごめん…」

 

 あー‼︎また失敗ー‼︎

 

 とにかくたくさん乗りまくったけど…

 結局ドキドキしてもらえなかったなー。

 

 あぁ、大っきい観覧車…。

 あのくらい大きな器の人間になりたい。

 

「観覧車乗りたいの?」

「へっ⁈」

「なんかずっと観覧車見てるから」

「あー、乗りたい。どっぷり浸かりたい」

「はい?」

「あっ、ううん。乗ろっ」

 

 シーン

 観覧車ってやっぱり緊張する。

 こんな狭い空間で向かい合わせで座るんだ

 よ…。

 やばい。

 ドキドキさせようとしたのにこっちがドキ

 ドキじゃん。

 

「今日ありがとな。意外と楽しかったよ」

「えっ、そ、そっか。ならよかった」

「たまになら、子守りしてやってもいいぞ」

「ほんと⁉︎たまに遊んでくれるの?」

「うん。十年に一回とかな」

「はぁー?それじゃ意味ないじゃん」

「冗談だよ。ハハッ」

「んも〜っ」

「あ、牛に変身する感じ?」

「しません‼︎」

 ハハハ

 

 …成瀬くんが笑顔ならそれで今回はよしと

 しよう。

 手も繋げたし。

 

 続く。

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