【R-15】たこパwith彼氏④俺が甘やかす

 腕枕をしていた金田の手は外された。

 杏梨の頭の下に、枕が敷かれる。


「きつくないか?」金田が聞いてくれる。

「大丈夫です」


 その声を確認して金田は杏梨の服をめくった。


 金田の手が胸に触れる。杏梨はその度にぴくんと身体を震わせるのだった。


 それが終わると、金田は杏梨の頬にキスをした。首筋にもちゅっちゅっとキスをする。

 段々とキスは下の方に降りていった。


 じれったいくらいに優しいキスだった。


 ようやく、金田の口が杏梨の胸についたとき、杏梨は思わず声を出してしまった。


 金田とのセックスで杏梨は声を出さないようにしていた。金田自体がセックス中にあまり話さないし、いつも同じ工程で進むそれはとても淡白で事務的に思えたからだ。

 声を出したら、金田にはふさわしくないふしだらな女と思われる気がして、声はいつも圧し殺して淡々とした女を演じた。


 あっ、こんな声出したら嫌われる。我慢しなきゃ


 杏梨は身体を震わせながら声を我慢した。


 本当は大好きな金田に触ってもらえて嬉しかった。こんなにちゃんと触ってもらったのは初めてだ。


 不意に金田の唇が離れた。

 金田の目が杏梨と合う。金田は杏梨の目をじっと見ていった。


「声……聞きたい。無理には出さなくていいけど聞きたい」


 金田の手が杏梨の頭を優しく撫でた。


 我慢しないでと言っているようだった。


 金田の顔が杏梨の胸に再度近づく。


 部屋に小さな杏梨の声が響き始めた。



 どのくらい時間が過ぎただろうか。杏梨の息は上がっていた。

「杏梨、俺服脱いでもいいかな?」

 不意に金田に聞かれる。金田の声は苦しそうだ。


「はい、もちろんです」

 杏梨の声に、金田はベットから出て、杏梨に背を向けて服を脱いだ。


 ロンTに、チノパン、ボクサーパンツを脱ぐのが見える。金田の背中は逞しく、身体は細く引き締まっているがおしりはぷりんと可愛い。


 裸になった金田がベットの中に入ってくる。


 いつもとは違う金田の様子に杏梨はどきどきした。


 金田に正面から抱き締められる。


「まだ……だめだ」

「えっ?」


 杏梨の声は無視して金田は杏梨の身体を回して、後ろから抱き締めた。

 金田が杏梨の首筋にキスをする。


「これ外すね。今まで痛かったかな?ごめんな」

 髪の毛をまとめていたゴムが丁寧に外され、髪の毛がぱさりと落ちる。


「……いい匂い」

 金田に髪の毛の匂いを嗅がれる。


 金田の両手が杏梨の身体を触り始めた。

 耳にキスされる。


 ダイレクトに金田の唇の音が杏梨に響いた。息づかいも聞こえてくる。


 自分自身は何もされていないのに、金田の息は上がっていた。


 杏梨が金田の方に手を伸ばすと金田の手に阻まれた。


「金田さん?」

「しなくていい。今日は杏梨のしたいことをするっていっただろ?」


「私がしたいんです」

「いや……俺の勝手だけど今日は俺が杏梨を甘やかす」


 何もしなくていい。

 と耳元で囁かれ、杏梨の両腕は隔離されるように上にあげるように誘導された。


 じっくりじっくり時間をかけて、金田は杏梨の身体を上から下に移動していった。


 ショーツに手がかかり、ゆっくりと下におろした。杏梨も腰を上げて手伝った。


「いつもと違う感じで可愛い下着だな」


 今日の杏梨の下着は白基調に青色の花柄をあしらったものだった。


 見てて……くれた。杏梨の胸がきゅーんと熱くなる。


 金田の手が下におりていった。






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