第45話 手紙

 クリフ神官長の葬儀式から一週間がたった。

「教会は落ち着いたかな? あれから特に連絡はないけど」

 アルフレッドはトレヴァーに尋ねた。

「町できいた噂ですが……アビントン様が神官長になるそうです」

「へえ、よくカイルとレイス嬢が許したね」

 アルフレッドは目を丸くして、つぶやくように言った。


「そうですね。詳しい話はわかりませんので、なんとも申し上げられませんが」

 トレヴァーはフローラと朝食の用意をし、アルフレッドにそう告げた。

「まあ、これで教会と町の人たちが和解してくれると良いんだけどね」

 アルフレッドはいれたての紅茶をのみながら、並べられた朝食に手を付けた。


 アルフレッドが食事を終えると、トレヴァーが手紙を渡した。

「早朝にアルフレッド様に手紙がとどきました。ご確認ください」

「ありがとう」

 アルフレッドは封筒を開けると、手紙を読んで、わずかに頷いた。


「明日の昼間に、アビントンさんが正式に神官長に任命されるそうだ。その任命式に領主として立ち会ってほしいと書かれている。トレヴァー、明日、教会に行く準備をしてくれ」

「承りました」

 朝食の片づけをしていたフローラは、小声でトレヴァーに尋ねた。

「あの、私はどうすれば? 留守番をしていた方が良いでしょうか?」


 アルフレッドが言った。

「フローラも来てくれ。手紙には皆さまおいでくださいと書いてある」

「分かりました」

 朝食を終えたアルフレッドは、久しぶりに魔道具の作成のため、小屋に入っていった。



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