下級令嬢に王太子を略奪され、王太子との婚約を破棄された挙句、その両者の結婚式に招待を受け、国家行事であるから筆頭貴族の令嬢としてその祝事に欠席が許されない状況で、出席を回避すべく祝行事期間国内に留めない為に、後宮の皇后候補として入宮する女人を誰一人受け入れず帰すと噂の異国の後宮に、招待を受けながら未だ自国から送り込んでいない事にヒロインの父親が、娘の不憫を思い、その国の後宮へヒロインを向かわせた。受け入れる皇帝は、ヒロインの身上に感じるものがあり、謁見前に市井を散策するヒロインに偶然を装い接近し、瞳を逸らさず見つめてくる姿と、その後彼女に起きた災難にも怯まない態度に絆され、加えて謁見時それまで皇帝の放つオーラに当てられ皇后候補が脱落していたが、ヒロインはそのオーラを浴びても耐え抜いた気丈さに、皇帝が、即ヒロインを皇后として娶ることを宣言。ヒロインも豪胆で俺様気質でありながら、実は恋愛感情が希薄で一途にヒロインを思う心根に打たれ相思相愛で結ばれるとても素敵な婚姻譚です。
次期玉座に上る殿方との婚約を下級貴族の令嬢に略奪されるも、他の王族と婚約する物語は幾つかありますが、祖国より大国の国母になる今作品には、スケールの大きさと、ヒロインを裏切った祖国の王族への、ざまぁシーンが面白く、読み終えてスカッとした気分にさせられて大満足です。
結婚式な結婚後の御子の誕生と義弟達とのほのぼの生活の後日譚を読みたいです。