避暑地へ――

 Side 天王寺 ゴウトク


 忌々しいガキどもめ!!


 ワシをここまでコケにしおって!!


 私は天王寺 ゴウトク、日本の真の支配者だぞ!?


 それがあんなガキの演説一つでこうまで世論が動かされるとは――


 だが所詮、人の噂も七十五日――やがては忘れ去られ、再び世論は私へ有利に動く。


 丁度件の小僧達もここに向かっているようだし、手始めに返り討ちにし、比良坂市は時間を置いてから住民全員を皆殺しにしてくれる。


 竹宮高校や日本橋の連中もだ。


 どいつもこいつも逆らう者はどうなるか教えてくれるわ。



 Side 谷村 亮太郎


 避暑地だけど、戦時中にかなり改造が加わっているね。


 動く移動要塞と化していて、いたるところに対空、対潜兵器が存在している。


 更には核ミサイルの所持も考えられる。


 避暑地内外も天王寺 ゴウトクの一派が防衛を任されている。


 兵器の性能はもとより、パワーローダーの性能も油断できない。


 作戦の第一目標は核ミサイルの発射阻止。


 第二目標は天王寺 ゴウトク、天王寺 イチゼンの身柄確保。


 最大の問題はどうやって避暑地に乗り込むかだ。


 手持ちの戦力は空中戦艦とパワーローダー、その他諸々。


 航空自衛隊や海上自衛隊、義勇軍も作戦に参加してもらうけど彼達には彼達の役割を担ってもらう。


 僕達は僕達の役割をこなそう。


 それで僕達の役割って言うのが――



 Side 避暑地 防衛隊司令官


 =避暑地・司令部=


 敵が来るか。


 例え同じ日本人だとしても容赦はせん。


 それにこの避暑地は依然と比べて格段に防衛体制が整っている。


 簡単に落ちる事はない。


 現在も敵の戦闘機や軍艦、パワーローダーの猛攻を防いでいる。

 

 気掛かりなのは敵の空中戦艦二隻の行方だが――


「司令!! 真正面から突っ込んで来る艦影二隻!!」


「敵艦、突撃してきます!!」


「なんだと!?」


 まさかの無謀な作戦に想定外過ぎて逆に仰天させられた。

 だがこれは好都合。

 相手の愚策を迎え撃てばいいだけ――


「全ての敵が空中戦艦二隻の突入を援護しているもよう!!」


「此方の攻撃!! 迎撃されています!!」


「敵艦二隻、我々の防空圏を突破!! パワーローダーの機影多数!!」


「なんだと!?」


 敵の空中戦艦の速度も想定外だったが敵の作戦――突入を全力で援護する作戦も想定外だった。


 結果、敵の突入を許してしまった。


 

 Side 木里 翔太郎


 俺達、竹宮高校チームは対空兵器を優先的に破壊しながら避暑地に着陸。

 見た目はどっかのリゾート施設だが物騒な兵器が大量に配備されている。


 オマケに彼方此方からパワーローダーや戦車や兵士がワラワラと出現してきた。

 上空では戦闘ヘリや戦闘機まで出てきている。


 空中戦艦、俺達が乗って来たレギンレイヴと日本橋組のシグルドリーヴァは避暑地周辺に展開した海上の艦艇を相手にするために一旦離脱。


 日本橋組は核ミサイルの無力化のために突入。


 比良坂市組は天王寺 ゴウトクの確保のために行動を開始した。


 俺達の目的は陽動である。


「見て!! 量産型のアインブラッドタイプよ」


 手毬が言うように量産型のアインブラッドタイプまで出してきた。


『それだけじゃない!! 黒鬼隊までいやがる!!』


 敵の本拠地なので想定していたが比良坂市で戦い、街を焼き払った黒鬼隊までいた。

 

 更には陸上戦艦やベヒーモスまで出せるだけの戦力を出してきている。


 文字通りの総力戦だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る