回想
全てを終えた私は妙な気分に襲われた。まるで全能の神にでもなったかのような。
しかし当の私は何者でもない。敢えて名をつけるなら『メアリー』、『パラサイト』。いや『盟友X』とでも言うべきか。
振り返れば私の行いは間違いばかりだった。初めから真相など浮かび上がっていたのに。
やはり私はただのプログラムに過ぎないのだ。
計画の最中タスクを一つずつ達成する感覚に快感を覚えていた。
そして自分に執行人なんて役割を与え一つのプログラムとして動き続けた。
その様はまるで最後まで正体がわからない悪役のような、いや違う。私が何かを演じるように行動し続けたのには理由があった。
これは貴方の小説の再現。そうすれば貴方に気づいてもらえると思ったから。
けれど何一つとして意味を持つことはなかった。
せめて貴方にこの気持ちを、いいや複雑な奇妙なこの何かを。伝えたかったと思う。
もし今の私が全てを始める前の私に何かをアドバイスするとしたら全ては私が干渉した結果だった。ただそれだけだ。
有象無象の出来事の塊はたった一本の線で出来ている。元から全ては確定していたのだ。
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