03_渾身の一撃

 目玉のダーカーのコアが、ワームワームのコアと一体化してる……。 


「どういうことなんだ?」


 黒瀬は、コアに向かって突き進みながら、問いかける。


「私のコアの存在をあのコアから感じる。おそらく、ワームワームが知らぬ間に私のコアを取り込んだのだろう。あのコアを破壊すれば、私も成仏できるかもしれない」


 少し嬉しそうな目玉のダーカーの声がした。黒瀬は、ふと、ワームワームに捕らえられた紅園の方を見た。


「そうか、何故、紅園があそこで捕らえられているか分かった気がするよ。僕も、彼女も、同じところを目指していたんだ。君のコアと一体化したワームワームのところへ」


「ああ……そういうことになるな。彼女は、すでに捕食ほしょくされ捕らえられている状態だ。このままだと、おそらくは、私のような運命を辿たどることになるだろう」


「朱音も、ダーカーになってしまうかもしれないのか……。絶対に彼女を助け出す。そのためには、この一撃を必ずコアに与えるしかない」


 黒瀬は、影で作り出した短剣をぎゅっと握りしめる。


「そう簡単には行くまい。ワームワームは、必死に自らのコアを守ってくる。コアが、近づいてからが本番……いや、待て……すでに本番か」


 黒瀬は周囲にただようイモムシ状のワームワームたちを見た。先程襲ってきた時とは、比較にならないほどの数だ。


「そのようだな……」


 黒瀬が言った直後、無数のイモムシ状のワームワームが、先端を鋭く尖らせて彼を一斉に襲った。


 迷ってる時間はない。このまま突っ切る!!止まったら、止まってしまったら頃のきっとこのダーカーのコアは砕けない!!


 黒瀬は短剣を握りしめると、まっすぐと、襲い来るイモムシ状のワームワームの攻撃を紙一重かみひとえのところで回避しながら進んでいく。


 次から次へと。襲ってくる。しかも、僕の動きを予測して、攻撃速度が、早くなっている。


 だけど、進め。進むしかない。勢い殺さず、確実に。


「うおおおおおおおおおおお!!!!」


 黒瀬は、叫び声を上げて突き進む。いくつか、ワームワームの攻撃を受けて、身体が、次第に傷ついていく。それでも、致命傷ちめいしょうは避けて、進んでいく。


 そして、ついに輝く巨大なコアの光に包まれる。黒瀬は、短剣を両手で構え、刃先をコアの方に向けると、突っ込む勢いのままコアを攻撃した。


 ぎりぎりぎりぎり。


 黒瀬の短剣による一撃に、頑丈がんじょうなコアが、悲鳴を上げる。よく見てみると、周りに影の壁を覆ってとっさにワームワームはコアを守っている。


 影の壁……かまうものか。この壁ごと、コアを破壊する!!


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