三島

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 次は三島神社へ。ここら辺まで来ると東海道線も本数が多いから安心だ。


10:05 沼津

 |JR東海道本線

10:09 三島

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 ”あいつ”の作った旅程とは順番が逆になったが、沼津に行く前に三島へ。


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09:08 小田原

 |JR東海道本線

09:31 熱海

09:37 熱海

 |JR東海道本線

09:50 三島

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 熱海駅で乗り換えが発生するが、同じ東海道線でも熱海まではJR東日本、熱海からはJR東海と会社が変わるのが原因だろうか。発着のホームも別で、多くの乗り換え客が忙しく階段を登っている。熱海までの東海道線は車両も15両編成だったが、熱海から先は5両編成と短い。


 熱海駅を出発して二駅で三島駅だ。途中には丹那たんなトンネルという戦前に作られた長いトンネルがある。三島駅はホームが6番線までしかないコンパクトな駅だが、伊豆箱根鉄道や新幹線も停車する静岡東部のターミナル駅だ。駅舎は富士山と三島大社を模した三角の形に据え広がる曲線を描く屋根形状がユニークだ。


 三島大社は三島駅から歩いて15分ほど。大通りではなく駅近の白滝公園から桜川沿いに歩くと三島大社の本殿横の入り口へと続く。この道は涼しげで気持ちが良い。本殿へ続く道を入ったところにある手水舎はコロナのせいで使えなくなっていた。参拝の礼儀としては手水で手を清めるべきだが、今の時期は代わりにアルコール消毒だ。お賽銭を入れて手を合わせ、大鳥居へと歩く。本来とは逆のルートだが神様も許してくれよう。


 本殿と大鳥居の間には門が二つある。本殿に近いのが神門だ。神門をくぐると参道沿いの桜が満開で迎えてくれる。ここは桜の種類が豊富で、二月下旬に咲きはじめる有名な枝垂れ桜から、大島桜、染井吉野と四月の上旬まで桜を楽しめる。そして、もう一つの大鳥居に近い総門をくぐると神池だ。桜の花びらが池の上に浮かび花筏を作っている。桜の木のそばに提灯が建っているので、夜には綺麗にライトアップされるに違いない。


 私の立てた予定では三島駅の滞在時間は一時間ほどなので、三島大社からちょっと離れた新町橋しんまちばしまで早めに歩く。ここは三島市が指定した富士山眺望スポットの一つだ。新町橋を渡って川原に降りると、大場川沿いに遊歩道がある。そこを少し進んで開けた場所に行くと、見事に富士山が姿を現した。雲一つない快晴の空に富士山がはっきりと見える。山肌に沿って筋状に雪跡があり、山全体が雪に覆われて真っ白になっていた山梨県側の姿とはまた違った美しさだ。


 静岡県民は静岡側から見た富士を表富士、山梨側から見た富士を裏富士と呼ぶが、山梨県民は山梨側から側から見た富士を表富士、静岡側から見た富士を裏富士と呼ぶらしい。はたして、東京人はそれぞれをどう呼ぶべきなのだろうか。


 大場川沿いに歩いて三島駅に戻ると、ちょうど予定どおりの一時間。私は、次の目的地へと移動した。



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