アイムア
海鼠さてらいと。
アイムア
「あぁ、来たんだ」
「別に来なくても良かったのに」
「..............」
「キミを呼んだ理由?それはね」
「ボクが何者か知りたいから」
「ボクはヒト。ヒトだったモノ」
「キミはどうか知らないけどさ」
「キミはボクの仲間なの?」
「キミにはボクが見えてるんだよね」
「じゃあ、仲間だと思うんだけど」
「違う?そうかなぁ」
「..............」
「まぁ、別にそんなことはどうでもいいの」
「これから、ボクはまた飛ぶよ」
「この命が尽きるまで、ね」
「慌てなくていいよ、また戻ってくるから」
「嫌でも、戻ってくるから」
「なんなら一緒に飛ぶ?」
「キミは.......あぁ、キミは違うんだね」
「キミと一緒なら退屈しなかっただろうに」
「じゃ、そこで見ててくれる?」
「.......っと、ただいま」
「これで.......ええと、何回目だっけかな」
「2000回は繰り返したかなぁー?」
「あぁ、驚いた?」
「見ての通りだよ、ボクは死なない」
「自分で死んだからさ、死ねないんだ」
「もう自分の名前も思い出せなくってさ」
「え?」
「どうしてって、キミがその辺に居たから」
「キミはいつ頃?自分の名前覚えてる?」
「3日前かぁー、可愛いなぁ」
「うんうん、いい名前だね」
「家族にちゃんと挨拶は済ませた?」
「そっか.......」
「うーん、やっぱりいいや」
「キミは早く上がった方がいいよ」
「名前を忘れると面倒な事になるからね」
「上が良い所なのかはボクにも分かんないよ」
「まぁ、下よりかは快適じゃないかな」
「ボクはこれが終わったら下に向かう予定」
「うーん.......あと30年ぐらいかな」
「もぉ、そんな顔しないの」
「ボクはもう飛ぶの慣れたからさ」
「.......優しいんだね、ありがと」
「さ、いって。上の人によろしくね」
「.......今日は風が強いなぁ」
「さ、また飛びますか」
「名前.......か」
「ボクの.......ナマエは..............」
アイムア 海鼠さてらいと。 @namako3824
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