第34話

学校が休みの日。俺はクーラーの効いた部屋で涼んでいた。


もう1歩も外に出たくない。夏休みが始まる前からこれだから困る。


するとケータイが鳴った。多分アン子かすみれだな。しかしらぁいんからではなく、


普通の通話からだった。見た事もない番号だ。


「はい」


「ブザーバックスの鈴木です。」


「あっはいどうも」


「面接の結果、採用が決まりましたのでお知らせにあがりました」


「本当ですか!」


「では早速明後日の夕方16時からお越しください。では」


ブザーバックスに面接に行ってから大分経っていたから、もう落ちたとばかり思っていた。やった!これで好きなもんが買える。


と、玄関のチャイムが鳴ったので行ってみると、アン子がバッグを持ってやってきた。


「アイスたべるのん」


そう言ってアイスクリームを俺に1つくれた。嬉しいプレゼントだ。


「しかしアン子は本当にアイスクリーム好きだな」


「このなめらかな舌触りが最高なん」


確かにうまい。アイスを舐めながら俺が言った。


「今さっき電話があって、ブザーバックスのバイト決まったんだ!」


「本当なの?すごいのん!」


「バイトに慣れたら、アン子もきてくれよな」


「もちろん行くのん!」


「バイトでアン子に先を抜かれたからな。ここから持ち直すぜ!」


一応すみれにもらぁいんで報告しておくか。


「ウチのネカフェ、ソフトクリーム食べ放題なん。休みの時に一気に食べてるん」


「腹こわすなよ?それにしても受かるなんて思ってもみなかったぜ」


幸福感をマックスに出しているのを見て、アン子は自然と笑顔になっていった。


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