14話 そして分たれる力

 僕が戻ると、ベレッタに抱きつかれる。


「おいおい、どうした? なにがあった?」

「……馬鹿……」

「いきなり馬鹿はないだろ……」

「馬鹿に馬鹿って言ってなにが悪いのよ……」

「………すまない……」

「許さない……」


 そう言うと、ベレッタが僕の腕を掴み引っ張る。


「おいおい、そんなに引っ張るなよ……」


 無言で引っ張ると、ベッドへ着き押し倒される。


「おい、なにを……」

「既成事実作る」

「ちょっと待て、落ち着け」

「落ち着いてる」

「落ち着いてない、少し離れて」

「嫌……」


 嫌って……。


「はぁ、それで? 何でこんなことを?」

「私言ったよね? 相談してって……」

「はい……」

「それで? 君は何処へ行ってたの?」

「………散歩」


 そのジト目で見るのやめてもらえませんかね?


「いいじゃないか、全て解決したんだし」

「そういう問題じゃない、私言ったよね? 相談してって」

「………すまない……」

「許さない」

「許してくれとは言わん、だから君にお願いがある」

「お願い?」

「あぁ、だから少し離れてくれ逃げないから……」


 渋々離れるベレッタ。

 僕は先程出した7つの剣のうち透き通った白銀の剣を渡す。


「……綺麗……」

「君にこれを託す、これには魔剣の一部の能力が入ってる」

「え? 魔剣?」


 しまったつい喋ってしまった。

 

「どういうことか、説明してくれるかしら?」

「………はい」


 僕はベレッタに全て話した。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る