第6話 帰路

「いいの? 野放しにして……」


 ローナを家まで送り帰路に着いていると、ベレッタが聞いてきた。


「いいんだよ、特に害はないし……」

「これからあるかもよ?」

「あったとしても君ならどうとでもできるでしょ? No.4」


 かつて魔王軍にいた頃、序列があった。

 僕が3で彼女が4だった。

 

「私は頑張って4だったのに、貴方は何もせずに3だったものね」


 頬を膨らまし、妬ましそうに見てくる。


「たまたまだよ、それに今は奴が一位だ」


 今は恐らく序列はカウンが一位だろう……。


「魔王で一位じゃなかったら終わりじゃない?」

「違いない……」


 カウンはの序列は当時六位だったが魔剣を手にしたことで恐らく一位だろう。


「全く、本当に欲がないんだから……」

「僕は楽しく暮らしていければそれでいいんだ、だから今こうしているのがすごく楽しい」


 僕が笑顔でそう言うと、ベレッタは深くため息をつく。


「うん、私も楽しいわ!」


 笑顔で言う彼女にドキッとしてしまった。

 夕陽に照らされたからか、頬が赤く染まって色っぽく感じてしまった。


「……どうしたの?」


 ベレッタに顔を覗き込まれ、恥ずかしくてそらす。


「………変なの……」

「うるさいな」

「うるさいって何よ」

「そういう好戦的なの、良くないよ……あそことは違うんだから」

「………努力します……」


 まぁ、あそこにいたのだから仕方ないと言えば仕方ないが……。


「ねぇねぇ、今日の……」


 他愛もない話をしながら僕達は家に向かった。








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