第5話 報復

 食堂に戻ると二人が黙々と食事をしていた。


「何かあった?」

「別にね〜」

「うんうん」

 

 怪しいな……。


「それで、あの愚か者どもはどうしたの?」

「あぁ、が上手いこといって元気よく帰ってもらったよ」

「そう? なら良いのだけど……」

 

 食事を終えて外に出ると先程の男とその他2名が待ち構えていた。


 しつこいなぁ、僕あまり目立ちたくないんだが……。


「兄貴達を呼んできたぜ! お前はもうおしまいだ!」


 おしまいはお前らだがな……。

 

 しかし、意外なことに兄貴と呼ばれた男達はこちらを見て固まっていた。


 どこかで見たことあるような……。


「お前ら何処かで……」

「知り合い?」

「うーん……」


 全くと言って良いほど思い出せない……。


「なぁ、どこかで会ったこと……」

「無いです」

「いや、そんなことは……」

「無いです……」

「………」

「無いです」


 何も言ってないんだが……。


「何言ってんですか! やっちゃってくださいよ!」

「馬鹿、謝れ! 俺たちは謝罪に来たんだろうが!」

「へ?」


 何を言ってるのかわからないと言った顔をしている。

 

「すみませんね、うちの手下が……よ〜く言っておきますんで!」

「あ、うん……わざわざありがとう……」

「それでは……ほら行くぞ!」

「え、あ……はい……」


 そう言うと男達はそそくさと退散する。


「なんだったのよ、アイツら……」

「きっと旅芸人さんか何かなんだよ……さて、帰ろっか……夜も暗いし、家まで送るよ」

「え、はい……ありがとうございます」


 何が起こったのかわからないローナにそう言うと僕達は帰路に着くにだった。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る