第3話 デート?

「お待たせしました!」

「僕も今来たところだから大丈夫だよ」

「よかったです!」

「何処食べに行こっか?」

「あの、私の服どうですか?」


 そういうとローナはスカートと翻し、微笑みかけてくる。


「すごくよく似合ってるよ」

「本当ですか!?」

「あぁ、すごく可愛い」


 えへへ〜っと普段あまりしない顔で嬉しそうに笑う。

 

「取り敢えず決まってないようなら、歩いて決めよっか」

「はい! 楽しみです!」


 何気ない話をしながらぶらぶらと歩いてある店に入る。


「んー、僕はこれにするけどローナは?」

「私はこれで……」

「かしこまりました」

「………」


 店員が下がり僕は見慣れた服装の女性に視線を向ける。

 顔は隠しているが服装でバレバレだ。

 何してんだベレッタ……。

 

「どうしまし……あ〜!」


 僕の視線の方を見るとローナはベレッタを見つける。


「き、奇遇ねこんな所で……」


 どこが奇遇だ、ついてきてたくせに……。


「えぇ、ベレッタさんこそこんな所で食事ですか〜?」

「えぇ、それが何か?」


 うわぁ〜、怖!


 二人の目が電気が走った様にばちばち言っている。


 本当に仲悪いよな、この二人。


「お待たせしました」

「ほら、料理きたぞ……お前もこっちで食え」


 そうして3人でご飯を食べる。


「そう言えば、依頼書を読んだんだが盗賊の規模はどれくらいなんだ?」

「私もよくわかりませんが、相当数いると言われているので恐らく鮮血のブラッドスネイクかと……」


 鮮血の蛇は冒険者ギルドでは有名だ。

 奴らはどの国にも潜んでいる。

 一つ潰した所で次々と湧いてくるのだ。噂では王国内部までいると言われているほど巨大盗賊ギルドなのだ。


「多分そいつ等、鮮血の蛇の上層部の逆鱗に触れて粛正なんだろうな」

「かもね」

「そんな奴らを纏めてるんだから相当やばい奴なんだろうな〜」


 あはは……っと笑っていると横からフォークが飛んでくるが僕に当てる気はない様なのでスルーする。

 ローナはびっくりしていたがベレッタは平然として投げた方に奴を見ている。

 

 見るなよ、絡まれるだろ……。


「おい、兄ちゃん……今、鮮血の蛇を馬鹿にしたな?」

「いえいえ、そんなそんな……」


 その瞬間胸倉を掴まれ、投げ飛ばされる。


 短気だなぁ〜。


「お前!」


 ベレッタが殺す体制に入る。

 不味いな、ここで戦うのは避けたい。


「ベレッタやめろ」

「でも!」

「ちょっとお話してくる……良いですよね?」

「は、良いぜ……」


 男は体格差で確実に勝てると思っているのか、あっさりとついてくる。

 僕は外に出ると店の裏路地に行く。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る