第18話 子供の日が普通じゃない!その5

 中二病のアブソリュートちゃんと母親のデフォルトさんとの会話を終え次の人に挨拶に向かう。

 次の人は最初から醸し出しているオーラが違う。

 なんだか、顔色は悪いし、顔には大きい縫い目の痕が残されている。灰色の肌に淡い色の瞳。どう考えても、普通じゃない...。


「私の顔がどうかしましたか?」

「い、いえ...お顔の様子が悪そうなので心配してしまいました...」

「私は既に死んでるので、お構いなく」


 そうか、もう死んでるなら顔色が悪いのは当然か。ははは。


 ってそうはならんやろ...。

 それに...この子の娘さんは...。

 子供達の集団の中で明らかにこの人と同じタイプの子がいる。

 血色の悪いというか...灰色の肌をした少女だ。可愛らしいぬいぐるみを抱きしめているが...あの子も...死んでるのかな...


「あの子は...」

「あの子はしっかり生きていますよ、ただ...何故か私と同じが良いと毎朝肌をあの色で塗っているのです」

「そ、そうなんですねぇ...」


 俺達が話をしているとぬいぐるみを抱きしめたゴスロリ少女はこちらにやってきた。


「ママ...人形動かして...」

「もう、しょうがないわね...ミリィ...これくらい出来るようになりなさいよ」

「うん...でも、ママのが...いい...」


 渋々と言うには嬉しそうにその人形に魔法を掛ける。

 魔法を掛けられた人形は魂を宿し動き出す。

 その人形と手を繋ぎ子供達の元へと戻っていく。


 楽しそうに遊ぶ子供の姿を見て嬉しそうにする、母親の...


「そういえばお名前を言ってませんでしたね、私はメトラ、以前は史上最恐最古の魔王と恐れられていましたが...今はただのメトラ・ソネフティマです」

「メトラさん。よろしくお願いします。佐藤健太です、で、こっちが息子の快です。あっ丁度今娘さんと遊んでるのが娘の由衣と真衣です」


 死んでる以外はかなり普通の人...なのかな...。

 ん?ま、魔王???!!!


 そして俺は逃げるようにその場を去った。

 覇王に...魔王に熾天使?唯一まともだったのは騎士のエミールさん位だ...。

 後は....誰が居るんだ...そういえば...キーラさんはっと...。


 辺りを見渡せばキーラさんは最初に高笑いをした赤髪の女性と話をしているようだった。

 俺が見ている事に気付いたのか、赤髪の女性は人差し指で俺を招く、あれは挑発だろうか...。


「あれ...やっぱり俺を呼んでるよな...」

「ちょっと気を付けた方がいいかもよ、あの人...」


 改めて赤髪の女性を見てみるといつの間にか招く指は中指に変わっており、招くと言うより完全に俺を挑発している。

 どう考えても...初対面で中指立てるとか普通じゃないよなぁ...

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