第22話 レベル上げ

「先輩、起きてください、朝ですよ」


「うーい」


「先輩、今日は何しますか?」


「いや、特には決めてないが」


「じゃあですね、レベル上げしに行きましょうよ」


「あん?レベル上げ?」


「いや、あのですね、最近先輩は農民としての才能を開花させてるじゃないっすか」


「いやそんな才能は開花させてないし要らないんだが……まぁなんか変なスキル増えてはいるな」


「それはですね、たぶん先輩が農民としての力を沢山発揮したからだと思うんすよ」


「手から水出したり小屋を召喚したりしただけだが……?」


「つまりですね、力を使えば使うほど成長するんじゃないかという仮説をここに提唱しようと思うんです」


「ほーん」


「という訳でですね、アタシも勇者としての力を奮って成長していきたいなという訳っすよ」


「いいんじゃね?でも何すんだ?その辺の家に入ってタンス漁ったりすんのか?」


「それは勇者じゃなくて強盗じゃないっすか!!」


「でも勇者ってみんな勇者行為するしさ……」


「それ勇者行為って言うんすか?初めて知ったんすけど」


「勇者ならタンス漁りくらい出来ないとな……」


「ちょっとアタシの知ってる勇者と違うんすけど……」


「んで?結局なにするんだ?森いくか?それともダンジョンとやら行ってみるか?」


「うーん、ダンジョン……いい響きっすね。でもまぁ今日のところは森にしときましょう。昨日に引き続き、お肉持ってバーベキューっす」


「気に入ってんのな」


「このへんの食事はまだまだっす。先輩、塩は手に入ったので次はコショウっすよ!」


「贅沢言うなよ。昔は金や銀と同じ値段で取引されてた時代もあったんだぜ香辛料ってのは」


「じゃあ先輩が栽培できるようになったら一儲けできますね!」


「まぁそうだけどよ、育てる作物の種も苗もなきゃどうしようもねーよこればっかりは」


「そうっすね……とりあえずは塩関係の調査ですね」


「そういうこった。んじゃ肉買ってなんかお前が装備できそうな剣でも買って森にでも行くか」


「はいっす!バーベキューっす!」


「レベル上げすんだろ~?すぐ目的忘れんだからよ……」


「まぁどっちも大事っすから、早く行きましょう先輩!

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