第15話 依頼

「こんちわーす」


「おいうるせーよ朝倉、騒がなくてもタンポポは逃げたりしねーよ」


「いやアタシ達ってタンポポ探しに来てないですってば」


「掲示板に依頼が貼ってあるらしいからそれ見に行こうぜ」


「了解っす」


「掲示板、掲示板……っと、これだな」


「色々ありますねー、あっ先輩これどうですか『エンシェントドラゴンの討伐:難易度S』」


「どうですか、じゃねーんだよどこをどう見たらそれが簡単な依頼に見えんだよ」


「いやー、アタシいればいける気するんすよねー」


「はいはい、そうだね。おいこれにしようぜ、薬草採取依頼。数量も不問でどれだけ採ってきても良いらしい」


「おっ、簡単そうですね」


「まぁその分報酬は安いが……幸いまだ懐には余裕があるしよ、最初は簡単な依頼からこなしていこうぜ」


「了解っす」


「それに……この薬草ってよ……」


「なんすか?」


「いや、まぁ後で話すわ。試したいことあんだよ」


「ふーん、まぁいいですけど」


「じゃあカウンターに行って依頼を受けようぜ」


「はいっす。受付さーん」


「はい、依頼の受注でしょうか?」


「はいっす、この薬草採取っすね」


「承知しました」


「あのー、この薬草の実物ってありますか?」


「はい、ええと……少々お待ちください」


そういうと、受付のお姉さんはカウンターの奥から薬草を持ってきてくれた。


「こちらが依頼されている薬草の実物になります」


「これってここで一株買う事って出来ますか?探し慣れてないのでサンプルで欲しいんですが」


「可能ですよ」


「あ、じゃあ一株ください」


「お買い上げありがとうございます。なお薬草の採取などは基本的に常時受け付けているので、依頼手続きをせずそのままお持ちいただいても大丈夫ですよ」


「そうなんですか、親切にありがとうございます」


「ではお気をつけて」


「はい、ありがとうございます」


「はいっす、おねーさんありがとうございました」


そうして、俺たちは冒険者ギルドを後にした。


「よーし、じゃあ出かける準備するか」


「はいっす」


「せっかく良いもん手に入れたしよ」


「良いモノって……それただの薬草じゃないっすか」


「まぁ見とけって」


「はぁ、まぁ先輩が楽しそうなら別にいいんすけど」


「じゃあ適当に買い物終わったら出発な」


「了解っす」


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