第16話 ホワイティ



 俺がホワイティ、白川さんを背負って家に帰ると……花梨ちゃんとイリスティラが何故か怒っていて、鎖をかけて家に入れてくれなかった。


 ピンポーン!


「あの……ただいま?」


「どちらさまですか?バイトに行くって言ってたから迎えに行ったら、いなかった人は知りません」


「我もバイトじゃったが、レモンは来なかったぞ?」


 イリスも今日バイトだったのか?


 だめだ……この状態で白川さんを持ち帰ったら、二人に殺される。


 はぁ……結局こうなるのか?


 俺は家に帰るのをあきらめて、近くの簡易宿泊所にホワイティ、白川さんを連れて入った。

 簡易宿泊所って言ったけど、ラブホテルの事だ。まさか、ホワイティを連れてくるなんて考えもしなかったよ。


 ホワイティをそのままにしておいたら、着ているものがシワになるよな?


「ううん……れいもんろ♡」


 ホワイティは寝てしまっていた。仕方が無い……。


 俺は、ホワイティを見ないようにしながら、着ているものを脱がせてやった。


「ふぅ……疲れるな」


「うぅ!おぇ……」


「ちょっと待て!ここで吐くな!」


 俺は、ホワイティをトイレに連れて行って、背中をさすってやった。


 さっき脱がせたので、ホワイティは下着姿になっていた。


「うぅ!!おぇええ、えろえろえろ……」


「大丈夫か?ほら、水飲んで?」


「うん……ありがとう……レイモンド」


 言葉は、さっきよりはっきりして来たな……。


「少しは酔いが醒めて来たか?」


「うん……まだ駄目かも」


 白川さんは、茶髪のツインテールで顔は可愛い方だった。


 ホワイティの時は、銀髪ツインテールの美少女回復役で、俺はひそかに好意を寄せていた。

 髪の色が違っていたので初めは気が付かなかったが、顔は確かにホワイティの面影があった。


「あ……服脱がせてくれたの?」


「シワになるからな?」


 ホワイティは、下着姿なのに恥ずかしがる素振りを見せなかった。


「久しぶりね?あなたの最後のセリフ覚えているわよ?」


「ゲームクリアだ!じゃぁな!楽しかったぜ!だったか?」


「そうそう!そして私達も、こっちの世界に戻る事を選択したのよ?あの二人は記憶を失っちゃったけど……」


「そうだったのか……知らなかった」


「ねぇ……レイモンド?私は、ずっと貴方が好きだったわ……今度こそ抱いてくれるわよね?」


「それは……」


「その気があったから、ホテルに連れ込んだんでしょ?」


「無かった……と言えば嘘になる。俺もホワイティが好きだったからな」


 俺は正直な気持ちをホワイティに話した。


「だったら抱いてくれるのね?嬉しい♡」


「とにかく風呂入ってこい!臭くて堪らん」


「酷い!あ、歩けない……お風呂連れてって?」


「お前なぁ……」


 俺はホワイティを脱衣所に連れていった。


「ああ……ブラが外せない……ねぇ」


「分かった。これでいいか?」


 俺はホワイティのブラを外してやった。


「レイモンド……ありがとう♡」


 ホワイティはそう言うと、真っ裸のまま俺に抱きついて来た。ホワイティの大きな胸が潰れて、俺に柔らかな刺激を与えてくる。


「レイモンド♡」


 ホワイティの顔が近づいて来たと思ったら、そのまま……俺はキスされてしまった。


「んむ♡ちゅ♡……んちゅ♡」


 ちょっと待て……さっき豪快に吐いていたよな?それにお酒臭い……。


「風呂くらい一人で入れるだろ?俺は外に出て……」


「だめ……立てないから一緒に入って?」


 俺は、ホワイティに手を掴まれて風呂場に連れ込まれてしまった。


「俺!服!着てるんだぞ?」


「脱がないと、このままシャワーかけるよ?」


 そんなことしたら服が濡れるだろう?そうしたら帰れなくなる。


「分かった。分かった脱ぐ!脱ぐからそのシャワーを止めてくれ」


「全部脱ぐまで止めません」


 結局、俺は風呂場で服を脱がされる事になった。


 何をやっているんだ俺は……。


「レイモンド?背中を洗って欲しいな?」


「それくらいなら、お安い御用だ」


 俺はホワイティの背中を流したやったが、要求はだんだんとエスカレートしていった。


 だめだ、これ以上は……。


「ねぇ…………○○を〇〇して?」


 …………プツン。



◇◇


 チュン!チュン!


 気が付いたら朝になっていた。


 昨日お風呂に入ってから、体を洗っていた所までは覚えていたんだけど。


 その先が思い出せない。


 そして、俺の横には……裸の白川さんが寝ていた。


「え?」


「んん……?レイモンド♡おはよう♡……ちゅ♡」


 裸の白川さんは俺に抱き着いてきてキスして来た。


「ああ……あの、昨日の事覚えてないんだけど?俺何かした?」


「はぁ♡……良かったよ?……」


 ……何が?


「もう一度する?」


 俺はもう一度する?の後に続いた行為で、俺のしたことを悟った。


 俺!?やっちまったのか!?記憶には無いが……そういう事なのだろう。


 やってしまったものは、元には戻らない。俺はもう戻れないと思って、白川さんのするに任せた。


 朝の白川さんの行為と感触は、俺の記憶に刻まれた。


 なんで昨日の夜の事が思い出せないのかは分からない。


 ただ、一線を越えてしまったのは確かだった。


「また、連絡するね?レイモンド♡」


「おお……」


「あと……今度、遊びに行ってもいい?」


「それは、ほら、俺んち狭いから?やめた方がいい」


 白川さんの顔は、昨日再会した時と違って幸せな笑顔のオーラに包まれていた。


 ただ、俺が結婚している事、魔王と一緒に住んでいる事は言えなかった。


「そっか、ここでいいよ?またね?レモン♡」


「またな?ホワイティ?」


好美このみ!その、ホワイティって恥ずかしいから止めて?」


「分かった。好美このみ


 そして、俺を家で待っていたのは……地獄だった。









読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

レビュー☆☆☆にコメント、応援♡を頂けたらとても嬉しいです。


こちらは暇な時にゆっくり投稿予定です。 まったり進みます。

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