第5話 いつまでも

 やっと、結核の結果が出た。


 結核でなし。


 よかった…。

 ならば、一刻も早く、退院しなくっちゃ。

 早く帰って、ゲームしたい。

 火曜日に入院して、月曜日に退院するのだから、いいとしなきゃ。

 いや、それでも入院はいや!!もうしたくない。

 それは誰でもそうで、よく、たまには入院してゆっくりしたいなんて言う男がいるけど、そんなことはない。逆に運動不足で体がなまってしまう。

 退院準備が出来たと知ると、看護師が忘れ物がないか確認をと言って来た。そして、ゴミ入れにスリッパが差し込まれているのを見て「持って帰らないの」と言う。

 私は入院時のスリッパは捨てて帰ることにしている。スリッパの裏にが染みついていそうで、家に病院を持ち込みたくない。


 そして、やっとの思いで、病院を後にすれば、道には桜の花びらが散っていた。少し先の街路樹の桜が風に飛ばされて来たのだ。ひょっとしたら、家の前の公園の桜は散っているかもしれないと思ったが、まだ、頑張って咲いてくれていた。

 退院したと言っても、体は本調子でもなく、咳は続いているし、やはり、だるい。ゲームどころか、パソコン内のに追われた。それでも、病院よりはいい。断然いい!!


 今も咳は続いているが、それでも、回復しつつある。


 早く、元気になって、次回作を書かなくっちゃ。ちょっと推理タッチの高校生と大人の事情話。


 もう、病んでなどいられない。

 病気よ、さようなら。


 元気よ、私は、いつまでも。















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