第10話プツン記念日


遠距離になってから私達は毎日電話をした。


落ち着いたように思えたある日、

珍しく朝の8時前から3回も電話がかかって

きていた。

娘を学校に送り出してから電話をかけ直すと、

彼は打ちのめされた様な声で言った。


「実は結婚した元カノから何回か相談の電話を受けていたんです。

その旦那さんが鬱病で働かなくなり一緒にいるのが辛いという内容で、俺が何回かアドバイスしていたんですが、昨夜自殺したと言われました。

元カノは自分の行動を責めていたのですが、

その一因が俺の浅はかな意見もあるのかもしれないと考えると何も手につかなくて」


WHAT???

内容はもちろんショックだが、

まず元カノと普通に電話していた事、

そしてその内容で強烈に凹んでいる事、

それを私に普通に受け止めさせた上に

慰めてもらえると考えている様だった。


「なんでこの状況で、

私がリクに優しくしなければいけないの?」


電話はプツンと切られた。


今度は7日間連絡が取れなかった。

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