拝啓、大空を舞うあなたへ

紅香

拝啓、大空を舞うあなたへ

 一人で空を自由に舞う気分はどうですか。


 自慢の羽を広げて、一人ぼっちで自由に空を舞うあなたの姿はとても美しい。


 あなたとは同じ一人ぼっちの僕も自由にどこか遠くへ行けるのなら、あなたと共に空を舞っていたい。


 でも僕には自由などない。ましてや羽もない。

 僕達のように自由に舞えない者にあるのは決められた道。決められた場所。そして決められた仲間だ。


 でも、僕には場所も仲間もない。あるのは道と一人という孤独。

 僕はなぜ一人ぼっちになったのだろう。


 僕はあなたに憧れて、自由を求め始めてから一人ぼっちになった。


 ただ周りの人と違うことをしただけなのに、周りの人は僕のことを笑い、僕から遠ざかって行った。

 そこから僕は一人ぼっちとなった。


 あなたは一人ぼっちでも美しく、天高く自由に舞っていても誰にも笑われないだろう。

 でも、でも僕はあなたとは同じ一人ぼっちなのにいつも誰かに笑われる。


 どうすればあなたのようになれるのだろう。


 僕もいつかあなたのように自由に人の目も気にせず、自由に舞うことができますか。

 もし、僕も羽を手に入れたのなら一緒にいてくれますか。



ここで日記が終わっている。

この日記は彼の部屋で置いてあった。

もしかしたら今ごろ彼は空を誰かと一緒に、二人きりで舞っているのだろう。

たまに空を見上げて彼を思い出してほしい。孤独と戦っていた彼をのことを…


そして、孤独でいたって誰かに笑われたって気にせずに自分の信じた道を歩んでほしい。歩み続けたら、きっと孤独から救ってくれる人が現れる。

また、笑ってくる人たちは個性のない可哀想な人だと思ってほしい。

 

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拝啓、大空を舞うあなたへ 紅香 @kousui_kou_ka

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