#140字小説 二百物語 第八集

遠くから聞こえる花火の声。

夏の風物詩。

ドン、ドン、ドン…

腹まで響く重低音。

ドン、ドン…

夜空を明るく染め上げる。

ド~ン…

ひときわ大きな4尺玉。

天から地上まで視界全てを覆い尽くす。

会場は人で溢れ。

たくさんの屋台が待ち受ける。


今年はコロナの影響でやってなかったよ… #140字小説

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1299907762445365249




家の裏手の雑木林

その一角の大きな桑の木

目の高さで曲がり洞になっている

樹液が溜まる虫たちの楽園


カブトムシやクワガタが集うスポットへ

友を誘い虫捕りに向う

洞を懐中電灯で照らすと黒いお尻が目に入った

「ほら、いた」

得意げに捕った昆虫を友人に見せると…


「それゴキブリ…」 #140字小説

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1300269823948066818




遠くから聞こえる監視員の声。

夏の風物詩。


「走らないで~」「危ないよ~」


言う事を聞かない子供たち。

猛暑に水辺で涼をとる母親たち。

際どい水着で色を漁する陽キャたち。

泳ぐ。焼く。涼む。遊ぶ。飲む。食べる。

みんな楽しそうだ。


今年はコロナの影響でも大混雑だったってよ… #140字小説

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1300634828480475136




今年の子供は可哀想だという

コロナで夏休みが短くなったと

どこにも遊びに行けなかったと


その分春休みは長かったよね?

元々夏休みに旅行できない家庭だってあるよね?


人生楽しい事ばかりじゃないよ

何事も当たり前と思っちゃいけないよ

若いうちに経験できた事はきっとプラスになるよ #140字小説

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1300996879090479104




夏が好きだ。

何が好きって、気分が明るくなる。


海。山。川。

遊ぶ場所に事欠かない。

祭り。花火。盆踊り。

イベントも多い。

夏休み。お盆。日照時間。

自由な時間が増える。


夏の終わりが近付く。

やり残した事は無いか。

寂寥感と焦燥感。

胸がざわつく。


今年の夏も、もう終わる。 #140字小説

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1301362554682265605

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る