批判家

「それって効率悪くね?こうしたほうがええやん。バカなん?笑」


「細かいことはいいやん。誰にだって間違いはあるよ。」 



 周りより自分が優れていた頃は、論理的で効率的な人物を演じ、人を責め立てた。周りより自分が劣っていた頃は、感情的で優しい人物を演じ、同情を求めた。人間社会に順応するためにはこうするしかないと思っていた。いやこれも嘘だ。きっと僕は他人より上に立ちたかったのだ。それしか自己を肯定できなかった。


母が褒めてくれた論理的人間。父が認めてくれた思いやり人間。ごめんなさい。最終的にそんな人間にはなれなかった。


 自分勝手な人生を俯瞰している今日この頃、誰も責めず、誰も擁護せず。ただこんなはずじゃなかったと一人泣いている。




批判家

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