異世界は俺に都合がよすぎる!〜現代最強の勇者が引きこもりだったので、魔王が倒せない〜

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

作品名:異世界は俺に都合がよすぎる!

〜現代最強の勇者が引きこもりだったので、魔王が倒せない〜

あらすじ:引きこもっていた元勇者。その彼を異世界に召還した召喚術師の娘は彼が大嫌いだったが、とある事情から彼の力を欲し、彼に無理矢理にでも魔王を倒してほしいと懇願する。一方、彼は自分には才能なんてないと自信をなくして、毎日部屋に引きこもる毎日を送る。そして今日も部屋に戻ろうとした時に転移事故が起きる。そこで彼はある女の子と出会うことで彼女の為に戦う事を決意し、自分の力を信じて彼女と共に強くなっていくのだった──!

本文:

「ふぁあ~~~っ!」俺は大きく伸びをした。そして欠伸をしてベットの上で転げまわった。

「だらしないな、ユウマ」そう言ったのは父さんで今年四十五歳になるらしいけど、四十後半にしか見えない。若作りにも程がある。

「父さんだっていつもだらしないじゃないか」と、言い返しておく。実際俺が家の中でゴロ寝をしていて、母さんや父さんが外で働いている事が多い。まぁ別にいいんだけどさ、ニートって言われるくらいに働かなくてもいいんだから。

父さんの名前はユイ、歳が少し離れているせいか俺の事を実の子以上にかわいがってくれているような気がする。母さんの事は母さんと呼んで欲しいと言っていたけれど俺は何故か未だに『ママ』呼びなんだよね、恥ずかしいっていうのもあるんだけどね。まぁそれはともかくとして俺の母さんはこの国では知らない人がいない程の有名人である『宮廷魔導士長』を務めている凄腕魔術師であり『王国騎士団第一隊副隊長』『王都冒険者ギルドランクSSSの冒険者』などを兼任している。しかも美人。ちなみに父さんの方だけど母さんより二つほど若いらしい。つまり母さんとは十個近く離れているわけだけど見た目的には二十歳前後と言っても違和感はないと思う。そんな父さんとの仲はすこぶる良好である。母さんの仕事の都合で一緒に住むことはできないけどたまには会っている。という訳だからこの世界で言うところの『普通の家庭環境』ではないのだろうけど特に不満もなく生活している。ただ一つだけ問題があるとすれば───

『ガチャリ!』突然玄関の扉が開かれ、外から声が聞こえた。

「ユウちゃんいる!?いるんでしょ!?返事してよぉー!ユウちゃ~ん!!ユウマ君出て来てぇ!!」

俺を呼ぶ甲高い声に頭がガンガンする。この世界にきて一番嫌なのはコレだ。この家に越してきてから約半年になるが毎日のようにやって来る少女のせいで近所では有名なのだ。そして彼女はこう呼ばれていた。曰く、『聖女』だとか。しかし実際の彼女はそんなに聖女様らしくない、なぜなら聖女は美少女だという言い伝えがあって実際にこの世界でもかなりの美女ばかりなのだそうだ。確かに彼女はかわいいのだが残念ながら聖女様と呼ばれる程じゃないと思うんだよな。それに俺の事も何故か「ユウちゃん」と呼んでいるし本当に困ってしまうんだよ。そして彼女が現れると同時にリビングから母さんが出てくる気配がする。多分母さんに用事があるはずなので任せておく事にしようかな?どうせまたくだらない理由なんだろうし。そしてしばらくすると今度は階段の下辺りから話し声のようなものが微かに聞こえるようになってきた。

「もう!ユウマ君はお昼ご飯も食べずにどこへ行っちゃったのかしら!?」とか「ごめんなさいね、ユウマは昨日学校に行ってそのまま帰ってきてなかったみたいなの」などと話し合う二人の声が聞こえるが正直居心地が悪いので二階へと上がって自室に入り布団の中に潜ることにした。

そういえば自己紹介がまだだった。俺は「神童」と呼ばれている天才だ。いや天才という言葉は適切じゃないかも。俺の住んでいる場所は『魔法学園』という名の学校で魔法科に通う学生達だけが暮らしている場所だ。そしてそこで行われるテストは全てにおいて満点を取っている。それが俺に与えられた称号「神の申し子」の由来であると担任教師のアリッサさんは言っていた。そんな俺は毎日勉強をしている訳ではないが大体のことは出来るようになっている為あまり暇な時間がないのだ。でも最近俺の中で気になっていることが一つある。それはとても可愛い女子生徒がいるってことだ。その子は「サクラ」という名前なのだけど成績もよくないし先生にも叱られる事が多いようだ。しかし俺と話をするときはいつも嬉しそうな顔をしているので少し可愛く思えてくるようになった。まぁそのせいで男子生徒の間ではよく噂されている。

「あいつが好きなんじゃね?」だとか、「お前が惚れてるなら協力するぜ」とかも言ってくれたりするが俺と彼女とは何もない。だって彼女はまだ十四歳の中学生でしかも女の子なわけで。俺は十六歳で高校生だしそもそも彼女が俺なんかを好きになってくれるなんて思ってもいない。だから彼女を見るたびにドキドキしてしまう自分がいて、そんな自分がちょっとイヤになってしまう。でもこんな気持ちは初めてだから俺には何が何だかわかんなくて。これがいわゆる恋心というものなんだろうか?

「ねぇ!いるんだったら出てきてくれてもいいじゃない!」突然ノックもなく部屋に入って来た彼女に驚き慌てて飛び起きる。どうしていいかわからず、とりあえず「何かようかい」と平静を装って聞いてみた。そうしたら彼女の表情が一瞬曇ったが、すぐいつもの笑顔に戻っていた。

「ユウマ君のお父様に大事な話が有って今日も訪ねて来たんだけど部屋にいらっしゃらないみたいで、それで探してたの。ごめんね邪魔して」そういうことか。まぁ確かにあの人が忙しい人でほとんど家に帰れないからといって娘を放っておいて出かける事は無いはずだ。だって、だって────── ──『俺はもう死んでるんだから』──。

俺の本当の名前は『真堂悠馬』、享年十七歳。高校一年生の夏休みの真っ只中、バイクの事故であっさり死んじまった哀れな男だよ。いや、ホントに死ぬ瞬間まで覚えていたくらいだ、これは嘘偽りのない事実だと思う。俺が死んだのは自宅から二百キロ近く離れた山間の道。見通しの悪いカーブを抜けた時に対向車線側の信号を無視した大型トラックの運転手の飲酒運転による交通事故に巻きこまれたんだが、まぁぶっちゃけ即死だったよ。俺の記憶はそこまでしかない。目が覚めた時は天国だと思っていたけど、目の前に広がっていたのは何やら見慣れない神殿の様な場所で、そこに俺を含めて七人の人間が立っていたんだ。いや、訂正する。正確には『俺を含めた五人』と『一人の少女』だ。

俺の隣にいたのは金髪の髪をポニーテールにして少し垂れ気味の目に長いまつ毛。整った鼻に小さな口、身長は低く胸も大きくないがモデル顔負けのスタイルをした美少女だ。まぁ俺好みではないけれど美少女であることに変わりはないな。そして反対側隣りにいる少年。こっちはまだあどけない顔をしている。おそらく俺と同年代なんじゃないかと思うが俺の知っている同級生とはどこか違う感じを受けるが、それよりも一番おかしいと感じたのはその頭上に付いている物だ。そう彼は耳が長いし髪の色も茶色ではなく綺麗な銀に近い色をしていたからだ。まぁそれだけじゃなく他にもおかしな部分があるのだけれど、それは今は置いておく事にする。そしてそんな彼らの前には巨大な鏡が一つあり、その中には俺たちの後ろ姿がそれぞれ映し出されていた。

「ここは一体どこなんだ」俺の前に立っている銀髪の少女に向かって問いただした。すると少女は微笑みながらも少し戸惑っているような口調で答えた。

「私にも分からないんです、気づいたらここにいたものですから」そんな返答を聞いて俺と少女の会話を見ていた茶髪の短めのボブカットの美少女、そして白髪で長身の優男が割り込んできた。

「それでは私が説明しましょう」優男は爽やかな笑顔を俺に向けてきた。まぁ俺のタイプではないのでスルーして、今度は少女に質問してみることにする。しかし少女の視線は完全に優男の方に向いており、明らかに意識しているように見えた。

まぁ俺がこの世界に来る前に『勇者召喚』だとか言っていたような気がするし。きっとこの二人は『選ばれしもの』なんだろう。俺はそう判断し二人の事は無視する事にした。そうして俺は自分の事を一番に考えることにしたんだ。

──『俺にとって一番大切な事って何だろう?』──。俺には前世で家族と呼べる者は誰もいなかった、そして親戚とも疎遠になっていたのもあって天涯孤独という状態だった。だけどこの世界には俺が『愛している』と言える存在がいる。

──────俺の『妻』、『アイシャ=レイ』のことだ。そしてその『娘』、俺の『妹』である『アイリ』の事を思い浮かべていた。今すぐに会いたい。早く会わなきゃならない。この気持ちを二人に伝えたくてしょうがなかった。そしてその願いが叶うかもしれないこの状況がたまらなく嬉しかった。でもそれと同時に焦燥感にも駆られていた。なぜなら俺に残された時間はあとわずかでこのまま永遠に会えないのではないかと不安になってしまったから。だからなのかも知れなかった。

この世界ではどんな事が待ち受けているのかわからない、もしここで『力』が手に入らなかったとしたら俺はまた絶望しかねないと思った。それほどまでに俺の心の中を占めている『愛する人たち』がとても大事だと言うことに改めて気がついた。だから絶対に守るために、もう一度この手で彼女たちを抱き締めてあげられるように『強く』なる為に『魔王』を倒す必要があると決意した。しかしそのためにはまず自分が何ができるのかを知る必要があったため、『勇者召喚』について知る為の情報を聞き出そうと思っていた矢先だった。

「僕にはあなたの力がわかります。ユウマさんの魔力値は常人を遥かに凌駕していますね。そして僕の魔力数値も軽く上回る程度ですのにここまで差が出るのですね」銀髪の少女がそんなことを言ってきたのだ。そこで「どう言う意味ですか」と聞いたところ、

「つまりはあなたは既にこの世界の人を超えているということです」と言われてしまった。でもそんな言葉では理解出来ないのでもっと詳しく聞こうと思っていたら、今度は俺の横で話を聞いていた黒髪長髪の美青年が俺の疑問に答えるように口を開いた。

「君は恐らくだが、私たちのいた地球と呼ばれる世界の住人だろう。私は『ユーキ』、君の名前は?」

「真堂悠馬と言います」

「やはり日本人だね、私のいた世界でも『ユウマ』という名の『男性』が存在していたからね。そして君の場合はこちらの世界と地球、そして君の住んでいた世界という3つの中での特別な力を宿している事になるね」と、言った。

「特別? それはなんのことなのでしょうか」俺は聞き返した。

「それは『ユニークスキル』の事で間違いないと思う」

『ユニークスキル』、異世界ファンタジーものではよく聞く言葉だが実際にあるとは思っても見なかったので俺は驚いたと同時に、自分だけが特殊な能力を持っていたという喜びを感じていた。

しかし同時に俺の心を蝕んでいくような嫌な感覚も同時に存在していたのだ。

俺の目の前には巨大な魔方陣が輝き、その中心には光の柱のような物が上に向かって伸びていた。

─俺は本当に元の世界に戻ることができるのだろうか。

──いや違う、絶対に戻ってやる。

そんな想いを秘めながら俺はただひたすらに、あの子の事を想い続けていた。

─俺は絶対に、諦める訳にはいかないんだ。────────

『ユイ様はいつもお仕事ばかりで全然遊んでくれません!たまには休んで欲しいんですっ』と彼女が言っても『はいはいわかったわかった』『ちゃんとお土産を買って帰るからさ』『今日は早めに帰れそうだよ』『もう少し待っていてくれるかな』などとあしらわれていたのを何度も見ているうちに俺はつい我慢が出来なくなって彼女に「少しくらい一緒にいてあげた方がいいんじゃないか」と言おうと口を開けたその時に彼女は「いいんです!私は一人の方が楽なんですよーだ」などと言って去って行ったのだが、俺はどうしてもそれが嘘だということが分かったのだった。彼女はいつも笑顔を絶やさない性格なのだが、いつも無理をしていると、どこか影が差していて寂しそうな目つきをするんだ。それは『両親と離れて暮らす少女』として、この国で一番有名であり皆に慕われている父に負担を掛けたくないからなのだろう。そして俺はそんな彼女のことがずっと心配でしょうがないのだ。だからせめて父の代わりにはなれないけれど彼女と一緒にいてあげることができたら──。─俺はそんなことを考える日々を過ごしていたある日、突然父から手紙が届いたのだった。そしてそこには衝撃的な内容が書かれていることを知った俺はいてもたってもいられずに急いで王都へ向かう準備をしていた。すると、俺の部屋にある『隠し収納スペース』の中から『あるもの』を発見した俺は──────── ──『この世界に転生する前に身につけていた装備一式』を見つけたのである。

そして、それを身に着けた瞬間に今までの記憶や経験を鮮明に思い出すことが出来た。俺の名前はもちろん真堂悠馬。年齢十七歳。身長百七十八センチ体重七十二キロ。血液型はA型。両親は健在で、今は一人暮らしだけれど妹もいるらしい。ちなみに俺の妹は『真堂彩音』と言って俺よりも二つ年下らしいが、今年中学一年生になり来年の春くらいから高校生になろうとしている俺の大事な『可愛い妹のひとり』だ。まぁそれはそうと、どうしてこんなものがここに存在しているのかわからなかったがそれよりも今は、今すぐアイリに会いに行く必要があったため、着替えを終えるとそのまま部屋を出て行き玄関に向かったのだった。

*

「パパ、おかえりなさ〜いっ!」そう元気に駆け寄ってくる『愛娘アイリ』を俺も笑顔で受け止め抱きしめると、少し照れくさそうに頬を染めているのが可愛らしく感じられて、思わず頭をなでなでしてあげてしまった。

「パ、パッ!?︎ ちょっちょっといきなりなんなのお兄ちゃ──あははははくすぐったいよう〜」そう言いながらも嬉しそうに笑って、身を捩らせている姿がたまらなく可愛く見えた。この子の為ならどんな苦難でも乗り越えられる気がしたのだ。そして「そろそろ行こうと思う」と、切り出すと一瞬で空気が変わりアイリの顔から笑みが消えた。俺はそれを見て「ごめんな、またしばらく留守にするからさ」と伝えるも「えっとね、そのね、もうどこに行くか聞いても良い?」と言われたので再び抱き締めてから「お父さんのところだよ」と言ってあげたら「うん、行ってらっしゃい」とだけ答えて背中を押してくれたのだった。そんな優しい娘に感謝をしながら家を出た俺だった。それから馬車を使って半日ほどかけて王城に到着すると父さんの執務室へと向かいノックをして「入ってきなさい」と言われ「失礼します」と言って入っていくと「よく来たな」と言って俺を歓迎してくれたのであった。俺は挨拶も早々にして本題を切り出してみた。「実は父さんに相談があるんだ」

「ん、なんだ? お前の相談事は珍しいからな、何でも言ってみな」と笑顔で言う父さんに「父さんはなんのために俺に『剣』の使い方を習わせたり、母さんの『魔術』を学ばせたりしていたんだろうと思って、その理由を教えて欲しくてね」と言うと、「それはだな────────」

『ユウマよ。お前は私の後を継いで立派な王様に成ってくれ。それが私の望みだ。もちろんユウマにもやりたい事があるのならばそれを優先してもらいたいと思っている。しかし、もし『力』を手に入れられなくても、私はユウマの事をいつでも待っているから安心してくれ。ユウマの人生はユウマだけの物なのである。好きにしてもらえたら良い。もしもユウマが望むなら私の力を継いでもらってもいいと思っている』─そんな手紙が先程、我が家に届いていた。そしてその内容が頭にこびりついき離れなかった。なぜならば『俺の父は、自分の子供には幸せになって欲しいからこそ、その才能を伸ばす為に色々と指導をしてきたのではないか』と思い至ってしまったからだ。俺の本当の両親はどちらもすでに亡くなっているためこの世界での家族と呼べる人は俺にとって、とても大切で特別な存在でかけがえのない家族だ。だからこそその人達の力を継ぎたいと強く思うようになったのだろう。俺はその日から、父の元で本格的な修行を開始したのであった。

「なっなんだよこれっ!! どう言う事なんだよっ!!!」

俺の頭の中に『ある事実』を知った瞬間、全身の血の気が引くのがわかった。それと同時に吐き気すら覚えるほどだった。俺は、異世界に来てまだ間もない頃は勇者召喚に巻き込まれてしまい、勇者になってしまったものの勇者と言うのはあまり人気がなく、魔王を倒す旅に出た時には既に他の勇者達がいて『俺が勇者』と言うのもあってみんなからは馬鹿にされたり見下されていた。だけどそんな中で、俺の事を助けてくれるような女の子がいたんだ。それが『アリシア』って名前の『勇者の相棒』の勇者でね。そして、その彼女と二人で頑張って来た結果、俺達は無事に魔王を倒した。俺達のパーティーには、他にも仲間がいるんだが俺が召喚された時にたまたま近くにいて一緒に召喚されてしまった奴らばかりなのでこの世界の住人ではなく『俺達とは違う地球から来た地球出身のメンバー』なんだけどさ。俺と同じ『男性』も三人いた。

名前は『山田太郎』

そして俺の幼馴染の『姫宮 咲夜』

この二人の名前も日本人の名前でさ。

俺以外はみんな『女性』

そして『元日本人』のはずなのに全員何故か超絶美少女なんだよ。そして、俺が唯一まともに話が出来るくらい仲良くなった女性がこの人だ。

この人も『男性』なのだが見た目は黒髪黒目で日本人そのものでね。そして身長が少し低めなのだが顔がすごく整っていてね。

いわゆるクール系美女なのだが、いつも笑顔が素敵で優しく俺の話を聞いてくれるような、そんな人だった。俺が異世界に来るまで彼女もいなかったからか、俺はその人に惹かれていたんだ。まぁ俺が『異世界転移』してしまったせいで『別れる事になった』訳なのだが。それでも彼女だけは元の世界に戻りたいという願いがあったから、その方法を見つけるために俺に力を貸すと申し出てくれていたのだったが、俺だけが地球に帰り、そして彼女の想いを踏みにじった。そんな俺は彼女を恨んでも当然だろうに、彼女は『気にしない』と、言ってくれたのにも関わらず、俺のせいで彼女が死を選んでしまうことになったんだ。俺も死ぬつもりはなかったんだ。ただ『彼女が死んでしまったら意味がないから』と言いたかっただけだったんだ。だけど俺は彼女が死んだことで、絶望に打ちひしがれてしまったせいで生きる気力を失っていた。その時にあの女に騙されていた事が分かり怒りを覚えた。

それから俺がどうして生きているのかもわからなくなった時、『あの男』は俺の前に現れたんだ。そいつの名前は確か──『ラノベ』とかいうやつで『俺が読んだことのない物語を語れる』みたいなことを言ったから「俺は異世界転生したばかりでよく知らないんだ」と答えた。そうしたら、そいつはこう続けたんだ。『だったら私がこの世界の事について詳しく説明してあげよう』

なんて言い出したから俺も興味が湧いてきたのは嘘じゃない。そしてそいつもそれをわかっていたみたいに話をしてくれたんだ。この世界にきて最初に感じた感情は──『恐怖』だった。だって、いきなりこんな場所にいるだけでも異常だというのに『魔物』だとか『獣耳』の少女が現れたのだから──『何より、言葉も通じなければ、魔法のような現象が起こるのを見たり』と、もう驚きの連続過ぎて頭がパンクしてしまいそうで。それに、あいつらが『魔王を倒してほしい』と俺に頼み込んできた時は正直困ってしまった。だって、俺はこの世界を『救う義務』もなければ『正義感』とかも全くない。ただ、この世界で生きていく為には、その方が都合が良いと、それだけを考えていたからな。

俺を勇者として召喚した王都では俺の事を『神に選ばれた人間』として扱いたが、実際のところ俺を呼び出したのは王都のお偉いさん達だ。『神に選ばれた勇者』というのはあくまでも建前で、実際はお飾りのようなものらしい。

その証拠に『聖剣』が扱える者が誰も現れなかったというのもあるらしい。俺の場合は『何故か、その聖剣の鞘に触れても大丈夫だった』だけだからな。

俺も、その事実を知ってかなり落胆していたのも確かだ。

俺の本来の目的はこの世界の『真実』を知りたかったという理由があるからな。

まぁでもその辺はもう諦めている。

ただ『俺の大切な人をこれ以上失うことが無いように強くなりたい』と。

そう思ったのが始まりだ。そして今はその『目的』が達成されたからこの世界に未練などなかった。だからこそ──────────── ────────俺はもう元の世界に帰っても良いと思っている。だけど一つだけ気になる事があるんだ。

俺はその事を父さんに話したんだ。

父さんは『何か悩みを抱えているような表情をしている』俺を見て「お前が何を考え込んでいるかはわからないけど、きっとそれはお前にしかできない事なんだ。父さんの『剣の才能』を継いで欲しいと思っているのは父さんの我がままだがな」と、父さんの気持ちを伝えられたのだった。その言葉で俺は『決心』することができた。

そして俺は、王城にいる父さんに会いに行くと父さんが出迎えてくれたのだった。俺の父の名は『アロン·フォン·グランフォード』だ。『王国騎士爵』の称号を持ち『王国の守り手』と呼ばれている程の実力者である。しかし『俺がこの人に勝つ事ができる日が来るとは思わない方が良い』と言われている。そんな凄い人でも俺の育ての親でもある父さんには『俺の力になりたい』という思いが強いんだと思う。

父さんがそんなことを考えて俺の相談に乗る為だけに態々来てくれるなんて普通じゃありえないことだからな。父さんも母さんも忙しいのに本当に俺の為に色々と尽くしてくれる。だからこそ俺は『家族を守れるような、みんなが自慢できるような王様になろうと思ったんだ』俺はそう父さんに伝えると、とても喜んでくれた。

父さんが嬉しそうにしている姿を見て『これで俺の役目は果たせたかな?』と思っていたら急にある事を言われた。その話は、実は俺にとっては予想外だったのだが、俺としてはその話が衝撃的だったので断ることもできず、父さんのお願いを引き受ける事を決めたのだ。俺も覚悟を決めなければならないようだ。

そして俺はこの日から『異世界最強伝説』の始まりとなる旅が始まったのである。

この世界には『五人の神族』がいるそうだ。『創造の神』であり『破壊の邪神』とも言われている存在で、その『五人の神』を纏め上げる『頂点に立つ存在』がいるそうなのである。その名を────『女神アリア』だ。

俺は父さんと一緒にその『アリア様』に会う為にその女神がいるとされている国へ向かおうとしていた矢先の出来事で、この世界に俺達がやって来た時に俺達がいたのは大陸の中央付近に位置する国の『ルイン』って名前の場所でさ。まぁ俺が住んでいる街よりも、その中央に近い位置にあるんだけどね。それでその近くに『ダンジョン』があって、父さんもそこが目的地らしく、一緒に行こうという話になったんだけど。そこで父さんは突然の腹痛に見舞われたんだ。俺もそのタイミングで『何故かトイレに行きたくなってしまい我慢する事が出来なくなってしまったんだ』。そんな俺の事を心配したアリシアが俺に話しかけてきたんだ。そして『俺の尿意が治まるまで、アリシアにはこの場に留まってもらう事に決めたのであった』

──それから一時間が経過した頃、俺達はなんとか無事に到着する事ができた。そこは俺の住んでいた国より栄えていて『活気のある場所』だとすぐにわかるほどだった。まぁ、その道中で俺は何度も『魔物』に襲われたが難なく対処出来たのも俺の成長なのかもしれないな。そして俺達が目指す場所が見えて来た時、突如『地震が起きた』そしてその揺れで地面に穴が空いて俺と、父さんと、アリシアの身体が落ちていった。そして気が付いたら、見たこともない景色が目の前に広がっていたんだ。

そこは洞窟の様な所ではあったが、奥の方から『声が聞こえて来るのがわかった』

そして、そこに現れた『謎の少女』が言った言葉を聞いた瞬間に俺が『この世界の人ではない』と言うのを見抜かれた気がしたんだ。しかもその謎少女の正体が『神様』だと言われてしまっては俺も驚いたのなんのってね。ただそんな時でも、何故か『俺の尿意は引いていなかった』と言うか。むしろさっきよりも強くなっていてね。それどころか更に強くなるばかりでさ。そんな俺の事を見てか『アリアちゃんが言うんだ』────『貴方はこの世界を救いに来たんですよね? その使命を全うするまでその『おしっこ』を我慢していなさい!これは私の『加護』を与える為の条件です!』とか言って来たから、流石にこれには俺も参った。

『この歳で漏らすなんて絶対に嫌だからな』と、思っていたその時だった。

その少女はとんでもない提案を俺にしてきたんだ。

『私の事を『女神様』と呼んでください。そしてその言葉に私への忠誠を誓ってくださればその願いを叶えてあげましょう!』

正直この時俺は迷ってしまった。何故なら俺が今までの人生で出会った『美少女』達の中にここまで魅力的な女性はいなかったからだ。ただそんな時だ────『何故かわからないが、アリシアの様子がおかしい』と、俺はすぐに気が付くことが出来た。俺の事をジーっと見ているような、見ていないような。そんな目つきをしていた。

俺と目が合うと彼女は『プイッ』と、顔を横に背けたんだ。そんな態度を取られてしまうと俺はどうすれば良いのかもわからなくなる訳だ。そして俺が『困っている事』に気付いた彼女は『何故か少し怒った表情をして』俺を睨んできたんだ。『まるで俺を『変態野郎』を見るかのような視線を向けてきて、その後俺の事を罵倒し出したんだ』

そして、その罵声は俺に浴びせてきたものと同じだったんだ。俺を変態呼ばわりするだけでなく俺の『心の声』まで言い当てたんだ。だけど彼女の発言には矛盾点がある事に気づいた。俺が彼女に向かって発していた言葉を全て理解できているみたいだった。俺はそれが疑問に感じたので聞いてみる事にしたんだ。

すると彼女は─────『だって私は神様だもん!この世界に存在する『全種族』と『言語を翻訳』する事なんて余裕だよっ!!』と言って俺の言葉に反論してきたんだ。その事で、彼女が嘘をつく必要は無いと思い俺の考えを改める必要があった。

そう言えばあの子の名前ってなんだろうと思って彼女に名前を聞こうと思ったが先に名乗られたんだ。『私は女神アリスティア、皆から崇められている『神族』の中でも一番偉くて強い存在なのだよ!』

その自己紹介をしてくれた後に続けて『君は?』と聞かれて俺も自己紹介する事になったんだけど、何故かその『名乗り』が気に食わなかったようで『君の名前は『おしっこ勇者様』って事だよね』とか『名前におしっこがついてない』だの言われてしまった。

そして最終的には『勇者様に改名してもらわないと『私のお婿さんに迎えるの』認めませんからね』と言い出し始めて、俺はその『お婿さんに迎えられても俺は幸せになれる自信がないな』と思っていたんだけど─── 俺が『おしっこ』と『アリスティア』という言葉を聞く度に、その『アリス』が『ピクッ』『ピクリ』と動く事に気がついたんだ。

そして俺は一つの仮説を立てたんだ。

もしかしたらこの子は『自分の名前があまり好きじゃない』のではないかと。

ただその事が本当なのかどうかを確かめたくなって俺は再び彼女に『名前は?』と、聞いたんだ。そうしたら────

「だからぁー、『おしっこ勇者』って呼んでくれてもいいんだよぉ〜、ぷんすこ!!」

俺は『何だよこいつ!?めちゃくちゃ面倒臭い性格の子じゃん』と思ってしまったのだが、俺の心の声に反応されてしまったようでまた『プンスカ』と言われた。そのやり取りで俺は、これ以上『アリスティア』について聞くことは諦める事にした。これ以上彼女を刺激したらもっと大変なことになりそうだったからだ。

でも、その『アリス』は『自分の名前を呼ばれることが好き』という訳ではなさそうだ。ただ俺が、その名で呼ぶことに『不快感を抱いているだけ』のように感じる。まぁそれでも俺の呼び名を変える事はしないけどな。俺が、その呼び名で呼び続けなければ、その呼び方を変えさせてもらえないような雰囲気を感じたのだ。

『もしかして俺は試されているのかな? 』とも思ったけど俺はその事を深く考える事を止めようと思うのであった。そして話を戻すが、その俺達が落ちた場所には『ダンジョンの入り口らしき扉』があった。そして、俺達はその『入り口のドアノブ』を開けようとしたのだが『ビク』と、開かなかったんだ。

だけど『ある人物』の『能力』のおかげで無事にダンジョンに入ることができたんだ。それは『アリシアの能力』のおかげだったんだ。『アリシアの持つ『能力』によってダンジョン内へ侵入する事に成功した俺達は早速その奥に進む事にした』

そうして進んでいく事数十分後。

俺達の前には見た事も無い生物が現れて、その生き物の姿を見て俺は『アレ?』と、思う事があったんだ。それはこの世界で『俺だけが知っていたモノ』だった。

『この世界には魔物と呼ばれる危険な生命体がいる』

『そして魔物とは人間にとって天敵である』

そんな『常識的な知識』がこの世界でも普通にあるのだと俺は知ったのだ。

俺の知っている『魔物図鑑』とこの世界の『魔物図鑑』を照らし合わせて確認していると、俺はその事実を実感することが出来たんだ。魔物の姿形がこの世界にいるはずのない姿形をしていて、俺の記憶にある魔物が『俺のいた世界には存在する』という事実を知って驚愕してしまったんだ。

その驚きから俺は一瞬だが『油断』してしまい────その隙を突いてか一匹の巨大な蜘蛛のような怪物が襲ってきた。俺はすぐに回避しようとしたのだがアリシアが襲われそうになったのを見て俺も助けに入ろうと急いでいたんだ。しかしその巨大クモの鋭い爪は俺の腕や脚にかすり傷をつけていった。アリシアも攻撃を回避しようとしていたが間に合いそうになかった。

そんなアリシアを助ける為に俺は、自分から危険を承知の上で、その怪物の攻撃を受けてアリシアを守ったんだ。アリシアに怪しげな動きをしていたように見えただろうが、実は『俺は、アリシアを守る為に攻撃をわざと受けていた』のだから仕方がない事だった。

そして、この瞬間から、俺の運命が大きく変わっていった。いや、正確に言うと俺の『物語が終わり』を迎えた瞬間でもあったんだ。この瞬間、俺の目の前に現れた『魔物』こそが俺のこの世界に呼ばれた『理由』そのものであり『この異世界を救う者』として選ばれたのだと俺はこの時に『知る事になる』のだった。

その『正体』を見た俺は────────『震え』た。いやその『恐怖』を隠せないでいた。

『どうして?こんなところに?』と、思い俺は必死に考えようとしたが────俺の目からは涙が溢れ出してきた。

『俺の身体に起きている異変』は更に悪化していった。その光景を見ていたアリシアは『怯えている』俺を心配してなのか声を掛けてくれた。ただ俺が返事をすることが出来なかったんだ。そしてアリシアも、俺に近づき何かしらの方法で俺に触れようとしていたのが見えた。その方法は分からない。でもその行為は、今の状況を考えれば明らかに『俺の為』なのだと俺は直ぐに察することができた。だから『その行為を邪魔してしまってはいけない』と──────俺は本能的に悟ってしまったんだ。俺は涙を流しながら彼女に向かって言うしかなかった。

『俺に触らないでくれ!俺がお前を怖がらせて殺してしまうかも知れないんだ!』と。

でも、彼女は『何を言っているのよ!』と言わんばかりに、その俺の言葉を否定してきたんだ。

そして俺は─────『彼女からの拒絶の言葉を耳にした時』

遂に俺は『決壊』した。いや、『俺の中のダムが崩壊』したと言うべきだろうか。今まで抑えてきた『感情』が一気に噴き出すかのように流れ出たんだ。そう、この世界で初めて『尿意を解放してしまった』んだ。ただ、この時だけは、俺は『この世界での初めての出来事』に嬉しくなっていた。

俺の世界で『尿意』を感じるといつもなら『人前』とかは絶対に避けるようにしてトイレに行って処理を済ませてまた仕事に戻るんだ。

だけど今の俺は我慢することをやめることが出来る。なぜなら『この場に居たアリシアしか見ていない』のと、それに俺はまだ、この世界に来て何も口にしていない状態だったからだ。しかし彼女は違う、彼女の方を振り向くと俺はすぐに『しまった』と思ったんだ。俺の漏らした小便を浴びて彼女がどうなってしまったのかと。すると彼女は俺の小便を気にすることも無く『どうなっているの?』という顔をしていた。そして俺はその彼女を見ながら『あちゃー、これマジなパターンだよ』と、思わず心の中で言ってしまうほど絶望した表情を浮かべてしまっていたんだ。だって俺が、これからする行動と言えば一つしかないから。俺は、自分のズボンを脱いで地面に放り投げた後に自分の大事な部分を手で押さえるしかなかった。そして俺の人生で一番長いと思われる時間を、このダンジョンで過ごしていくことになる。

そう俺は、アリシアの前で人生最大の『大失禁』をしたんだ。もう『お婿さんに迎えるなんて絶対に許しませんからね!!』って言われても、仕方ないような気がする。それだけのことを俺はやらかしたんだから。

こうして俺の長い戦いが始まる。

そしてこのダンジョンの中に現れた魔物に俺は『とある共通点がある』事を知ることになる。そして、この魔物を俺達の力で倒せるように鍛えるために修行が始まった。そして俺達が、その修行をするために選んだのが『あの洞窟の中』だったんだ。そして俺は『自分のステータス画面』を確認していく。するとそこに書かれていた内容を読んで俺は驚くことになってしまった。それは俺が思っていた事と、あまりにも違い過ぎていて信じられないことばかりだったからだ。でも、それを現実だと認識できたから俺は、これから『本当の冒険がはじまるのだ』と思うことが出来たんだ。そして俺は────

『この異世界を────────救う為に──────戦う』と、心に決めたのであった。

そして俺はこの世界の人達を守るために───── この『アリスティアを守る』為だけに、自分の力を限界まで使って彼女を守れるだけの力を手に入れよう。そうすれば『きっとみんなを助けられる』はずなんだ。だから俺は頑張ろう。そう思っていると隣にいたアリシアは『私の事を気遣ってくれている』ようで、その優しさに感謝したいと思っている。だけど俺はその事に対して、少し『不満』を感じてもいるんだ。だから彼女に『ありがとう』とは言いたくないんだよな。だから俺はあえて、別の事を口走って誤魔化す事にしたんだ。その事を言ったら彼女は一体どういう反応を示すのかな?と思いつつ言ってみたんだ。

そう、俺は─── 俺自身の『勇者としての自覚』がまだ芽生えていないから。

俺には、この世界に来る前に自分の命と引き換えにでも『この世界の人々を守る』使命感みたいなものが無いんだと、自分自身で思った。この世界を救うという使命が、俺にもあるんだと思っていたが、この世界に召喚された事で『それが全てでは無い』事を、改めて気付かされてしまう。

俺が、この世界の人々に、まだそこまで強い愛着を抱いていない事が原因だと、その時の俺は『思い知らされていたんだ』

その事を俺自身でも分かっていた。だから『アリシアは本当は『俺が聖女様を怖がらせてしまっている』から慰めてくれようとしているだけなんじゃないか?』とも思ったんだ。

そして『それなのに、あんな言い方をしてしまった』事を俺は謝ったんだ。

『アリシア、ごめんなさい』

俺は頭を下げながら彼女に謝罪して謝ることにした。俺は『アリシアに心配を掛けてばかりで申し訳ない気持ち』になっていたんだ。俺は彼女に『感謝している』と伝えたかった。だから素直な言葉で伝えようとした。そう、俺が『アリシアが大好きです』と。だけど俺の言葉を聞いたアリシアの返答には驚いたんだ。

「私は『ユウキが好き』よ」

と。だから俺はつい『俺もだよ』と言ってしまったんだ。俺は慌てて訂正しようと口を開こうとしたんだけど、なぜか俺の言葉が声にならない事に驚いてしまったんだ。でも俺はそんな状況にも焦ることも戸惑うことも無かったんだ。何故なら俺にとって『アリシアと一緒にいられることが、既に幸せだったんだ』。だからこそ俺は『その言葉を噛みしめ』るように、彼女の目をジッと見つめ続けたんだ。そうする事で俺と彼女は互いに理解していくことが出来た。『言葉にしなくても互いの想いが伝わるんだ』ということを。そう『通じ合っている』んだと俺は実感出来た。俺達は二人で微笑み合った後でお互いに手を繋ぎ合う。

そんな幸せな瞬間が訪れたのも、この瞬間だったんだ。そして、俺達の運命は『ある出会い』がきっかけで動き始めたのかもしれない。俺が『アイリの事も思い出せている状態』ならば間違いなく『何かしらの行動』を起こしてアリシアとの『二人の愛を深めていたんだ』と断言できるぐらいに、今現在の俺は冷静に考えることができているんだ。ただ俺の中には、何故か『違和感のようなものが残っていた』。そんな状態で俺は、俺を召還したという少女、『ミリア』と顔を合わせた。彼女はとても可愛いくて、それでいて『綺麗』な女の子だった。俺よりも二つ歳下の『十四歳』だ。そして彼女は、アリシアと同じく俺が好きなタイプだった。ただ彼女の方が『胸』が大きそうだから俺的には少しショックかも(苦笑)

まぁ~でも、『好きになって貰える努力をしていこう!』と決意することができた。そう、彼女とは『友達以上恋人未満のような関係から始めればいいだろう』と思ったんだ。だから俺はとりあえず『自己紹介をする』ことにした。そして名前を名乗り終わると俺は『この世界で俺に与えられた『使命感』は正直言って無い』と正直に伝えた。そして俺はアリシアを『この世界での未来の妻』として迎えていきたいと考えていることを俺はアリシアにも話したんだ。そう、これは俺とアリシアで話し合って決めたことだった。俺が元の世界に帰ることができるか出来ないのかは、この世界に生きる人達が頑張っていけば必ず成し遂げる事ができると信じている。でもアリシアの方は違ったんだ。アリシアはこの世界で生きていきたいと、そう思っているのだと俺は彼女からの告白で知る事になった。

そして『俺の帰りを待っていてくれる人がいる』という事実だけで俺のやる気ゲージが上がったのを、この時、俺は強く感じていたんだ。そう、俺は『愛する女性の為に生き抜く』という目標を掲げることができたんだ。そして俺は『自分が生きている限り、この子を守り続けると心に誓ったんだ』

その気持ちが強く芽生えたことで、俺の中で新たな力が湧いてきたような気がするんだ。この世界に来て初めての感覚。そしてその不思議な現象がなんなのかは、俺はまだ分からない。

ただ分かることは─────

『俺はこの世界を─────救う』という、その強い意志が生まれたということだけだ。そして、その意志を持つことが出来た俺は更に強くなったような気がした。ただの錯覚なのかも知れない。でも俺の心は今までより前向きになれたんだ。

そして俺は彼女、『アイリの事を思い出している状態なら、絶対に負けない!』と思ったんだ。そう思う事で俺は今までよりも、ずっと強靭になることが出来た。俺は『アリシアと共にいるために』このダンジョンの攻略を目指すことを決意したんだ。

こうして俺はこの世界で初めての冒険が幕を開けるのだった。俺がこの世界で何を成す為に冒険をすることになったのかを俺は知りたくなってしまった。そう『自分の存在価値を確かめる』為でもあるのかもしれない。この世界にはまだまだ未知の魔物が存在しているんだ。それにこのダンジョンの中に出現するモンスターは『レベルが低い』んだ。だからこそ俺はもっと強くなりたいと思っている。そして俺はアリシアに自分の思いを告げた後で『彼女を守る』という約束を交わそうとしたのだが、その時だったんだ。突然目の前に現れた『白い毛玉のような魔物』に、アリシアの服の中に入って行ったんだ。その光景を見た俺は思わず固まってしまったがすぐに正気に戻ってアリシアからその『毛虫のような魔物』を取り出そうとしたが、彼女はパニックに陥ってしまい俺の事を攻撃対象と見なしてしまったんだ。そして俺はアリシアに平手打ちされてしまったんだ。

そしてその一撃が予想以上に強力過ぎて俺をふっ飛ばしてしまい洞窟の壁に激突してしまうほどの衝撃を受けてしまって意識を失ってしまう。だけど俺は『痛みを全く感じない事に気付いた』。そして俺が気絶してしまった事を知ったアリシアが俺の名前を呼び続けて叫んでくれていることに俺は気付く。そして、その時の俺にはアリシアを安心させるために『起き上がらなければならない』と思った。

そして俺は────

『アリシアを不安がらせない為に────』

──────そして『俺がこの世界の平和を守ってみせると、改めて心に誓うのであった』

俺の『本当の冒険が始まったんだ』と──── 俺達三人はそのダンジョンの入り口付近で野営をしていたんだ。ダンジョン内に入り込む前に、ダンジョン内で一夜を過ごさなければならなかったからだ。そして俺は焚き火を囲いながら『これからどうするか?』を話し合っていた。

俺達は今朝方にこの異世界へやってきたんだが、実は俺は昨夜のうちにこの異世界へとやって来ていたらしい。その事は当然、記憶には無かったんだが『俺の頭の中から『俺』以外の誰かの声らしきものが聴こえてくることがあった』。

「私と貴方は同じ体を共有しているのです」

「その声の正体は『女神』なんですよ」

そんな言葉を頭の中に語りかけられたりしていた。ただ『それに関しては深く考えないようにしておこう』と思っていたんだ。何故なら俺にとって今は『そんなこと』よりも重要な事がいくつもあったからだ。

この世界の勇者に選らばれたことで、俺の能力が『勇者としての覚醒状態へと移行していったから』だと思われる。俺はその『覚醒状態に自分の意思で切り替えられるようにもなったんだ』という事に気付かされる。

だから俺はアリシアと一緒に行動することに決めたんだ。それは『この世界に存在する人々を助けるため』でもあり『愛する人を守るため』でもあったからなんだよな。

そんな時に、俺達の会話を聞いていたアイリから質問された。そういえば俺もまだアリシアには説明していなかったんだと思い出す。だから俺とアリシアで一緒にこの世界について説明をしたんだ。

まずはアリシアからこの世界の概要を説明してもらう事にしようかな? そう思い俺はアリシアに任せることにした。そしてアリシアが、この世界の仕組みを説明した。この世界にはかつて神々によって生み出された六人の神が存在したんだ。それが後に魔王と呼ばれることになった人物で、彼が生み出した最初の魔物が【魔竜】であり、それを皮切りに、次々と他の種類の生物や亜人種を生み出していくんだが、この中には人間も含まれていたんだそうだ。しかし人間が創り出した種族の全てが『善良なもの』とは限らないんだと、彼女は言っていた。

そして人間の敵である【悪鬼】も生まれたそうだ。ただ、これは本当に例外的な存在らしく、普通なら悪鬼が生まれるなんて事は、ありえないそうなんだ。

そうして生まれた、あらゆる生命の敵対者として生まれてきた邪悪な生命体『アンデッド族』

そして彼らは人類を恐怖の底へと叩き落としていき滅ぼそうと動き始めるんだが、これを討伐したのが『当時の勇者たちだったんだと彼女は俺達に話してくれたんだ。ただ彼女はその時代に生まれていなかったそうなので、詳しい情報は持ち合わせていないと、残念そうに俺に話してくれる。

ただ彼女の話によると、この世界の人間は『光属性』という『特殊な魔力を秘めていて、それを魔法として発現させることができる能力に長けている』んだと。

そして、その中でも特に『聖女の素質を秘めているものだけが存在する事ができる特別な職業』として、『勇者召喚術師』というものが存在しているのだそうだ。そう、彼女は俺にこの世界での事情を説明してくれたんだ。

俺は彼女の言葉を聞いて思った事があるんだ。この世界の成り立ちがまるで地球にある神話のようで、しかも『どこかで見たような気がするような展開ばかり』だと俺は思うようになったんだ。だからこそ、俺が今こうして生きていられることに感謝している。そして俺が元いた世界でも似たような伝説があったことを思い出していたんだ。ただ、俺の知っている内容と微妙に異なるところもあり、『この世界に俺を送り込んだ奴が改変した可能性があるな』と思うようになる。

そこで俺の考えをアリシアに伝えてみると、彼女も同じ考えに至ったようだ。

俺達が、そう思っているときに、突如アイリが叫びだしたんだ。そして彼女が俺と初めてあったときの話をし始めたんだ。その話を俺はアリシアと聞いてみたんだ。そうしたら、やはりというか、なんというか。アイリから衝撃的な真実を聞かされた。そして俺の心の奥で、とある出来事の記憶の扉が開きかけた瞬間だった。そして『俺』は『この世界にきて初めて自分の中に眠っていた記憶の封印を自力で解除する事に成功したんだ』

俺の名前は、『結城祐介』だ。俺が生まれた家は、いわゆる名家というヤツなのかもしれない。でも俺自身は、あまり実感できていない。

というのも俺は、小さい頃から体が弱くて外で遊んだりすることがなかったからだ。だからか知らないけど、同年代の子供達とは少し感性がズレている部分があるのは事実だ。まぁでも学校にはちゃんと行っていたし、勉強だってできるほうだと思うんだけど、それでも、やっぱり『友達と呼べる存在はいなかった』

そんな時だった、あの日。そう、この世界に来たのは──── 俺が五歳の頃の話になる。ある日、いつも通りに幼稚園に行って教室に着いて、先生の来るまで俺は絵本を読もうと思って本棚のところに近づいたら俺の机の上に『一枚の手紙』が置かれていたんだ。俺は、その手紙を開いて中を読んでみると

『ゆうきくんへ わたし、おねえさんになりました おかあさんの、つれていかれてしまいます。

さびしいよ。はやくあいたいです。だいすき』

という内容が書かれていた。俺のお母さんは、その日、用事で遠くの方に行っていて家に帰ってこれなかったんだ。俺はその事を思い出したんだ。その日から数日の間、ずっと寂しかったことを思い出す。それから数年経った頃に、俺は両親に海外に連れて行かれる事になった。その時の俺にとっては、とても不安だったことは覚えている。ただ飛行機に乗って外国に行くだけのはずだったのだけど、俺は不安になってしまって泣いたりしてしまったらしい。でも、俺が泣いたときお父さんが頭を撫でてくれて、俺は嬉しくなって、笑顔になったんだったっけ。

俺のお父さんは仕事で世界を飛び回っているような人だったんだ。だから『俺に友達がいないのも当然といえば当然』という理由だったわけなんだ。

そのせいで『俺の両親は忙しく働いているんだから、我ワガママを言ったら迷惑をかける事になるだろう?』って思ってしまっていたんだよ。だから俺は自分を抑え込んで『いい子であろうと心掛け続けていたんだよね』────── 俺は『その記憶を呼び起こしていた』そんな時に急にアイリから話しかけられて驚いてしまった。彼女は俺が記憶を取り戻しかけていることに、なぜか勘づいているようだったので、そのことを問い詰めようとした。だけど俺は彼女に『今は聞くべき事じゃ無かった』のだと悟った。何故なら、アイリの表情を見た俺は、この世界の事を教えてくれると約束してくれた時のアリシアとそっくりの顔をしていて思わず見入ってしまったんだ。

そしてアイリは俺達の前で、突然『魔法』を使い始めた。

「私は『魔法使い』でもあるんですが実はこの世界では、この国以外には存在していなくて。そして私のような人間を『精霊術師』と呼んでいて、そして『この国の王族』が私達を召還したんですよ」

そう言ってアイリは自分のステータスウインドウのようなものを、みんなに見せてくれた。そこには俺達のとは違う言語が表記されていた。

「私のこの力は『勇者召喚』を扱える唯一の『魔法』だったからこそ使えるものなんですよ」

そう言い終えると今度は、さっきの画面と同じ文字が浮かんできて何かを俺達に話してくるんだが、それは何を意味しているのか、さっぱり分からなかった。そういえばアイリと会って以来、彼女の事を、ほとんど忘れてたんだよな。そうして、また俺が思い出していた頃。アリシアがアイリに声をかけたんだ。

「ちょっと待って、私もその力の使い方を、知りたい」

「えっとね。私と、あとは『精霊』に手伝ってもらうことが条件で使えるようになりました」

そう言うと、アイリは俺達の頭の中に語りかけてくるような口調で語りかけてくるんだ。そう、俺の頭の中にいる『女神様』の声と一緒のものだった。ただ俺は不思議と懐かしい感覚に包まれるような気持ちになっていた。それは『アイリの喋り方が、まるでアリシアのように聞こえた』からなのだろうか? そんな疑問を抱いていた俺は、この異世界でアイリと出会う前に起こった不思議な出来事のことを思い出していた。それは『俺は夢を見ていたことを覚えていたんだ』ということなんだよな。俺は夢の中であった女の子の言葉が気になっていた。そう、俺に『あなたにしかできないことがあるのです。あなたの力が欲しいのです。そして私はあなたに会いたかったのです!』という言葉を言っていたんだ。だから俺は思った。もしかしたらアイリがあの時に言っていたのは俺が元の世界に戻るためのヒントが眠っているのではないかと、そう思ったんだ。そして、もしその少女と出会えるのならば会いたい。そう思っていた。

しかし俺の前に、あの子が現れてくれた。『俺の前に現れてくれた奇跡の少女』は、やはり彼女だったという訳なのか? そうして彼女は俺に向かって語りかける。『お久しぶりですね』と、その声を聞いた瞬間に『俺は確信』を持ったんだ。

そして俺は『あの子の事が大好きだったんだ』って思いながら『その思いを口にする』

そして俺は『この世界で俺とアイリスを召還したのは【この人】なのかも知れないと思ったんだよな』

そうすると『アリシアの顔』が目の前に現れてきたのだ。そして彼女は俺に話しかけてくるんだ。

「もしかして『ユースケ』のこと?」と。そこで俺は

『ああ、そうだ』と、そう答える。そう答えた後でアリシアの体が光だし消えてしまったんだ。どうやらアリシアは俺の心の中で俺の心の傷を癒してくれたのと同時に『新たな使命を授けてくれたんだと思う』そう俺は思ったんだ。『これから先の戦いを乗り越えるための力と勇気を与えてくれた』のだと俺は理解した。だからこそ『今、俺に出来ることは一つだけだ』そう思うことにしたんだ。だから俺は、もう一度アイラに話しかけることにした。

『俺はこの世界を、この人達を守りたいんだ。だから一緒に旅をしてくれないかな?』と。そうしたら彼女は俺に抱きついてきて俺の目を見ながら

「はい!よろしくお願いします。勇者さま!」と元気よく俺に向けて挨拶をする。

そうした中で『勇者さまと呼ばれる度に恥ずかしくなってきたので俺は名前で呼ばれるようにして欲しいと言う』

そうしてから俺は改めて自分のスキルを確認してみたんだ。

俺が、どんなスキルを手に入れたのかっていう話なんだが。

まずは、『剣聖術』

これは、『聖剣術』『魔術』、『闘術』の3つの技を扱うことができるという事なんだ。

それから『超鑑定術』

『超分析術』の2つが新しく使えるようになった。

最後に『全言語理解術』

『無限アイテムボックス』

この四つが俺の得た力ということになるんだけど。まぁでも、俺の持っている固有技能が凄すぎるから正直いらないんじゃないかと思うんだよ。ただ『神域収納』に関しては別として『アイテムボックス』だけは必要だと思う。この中には何でも入れられるのだから。ちなみにアリシアから聞いた話によると。この『世界で一番大きい国』というのがこの『アルン王国』と呼ばれている場所になるんだそうな。だから俺は、その国に一度向かってみたいと思っているんだけどね。まぁ、それは後回しにしようかと思ってる。

そうしている時に俺に、アイナが近寄ってきて

「私は、あなたを守る為に存在しているの。だって私達には『大切な仲間』が出来たんですもの」と、言って俺の腕を組んできたんだ。それを見た、アリシアーーーと俺の間に『サクラ』が入り込んできて「だーかーらー!!ユウマ君から離れなさい!!」と言ってきて「あら、ごめんあそばせ。私ったら」と笑顔になり俺から離れて行ったのだった 俺達は宿屋で寝泊まりをしていたんだが『その宿屋』の主人である人が『俺たちの事を知りたいので教えて欲しいんだってさ』

そう言われたので。俺はアリシアからこの世界に来た時の事を話してもらったんだ。その前に俺は、『ステータスウインドウについて質問をすることにしたんだ』

どうして他人にも見られるようになっているのかってことを。

そしたらアイリが「あ~~。この『世界』で生きるためには『ステータスオープン』と言えば誰でも見えるんですよ。この能力のおかげで『魔王軍』と戦う事ができるのです。ですが、他の人に見られたくなければ見られたくない人だけにでも見せられるようにもなりますよ」そう言われてから俺の頭の中が一瞬真っ白になって、そのあとに出てきた言葉は『え?マジ?』という言葉だけだった。俺以外の人も同じように驚いていたらしく、全員が驚いていたのだった。

そうして俺がアイリに対してステータスを見せてもらうと、やっぱり、そこに書かれていたステータスの欄が普通じゃなくて『勇者専用ステータス』というものが表示されていたのがわかった。この勇者専用のステータスは俺達とは違い『数値の上限』がないのだということらしい。それにこの世界の人間は、みんな勇者専用の『HP』という項目の数値は1億を超えているという。だからアイリ達から『勇者召喚』を行ったという話を聞かせてもらい、そして『そのせいで俺の家族はこの世界にいるのか』という事を、なんとなくだけど分かったんだ。俺が勇者の力を使えるようになったのは、その時からだと思う。そして俺は『ある決心を胸に抱いていたんだ』

そうしているうちにアイリスも自分の能力をみんなに明かしてくれて俺も安心して、アイリと二人で話をしていたんだよ。

そして俺は気になっていた『アリシア』のことをアイリに相談する事にしたんだ 俺は、ずっと気になっていることがあった。それは『アリシアは、本当に死んでしまったのだろうか?』ということを疑問に思っている事と。『俺達の世界』にアリシアがいないということが、どうしても引っかかっていた。そういえば俺が前世の記憶を取り戻す前は、俺のことを『愛してる』と言ってくれたような記憶があった。そう、俺とアリシアは幼馴染でもあった。そう、そして、その当時。俺とアリシアは『許嫁』同士だった。

そう考えると俺はアリシアの本当の『想い』を知らなかったことになるんだよな。そう考えていく内に俺はアリシアのことを思い出してしまい涙がこぼれていたんだ。そしてアイリはそんな状態の俺を抱き締めてくれたんだ。俺は思わずアイリに泣きつき『寂しかった。怖かった』と弱音を吐き出したんだ。そうしたらアイリが優しく頭を撫でてくれたのだった。

「私がいるから大丈夫ですよ。もう絶対にあなたを一人ぼっちにさせませんからね」

そうアイリは俺に言ってくれて、その言葉で俺は救われた気がしたんだ。そうして、ようやく落ち着いて来た頃。アイリに俺の考えていることを打ち明けてみる事にしたんだ。そうして俺は『アリシアに会いたい』と思っていたんだと打ち明けるとアイリから「わかりました。では私の力で彼女を生き返らせることができるか、やって見せましょう!」と言い出した。そう言うなりアイリは『アリシアの蘇生』に全力を尽くすと俺に告げた。そうしてアリシアの亡骸の前にアイリスが立ち『両手を組み祈る』ような姿勢をとったのであった。そして「お姉ちゃん。アリシアおねえさま!起きてください!」と叫ぶと、アリシアは目を開けたのであった。そうしてアリシアは涙を流していた。それも『嬉し泣き』というものだそうだ。

そして俺達の目の前には『女神さまの幻影』が姿を現してきたんだ。俺は咄嵯的に身構えたが、その女神様は俺に向かって『あなたは勇者として選ばれたの。お願いします、あなたにしか頼める人がいないの!』と言われた。

そして女神様は『勇者の力を使うには【特別な人】とキスをすることが必要なの。だから今すぐキスをしてください』

そう言われた。

だから俺は『そんな事で力を貸して貰えるんなら喜んで!』

そして、その言葉を最後に女神様は消えてしまったんだ。

俺は気がついた時には見知らぬ天井を見つめていたんだ。

──「ここって何処?」と、思ったのも束の間。俺は隣にアリシアが眠っていて、アイリやサーシャさんが心配そうな顔で見ているのに気がつく。そしてアリシアと目が合った俺は彼女に微笑んで見せる。そうしたら彼女も微笑み返してきてくれて「良かった!本当によかった!!」

そう言って彼女は俺に飛び込んできたんだ。そう、まるで子供が大好きなぬいぐるみを抱え込むように、ぎゅっと力強く抱きついてきてくれたんだ。だから俺も彼女に応えるように、しっかりと抱き留めるのだった。

俺に抱きついてきた彼女の体は、小刻みに震えていて俺にすがるように泣いるんだ。

俺の胸の鼓動が早鐘を打つかのように、ドクンッ、ドッドッドッドックンと脈打つ。

それは何故か? 理由は、わからないけれど、きっと、この子の事が好きなんだと思う。俺はそう感じている。

だから俺は『俺にできることはなんでもする』そう心に決めたのだった。

だから俺は、アイリの事も抱きしめたんだ。そうすることで少しでも俺の『心の穴』を埋めたいって思ったから。そうしていると俺の目から自然と涙が流れてくるのを感じた。そうしたら俺の事を抱きしめる腕の力が強まるのを感じ。

「ユウマ君!ごめんなさい。ごめんなさい」と謝ってきたので「どうして謝る必要があるんだい? だって俺とアリシアは、ずっと一緒なんだろ?」そう言うと。彼女は少しだけ落ち着きを取り戻し。俺の事を『離してくれたんだ』

俺もアイリをゆっくりと離すと彼女は顔を赤めながら

「あの時はありがとう。あなたのおかげで助かりました。それに私の気持ちを受け入れてくださり本当に感謝しております」と、お礼を言われたんだ。それから俺達はベッドから降りてから アイリのステータス画面を確認してみると俺の予想通りにアリシアの固有技能の欄が増えていたので俺は、この世界に来る前に考えていたことを伝えようと思いアイナ達に話しかけることにしたんだ。

俺は改めてステータスを確認するために『ステータスウインドウ』を呼び出し自分のステータスを確認していく。そこには確かに固有技能に『剣聖術』が追加で増えていた。そこで俺はまだスキルの詳細を知らないので、スキルの効果などを調べていった。

スキルの説明によると まず一つ目の固有技能である このスキルは『全ての武器を扱う事ができる。しかも剣術、槍術などの種類関係なく使う事が出来る』というものである。そうして二つ目は

『全ての属性魔法を使いこなすことが出来るようになる(ただし魔力量が足りない場合発動すら出来ない場合もある)。さらに詠唱時間なども大幅に短縮することができるようになる(これも熟練度によって効果の変わるものでもある)』というものなのだという。ただ、この世界に来てから初めて見る文字なのに読むことが出来たのだ。そして三つ目になるのだけど『魔道具を作れる能力が発現した。これは、あらゆる物を創りだすことができて尚且つ自由にデザインできるというものだ』という説明になっているようだ。

それだけではなく。俺の持つ固有技能には俺と『アリシア』だけが使える技能がある。それがこれである。

俺の固有スキル一覧

『勇者専用スキル レベル上限が存在しない』

この世界にはステータスの数値が表示されているのだけど、このステータスに表示される数値の上限は1億までであるらしく。この1億というのが限界値であり。それ以上のステータスは表示されなくなってしまうのだとか。そして『この世界の住人』が出せる数値の限界値は100らしい。つまり俺はステータスウインドウに表示されてる『1億のステータスの上限が無い』という意味は『ステータスウインドウはどんな数値を表示していてもおかしくない状態になっているという事になるらしい』

そして次にアリシアのステータスウインドウを開いてみるとアリシアのステータス画面にはこう記載されていた。

──────

名前:アリシア=エルフォールト

職業 :元勇者

Lv :9999

年齢:15歳

種族 :ヒューマン

生命力:500,000

最大HP:50,000

最大MP:25,020,000

総HP:30,000

総MP:50,005,000

攻撃力:250,000,000

防御力:10,000

速度力:39,000

知力:45,016,000

精神力:13,000

運:0

魅力 :50,100 ≪戦闘職≫ 戦士系 <剣王>Lv10 →勇者専用 <聖女> 回復系 <神聖治癒士>Lv1 →勇者専用 その他 <剣技士> 《固有技能》 ◆剣姫 レベルMAX

『剣聖』『神域剣士』

◎剣帝 レベル6

『勇者の聖加護』『勇者専用 天上武闘会覇王』

◆聖勇者

『光輝の覚醒』『魔王殺しの英雄』

×勇者専用<英雄伝説創造『光の勇者』

【勇者の力】『神の威圧』

*『神眼』

〈特殊固有武装〉

「真白なる宝玉」『聖なる祈りの剣 セイクリム』

「無限の翼 インフィニットウイングス』『聖なる癒しの手 セーフィティーヒーリングハンド』

── ◆精霊勇者

『大精霊王の導き』

◆聖霊勇者

『大精霊女王の守護』

── ◆竜勇者★

『竜化 』

◆幻獣勇者 【勇者】

── ◆星辰勇者

『星読みの書庫』【星見の知恵】【占星術】【星宿りの力】

◆霊獣勇者 【巫女】『月夜の祈り』

◆英霊勇者

『星読みの賢者』『英霊召喚』

── ── こうしてみて思うのだが『俺とアリシアの持っている固有のスキルの数が尋常じゃないくらいに多いのではないだろうか?』と、いうことがよくわかるなぁと思った。しかし、そんなことを考えても俺達には時間がないというのが現状だったりするんだよ。何故ならアリシアが言うには

「ユウマ君。実は私、元の世界に戻れるようになったの」と、言い出してきたんだよね。それでね、彼女は俺のことを気にかけてくれるのか

「私があなたに力を渡して、元の世界のあなたを救えるかもしれないの!」とか言って来たのよ。そう言われた俺は正直迷っているんだ。でも、俺としてはもう元の世界に帰っても仕方ないとは思えてきた。それに何よりも、この異世界での思い出も大事にしていきたいし、俺はアリシアのことだって好きになったから。それに俺を召還したあの謎の少女にも会いたいと思っているんだ。

そんな事を考えていると俺と目が合った。

「ユウマ君。どうやら考え事は終わったみたいね。それじゃあ、あなたの答えを聞かせて欲しいの。もちろん、この世界で私の夫となる人だから私は貴方の決断に従うけど」と、言ってくれたんだ。だから俺が思った事を彼女に伝えたら彼女は少しだけ寂しいそうな表情をしていたんだ。俺は『ごめんな。でも、これが今俺に出来る最大限の優しさだと思うんだ』と言い。彼女の唇を塞いだんだ。

そしてアリシアを抱きしめながら俺は言ったんだ。

「俺はこの世界で生きて行くことを決めた。アリシアとアイリとアイリス、それにこの子達の為だけに生きると決めたんだ。それに、まだ俺はアリシアの事を諦めきれていないんだ。だから俺に君の全てをください」

「ありがとうございます。本当に嬉しい。私もあなたをずっと愛してます。だからこれからもよろしくお願いします」と、彼女は俺の胸に顔を埋めて、そう呟いた。だから俺は彼女をそっと引き離して、彼女を強く抱きしめてから耳元で囁いてやったんだ。

─────俺に『勇者としての使命』を全うする為にこの世界を救う『覚悟』と『決意』をして欲しいってさ。俺は彼女に向かって微笑んで見せたんだ。すると彼女の目から涙が零れたんだ。

そうして俺はアリシアに、もう一度キスをした。今度はお互いに深く求め合うように舌を入れていくとお互いの唾液を交換し合いそれを呑み込むのだった。それから俺が、この部屋にいる女性達に俺の考えを伝えた後に、アリアさんがこの国の国王として、そして俺とアリアさんの父親代わりでもある宰相のジークベルトさんと話し合いを始めた。そして俺達は俺とアリシア以外の『全員』に一度元の場所に帰って貰うことにした。そしてアリアが言うには『私達がこの世界に来た時と同じ場所に行くとそこに転移できるから安心してほしい』と言っていたので。俺は皆が無事に帰れる事を祈る事しか出来なかった。そういえば俺のスマホには家族と俺を心配するような内容の手紙と写真が大量に届いていたんだけどさ、その写真を見てしまった時に何故か俺は泣いてしまった。

だってそこには母さんと妹がいたんだ。

それに父さんの姿もちゃんとあるんだから、俺がこの異世界で何をしているかも、なんの連絡もしないで勝手にいなくなってしまっていることも。そして、もしも何かが起きたとしても、俺がこの世界をどうにかするまで帰ってくるつもりはないと言う事も理解していたようで『頑張れ』という言葉だけが書いてあったのだけれど、俺にとっては凄く心強いものだった。

それから俺とアリシアはこの国の王妃であるアイリスに俺の妻となって貰った後。それからアイシアの部屋にアイリアを連れて行って二人だけで話をしていたのだ。それからアイナとも話をしておきたかったのだが流石に『今すぐに』とは行かなかった為。後日また会う約束をするのであった。ちなみに俺のレベルは1000を超えて『レベルMAX』になり、スキルの方はアリシアのおかげで全てのレベル上限を超えることが出来たのだが、『スキルポイント』というモノを獲得することに成功できたのだ。これは俺とアリシアだけが獲得する事ができた。この『スキルポイント』というスキルを使う事で、スキルを取得することが可能なのだ。しかも俺の場合は取得可能な全てのスキルを『レベル9999』までに上げることが出来るのだそうだ。なので試してみると、このスキルの説明が『このスキルはスキルを取得することが可能であり。熟練度が上昇する度にスキルの効果が大幅に上がる』というものなのだが、例えばスキルを取得した時に、熟練度が一定値を超えた場合には、スキル効果が上がり、熟練度の数値が1になる毎にさらに『スキル効果の上昇値が上昇』していくらしいのである。

そして俺はその能力を最大限に活用することによって、全ての『レベル』を上げることに成功したのである。つまり俺の固有技能『勇者』はステータスの数値が限界まで上昇するだけではなく『経験値倍増』『必要ステータス激減』『超高速レベルアップ』の三つが備わっていたのである。この固有技能の能力については俺はもう既に『神の領域』に達しているらしく。もはや人間の域を超えてしまっているのだとか。

ただこの固有技能は俺の意思では制御できないらしく。あくまでもアリシアからの受け売りなんだけど。

まぁそれは置いといてだ。そしてこの世界の神という存在がいるらしいのだが『この世界の神』というわけではなく。

そもそもこの世界自体が全て神の力で作り出されたもので。俺の住んでいた世界は『俺の世界』と『他の神々』によって作られているらしく。要するにそれぞれの世界は独立しており干渉することはできないのだということだ。

しかし、唯一この異世界に召喚されて魔王を倒すという役割を持っているのは『異世界』の住人のみであり『魔王を倒した勇者の魂は元の世界に帰ることになる』と言われているのだ。そして、勇者を召還する役目を持った少女というのが俺の目の前に現れた『召喚術師の少女』だというわけなのである。

俺は彼女と会って話がしたかったのだが、結局話す機会がなく今日になってしまった訳だが、彼女は『魔王討伐』の任を解かれた直後に行方不明になっていた。俺は彼女に会いたかったのだがどうすることもできなかったのだ。そして俺は『元の世界に戻るために』アリシアと一緒に王城にある儀式の間へと向かった。そして、そこにあった魔法陣に触れながら目を瞑ったのだ。

すると視界が暗転したのだが、直ぐに元に戻ると。そこは元の世界に帰ってきた俺とアリシアとアリシアの家族だった者達が暮らす一軒家のリビングだった。そこでアリシアに「お疲れ様」と声を掛けられてから俺と彼女は暫くの間抱き合っていたのだった。その後、アリシアの両親も俺のことを労ってくれたので俺は素直に感謝の気持ちを伝えることにした。俺の両親は相変わらず俺を信頼してくれていて、俺の好きなようにするといいと言ってくれたのだった。それからアリシアの家に住むことになった俺は早速家事を始めると俺が『この家の為に尽くそう』と心に決めて。

「あぁ〜あ!俺がもし勇者だったら楽に魔王を倒しちまえるのによ!」

俺の親友の鈴木 健太は『異世界に行ける』という話になるといつもそんな風に文句を言う奴なんだよね。だから、俺はつい最近に『異世界召喚』なんてされたせいで異世界召喚される前は親友だと思っていたヤツと喧嘩別れみたいになってしまっていてさ。そんな状況で俺とアリシアは二人で異世界に飛ばされていた。

俺が今、どんな状態になっているかというと、今いるこの国は『アテトリア王国』といってこの国の名前は『勇者召喚』をした際に、女神様から授けられたものだ。この国の正式名称は『勇者の国』と呼ばれているんだが俺はこの国名には不満しかない。

何故ならばこの国の名前に俺は未だに納得していないからである。というのも『勇者』といえば普通に考えると異世界に転生や転移をした者のことを言うのではないだろうか? しかし俺は異世界に転移などしておらず元の世界で普通の生活を送っていた。しかし、何故か俺は異世界に勇者として召還されてしまい。俺は勇者にさせられてしまっていた。しかし、俺自身は勇者なんかになりたくなかったので必死に逃げようとしたのだけれど、俺を呼び出したのは勇者召還を行なったこの国の王女様だったのだ。それで俺のことを勇者として迎え入れて欲しいと、お願いをしてきたんだよ。

だけど俺自身、自分の力で生きていきたかったので丁重に断らせて貰おうとしたのだ。でもさ、その時の俺とアリシアってさ、色々と大変で精神的にもキツい状態だったんだよね。それにアリシアは聖女の力を持つ女の子な上に美少女なもんで俺は周りの男子達から目の敵にされていて嫌がらせを受け続けていたのだ。

そうして俺は毎日のように虐められ続けていたんだ。俺にはそんなつもりはないんだ。それにさ、俺には何も力がなかった。だから俺は弱い人間だし誰よりも優しい人間だと思っている。それに、この国にきて初めて会ったのがこの王女さまで、最初は優しく接してくれたのが本当に嬉しかったんだ。でもね、その人がこの国の『元第一王子の婚約者』だってことが後からわかってきて。しかも勇者を呼び寄せて『この国の平和を守る』のが使命なのに彼女は勇者の俺をまるでゴミクズを見るような目つきで睨みつけてきたんだよ。そして俺は彼女に勇者を断る為にこの国から逃げる事にした。

それから俺達は二人で旅をしながら生活をしていた。

そして俺がこの世界での初めての街に辿り着いた時に出会ったのが、この世界では珍しい黒い髪をしていて綺麗に整った顔立ちの美少女で。彼女はこの街で占い師をしているアリシアと名乗った女性だった。

彼女はこの世界に来たばかりの俺に色々親切にしてくれるだけでなく。彼女が元々いた世界での話などを聞かせてくれたんだ。

それから俺は、しばらくアリシアと行動を共にしていると彼女の妹と知り合ったのだ。

そして俺とアリシアが一緒にこの国を離れる決意をした時には俺にこの国を離れないでくれと、お願いまでされてしまったんだ。そして俺は、この子だけは助けようと思ってしまったんだ。だから俺はアリシアと共にこの国を出ていったのである。そうしてこの国の王都を出た俺達は、アリシアの故郷である村に身を寄せることになったんだ。そうして俺とアリシアは暫くの間は、その村で過ごしていた。その村はとても小さな村だったので村人達は俺達の事情も知らずに温かく受け入れてくれていたので。俺達はここで生活をすることを決めることにした。そして、ある日のことだった。この村の近くでモンスターが出現したので退治して欲しいと言われて。俺とアリシアはその依頼を受ける事にした。そして、この村の人達は、かなりの腕前でこの辺りの地域では最強レベルの戦闘職の者ばかりで有名だという事を聞かされた俺とアリシアは依頼を引き受けた。そして俺とアリシアは村を出ると近くの山で修行を行い。そして無事に討伐を終えた後、その日は俺とアリシアはこの村に泊まることにした。その時に俺が倒したオークという化け物の肉を食わせて貰ったり、アリシアと夜を過ごしたりと、楽しい時間を過ごしてから俺はこの世界の事を詳しく知るためにアリシアの妹のリリーナと会話をしていた。そうした時に俺とアリシアに妹さんがこの村から出て冒険者として生活したいと言ってきた。勿論、アリシアは猛反対したのだけれど、俺自身が賛成してしまった事で俺とアリシアの二人はリリーナと一緒に暮らすことになった。それから、しばらくして俺とアリシアは、この国では『王城の騎士長の一人息子』という設定のアレックスと出会い仲良くなったのだ。

彼は、とても気さくな男の子で俺は直ぐに彼と意気投合した。そうして俺と彼を含めた4人で暫くの間、この村の周辺に存在するモンスターを倒し続けてレベルアップを行っていた。そうするとレベルも上がり俺と彼の二人だけがレベルアップが早くなっていたのである。そうやって過ごしているうちに俺が、この世界で初めての『レベル100』を超えたのだ。それを見たアリシアが俺のレベル上げを急ぐ理由ができてしまったのである。

そして俺は『レベル99』の時にスキルポイントを獲得することに成功していたのだ。これはアリシアの話から聞いたことなのだが、スキルを取得可能になった場合のみ。俺の場合に限りスキルポイントを獲得することが出来るのだとか。

そして、俺とアリシアは俺が取得したスキル『超高速成長』のスキル効果によって。アリシアも俺と同じく『ステータス上昇率』の数値が『限界突破』していた。なので、この世界に来てから約1ヶ月の間に。俺とアリシアのレベルはあっという間に、この周辺の強敵を倒すことのできるレベルまで上がるようになっていた。俺の場合は元の世界に帰る為に『レベルを上限まで上げる必要がある』と思っていた。そして、そうこうしていると。この世界の魔王が現れてしまって。魔王を倒さないと元の世界に戻る事が出来ないという事を聞かさせれてしまうことになる。俺には勇者としての力が有るらしいのだが勇者の魂を召還した少女がいなくなってしまっているせいで魔王を倒せる勇者がいない状態が続いているのだそうだ。俺はそんな話を聞いた後に魔王を倒してやろうと、密かに決心したのである。俺は、この世界を元の世界に戻らなければいけないと思っていたからだ。しかし、俺はまだ自分の能力を制御できない状態で。このまま一人で魔王討伐に向かう事は、まだできないと判断し。俺は勇者の素質を持っているアリシアと相談をして二人で向かうことに決める。俺は、この世界にきてアリシアと出会って以来ずっと思っていたことがあったのだ。

「俺がもしアリシアの恋人だったなら絶対にこんな思いはしない筈なんだ!」

だから俺には『元の世界に帰らない』なんて選択を選ぶなんてあり得ないことだった。

そして俺は、この世界にくる前の日に彼女とキスを交わしていたことを思い出す。俺にとってアリシアが特別な存在だったからこそ。俺は、あそこまで心を開いて接する事ができたのだから。俺にできることはアリシアと二人で協力して。俺自身の能力を制御する為に、そして、元の世界でも大切な人だったアリシアの為に戦うことを誓ったのであった。

それから俺達は、王城へと赴くことにしたのだが。その際に俺は王城に保管されている古文書の解読を行うように国王に命じられた。そこで俺は古文書の『勇者の真実』について調べ始めた。しかし、そこには俺がこの世界に来る前に読んでいた本に書かれていた内容と大筋は変わらない記述ばかりだった。しかし、その中に一箇所だけ『勇者の剣』についてのことが書いてある部分を見つけた。

「なるほど、確かに、この本の内容通りに俺が勇者として呼ばれたんだとしたら俺のこの世界での役割はこれで決まりってわけだ」

俺はそんな風に思いながら俺がこの世界にやってきた時のことを思い出しつつ。俺が異世界に勇者として召還される経緯などが書かれた『勇者の歴史書』を読ませてもらったのだ。その歴史書を呼んで分かったことがあるんだ。それは勇者召喚は、過去に3度行われたということ。その召喚された者達は、みんな同じ勇者の力を有していた。

しかし過去の勇者達は勇者の力で、自分達がこの異世界に来た目的を果たしてきたみたいだが。しかし、俺は違った。何故ならば、この世界で俺を呼び出したのは、このアテトリア王国ではなく、隣の国のサニア王国の王女様でアリシアだったのだったから。だからこそ、今回の俺を呼び出した儀式に使った聖女の能力では俺の勇者としての力に歯止めをかけれなかったのではないかと、考えることができた。

何故ならば俺の勇者としての特性値の高さから。勇者をこの国に引き留めておく為の楔のような役目を与えられた聖女では俺に対抗できるはずもなかった。

そして俺自身は元の世界の日本に住んでいた平凡な男子高校生であり、勇者の適性がなかったのではないだろうか? だから俺は自分の意思とは関係なく、この世界に連れてこられたんじゃないかと、考えた。それに俺は自分が勇者であることを否定するつもりだったので。

俺は、そう言った意味ではこの国の王女が召喚の儀式で、この国に招いた勇者とは違うということになるだろう。そうして俺達はアリシアの故郷である村に一旦戻って、暫くは、この村での生活を過ごす事になった。その生活の中で俺は『この国にいる間だけでも勇者として活動するべきだ』とアリシアが言うから。俺はアリシアの提案を受けて勇者として活動することにした。しかし、俺は勇者になるつもりはなかった。だけど『元の世界に戻る為に』仕方なく勇者として活動することにした。そうしなければ元の世界へ帰ることが不可能なのではないかと考えていたのだ。そして俺は勇者として活動をしながらアリシアと共に、この世界の各地を回り『勇者の使命を果たす』ための冒険を始めた。しかしアリシアが勇者として活動しようと言う度に。俺とアリシアの関係は悪化の一途を辿っていた。そのせいもあってか俺達はお互いの気持ちを伝える事ができなくなっていたのである。俺達は互いに相手の事を嫌いになってしまったわけではなかったのにね。でもお互いに自分の本当の想いを打ち明ける事が出来なくてすれ違ってしまった。でも俺は今でもアリシアのことを想っているし大切に思っているんだ。でも俺には彼女の傍に行く資格がないんだ。でもアリシアに逢いたいんだ。だから、この世界に留まることに決めたんだ。

◆アリシア視点◆ 私は、ユウマ君を愛している。彼に恋い焦がれているんだと思う。この世界に召還されなければ私は、彼と出会わなかったかもしれないけど、でも私にとって彼が特別な人になっていたに違いないんだ。

でも私が愛した人の全てが欲しい。彼の身体と心を私だけのものにしたいと思っているんだ。それぐらいに私はユウマ君の事が大好きで仕方なかった。だって好きな人がいなかった私の初めての男の人として特別な存在になってしまっていたんだもの。でも今、目の前に、いるユウマ君は私の事を好きでも何でもないんだ。なのに彼は『勇者』になろうとしているの。

私はそれが嫌なの!他の女のモノになっちゃうくらいなら、もういっそ殺してしまおうと思ったんだ。そして私以外の女性を見る目が無くなったユウマ君を、そのまま私だけで独占したいとさえ思ったこともあるわ。それくらい、わたしの心の中は貴方でいっぱいで貴方を独り占めしてしまいたかったの。でもね。それじゃあ意味が無いの。この世界に勇者を喚び寄せるために頑張って修行をしている人達がいるんだもん。そして何よりもユウマ君の『愛する家族』である妹さんがこの村に住んでいるんだよ。それを知った上で、私は勇者活動なんて出来るはずがないもの。そしてユウマ君は私の事をどうも思ってもいないという現実が突きつけられたの。それなのに、その事を知れば、きっと私は立ち直れなくなる。だから『何もかも無かったことにする』という選択肢以外考えられないじゃないのよ。

それにしてもどうして『あの子』はあんなに必死になっているのかしら? 私には分からないわ。でも『ユウマ君の妹さん』は凄く可愛いのよね。その事が、少し気に入らないかな。

◆ 俺とアリシアは暫くの間は、この村に残って。リリーナと一緒に村の周辺に居るモンスターを倒す毎日を送っていた。そうしているうちに俺は勇者の素質を持つアリシアが『勇者の証』を手に入れたことを知ったのだ。その『勇者の印』は『勇者』だけが身につけることのできる特殊な『紋章』みたいなものだったのだ。そして『勇者』は魔王と闘う為に存在するのだそうだ。だから俺が魔王を倒してやらないと元の世界には戻れないのだと言われた。

そして俺はこの世界に残る事を決めた日から密かに考えていた事があったのである。それは俺自身の能力を制御する方法を見つけて『この世界に来る前に読んだ勇者召喚に関する本』の中に書かれてあったことを実行したかったのだ。俺のステータスに『超高速成長』と『限界突破』のスキルが付与されていた事で、俺はレベル99まで『限界を超えて成長する事ができる』らしい。しかし俺はまだ自分の力を制御できないでいた。なので俺はまだ自分自身の力を知る必要があったので、古文書に書かれている『勇者の試練』を受けることをアリシアと決めることにした。

しかし、そこには、この国と敵対する国の姫と『この国を救う勇者』がいて。その二人と協力して、魔王を倒すこと。魔王を倒したら元の世界に戻れるのだと知った。しかし『勇者』の力が無ければ魔王を倒す事ができないとも書かれていたのだった。だからこそ俺は『勇者の力が制御できるようになった時、元の世界に戻ろう』と考えていたのだ。しかしアリシアに『勇者としての力が制御できるようになるまでは一緒に旅をしない』と言われてしまったので俺は、アリシアに自分の考えを告げずに。一人で勇者としての活動をする事になった。俺は勇者の力を得てから1年が経過してもまだ自分自身の勇者としての力と上手く向き合うことが出来ていないので。俺一人の力で『元の世界に帰る方法』を見つけることができないと考えたからだ。そして俺は、このままこの世界に留まることを決めたのだ。

「俺はアリシアのことが本当に好きだ。俺が彼女を守るんだ!」

そんな風に思っていたのだけれども。結局は勇者活動をすることになってから2年間が経とうとしていたが未だに俺自身が持つ勇者の力を自由に使いこなす事ができないままだったのである。そして俺はアリシアとの約束を果たすことができなかったのであった。しかし俺は勇者の力を得る為に王城へ行かなければいけないのだった。だから俺は、王城へ向かう事にしたのであった。

そういえば『この国と敵対関係にある国』とか言っていたけどどんな国なんだろうね。

そして、それから俺は、この国の王女に呼び出されたので、王女が住んでいる王城へ行くことにしたのだった。しかし、王城にたどり着くと、そこには『アリシアの妹のサリアちゃん』がいたので俺は驚いてしまった。そしてサリアは何故か『勇者召喚の儀』を執り行ってから『行方不明になっていた筈なのだが?』

しかし俺は、その時、既に『アリシアから聞いていた勇者召喚の儀式』と、この世界で実際に行われた勇者召喚の儀式が違うものであることに気づいていたのだ。そうして俺はこの世界でアリシアの大切な人である『サニア王国の第二王女のサリア』に逢うことに決まったのだった。

そして俺は、この世界で、俺を召喚してくれたアリシアと、もう一人のアリシアを守れるように強くならないといけないと決心していた。しかし、俺は『元の世界に戻る手段を探す事』と『この世界に来た目的』の二つを果たさないうちは帰ることはできないと考えていたので。その為に、これからは勇者として冒険をすることになった。

しかし俺にはこの世界での目的を果たした後、アリシアと、どう接すればいいのかが分からなくなってしまった。だって今の俺は『この世界のアリシア』を愛することができなくなっているからだった。でも俺はアリシアに恋をしてしまったんだ。だから、いつか俺のこの想いを伝えたいと思うんだ。

そして、その気持ちを隠しながら。俺は、この世界に来てから『元勇者である自分を受け入れてくれている人達』と出会って、少しずつ変わっていけるように頑張っているんだ。そうしないと俺は、いつまで経っても、自分の弱さを受け入れることができないで、元の世界に帰って、俺のことを待っている家族と会う資格なんてないと本気で思うからなんだ。だから俺はアリシアのことを愛していて。でもアリシアとは二度と結ばれなくても構わないと思っているんだ。でも俺がアリシアを大切に思っている気持ちに変わりは無いんだ。そう、俺は、アリシアを愛しているんだ。でも今のままじゃ、この世界に留まってしまったとしても、この世界とアリシアのどちらを選ぶことになるかは分からないだろうな。

そうして俺はアリシアと、別れてから『アリシアと妹の二人だけで過ごす時間を邪魔しないようにしよう』と思って俺はアリシアに逢いに行くことを躊躇してしまっていたのであった。だけど『勇者の力を使いこなせないままでは、この世界を平和にする事はできないのかもしれないな』と思い始めてからは。

そして俺は『アリシア達を守れる強さを手に入れる為に、もう一度この国で頑張ろう』と考えを改めるようになったのである。でも、もしも『俺の家族をこの世界に引き込んで、こんなにも辛い思いをさせたヤツ』に出会うことができたなら。俺の手で殺してやりたいと思うんだ。でも俺には何もできなくて、この世界に来てくれた家族の事を守れていなかったのにね。

そして俺が王城へ向かっている途中でアリシアの妹と会ったんだ。

◆リリィ視点◆ お姉様は私達の前から姿を消してしまったわ。だから私は『どうしてお姉様に会わせてくれないのか?』と王様に問い詰めたけど。何も教えては貰えなかったの。それどころか私に『お前の姉のせいで、あの女勇者の居場所がわからなくなってしまったのだぞ!』と怒り出す始末で『お兄様は、もうこの世にいないんです。』と言ったら更に逆上されてしまった。それで私は泣きたくなってしまって逃げてきた所なの。でも、どうしても、諦める事ができなくて私は今日も『あの子を探し求めて』森の中でさまよい続けているの。だってあの子が生きている事を私は知っているもの。

私にとってあの子は『かけがえのない妹』だもの。だから、私は、この異世界に、お父様の命令で連れてこられた時に、この『森の妖精』の姿になったの。これは私が、あの子に逢うために必要だと考えたからだ。

そして私は今もこうして『愛する人の面影を追いかけて』探し回っている。

◆ ◆ ◆

「ユウマ君は何処に行ってしまったの? ねぇ? リリシア。何か聞いてない?」

私がこの『王国』を留守にしている間。リリシアが『勇者ユウマ君と行動を共にしている筈』だったので私は彼に連絡を取ろうとしたけれど。全く繋がらなかったのである。それなのに私はリリシアから『この世界に居た勇者召喚の儀によって召喚された少年』の事を聞かされたのである。私は『彼が勇者召喚の儀式で呼ばれた』と聞かされてから『私の大切な人の忘れ形見』のように感じていて、ずっと心配だったのだ。でも『彼』は無事に、この世界に辿り着いたのだと知り。私の心はとても嬉しかった。

それなのに、あの子が私に隠している事を知ってしまい、あの子の事が信じられなくなったのである。そして私達は『お互いが離れ離れにならないように協力し合って』一緒に生きていくことを約束していた。でも『私の勇者の証』は壊れてしまったのである。そのせいで『私はこの世界に留まる』と決めた時と同じ様な状態に、再びなりかけている。それは私がリリシアに『勇者の力を制御する為には魔王を倒さなければいけない』と言われているにも関わらず、魔王を倒すことを放棄してしまっていることが原因なのだと分かっていた。それでも、この世界で『私の力を理解してくれる存在』に巡り合ったことで、元の世界に帰りたいと思っていた感情が揺らいでしまった。

そして、この『勇者の印』の力は『ある条件』をクリアすることで、その能力を解放する事が出来るらしいのだ。だからリリシアの持っている『聖印』も同じようなものなのかな? と思って確認したところで同じではないらしいことが分かったので私は困惑したのだ。

そういえば『ユウマ君は何故突然いなくなってしまったのか?』と私は疑問に思っていたのだ。それに私は気づかないうちに。彼の『お荷物になっていたのではないか?』とも考えていたのだ。だって私と彼はお互いに『この世界の人間では無い』と分かっているのに『勇者召喚の儀式の術式』を使ってまで呼び出そうとするほど、国王陛下と王妃殿下はこの世界の人々から勇者を求めているという事なのだろう。でも『この世界には召喚される前にいた元の世界』があるからこそ勇者は召喚することができる筈なのだ。

つまり『この世界で召喚される事を拒んだ場合、この世界と元の世界で時間軸が異なっている為。こちらで何年経とうが元の世界に居る時は一瞬の出来事』だということを、勇者召喚で呼び出された人が知ったなら。この世界で生きる事を望む人も中にはいたと思うのである。そうして元の世界に帰りたくないと、この世界に留まることを選択した人は勇者として『魔王を討伐する使命』を放棄することになる。だからこそ、そのような選択をした場合、この世界に留まることを決断して勇者活動を放棄した者には『この世界を救う義務』が課せられるそうだ。そして『勇者の力を失う代わりに勇者の力を行使することのできる者』は勇者活動をしない限り『勇者の力の制御』を行うことができないような仕組みになっているようだ。そうでなければ魔王を倒すことが出来ないように『この世界の法則』が設定されているということだと思う。だからこそ『この世界で得た知識や技術を元の世界でも使えるようになるように』勇者の力は設定されているのだと思った。そして勇者の力を持っているからといって。『元から勇者の力を持っていたわけではない』人達はその力が使えないのだ。しかし『勇者の力で無ければできないこともあるだろうから、その力を使えるようにならないといけない』と考えた人達が、その『力の制御方法を知る事ができるまで元の世界に戻る事ができない』ようになっているんだと思う。だから勇者の活動を辞めてしまった人は元の世界に帰れないという『決まり』が作られているのだと考えられる。

そんな風に考えてみた結果『私がユウマ君を困らせてばかりで足手まといだったんじゃないのか』と考えてしまったのだ。

でも『もしも本当に私がユウマ君の事を邪魔に思ったり。足手纏いだと感じたりしたならば。勇者の力とは関係ないところで私をこの異世界に呼んだ儀式の時に殺せばいいだけの事』なのよ。だけど、私はそれをしないでくれているし、そもそも元の世界に帰してくれるつもりもないみたいだしね。それに『あの勇者の印は私にしか反応しなくなっていた。』だから、きっと『あの勇者の力』が暴走しないように『調整をする』ことさえできる勇者の力の持ち主であれば『勇者召喚の儀を行った人以外でも勇者の力を操ることができる』って事でしょう。そして『あの時の儀は私に『勇者』としての素質が無かったから失敗したのではなく、この世界の人達が勝手に勇者だと思い込んでいた『アリシアお姉様の勇者の力と相性が悪くて失敗した』ということになるのだろう』と考えていたの。

そして私は、リリシアから、この国の現状を聞いた上で、これから自分が何をすれば良いのか考えた結果。やはり元凶となった人を捜さなければダメだと思ったの。そうじゃないと、これからも犠牲者が出てしまうだけだと気づいたからだ。だから私も『ユウマ君の力になりたかった。』そうして私達は協力することにしたのだ。

そうして私達と別れてから数日後。『勇者の力を覚醒させつつある女の子』の気配を感じた私は。彼女の居場所を突き止めて、この国に来たのだ。そこで出会った勇者召喚で異世界に呼び出されて『この世界に勇者の力を発現させられた女の子』は、とても綺麗な人で驚いた。だって今まで私が会ってきた女性の中でも一番可愛くて美しかった。そして『この世界にいる間に、どうにかしないと』と考えてしまったのである。

そして私は今こうして森の中にある湖の近くに居る。そして私が探していた彼女は、そこに居たのであった。そして、やっと『彼女と再会できた嬉しさと安堵感と、この世界の事情に翻弄されて、ずっと苦しんでいた彼女に、私は、どう接したら良いか?』と考えてみた。でも私は彼女を、この国へ引き止めなければならない立場にあった。

「リリィ、あなたに話したいことがあるの」

◆リリア視点◆ 私はリリシアを、この世界に引き止める必要があると思い、この世界に残る決意を固めることにしたの。

「私に聞きたい事ですか? お姉様? 」

「うん。あなたの口から、この世界を平和にする事ができなかった事を聞かせて欲しいんだ。私のせいで迷惑をかけたね。ごめんなさい。リリシア。」

そう私は、自分の妹に頭を下げたの。するとリリシアは慌てて私を止めようとしたのである。

◆リリシア視点◆ お姉様は私に対して謝っていたけど。お姉様は何も悪くないのだ。私は『あの子に会いたい』という思いだけで。お父様の命に逆らう事もできなくて。ただひたすら我慢して過ごして来たの。だから私は『お姉様が謝ることなど無い』と思っていたのだ。

それに私は『お姉様に嫌われていたのは知っている』。私は昔から、わがままで『人の話を聞かない』お転婆娘で通っていた。だからお父様もお母様も『私が居なくなれば良いと思っているんじゃないか?』とも考えていて『早く元の世界に帰ってしまえば、もう会うこともないかもしれない』と思っていたくらいなのだ。そして私は、この世界に召還された時に、この世界の人達の気持ちを考えないで自分本位で『元の世界に戻れますか?』とお父様に聞いてしまったことで『お兄様を怒らせてしまった事があった。その時の事は未だに後悔している。そして『この世界に来てからも、よく失敗をしていた』。それなのに『私は、いつも周りに心配をかける』悪い娘なの。だから私がリリシアに謝る資格なんて無い』と思ってしまうの。

「えっとですね、お姉様が私のことを恨んでいないことは分かっています。だから顔を上げて下さい!」

私が焦った様子でお姉様に言うと『リリアさんは顔を上げてから。ゆっくりと話し出すまで少し時間が掛かっているように思えたけれど、何か理由があるんだろうか?』と思ったのである。そして私は気がついたことがあったんだけど。それは、さっきの話の中でお姉さまとユウマさんの出会いの物語を聞いていた時に気が付いたのだ。そういえばユウマさんが私達に話してくれた時も同じ様な事があって、それで彼は悩んでいたんだなって思い出した。

◆リリア視点◆ 私はリリシアに言われた通りに『この世界の平和を守る為に魔王を倒して欲しい』という事を伝えた。そうしたら『私がこの世界に残っても、また同じ事が起きると思うんです』と言っていた。そうして彼女が続けて『勇者として呼ばれた私が、この世界に残る事で『魔王を倒さなければならない』っていう思いだけが残ってしまったのなら、この世界の人々を救えないです』と、言ってきてくれたのだ。だから『それなら魔王討伐に拘らない』という選択をして、私の元で暮らす事を提案したの。そして私の家族になった後で改めて『この世界で魔王と戦う方法』を考える事にしたのである。

そうして彼女を連れて城に帰ると。国王陛下達が私とユウマ君を探しに来てしまっていたの。そして、その日は一旦解散しましょうという話にまとまった。私は、そのあと『明日の謁見の間への呼び出しは覚悟しなければならない』と考えたので憂鬱になってしまった。そして私は、国王陛下に『今日は疲れたから』と言って先に寝させて貰ったの。だって『勇者の力を持った私達二人が同時に消えた』と、思われていたんだから仕方がないと思うの。それに国王陛下に説明しなければいけない内容もたくさんあるし、ユウマ君のことも気になっていたし。

翌日は、朝食の前に、もう一度謁見の間で『勇者が二人現れた』事を報告しにきたのだ。でも今回は、国王陛も同席されていて、昨日の事を報告を済ませた後で、この国に滞在してくれる事になってくれたのだ。そうして私達は、しばらくこの国に滞在することを許されたのだ。それから、この城の中や城下で買い物をしたりとか。美味しい食事をとったりして過ごしていた。そして夜は皆が揃っての夕食をいただいたの。でも何故かユウマ君は『リリシアが居るなら俺が居なくても問題ないだろう』と言って帰ろうとしたのよ。私は彼を説得しようと思って必死だったの。でも『この世界に残ることを選んでくれてありがとう』と言われた後に『もし元の世界に戻るなら私もこの世界の人達を助けられるような勇者になれるように協力するよ』って言われちゃった。

私は『勇者召喚によって勇者に仕立てられた人には勇者として活動する以外に道が無い』という決まりごとがあるって知っていても。彼の言葉に甘えても良いのかな? と考えてしまったのだ。そして彼がこの世界で生きて行ってくれることを決断してくれたことが、とても嬉しいし、ホッとしている自分がいることに気づいたのである。

◆リリア視点◆ そう言えば『この世界では勇者の力を持たない者が勇者の力を使って戦うと勇者の力が発動できないようになっている』という事を彼に話していない。

それに勇者の力を持っていない人が勇者の力を使うと『その勇者の力が封印され』使えなくなるのだそうだ。

そして『元の世界に帰す』ために私をこの世界に呼び寄せたのは間違い無く私のお父様だという事を、私は知っていた。そしてお父様が『どうして私を呼びよせたのか』『何のために私を召喚して勇者の力を与えたのか?』という事を考えた結果『お父様はこの国の為になる行動をしようとしているのではないか』と考え至ったの。

私は『お父様が何を考えて行動しているのか』はわからないけれど『元の世界に帰さないで欲しい』と伝えておいたの。だから今は、お父様の望みどおりにしてあげようと決めた。そうじゃないと、また元通りになってしまうだけだろうし。私はこの国に留まることに決めたのだ。

そう考えていたら『リリシアの様子がおかしいから調べさせて欲しい』と言い出してきたから困っちゃった。ユウマ君が言うと、リリシアも嫌がっている素振りを見せなかったから、ユウマ君の頼みを聞いてあげることにしてあげたの。そうしてユウマ君の魔法によって、この世界に残っているリリシアの精神体を調べると、この世界にリリシアを召還させた人物がいることがわかったのである。その人の居場所は私とリリシアしか知らなかったから。その場所に行く事になったの。そこでリリシアをこの世界へ呼びつけた『あの人』に会うことになったのである。

◆アリサ視点です。

俺はリリアナと一緒にこの世界に来た少女の捜索の為に森の中にある湖に来ていた。そこで『勇者の力で異世界からやってきた女性』を見つけた。そして話を聞こうと近づこうとした時に。彼女は、この世界にやってきた時の事を語り出したのであった。彼女は、自分のせいではないのにも関わらず『自分が元の世界に帰りたいが為に』異世界から来た人々を犠牲にしてまで異世界の召喚術師の娘に、異世界召喚でこの世界の召喚の儀を執り行わせた。その結果。この世界の人々を救えなかったことを気に病んでいるようだ。

そして『元の世界に帰れなくなったリリシアのこれからの人生』は『元の世界に戻れなかった場合』とは全く別のものになるとも言っていた。そうして『この世界の平和を脅かす脅威に立ち向かう力』を、どうしたら良いか悩んでもいる様子だ。だから俺がリリアナに対して『一緒にこの国で暮らせば良いんじゃないか?』と提案してみた。するとリリアナは少し迷っていたけど『この世界を、この目で見てくるね』と言ったので。俺と別れてリリアナは、まずこの森の奥に住んでいる彼女の師匠に会いに行って来るらしい。

◆リリア視点◆ 私は、まず、私のお父様の事を知ろうと思ったの。だから私はお父様に会いに行った。そうして私がお父様が住んでいる家を訪ねると。私はお父様に呼び出されたのである。そして私は、私をお父様の部屋へと案内したのだ。

◆リリア視点◆ 私は『リリアナが私に会いに来るのは、何か話したい事があるから』だと思った。だから、この国の王女が私に会いに来てくれる理由など、それしかないと思った。そして私とリリアナで話をする場を設けた。私達の話が、どういう結論に至ったとしても『私達は娘のように大切に思っている娘達の為にも』私達に出来る事は、何でもしようと決めているので『どんな事であっても受け入れてあげたい』と思ってるの。

◆リリア視点◆ 私とお父様は向かい合って座っている。私が先に口を開かなければならない。そして、お父様の目をしっかりと見て『私は元の世界に帰りません』と伝えることにしたの。そして、この世界に残った経緯も正直に伝えたの。そうしないと私の事を受け入れてもらえないかもしれないと思ったから。そうしたら『勇者としての力を封印してでもこの世界で生きていく』ということと、『この世界の平和を守るために私にして欲しいことがあるか?』という話をされたの。だから私は、お父様に頼んだの。

「私が元の世界に帰る事が出来ない理由と私の願いについてはお母様と一緒の時に改めて説明するから、お母様には黙っていてほしい」って。それから私は『勇者としての力を使わなければ勇者の力による封印は働かないから大丈夫だよ』という事を教えてもらった上で「この国の人々の暮らしを守りたい」「元の世界に帰る方法は無いんだから仕方がないじゃない」とも言った。

◆リリア視点◆ そう言って私が話を終える頃には国王陛下は、ずっと涙ぐんで下を向いていたの。私は、ただ話しただけだったんだけど。国王陛下は『娘として扱えなくても』この世界に残ってほしいという事と、私の願いを『私の為だけではなく国や民の為でもあるなら』引き受けたいと仰ってくれたの。私は『この国と、私の事を大切に思ってくれる人がたくさんいて良かった』と思った。だから『勇者としての力は、この世界で平和を維持する事に使うつもりなんです』という事を伝えると。『この世界で、お前が安心して過ごせるように私に協力してくれないだろうか』と、言ってくれたの。私は『ありがとう』と伝えてから『私はお父様の事を信じています。私に出来ることは協力するつもりです』と言うと。

そして『元の世界に戻る方法を探す事も諦めては居ないのでしょう?』と言われたので『お父様には敵わないですね』と苦笑いしてから、私は、まだ私には出来ていない事だけど『元の世界の両親に、こちらの世界から手紙を書き送れるようにしてあげて欲しい』とお願いすることにしたの。そうしたら、それは私にはまだ出来ていないことだとは言わず『いずれは実現させてあげましょう』と仰ってくれた。

それから国王陛下が『勇者リリシア』に名前を与えてくれたのだ。その日、お城に泊まる事を勧められた私は国王陛下から『元の世界に帰らなかった事に対する後悔はないのか?』という事を訊かれたのだ。それで私は、私自身の気持ちについて考える時間を作ったの。そして私は『元の世界に未練があったとしても。この世界にも大切な人達がたくさん出来た。そして私の幸せを望まない人達がいるなら。この世界に残る方が私の幸せなの』と答えると。

『そうだったのか』と言われた後で『勇者リリシアに頼みたいことがある。もしリリシアの元の世界の家族が、この世界で暮らすことになったらリリシアが、元の世界にいる家族の元に行きやすいように配慮をさせて欲しい』と頼まれてしまったのだ。そして私は『家族を大事に思い続けてくれる人達が居ることが嬉しい』という事を伝えた。そして国王陛下から元の世界への通信機を受け取る事になったのだ。そうして国王陛下が、これからのリリシアの生活に困らないように手配をしてくださることになったのだ。そして私は、この世界に来た時の事を覚えていたから『この世界には魔物が存在するし』と心配してくれて『護衛の騎士をつけてくれよう』と言ってきたの。そして私は、その申し出を受ける事にしたのである。

◆ユウマ視点◆ リリアはリリシアの事を『あの人は本当に優しくて真面目なんだから』と言っていて。俺はリリアの話を聞きながら。この国は『魔王を倒した事で』平和になったわけじゃないんだよな、と思うようになっていたのだ。そうして俺は、今の状況がリリシアを元の世界に戻すのに最善ではないと、俺は感じているのだ。

そうして俺は『俺は元勇者だけれど、この世界に残る事を決めたんだ』という事と『リリシアが元の世界に戻れない事を気に病んでいるみたいだから俺も協力をする。そしてこの国で生活して行けばいいんじゃないか』と提案したのである。

そして『俺がこの世界の人たちに迷惑をかけたくないから』と言って元の世界で暮らしていた時に住んでいた家の近くで一人暮らしを始める事になったのであった。

◆リリア視点◆ お父様との話し合いを終えた私とユウマ君は。お父様から渡された『元勇者』の彼が元の世界へ帰ってしまった後の彼の行動記録が書かれたノートを読んでいた。私は『彼もこの世界で頑張ってくれている』と知って嬉しくなったのである。そうして彼はこの国に留まる事になったの。そうして私達が暮らす事になり、これから住む場所の選定や家具などを、お城の皆さんに用意してもらった。

そうしているうちに私はお城の方々とも親しくなり『勇者としてではなく』一人の人として接してくれる方々が増えていったの。そうしていく中で。私を王女扱いする人もいなくなり、この世界では普通に接してくれる人ばかりになるのは当然のことだったのかもしれない。

私は『勇者として呼ばれた私が勇者の役目を放棄したらどうなるんでしょうか』とお父様に訊いてみたの。そうすると、その答えを聞いた私は、この世界を救えなくなってしまった場合の自分の行く末を考え始めたのだ。その時、私は元の世界に帰りたいと思っている自分に気がついたの。そして私は、元の世界に帰った時の私の人生はどうなっているんだろうと考え込んでしまったのであった。そして私は元の世界に帰りたいと思い始めている自分に気づいて、自分の気持ちが揺らぎ始める。このままでもいいのではないか、とも考え始めて。この世界に来た時に自分の為に犠牲にしたはずの、もう一人の自分のことまで思い出してしまった。そして私は自分が何を考えていたのかわからなくなって混乱していたの。そんな時に私と同じような境遇の少女と会ったの。そうして少女と話していて私はこの世界の事を少しだけ知った。そして、この少女を元の場所に戻してあげた方がいいんじゃないかと思えた私は少女と二人でお城を飛び出して少女を故郷まで送る旅に出掛けたのである。そこで、とある場所で私は不思議な力を持った女の子と出会った。その子が言うには『異世界から来た女性達の中で私達と一緒に来たい人と帰りたい人の力のバランスが崩れている。そうすると私達の力が弱くなってしまう』と。だから、私は少女を元の世界に還すために。私達の力と魔力を分け与える必要があったのだ。

そうして私達は、なんとか力を与えることに成功したのだが。私は元の世界に帰る前にどうしてもやっておかなければならないことがあった。この国に私の本当のお母さんがいなければ意味がなかったから私は本当のお母様に会いに行ったのである。そして私は『私もユウマと同じ世界にいきたい』と伝えて私はユウマ君と旅に出る事を決意したのであった。私は元の世界に戻ったあとでユウマ君の事を追いかけて同じ世界で暮らせる方法を探そうと決めたのである。

◆リリア視点◆ お城を出た私たちは色々な町を転々として旅を続けていたの。私は元の世界に帰れば勇者としての責任を放棄して元の世界に逃げた卑怯者になってしまうのではないかと思っていた。だから私だけは帰ることが出来ない、と思って私は元の世界に帰らない選択をしようと思っていたの。そう考えていた私の事を理解してくれたのか、それとも私と同じように考えていてくれたのかはわからないけど、私達は一緒に元の世界に帰れるように行動するようになっていったの。そうして私達は元の世界に戻るための方法を探そうとした。だけど、そう簡単に元の世界に戻る方法が見つかるはずもなかった。

そして私と彼女は二人きりで長い旅をしていたからか、お互いにお互いのことをよくわかっていたの。だからこそなのかしらね?彼女のことを元居た場所に帰すべきだと思った事もあったのよ。だけど彼女が私の元に居たいと言った時には私は彼女を受け入れていたわね。きっと心の奥底で彼女を欲していたという部分もあるのでしょうけれど。それでも、やっぱり元の世界に帰してあげるべきなのだとは思うのよね。でも今はもう、この世界に残っても良いと思っているの。そう思うようになったのは私自身の為だとしても、この世界にユウマ君がいるからなのかも知れないわ。私は元の世界に戻って、また新しい世界を見つけることが出来た。そうして私にとって大切な存在は沢山出来たのだもの。それに私と似たような人が、この世界にもいることを知ったし。この世界に残りたいと思えるようになったの。この世界の人達を救いたいと思えるようになったの。私はユウマ君の為ならば、元の世界を捨てることも出来そうなのだから。私に居場所をくれたのはユウマくんなんだもん。そして私にとってユウマ君の存在は大切だった。だから、この世界にユウマ君が残ると言うのであれば、私もこの世界に残ると決めました。だって私は、元の世界よりユウマ君を選ぶことにしたのだから。この世界で生きて行きたい、と。そしてこの世界に残ることを決めたから。この世界にいる元勇者としての力を引き継ぐことになる『リリシアさん』の事も大切に思ってる。この世界でユウマ君の傍に居続けたら。いつかは、このリリシアという女性の本当の気持ちが分かるような気がしたの。私は『リリシア』という女の子に嫉妬しているのかしら。それとも憧れているのか。このリリシアという女性は元の世界に帰る事を選んでいたけれど、元の世界に戻りたいとは願っていないようね。この子は、この子だけの人生をこの世界で歩みたいと言っているの。それはとても素敵な事だと思うの。このリリシアはユウマの事を愛しているんだろうな、と感じたの。

そうこう考えている内に、いつの間にか国中を巻き込む大きな戦争に発展してしまっていた。私には勇者リリシアのように『世界の為に戦う!』なんて覚悟はなかったけれど。この国の平和を、みんなを幸せに出来るのなら、そうしようと思ったの。

そうして戦いが始まり、そして魔王軍の魔物の大群を召喚して操る能力を持った魔物を討伐したことで魔王軍は撤退して行く事になった。そうして、魔王軍の脅威が去ったことで、私は元の世界へと戻されることになったのである。元の世界に戻った私は『ユウマ君と一緒にいられない事が残念だけれど、これで元の世界に戻れる事になったら私は喜んで元の世界に戻ろうと』思ったのだ。そうして私は元の世界に戻されたんだけど── ◆リリシア視点◆

(この人は何を言っているんですかね)『この世界には魔族と呼ばれる人たちが存在します』と言われても正直言って困った。私にとっては『魔王を倒して』と言われたところで困惑しかなかったからである。この世界に来るまでは普通に過ごしていた高校生だった私がどうして魔王を倒す勇者に選ばれて異界に召還されなければいけないのかがわからないからです。私が知っている異世界といえばゲームや漫画といった創作物語に出てくる空想の世界でしかありません。だから私が知る異世界というものは、そういった異世界であって勇者が魔王と戦うというような世界ではないはずなのですが。

そう思っている私に対して、この人は私に向かって「この世界に来てください」と言って来た。私は元の世界に帰るつもりでこの世界に呼ばれたため、そんな事は出来ないと断ろうと考えていたのだが。

そうして私は『元の世界に帰れない』と告げられた時。『じゃあ、せめて元の世界に戻ることが出来る方法を探したい』と言い出し、私はこの国で暮らす事になった。私は元の世界での生活が楽しかったし友達もいたため戻りたくなかったのである。そんな時、一人の女の子が『元の場所に帰りたいのに、その術がない』と言っていたのである。その話を聞いた私は『私もこの世界をもう少し知りたい』という気持ちになったので私は彼女と二人でこの国に残ることに決めたのであった。そしてこの国に残ることを決めると同時に。私は元の世界にいた時に使っていた魔法を使えるようになっている事にも気づいたのである。

そうして、この国に留まる事になった私は『私と同じような立場にある人を助ける手伝いをしてみよう』と思い。この国に住む人々を救うべく活動していく決意を固めた。

私のような立場にいて、元の世界に帰らずに残った人達は沢山いたようで、私は多くの人に受け入れられていった。私が『元の世界に帰りたくない理由があるから残ったんだ』と言えば、その話を信じてくれる人ばかりで。『元の世界に帰れなくなる代わりに特別な力を手に入れた』と言えば信じてくれる人もいたりした。そして『特別な力を持っているのはこの国に何人いる?』と訊かれて『この国の人だけですよ。私の力の源になる人の力が強すぎるから私の力では他の人の力は強化する事しか出来ないのです』と説明したところ『なるほど』といって理解してくれたのであった。そして私達がこの国で過ごす中で『私達で何かできないかな?』と考えてみた。

そして私はこの世界での生き方を考えるうちに、元の世界で出来なかった事が出来るようになるかもしれないと思いついた。そうして私達の活動をする中で『勇者としてこの世界に残っているリリアさんの手助けが出来ればいいと思うの』という話を彼女としていて私は彼女に提案したの。

「リリシアよ。お前の言い分は分かった。しかし今すぐに元の世界に帰すというのは不可能であろう。まずは元の世界に帰る方法がないか調べる事にしておこう。それと『力を継ぐもの』であるリリア殿が元の世界に戻る際にも私達に協力してもらいたいと思っている。協力してくれるだろうか?」そう言われた俺は考える間もなく答えを出す。そうして俺が答えるのを待っている王様に対し、俺は大きくはっきりと声を出して伝える事にしたのである。

そうして俺が伝えた内容を聞いて王を含めた周りの人々は驚愕していたのだが、その中で一人だけ納得して笑顔を浮かべる人がいた。そうして『この人が元の世界に戻るためには元の世界に帰らないといけないのよね』という事に気づいている人物がいたのである。そんな事を思いながら私は王様に向けて言う。

「わかりました。私はこの世界の人達の為に、私の持つ力を役立てるように致します。そうして元の世界への帰還の方法は一緒に探しましょう。それで構いませんか?陛下?」と問いかけたのである。すると『うむ』と答えた国王様と私達は、とりあえず今日はこの部屋で休むことになったのだ。そして私達は、これから元の世界へ戻るまでの数日間をどのように過ごすのか、と話をする為に話し合いをする為に部屋に集まることにしたのであった。そして私達の部屋にて話し合いが行われた。

私としては元の世界に戻る事を諦めていた。だから元の世界へ帰るために努力することは辞めた。私は私なりのやり方で生きていこうと考えたのだけれど、それはきっとリリアさんも同じような考えをしているはずだと確信しているわ。だから私は彼女の事を応援することにしたわ。そして私は自分の出来る限りのことはしたいと考えているのだから。そんな事を考えていた私の前に座っていたユウマ君が立ち上がって、みんなを見回した後にこう宣言をした。

「みんな聞いてくれ!僕たちには元の世界に戻るための手段が残されているんだ!」─私はユウマ君の言葉を聞いていたんだけど、それはきっと彼がこの場で言うだろう言葉なのだろうなと思っていたから驚かずに、ただ彼を見て、彼の言葉を待ったのである。ユウマ君は私の方を一度見てきて『任せておいていいんだよな』という顔をしてたので『うん。任せた!』と私は目だけで伝え、彼は『よしっ!』と言って話を始めたのだった。

僕は、みんなの前に立って話を始める。そして元の世界に戻るために必要な事を、みんなに伝えたのである。

「僕の元の世界に行く為には元の世界にいる誰かの力が必要になるんだ。元の世界にいるのがリリアさんだけだから、彼女だけがこの世界で元の世界へと戻る為に必要な力を手に入れる事ができるんだ。元の世界からこちらの世界に来れるのが、リリアさんの力によって来ることが出来るという事で、彼女が元の世界に帰りさえすれば、僕たちは元の世界へと戻れるってことになるわけだ。だから元の世界に帰る方法を探している間は彼女を全力でサポートしていくべきだと僕は思う」そう言って僕は、リシアの方を見たのである。そうして僕とリシアの二人は協力してこの世界で元の世界へと戻れる方法を探そうと考えていたのである。

『元の世界へと帰る』という言葉を聞きながらも、誰も動揺したりせず落ち着いている。そればかりかリリシアに至っては『やっぱりそうなるわよね』と呟いていた。おそらくリリシアも元の世界へと戻りたいと考えていたのではないだろうか?だからリリアと一緒に『元の世界へと戻れる方法を探してみるよ』と言った時の彼女は『わかった』と言っていたのだし。

そういえば元の世界にいた時に、『もしも自分の家族が、ある日突然行方不明になったりいなくなったりしたら、どう思うだろう』なんて考えていたんだけど、もしかしたらリリシアも同じ事を考えていて悩んでいたんじゃないかと思っている。まぁ、これはあくまでも僕の予想なんだけれどもね。

「ふぅ。ユウマ君。やっと元の世界に帰る為の話が終わったようですね」とリリシアが言った後、彼女は立ち上がり「私はこの世界を旅をしながら元の世界への手がかりが無いかを色々と探してみますね。そうしてこの世界にあるという私の国を探す事にしたのです。ユウマ君もリリアも、この世界を好きになってもらえるといいなぁ」そう言って、どこかに行ってしまった。

そして私はこの国の中で、リリシアが行きたい所についていくと決めていたので『どこに向かうのかしら?』と思ってリリアを見ると、なぜかリディアが近づいてきた。そして、いきなりこんな話を切り出してきたのだった。

◆リディアード視点◆

(元の世界に帰る話が終わったのなら、今度は元の世界に戻る前にやっておく事がある。それが今の状況で一番重要な事だ)

私は元の世界へ帰った後に、ユウマが元の世界に帰らないとならない理由を説明するつもりなのだが、『魔王を倒す』とかいう話をしなくても『この世界に勇者が必要な理由』を話す事で、ユウマに元の世界に帰ってもらう事にしようと考えたのだ。その理由というのは、実はこの世界では『元の世界に戻る為に元の世界に帰りたいと願っている人が必ず必要な力を持っている』からであるからだ。

つまり『その人の力を目覚めさせる事が出来れば』その人を召喚する事が可能になるからなの。

だから、その人には『自分が元の世界に戻る事が出来るようになるために協力することと引き換えに、その人自身の持つ力を強化する』という話をする必要があるのよ。そうしなければ元の世界に戻ることが出来なくなってしまうからね。だから私はユウマの目をしっかりと見据えて話しかけたのだ。

「勇者殿」と私が言うと「はい」と返事をしてくれた。そして私は彼に『元の世界に戻る為に協力して欲しいの。私達といっしょに来てくれないかしら?』と言うと彼は、元の世界に戻る為に協力しようと思ったらしく。快く承諾してくれた。そんなユウマの言葉を聞いた私は嬉しくて泣きそうになってしまった。でも今は泣いてる暇は無いので泣くのをやめて私は『じゃあ明日の昼までに用意しておくから、正午頃にこの場所に来てくれるかな?』と言い、彼を部屋から送り出すと、そのまま部屋を出たのであった。

そして部屋を出るとすぐに私はある場所に向かって走り出したのである。それは元の世界へ帰すための鍵を渡せる人物が、この城に勤めている事を思い付いたので、急いでそこへ向かうのである。その人物の名は『ナタリオ=サンス』であり。元騎士団長の人でもある。

私は、ユウマが元の世界に戻れないという事が分かった瞬間から。ユウマが元の世界に戻りたいと言い出して、元の世界に帰れなくなっても困るのだけど、ユウマが元の世界に帰ろうとする理由を『この世界の人達の為に、元の世界にいる大切な人たちを守る為』に、元の世界に帰ろうとしたらユウマが元の世界に帰れなくなってしまった。

そんなユウマを助けるために元の世界に戻る方法が見つからない場合に備えて私はこの国の王に協力してもらう事を決めたのであった。そしてユウマと別れてから少し経ち城の中に入ると私は目的の人物を見つけたのだ。私はその人物の元まで歩み寄り声をかけることにしたのだ。

「あなたはナターリエ様ですよね?」と訊いたところ「はい。そうですが、私の名前をどうして知っているんですか?」と言われた。なので、まず私は名乗る事にして『リリアード王国の第一王女』であると名乗り、ユウマの事でお願いしたいことがあると告げ、彼の力になりたいと思っている事を告げたのである。すると彼女は「お父様に会って頂いてよろしいでしょうか?」と言った。そこで私は、ユウマを元の世界に戻すために元の世界に戻る鍵となるものが必要である事を説明し、ユウマのために協力して貰えないか頼んでみることにした。そうすると「えっ!?そんな事ができるのですか! わかりました。それならば協力します!」と、快く引き受けてくれた。そうして私は『ありがとうございます』とお礼を言うのと同時に『私はこの世界の人間ではないのに、この国を助けようとしてくれる優しい方が居て良かった』と思うと嬉しさで胸いっぱいになった。そして私は彼女の案内で『謁見の間 』と呼ばれている部屋に入ったのである。

そこには王や大臣、そして近衛隊の騎士達など大勢が集まっており、そして玉座の上に座っている王様の横にリリアもいた。そして王様は『私に大事な話が有るというのだったな』と言われ『私はリリアさんの力になることに決めた』ということを話したのである。すると『私に何を求めるのか? リリアが元の世界へ戻るためには何をすればいいのか』を、私から話してほしいと言われたので、話をすることにする。

「陛下。私から一つだけ話を聞いてほしい事があるので、私の願いを聞いてくださいませんか?」と、リリアード国王に向けて言った。すると王は私の方を見てから私に対してこう問いかけてきたのだった。

そうして俺はリリアのお父さん、リリアード王国で宰相を務めているらしいリヴィアさんから元の世界へと戻るために力になれる人がいる事を伝えられて、そしてリリアの父親から話を聞く事になった。そして、リリアード王国の王『リヴィア』さんからの頼み事を頼まれたのである。その内容というのが──

『リリアと一緒にこの世界を旅をして、この世界を救う手助けをしてくれないか』というものだったのだ。それを聞いた僕は、この世界に残ろうと決めた。リリアとリリアの家族の為なら、元の世界へ戻れなくても良い。そう思ったのである。そして僕はリリアード国王が話を始めた時。リリアが元の世界に戻る為に力を貸してくれる事を、この世界に留まっても良いと決断した事を伝え、そして元の世界に帰るための方法をリリシアと二人で探したいという話をした後。

僕はこの世界に残りリリアに協力する事を決意したのだった。僕もリリアの役に立ちたかったからね。そう決意をした僕は、この世界を救えるかどうかわからないけれど、リリアに付いて行くことに決め、そしてリリシアの方を向いたら彼女も一緒に来てほしいという事を告げると「うん。わかった」と言って、僕とリシアがこの世界に留まると伝えると、リリアード国王はリリアを連れてどこかへと行ってしまった。おそらくリリアード城の一室だろう。そうしてしばらく待つとリリアとリリアのお母さんであるリリアード女王と、あと二人の男性が現れたのである。

そうして三人が僕の元へとやって来た。そして最初にリリアード王妃が口を開いたのであった。

「リリアから事情は聞いています。ユウマ様が元の世界へ戻れないという事でしたよね? それでユウマ様はこの世界に残る事に決められたんですよね? そして、元の世界に帰る方法を探す手伝いをするかわりに、自分の持つ力を強化するという契約を結ばせたいということでしたね?それと、この国の事を手伝って欲しいと。でも、ユウマ様なら問題はないはず。だって『この世界で一番の強さを持つ』と言われる勇者のユウマ様なんだから。私はリシアとあなたのことを全力でサポートさせてもらいますね」

そして最後にリリアード女王はこう付け加えた。

「リリア。そしてリリアのご両親。これからよろしくね」

リリシアの両親が元の世界に戻るために、俺達と一緒に旅に出たいと言っているのだと伝えて了承してくれた。そして俺は『リリアード国一番の魔術師』として名を知られているリリアの母親『アリッサ』から話を始める事になった。そしてリリィの母親は元騎士だったという事もあり『元の世界へ帰るための助けになれば』という理由で、元の世界に戻る鍵を俺達に渡し、それを『召喚石』と呼ぶのだと教えてもらった。さらに『魔王の呪い』というものについて、そしてリリアード王家とリリス家には何か秘密があるということ、リディアが『聖女』である事も聞いたのである。そうして次に話す番になったのは『大魔法使い』として有名であり。

『魔王軍幹部の魔王四天王の一人を討伐』したという実績もあるという事で有名な。

『宮廷魔術士長 リヴァナーレ』であり『魔法陣術の大賢者』とも呼ばれている。

『リリアナ=ルアー』である。ちなみに年齢は四十六歳だ。彼女は元冒険者であり。元Bランクの実力者でもある。だが『召喚術の天才』と呼ばれるほどの召喚魔法の使い手であり。『勇者召喚の儀式 召喚陣の魔導師』と呼ばれていて。この国の元宮廷召喚術師のリリアードとは『ライバルのような関係』である。そんな彼女が『召喚の巫女』であり。

『召喚された勇者を導く役目 勇者召喚の旅 勇者の従者』であるという事を知り、元の世界に帰るために召喚の旅に出ると決めた事を知った。その事を告げたリリアナに対し、僕はその事を快諾するとリリアード王妃からこんな質問があったのだ。それは「ユウマ君と、この国の王との繋がりを詳しく聞かせてもらえるかしら?」と聞かれた。なので俺は「はい。実は僕の両親は『真堂俊輝』という名前でこの国の王なんです」と告げると、その場にいるみんなは驚いた表情になりながら、「そうだったのね。まさか王様のご子息様だとは思いませんでしたわ。だからあんなにもお強いのですね。わかりました、あなた方には特別に城内の一室に住めるようにしてあげましょう」と言われたので。「ありがとうございます。そしてリリアさん。それにリヴァナーレさんとリリアナさんのご家族とも、これから末永く宜しくお願いします」と言ったのである。そうすると皆様が「こちらこそ宜しくお願いします。ユウマ様、それからリリアナさんもリヴァナーレも、私の事は『リリシア』と呼び捨てにしてくださって結構ですので。敬語も使わずに普通に話してくださいね?」と言う。それに対して僕は。

「ありがとう。リヴァナーレ、じゃあ遠慮なく呼ばせて貰うよ。

リリシア、そしてリリアもリヴァナーレと同じように呼ぶことにするよ。それと、そのリリアだけど。『召喚の勇者』だったんだけど。『魔剣 グラムス』のせいで元の世界へ帰すことができないんだ。でも、僕は絶対に元の世界へと送り届けたいと思っている。協力してもらえるかな?」と言うとリリアが「もちろん!私もそのつもりだよ!元の世界に戻って、そして悠馬の傍にいたいもん! 私がユウマの役に立てるのであればなんでも協力するからね!」と、笑顔で言うのであった。そう言ってくれた事が本当に嬉しかったので、彼女の事を抱きしめてしまったのであった。

こうして僕とリリアと、この世界に住む仲間達で元の世界へ戻るための旅に出ることになった。

俺は元の世界へと戻るためにリリアに協力してもらう事を決めたのだった。そして俺はリリアから詳しい話を聞こうとした。そして、まず俺は気になっていた事があり。この世界の時間の流れがどうなっているのかと訊いたら──「はい。この世界の時間の流れる速さはユウマさんがいた世界よりも、かなり遅いのです。この世界で三か月くらい経っていても。元の世界では数時間しか経っていないんですよ。ユウマさんに説明をしていなかったですが、元の世界の時間で換算すると一年と半月ぐらい時間が過ぎているんですよ。つまり元の世界の時間感覚で言えば。今は『夏』で、元の世界でいうなら七月上旬なんですよ。そういえばユウマさんに渡していた『スマホ』とか『タブレット』は持っていますか?」と言われて。

確かに俺も持っていたはずの物がない事に気がつき。もしかして、と不安になっていると。やはり無くなっていたらしくて。俺が『やっぱりか』という感じのリアクションをしていると、リリアから『異世界の人達は『スマホ』や『タブレット』を持っている人がいないみたいで、もしかしたらこの世界に持ってきているんじゃないかと思ったのですよ。だって、この世界に『転移してきた時に』スマホを持っていなかったじゃないですか?あの時『スマホを召喚していないと』この世界に来た時点で『電源』が入っていなければ『スマホが使える状態』ではないはずでしたから。まぁ、充電が切れると動かなかったでしょうし』と。言われてみれば確かに、と納得していると──「とりあえずユウマさんと、リリアが召喚されて。リリアード国で暮らしている間、リリアが『魔力が枯渇したら、この国にいる人たち全員から少しずつもらう』という方法で、なんとか『一年間』の間生きていましたけど。これから元の世界へ戻ってから『元の世界へ帰れるまでの』間にも。この世界と似たような魔物がいるらしいので『ある程度 強くなる』必要があります。そうしないと『一年間は元の世界に帰れないから』頑張りましょうね。そうしないとリリアが生きていけなくなりますから」と言われてしまい、そうなる可能性を考えると嫌になるが。リリアと一緒なら大丈夫だと思い直すのであった。

それから僕は、リリアからこの世界について色々と教えてもらう事にした。

リリアに元の世界へと戻るための協力をしなければいけないのは理解しているが、まずはこっちの事を全く何も知らない状態で元の世界へ帰っても困るのは僕とリリアなので、僕達はお互いが知っておかなければならない情報を整理することにしたのである。まずリリアはこの世界に来る前の状況について語り始めた。「えっとですね。リリアはこの世界に『リリア=ルリアー=シルフィール 元王女 元冒険者』という名前で来ていたんですよ。それでリリアが元々いた国の名前はリリス王国と言って、その国はリリアが生まれる前に、この世界を恐怖と混乱に貶めた『大魔王ルシアス』を倒そうと『大聖騎士 ルアード』とその妹である『戦乙女 リリアード』がリリス王国を出て、旅に出ましてね。その後。二人がリリアード国という新しい国名をつけて『この世界で一番の大国になった』と言われているのでリリアード王国の名前の由来でもあるんです。

そして『リリアの母』と『大賢者 リヴァナーレ』という二人の『リリス家』と呼ばれる一族の先祖は『召喚術師 リリアード』と、『召喚の巫女 リリア』と同じ家系なんですよ。

それでリリアード国にある、召喚の神殿は初代の召喚の巫女 リリアードによって作られた場所なのですよ。ちなみに、今いるこの城は『二代目 召喚の巫女 リリア=ルリアー=シルフィール』が作った建物なのですよ。この城の別名は『リリアード城』と言いましてね。

リリアは大聖騎士のルアード様の妹で、大聖騎士になる前から一緒にいる『幼馴染み』でもあって。ルアード様は『リリアードの勇者 大魔王討伐 英雄伝説の一人にして、魔王軍幹部の一人を打ち倒すほど強い方でしたが。彼は魔王との戦いで力尽きたと聞いていますよ」との事である。そこでリリィは僕の両親について詳しく聞きたいと言ったのである。

そう言われたので、僕は「僕の両親は元勇者で元冒険者の夫婦だったんだ」と伝えると「ユウマさん。実は私の母も同じなんです。元リリス家のリリシアという元冒険者で、ルリアー様の親友でもある元冒険者のお母様から聞いた事があるのですが。ルリアー様がこの世界で『ルリアー様が生まれ育った元の世界』に帰るまで、私とお母さんの故郷に帰りたいと思っても『帰る事ができなくて』大変苦労をしたのだと、そしてその時に出会った『勇者召喚の儀 召喚陣の大賢者』と呼ばれていた元宮廷魔術士長のアリッサ様にお世話になり。この国の建国に携わった『四人の大魔術師』のリヴァナーレ様と、そして召喚の巫女 リリアと一緒に協力して作った国なんですよ」と。

そう話してくれたのである。だから僕は『なるほど』と思いながら。元の世界への戻り方を、リリアードとリリアのご家族と協力して探し出す決意を固めたのであった。そしてリリアードは『私が元の世界へと戻せる方法を見つける為にも。元の世界に戻るまでのユウマさんの『修行』が必要になりますから。私も全力で協力しますね』と言われた。そうしてリリアとリリアードとの話し合いが終わった。そしてリリアから「ねぇ、ユウマ! リリアとリヴァナーレさんの二人だけで話し合っていたんだけど。ユウマにもリリアの加護をあげるって!私達の加護には特殊な効果があるの。ユウマにも特別な『才能』を与えてくれるんだって!」と言われて。

俺は少し不安に思った。『もしかして俺は、リリア達にとって都合の良いように。『異世界の勇者』という役割を押しつけられただけなんじゃないだろうか?』と思っていたら、実際に「ユウマさんがこの世界で『最強』の勇者になって、この世界で魔王を倒してくれたら嬉しいです」と言われてしまったのだ。でも俺はまだ『この世界の魔王』というものを見た事がなかった。

そうすると「ユウマ!元の世界に戻ってからの事も考えないと!まずは元の世界へ戻る手段を考えないといけないよ!だからユウマは強くならないと!」と言われてしまって。確かに俺自身も元の世界へ早く戻って、みんなに会いたいという気持ちが強かった。それにこの世界に長くいたせいで、この世界に対する愛着のようなものが、いつの間にか芽生えてしまっていたからなのだ。だからこそ『リリアの力』に頼る事になってしまったとしても『元の世界へ戻りたい』と思うようになった。

「よし、分かった。それじゃ、まずは『強くなる』為の旅に出るぞ。リリアはリリアでやりたい事もあるだろうからさ。二人で『元の世界へ戻る』為の旅に出発だ」と僕が言うとリリアが元気良く『うん!』と返事をするので、これからも彼女と『一緒』に『元の世界へと帰れるように頑張っていこう』と心に決めたのだった。

僕がこの世界に転移した時に、持っていたはずの『スマホ』とか『タブレット』が無いことに違和感を感じていたが。やはり無くなっていたようだ。リリアの話によると。この世界の時間の流れがかなり遅いらしくて、この世界では『約一年くらいの時間』が経過していると言っていた。

そういえばリリシアから『異世界転移の召喚儀式』を行う際に。

『元の世界の時間感覚』で考えると『元の世界での一年間分の時間が流れるのが』早まるという話をしていたなぁ。

そんなことを考えているうちに僕は元の世界の事を考えて不安になってしまい、思わず泣いてしまった。僕はリリアードから『勇者 ユウマの証』としてもらった白いローブを脱ぎ捨て。僕はこの世界に来てから『元の世界へ戻れる日まで着ようと思っていた』白を基調とした鎧の装備一式を身に着けた。この防具を装備する時は僕の中でスイッチを切り替えるための作業になっていたからだ。僕は元の世界に戻りたくなって、つい泣いてしまい、その事にリリアが気づき。

彼女は心配そうな表情で「大丈夫だよ。ユウマには私がついてるから。きっとユウマなら帰れるから大丈夫。だから泣きやんで。大丈夫だから」と言ってくれた。僕は彼女に対して、なんて優しい子なんだろうと感心し。

「ありがとう。リリアの励ましで、すごく安心したよ。リリアがいてくれて良かったよ。本当にありがとう」と言うと。リリアは照れくさそうに顔を赤らめ「う、うん。ユウマの為だし。私は大丈夫だから」と言い。リリアは『この世界とリリアードのために戦う』事を決意したようで。僕はリリアと共に、リリアの国 リリス王国の城下町へと旅立つのであった── そしてリリアと僕はリリス王国を出発して旅をしているのだが。リリス王国の外はかなり危険な魔物がたくさん出るそうで。僕らは安全を確保する為に『冒険者ギルド』で冒険者としての身分登録をして。リリス王国の王都周辺から『大森林』と呼ばれる魔物が大量に生息している場所を抜けて、ようやく次の目的地へと到着していた。そこは、かつて大賢者が作り上げたという遺跡が今も残り続け、強力な結界の魔道具によって封印されてしまっていると言われている。『大聖域 大神殿』である。僕達が、これから先も『元の世界へと戻るために旅を続けていく』上で、いつかは行かないといけない場所ではあるらしい。リリアは僕にその『大神殿』の場所を教えるつもりはなかったようだけれど。リリアの優しさで教えてもらえたのである。そして僕達は、その神殿がある『大聖域 大神殿』へと向かった。その神殿は『大神殿 別名』『神の住む城』と呼ばれているほど、大きな建物であるそうだ。

そこでリリィから「あの、もし『神域の宝玉』を手に入れる事ができるなら、それはこの世界で最強の力を手に入れられる事になるんですよ。リリアと、それからユウマさんが持っている剣を使えば、多分『どんなに強い魔物だって倒せるようになると思いますよ』」と言われていたので。

「リリア! 早速『大聖域 大神殿』に行く前に、大賢者のアリッサが使っていたと言われる伝説の『勇者召喚の儀 召喚陣の大賢者の館』に寄ろう」

僕がリリアにそう提案すると、彼女は「えっ!? でも大賢者の館の跡地には何も残っていないはずなんですけど。どうして??」と不思議そうにしてた。まあ僕は『大聖騎士のアシッド様から聞いていた』ので、「リリア、もしかしたら、リリアのお父さんは『勇者 ユウマ』だったんじゃないのか?」と、そう言ってみた。そしてリリアは、僕の予想通りに「うん、もしかするかもしれないよ。リリィちゃんも、ユウマの事を知ってたみたいだったし」と。

「なるほどね。とりあえず行ってみる事にしよう。何も残っていなくても何か手がかりくらいは見つかるかもしれないからさ。リリアの『力になりたい』んだ」と、そう言ったのだ。リリアはそれを聞くと「ありがとう! 私、やっぱりユウマが居てくれて良かった」と言ったのだ。それで僕とリリアの二人は。かつて『勇者召喚の儀式 召喚の巫女 召喚陣のアリッサ』が住んでいた『大賢者の館で『勇者召喚の儀 召喚陣の大賢者』について調べる事にしたのであった。しかし残念ながら、その場所に辿り着くまでかなりの時間を要したのであった。

僕とリリアの二人が、この世界にやって来た日に『元の世界への帰還 異世界への旅立ち』を決意してから数日後、ついに大賢者の住んでいたという『召喚陣の大賢者の館』に辿り着いた。この『召喚陣の大賢者の館』というのは『召喚陣』というものを、この世界で再現して、その力を行使できる唯一の人間であり。『四人の英雄たち』の一人である大賢者様が作った『四人の勇者』達の為に用意した住居でもあるのだという。『勇者』達はそれぞれ『勇者』専用の武器を持っていた。だから、この『大勇者の剣 ブレイブブレイド』は、他の『勇者』達に渡すわけにはいかなかったので、この剣を持つのに相応しい『真の勇 者』が現れれば。その時に渡してあげる事にしようと思う。そして今現在、『ブレイブブレイカー』を持っている者は僕だけなのだから。それにリリアンのご家族が僕に遺してくれた宝物でもあったので、僕としては誰にも渡したくないと思っていたのだ。

そんな事を考えながら『召喚陣の大賢者』についての資料を探すと『リリア』の出生についても書かれた文献を発見した。そこにはこう書かれていた。『異世界 この世界では、この世界に存在する全ての生き物の寿命は決められていて、それぞれの寿命を延ばしたり、あるいは縮めたりするには膨大な魔力を消費するので、それを行う為には代償として魂を消費せねばならず。その為にリリスの民の魂はこの世界ではあまり長い期間、この世界に留まれずに、この世界に存在出来る期間は限られています』と書かれているので、この世界の人々の寿命は、元の世界に比べて極端に短いようだ。ちなみにこの文章を書いた人間はリリアードのお父様なのだろう。この記述から察する事は出来ていたが。リリアも『リリス王国の王族』なので短命種族の血が入っているのだと思うが、どうも『この世界の人々』と見た目が同じで見分けがつかない。この事から『元の世界に戻るには特別な方法を見つけなければならないのではないか?』と、僕は思い始めていたのだ。しかし『元の世界へ戻る方法』など分かるはずもなかった──

(続く)

僕が大賢人達の資料を読んでいたら、リリアも、そこに書かれている事に興味を持っていたらしく「ユウマはリリアが生まれる前の歴史については知らなかったんだよね」と言ってきたので「ああ、僕はリリアと出会うまでの自分の人生すら、満足に覚えていないような男だから。当然のように歴史にも興味がなかったからなぁ」と答えると。「そうなの。実はリリディアにはリリス王国ができるよりも昔に存在していた『古代帝国』が存在していたのよ。もちろん、今は滅んでいるんだけどね」と言いだしたので。僕は「『古代帝国』って一体どういうものなんだ?」と、そう尋ねたら、リリアが詳しく説明してくれようとした時に「あの、もし良かったら。その『古代の国』の事を調べたり、研究したりする為にも。ユウマは大神殿に行ってみるべきだと私はそう思うんです。その事で何か新しい発見が出来るかもしれませんから。私はユウマの力になってあげられたら、嬉しいんです」と言われたので。僕は少し悩んでから、「よし分かった。大神殿に向かって出発しよう」と言うことにした。リリアはその返事を聞いて「うん!」と答えた。そしてリリアの話では、大賢者 大魔道士の遺産を管理をしている人がいるらしくて、そこへ向かう事にした。大神殿のある場所はここから近い場所にあったので。徒歩でもすぐに行ける距離だったので僕達は歩いて行く事にした。

そして僕達が遺跡に到着すると、遺跡の中に『魔道具らしき物が転がっているのが見えたのだが。どれも壊れていて機能していないように思えたのだが』。それでも一応、念の為、僕は『元の世界へ帰る為の手掛かり』を探し始めたのだけれど。そこで『転移陣が描かれた壁画がある部屋にたどり着いた』のだが『その部屋に足を踏み入れた瞬間』僕の頭の中に直接響く声があった。その声は「汝よよくぞ参った!我の名はマモンである!我は貴様に試練を与える。我が出す条件を達成する事が出来れば貴様には大いなる力を与えよう」と突然聞こえてきた。

僕は何が起こっているのか分からず困惑してしまったのだけれど、その時リリアから「ユウマ! 大丈夫?!大丈夫じゃないなら私がマジンを倒してあげるからね。任せて」と言う声が頭に響いて来たので「ありがとう。大丈夫。マジンを倒す事なんか出来ないはずだから心配しないでくれ。でももし倒せる方法があるなら僕に教えて欲しい。何かあるなら僕に話して欲しいんだ」と言ったのだ。すると「ユウマは優しいから、そういうの苦手なのかと思ってました。じゃあ教えてあげる。あの魔法で倒せるから。あのね、私、知ってるよ。私のパパとママは私が生まれる前からの友達なのよ。そしてね『魔剣 ソードブレイカー』が大好きな女の子だったんだから。だから『魔剣』で倒せるんだよ。だから魔剣を使えばいいの」と言ったので僕は、その言葉を理解出来た。そして「なあリリア。その剣は魔剣で。名前は『魔剣 ソードブレイカー』という名前なのかもしれないけど、僕達の世界で、それは伝説の聖剣の名前なんだけれど。それで、もしかするならば。リリアのご両親は僕と同じように。僕と同じ日本からやってきた『伝説の勇者 ユウマ』の可能性が高いんじゃないだろうか」と言った。リリアは僕の言葉に驚き「ええっ! 私に勇者の遺伝子が入ってたってこと?」と驚いた様子を見せたが。「僕だって勇者の血筋が混じっていると思うんだ。だって、あのリリアのお父様がリリィに残してくれた宝物のこの剣を持って、勇者召喚の儀式 召喚陣の大賢者の館に向かう途中で『元の世界に帰るための方法がないかな?』と考えていた時だよな、僕の中に勇者召喚の儀式で『異世界召喚されたばかりの時の勇者の記憶が流れ込んできた。それも鮮明な記憶でさ。僕はそれを見て『勇者召喚されたばかりの時のユウマの肉体や精神はまだ幼かったのだとしたら』。僕の中に勇者として過ごした過去のユウマの精神が入り込んできて融合したと考える事が出来るから。そうすれば辻妻はあうよ。そして僕の体にはリリィの力が受け継がれている可能性もあって。つまり、リリィのお母様も異世界人だった可能性がある。まあ『リリスの民の魂』は、この世界に存在する者達の寿命とは関係がなく。この世界にいる時間が長いから、その分魂の力は強いみたいなんだけどさ」そう言ってから。

リリアの顔を見た。リリアは、僕の言葉を聞いて納得したらしく「そうなんだね。もしかするかもしれないんだ。ユウマと私は」と呟くと涙目になったので。「きっと、まだリリシアお姉ちゃんとリリアードちゃんの事を思い出す事ができていないだけなんじゃないか?」と、リリアを慰める事にしたのであった。

マモンと名乗る悪魔に僕は『魔剣士の心得の書 初級編』を手に入れた。その本には『魔力量を増やしたければ。剣技を磨き鍛え上げるのが良いとされている』という事が書かれている。しかし僕には剣の才能が無いみたいで剣術を鍛えても上手くならないだろうなと思ったので。僕は『魔剣士の心得』を読む事で魔法の勉強を始めたのだが── 僕は今『元の世界へ戻る方法を探すために』リリアの住んでいた村へと向かって歩いている最中で、その道中に魔物に襲われているリリアを救おうとして『僕はリリアの放った魔法の威力に耐えきれず』吹き飛ばされてしまったのだ。僕はリリアを守る為に強くならなければならないと決意をしたのだったが。

『僕が目を覚ますと。リリアが泣きながら「ごめんなさい。私のせいで怪我させちゃって本当に申し訳ないです」と、そう謝ってきたので。僕はそんな彼女の肩を抱き寄せて頭を撫でてあげると「僕が強くなって君を守ってみせるから」と言って、彼女を安心させる為に微笑んだのだ』

(続き)

僕は今『元の世界に戻る方法を探すために』リリアの生まれ育った村に辿り着いて村長の自宅にお邪魔して『リリアード』のお父さんと『リリス王国の初代女王陛下リリアド』の話を聞くことになったのだが。リリアードの父親 アロン=ロドルガルドさんと母親リリアードさんの二人は『魔王討伐後 リリアド王女 異世界召喚されし少女は勇者と共に異世界にて旅をし 世界の脅威である魔族を封印して平和を取り戻し。その後 この世界に戻り勇者と結婚をする』という内容の童話を話してくれたのだけれど。僕は、その話を聞いて「この物語に出てくる魔族の王様は僕の世界にいた悪魔そのものじゃないか」と疑問を感じて「すみません。リリアドのお父様。お聞きしたい事があるのですが、よろしいでしょうか」と言って。リリアのお祖父さんとお祖母さんは「何でも質問をしてみてください」と言ってくれたので僕は気になっていた事を尋ねることにした。

「ありがとうございます。まずリリアのお母様の『リリス王国の元女王』についてなのですが。実は『伝説の剣 リリス王国の秘宝の一つ

『魔剣』

を手にいれると、その所有者の身体能力が飛躍的に向上します。それと、その能力を使いこなす為の修練を行う事により魔素を操る力を得る事が出来ます。その魔道の力を用いて私はリリアードの母 リリアドはこの世界に現れた邪悪を滅ぼす事に成功したので。リリザードマン達の間で語り継がれる伝説となったのだ』と、リリアのご先祖である伝説の勇者の話が真実であれば。もしかすると、この世界で起きている異変の元凶になっている邪悪とは僕の世界の魔王と同一人物ではないか?そう考えたのですが、その辺どう思いますか?」と尋ねてみると。「確かに、リリアが言っていた通りだな。リリアの父親は、その事を知って、そして、だからこそ。この世界を救いたいと考え、私達は魔道の研究に没頭して魔道の技術を発展させて。その力をリリアに受け継がせた。その力で邪悪な者を討ち果たして欲しい。そう考えて。私達が魔道技術の発展に尽力したのはリリアが勇者の血を引く者であり、そして魔道の力に目覚めて、リリアがこの世界に呼ばれたのは、この世界の魔族を打ち倒し、この世界に安寧をもたらして欲しい。そういう願いを込めたのだと私達は思っていたのだ。だが実際は違うようだな。君は何か心当たりがあるのではないかな?」と言われたので。

「僕が知る限りだと、僕の知っている魔王と同じ名を名乗った悪魔がいるんですよ。それに僕も僕の世界で一度『大魔王』を倒した経験があるんです」

と言う話をすると「それは本当なのか! もしその情報が確かなら大変な事態になりかねない」と言ってリリアの両親から話を聞いたのだが。やはりリリス王国には『大賢者 マギア=スレイブ 大魔王が復活すると予見したらしいのだ。

そしてリリアのお祖父さんは「これは困った事になったな」と言ったあと「君の言う大魔王の名前はなんて言ったのかね」と言う言葉を投げかけられた。僕は、そこで「僕の世界でも魔族はいるけど。僕の国で僕と戦った大魔王は僕の国の大貴族 リリアード伯爵家の末裔である大公爵の娘と結婚して。その大公爵家の当主は、その大貴族の爵位の中で一番上の位になる侯爵位の魔導師 つまりは大賢者 リリアードという存在になっていました。

その事から考えると。もしかするとこの世界でもリリアの一族が、リリザードマンの姫である大公爵と結託している可能性が、あるかもしれないですよね」と伝えたのだ。

僕は「それって、かなり面倒くさいな」と思ってしまう。そして、そんな会話をしてからリリアのお祖父さんからリリアのお母様がリリアードと結ばれてから数年後に。リリシアが『元の世界』に戻ったという話を聞いた。

僕は、その話を聞いた時に『リリアのお父様はリリアのお母さんの事を大切に想っているのが、よくわかったのだった』

僕は、今『元の世界へ戻る方法を探すために』リリアの育った村に辿り着いて村長の自宅にお邪魔して『リリアード リリス王家の第二皇女様の双子の姉である王女リリアのお母さんのリリシア』の事を聞くことになったのだ。その話の冒頭で僕はリリシアがリリアのお母様 リリアドさんの妹であることを聞かされたのだが。僕は『この世界に来て、この村の近くで僕を襲った狼型の魔物に追いかけ回されて死にかけた時。助けてもらったリリアに、この村に辿り着くまでの間。リリアの住んでいる村までの道中に色々と聞いた話を思い出すのだった』

「私は、もともと。リリアのお母さんに拾われて育てられたんだよ。私の両親は私が物心がつく前に亡くなってしまって。それで、その時に出会った『マギア様』に命を救われたんだ。マギア様は優しくて、でも時々厳しい人でさ。それで私にとって『お師匠さま』のような人でもあるんだよね。それで、マギア様は『勇者 リリアのお母さんは、元の世界に帰る方法が見つかるまで、ずっとこの世界で暮らしていくのだから。あなたが、もしも『元の世界での生活に、なにかしらの未練が残っている』ならば。それが原因で元の世界に帰る事が出来ないかもしれない』って。そんな事を言うからさ。それを聞いて私なりに考え始めたんだ」

リリアは「そういえばさ。あの時のユウマって、まだ私よりも幼かったもんねぇ」と苦笑いをしながら、そう話していた。

僕は、その言葉を聞いた時に。リリアと出会ってからの事が走馬灯のように頭に浮かんできて、僕は『もしかしたら、僕はリリアと一緒に過ごす時間が楽しかったから。それが終わってしまった事に悲しくて、辛くて、苦しんでいたのかもしれないな』と思いながらも。今はリリアの為にも、元の世界に戻る方法を見つけるのが一番の優先事項だと考えて、その話は頭の片隅に置いておくことにしたのだ。

(リリアの過去回想)

私の名前はリリア。元々はこのリリリス王国のお城で暮らしている普通の女の子だったのだけれど。私はある日突然、『元の世界 日本』から『この異世界』へ呼び出されて『勇者』と呼ばれることになってしまったの。だけど私には魔法の才能が無くて魔法が使えない。私は剣の使い方を習おうとしたけれど、それも全然ダメで、ただの『役立たず』にしかなれないと。そう思ってしまっていたのね。そんなある日、お城に一人の魔法使いのお兄さんがやって来て「君に『勇者 リリア』の名を与えよう」って言って。私に『伝説の剣 魔剣』を託してくれて。『元いた世界 地球』に帰してくれたの。

それから一年後。私は『リリス王国王都にある王宮で働いている使用人のお爺ちゃん』の家に厄介になる事になったんだけど。そこの家のおじいちゃんが、すごく優しくて『元の世界に戻る方法を探そうとしないのか』って。そんな事を言ってきたの。それで、どうして?って尋ねたら。

「お前さんが勇者であるリリアド=リリアの孫である事を知っている者がいてな。そいつらが言うんじゃ。『この世界の人々に迷惑をかけてばかりいる』とな。まぁ わしは、この国の大臣や将軍達と付き合いが長い方でな。リリアードと会った事もあるし。彼女には良くしてもらっとるから。彼女の家族なら無下には出来んのじゃよ」

と、その言葉を聞いて私は嬉しくなった。お城の人達もリリザードマンのみんなも。私の事を勇者として扱わないでくれるけれど。でも本当は勇者として認めて欲しかったのかもしれない。だから私はお世話になったおじいちゃんに感謝を伝えた。「ありがとう」と、そして。元の世界 地球に残してきた家族の事を思い出したの。

「そうか。お前さんのご両親や兄弟に会いたいのか?」

「うん。会いに行きたい」と伝えるとお爺ちゃんが「よし。それならわしが一緒に行ってやる」と言ってくれた。

私はお爺ちゃんと一緒に乗って旅に出たのだ。旅の目的は元の世界に戻る方法を探す為の旅で。その旅の道中で色々な人と仲良くなったの。

「リリア お嬢様は、リリス王家の第二皇女様なのですから、あまり無理をなさらないでください」とか「勇者リリア様。どうかリリス王家をお救い下さい」とか。色々言われて私はとても嬉しくなって、そして、なんだか誇らしく思ったのね。そして、私は自分の生まれ育った国に帰ってきたの。

そこで、私に魔導師の力を受け継いで欲しいと言われたけど。魔導士の力を受けついだ私は魔法の力が使えなくて。そして私はリリアのお父さんからリリアのお祖父さんに「魔道の力を使うことが出来ないのはリリアは特別な人間なのだ。この子は必ず何かしらの役割をこの世界に持ってきてくれるだろう」と励ますようにそう言った。その言葉を聞いて、私に期待してくれているんだと思った。そして、リリアのご先祖様である大賢者のマギア様も、私のことを「必ずこの世界に平和をもたらす事が出来る存在となるはずだ」と言ってくれて、そして、この世界の勇者であるリリアのお祖父さん つまりは大公爵 私を召喚した王様のご先祖様に私を託したんだ。そして私達はこの世界に安寧をもたらしてみせたのだと聞かされた。そして大賢者のマギア様も大魔王 大魔王を討伐することが出来たからこそ『伝説』になったのだとも教えられたのだった。

私がリリスの村に辿り着いた時には、既に大魔王との戦いは終わりを迎えて、大魔王を倒した勇者はリリス王国に戻ってきて、この世界の人々から『救世の聖女 大賢者の力を持つ勇者』として称えられていた。そして、その話を聞いた時に。やっぱりリリアのお祖父さん 大賢者 マギア=スレイブが元の世界への帰還の方法を見つけられなかった事で、私がこの世界で幸せになれる事はないと。そう確信してしまったの。

──だから私は、大賢者 マギア=スレイブと交わした約束を守る為に。私を呼び出してしまった、この国を見捨てる事なんて、絶対にできないの!── リリアとリリアドのお母さんであるリリアードが残した言葉が本当なのかを確認するためにも僕は「リリア。大魔王の名前って、なんて言ったっけ?」と尋ねた。

「リリアが覚えているのはね。リリアードが大魔王 大魔王を『大』魔王と呼ぶようになった理由。『この世で一番強い魔物』って意味から『一番強くて偉大な者』って意味で。大を二回つける呼び方に変えたんだってさ」

「えぇ そうなんだ」僕は少し驚いたような声で答えると「そうそう。マギアさんはリリアードと結ばれてから暫くの間は。『伝説の勇者様』としてリリス王国の国民達に崇められていたらしいんだよ。でも、マギアルが『伝説の勇者様は実は女性』という事になってね。だからリリアードと結婚して。マギアリス様が産まれてしばらくしてから、大賢者 マギアス=レブ様という二つ名で呼ばれるようになったって話だよ」

僕は、その言葉を聞いて。この世界でもリリアド マギガスが元の世界と同じように尊敬されていたのを知って嬉しい気持ちになる。しかし、同時に、リリアドがこの世界で『英雄 リリアス=レブリース』と呼ばれていたという話を思いだして。僕はその話をしてくれたのがリリアのお母様 リリアド その人が『元の世界』で暮らしていた時のお母様の事を聞けたのは。本当に、よかったと思える。

「それじゃ。リリアのお母様の、リリアード=リリシアは。元々、この国の王族だったのかな?」僕も、それについて詳しく聞いてみたくて質問をしてみる。するとリリアは「リリアードは、この国のお姫様 第一王女様でさ。マギア様と結婚する前はリリス王国に住んでいたんだよね。それで、その関係でリリアードはマギア様に命を救われたから恩があるからってさ。それでマギア様と知り合った時にマギア様の事をリリアードが「師匠」と呼んでいてさ。師匠のリリアナも、弟子 マギアルドもそう呼んでいたって聞いたよ」と教えてくれた。

「なるほどな。それって。元の世界に戻る方法が見つかるまでは、ずっとこの世界で暮らしていくのだから。あなたが、もしも『元の世界での生活に、なにかしらの未練が残っている』ならば。それが原因で元の世界に帰る事が出来ないかもしれないって言葉。あれって、こういう事だったのか」僕は独り言を呟いた後に。リリアの方へ振り向いて尋ねた。

『なぁ リリア 俺。リリアードの、その言葉を聞いた時さぁ。なんでだろう?すごく嬉しかったんだ』

と、僕がそんな事を考えていると、リリアは僕の手を握ると「ねぇ タケル。今日は、どうしたい?どこに行きたい?なんでも言っていいからね!」と尋ねてきたのだけれど。そこで「そう言えば。俺は今から、どこに泊まるつもりなの?」という疑問が生じたから。僕は「あ~そっか」と思い出したのだが。そういえば『宿無し』だったことをすっかり忘れていて「とりあえずは。王都の冒険者が利用する宿屋街に行ってみようか」と思いながらリリアにそう答えた。そして僕は、その事を『思い出したら途端に腹が減って空腹感に襲われてしまったのである』。

「ふーむ お客さん。あんたは随分と変わった剣を使うようだが、冒険者としてやっていくつもりなら武器や防具をもっと良い物にした方がいいぜ」王都 その大通りで、僕は一人の男性から話しかけられた。彼は「うちは代々鍛冶師の店をやっていてな。ほら、こんな風に『魔剣』とか『魔刀』とかも扱っているんだ」と言って店のショーウィンドウを開いて中を見せる。確かに彼の言う通りで店の中には色々な形の刀剣類が置かれているのだけれども、ただ一種類だけ。明らかに普通の剣とは一線を引く、不思議な形状をしている。鞘から抜いてみると。

その刀身には奇妙な文様のようなモノが描かれている。まるで漫画に出て来る超能力者が持っている『念写器』のように描かれているソレは、この世界に存在する『魔力 魔素 マナ』『霊力 オレイ オーラ』『精霊の加護 アミュレット パワーストーン』といった様々な力が具現化された特殊な金属 オリハルコン製の『魔法金属』の一種なのだ。それは僕の世界でも存在しているし『魔法の武器』にも使用されている。

「これは。この店で作っているのか?」僕も気になったので質問をすると「あ。ああ もちろんだ。まあ。最近は魔獣も魔物も出没が少なくてね。この辺では見かけないんだが、西のほうに『迷宮』が出現しちまってよ。だから、ここしばらくは『仕事が暇になっちまった』んだ」と答えた。『この世界に迷宮 ダンジョン』と呼ばれる場所があって『そこに生息する強力なモンスターを倒すと貴重な鉱物や、マジックアイテムが入手できる』という情報は『この世界に生きる人族の間では常識』なので『この世界の人達も、その事は知っているはずなのに、何故 その程度の事すら知らないのだろうか?』と考えてみたのだけれど。すぐに、その謎が解けた。その男は。その『迷宮』に挑む『攻略者』であり。また、同時に。魔導師でもあったのだから。おそらく、その男 いや 魔導師の『彼』こそが、あの『魔導の勇者』こと、リリアス=リリアードなのだ。

「魔剣か。魔刀 魔槍か。それにしても。どうして。これなんだ?」と、僕は尋ねると。彼は「え え と」と言いづらそうに口ごもると。「それは。俺の一族が昔から受け継いでいる物なんだ」と、言いにくそうに言葉を絞り出して、そのまま押し黙ってしまう。そして僕は「悪い なんか。変なこと聞いてさ」と言って、それ以上は追及しない事にした。すると、リリアスは、少し安心した表情を見せた後に。僕に向かって。『お願いがある』と真剣な眼差しを向けて告げる。そして、僕はリリアスの言葉を聞いて驚いたのである。──「俺はリリアドの『本当のお父さん』に『リリス』で会ったことがあるんだ」

──僕はリリアの『父親』であるリリアスという人物と面識があることを、リリシアに伝えたのだ。するとリリシアは驚いたように「え え そうなの!?」と言って驚いて見せた。その反応を見る限りだとリリシアはリリアスが生きている事を知らないみたいだった。

──そう リリアドの父親が生きていた頃 まだ『魔王 リリアス=スレイブ』として暴れていた頃に。

「そうなのか?」僕は不思議に思って、つい、そう口にしてしまった。なぜなら、僕は。リリアス=スレイブという名前を、リリアが、その名前を口にしているのを聞いていたからだ。

僕は「そういえばさ。大魔王魔王の名前ってさ。魔王の親の名前と一緒の名前を使っているって話は本当なの?」と質問をした。その質問をリリシアにすると彼女は、少し考え込んだ後に「う~ん 私には、よく分からないかなぁ」と首を傾げて、はぐらかすような返事を返したのだった。僕は、それでも「もしかして、君達の『本当の母親』は、大魔王 大魔王の知り合いなの?」という事を尋ねてみた。リリアはその事については「さっきのリリスのお姫様の話で。リリアード様のお母様が元はこの国のお姫様だったことを知っているんでしょ?それってね。つまり『そういう事』だよ」と答えてくれたので僕は、さらに続けて。

──『リリアのお母様が、大魔王の娘』という話について質問してみる。すると「大魔王リリアード=リリスの本名はね。本当は大魔王 魔王様の『娘』なんだよ。だから、彼女の名前はリリアなの。ちなみに私のお母さんは『マギア』で。お姉ちゃんの名前は『リリアード』って名前だったんだよ」と。リリアが答えたのだった。僕はリリアが語った話について考えてみた。そして、ある仮説を立ててみた。

『魔王様は、その昔。自分の子供と暮らしていたのではないか? と』

「リリア お前 そのリリアドの母親と会った事があるんだって?」僕は、リリアに対して。さっきリリシアから聞いた話について確認をしてみる。するとリリアは少し悲しそうな雰囲気を出してから、僕を見て。静かに口を開く。

「うん。でもね リリスの姫様に『母さま』と呼ばれていた女性はね。もう 亡くなっているんだ。病気で亡くなったらしいんだけどさ。それで『父さま』と一緒にお墓を作って、今も一緒に眠っているよ」と教えてくれる。そして僕はリリアに。彼女が「会いたい」と思うなら『彼女に会う』ことが出来るという方法を伝えたのだけれど。彼女は「いいの。だって、きっと、今の父様は『今の私が母様に会ったとしても迷惑なだけ』だろうしさ。それよりも私は今 リリアードと仲良くなれているから。それだけで満足だから」と答えたので。僕は『そっか』と言うしかなかった。それからしばらく歩いていると「ところでタケル。君はこれから、どこに泊まるつもりなんだい?もし良かったらさ。僕達の実家へ遊びに来てくれないかい?僕達は『両親』が居ないからさ。タケルとリリアが来てくれれば凄く楽しいから嬉しいんだ」と笑顔を浮かべてそう言ったのだった。

─『王都の冒険者が利用する宿屋街』に来た僕は。リリアと二人きりになった後で、その街の中にある一軒の小さな店の前に立っていた。店の入り口には。『武器 防具 魔道具』などを取り揃えています。と書かれている看板が掲げられている。僕は、その店に入るとカウンターの奥にいた、この店の店長らしき初老の男性が声をかけてきた。

その男性は僕を見ると、にっこりと微笑む。僕は「こんにちは」と挨拶をすると。リリアも「こっ こんちわー!」と勢いよく頭を下げてから挨拶をする。その元気いっぱいの姿を見ているとその男性は「これはこれは お可愛らしいお嬢さんですね。お二人はお付き合いされているんですか?」という質問を投げかけてくる。

「いえ違いますよ」という回答をしたのだが『何故かリリアの方は嬉しそうな表情を浮かべて頬を赤くしていたのだが』僕はそんな彼女の気持ちには気が付かずに。僕は彼に「ここにある剣とかを見させてもらえないですか?」と頼むことにした。すると店主さんは再び笑顔になると「構いませんよ。好きな物を選んで見てください」と言ってくれたので。とりあえず『一番良さそうな剣 聖剣 魔剣』を手にとってみることにした。

その剣の柄の部分を握って、鞘から引き抜いてみると。その刀身は普通の剣とは違う形状をしていた。

『刀』のような形になっているのだ。鞘から剣を抜いてみると、まるで鏡のように磨き上げられた美しい刀身をしているのだ。その剣の刀身に刻まれた文様のような模様を指でなぞると。不思議な感覚を覚えた。僕はその剣を眺めながら「不思議な剣ですよね。僕も気になって色々と試したのですが、これは魔剣では無くて、ただの『業物の剣』にしかならないみたいなんですよね」と説明をしてくれた。その言葉に僕は「ええと この剣の製作者が『特殊な金属加工』をしてあるのかもしれませんね」と答えた後に「ちょっと待っていてください」と言って僕は。

『収納魔法』を発動させる。

「あ!あれは何をしているんだろ?」リリアが興味深そうに僕の行動を眺めていた。僕の手に持っている、この剣は。僕の世界のゲームでは、それなりに有名で、使い道があるのだ。「あの、これ貰ってもいいです?」と尋ねたら、彼は、「それは構いませんけど」と言った。それから彼は続けてこう話す。「あの よろしかったら、こちらで、少し修理させて頂いても宜しいでしょうか?このまま放置しておくのも、勿体ない品なのです。貴方さえよろしかったら直して差し上げたいと思いますが」僕はその申し出を受け入れて『この剣』を渡す事にした。「ありがとうございます。では 少々 預からせて頂きまして後日、受け取りにきて下さい」と言ってくれるのだった。そして僕達は店を後にした。僕はその足で、先ほどまで歩いていた大通りに戻ることにする。僕とリリアの二人で大通りに戻った時に。「え っと。リリスのお父さんの所に向かうんだよね?」と聞いてくるので。僕は「ううん。今日は違う用事ができたんだ」と答えると「そっか」とリリアが答えたので。僕は彼女に『少し寄り道をしようか』と誘ったのだ。すると彼女は喜んで付いてきたので、僕は、そのまま街の外れへ向かって歩いたのである。「リリア。これ 持っておいてくれる?」と、僕は『例の武器』を彼女に向かって投げ渡すと、彼女は慌ててキャッチをしてから「え!?え え?何これ?」と、少し戸惑っていた様子だったけれど。僕は気にせずに目的地へ向けて歩く。

──「ねぇ どこへ行くの?私ね 実は『秘密基地』を持っているんだよ。そこで少し遊んで行こうよ?」という彼女の誘いに僕は乗って。そのままリリアが案内してくれる『秘密基地』へと向かう事になったのである。その場所は、リリアスが暮らしていた村の隣の森の中に隠されていた場所であり。そこには小さな洞窟があって。そこの奥に行くと広い空間が広がっており。天井の一部が壊れていて空が見えており、雨宿りをする事が出来るような感じの場所なのだ。そして、そこには木で作られた家のようなものがあり。中は『畳』が敷かれているような床になっている。リリアは『ここが私の秘密の場所で『お気に入りのスポット』なんだ』と言って見せてくれた。僕は「良い場所だな」と思った後に、リリアと一緒に過ごす事にして『リリス』の事や『大魔王の話』などをして過ごしていくことになったのだった 僕は、『大魔王の居場所を教えて欲しい』という話をしてみたんだけれど、大魔王は大魔王で多忙らしく、連絡を取ることが非常に難しいらしいという話を聞いて。大魔王から返ってきた返事の手紙には『大魔王の娘リリスが会いたいと言霊あればすぐに向かう。それまで、どうか 娘の事をよろしくお願いします。そして魔王を倒してあげて下さい。』という内容が書かれているだけだったので、大魔王の居どころを掴むこと自体が無理だった。まぁ

『大魔王は、その昔 自分の娘達と暮らしている』って話を聞いたことがあったのだけどね。だからリリスに会ってから改めて大魔王の情報を集めればいいと思っているんだけどね。

僕はリリス=スレイブと名乗った女性に対して『何か違和感を感じたのが理由』なんだけど。

「それでね 大魔王のお母さんと妹ってさ。大魔王と同じ名前を名乗っていたみたいだよ。でも リリアのお父さんの方が『本命の大魔王で。大勇者の名前を名乗った妹』が居るんじゃないかって噂があったんだ。その人は『元』勇者で今はリリアのお父様と一緒に『マギア』の街で幸せに暮らしてるんだ。リリスは『父様と一緒にお墓を作ったんだ』って教えてくれてさ。そのお墓を見せて貰った事があるんだけど。お墓の中に居たのは『一人の女の子』だけだったんだけど。その『リリスの妹』だったはずの子はさ。なぜか、ずっと昔から生きているんだよ。不思議だと思わない?その子は、いつもニコニコしながら『姉さま』とか『姉さん』と呼んでたし、お墓も一緒に作っていたから『本当に血が繋がっているのか?』と思ってしまったよ」とリリアは教えてくれる。僕は「そうなのか」と呟いてから「その『大魔王と、その妹の名乗っていた偽名の本当の意味』については分かるかい?」と聞くと、リリアが困った表情を浮かべる。それからしばらく悩んだ表情で考えて「ごめんなさい。分かんないよ」と申し訳なさそうに言うので「そうか。ありがとうな」とだけ答えると。それから僕とリリアの二人は再び『街』の方へ戻る事にしたのであった。それから僕はある場所にたどり着く。それは『リリアの家』から程近い場所にある、この街のギルド会館と呼ばれる施設だった。この場所に来た理由は特に無い。

──「じゃあな また明日 冒険者学校 楽しみにしているぜ」そう言いながら手を振ってくれたタケル君と別れた私は一人、家に帰って来た後で、夕食の準備を始める。料理をするのは楽しいけれど。『誰かと一緒』というのは楽しいんだな。と、私は一人でそんな風に思っていたのだ。

私は、この世界で生きていくためにも、まずは自分の力を高める必要があった。だから私は『リリア』が大好きだったお父さんの形見でもある『剣』を使う事にした。そして私の剣の腕はメキメキと伸びていっているのを感じる。今ではゴブリンぐらいなら、一対多数の状況で戦えるようになっていたのだ。

私が住んでいる村は、元々は『王都』に近い村だったのだが。数年前に『隣国との戦争』が起こって。その時に大勢の犠牲者が出てしまった為に。今は『辺境の田舎町』となってしまったらしい。『辺境の地方』と言うのも実は間違いで、実は『辺境の町』で『田舎の地方』ではないらしいので。私にはイマイチ良く分かっていないのだ。その戦争では、たくさんの魔物が現れたという話なので。きっと、その戦争で、たくさんの人が死んだのだと思われる。それから『リリアの両親』も『戦いに巻き込まれ』死んでしまい。それから、すぐに私達の家族になったのだそうだ。つまり今の両親は、本当の親ではないということだ。『私』の記憶の中では、確かに『両親』という存在がいた記憶はあるのだけれど。どうにも『両親の顔をハッキリと思い出せないのだ』だからこそ、私の心の中にあるのは。ただ一つの感情だけだった。

「強くなりたい」

それだけである。ただ強くなれば この国を守り この世界を救う事ができる。そうすれば皆んなに褒められる。そして皆に愛されて生きていけるとリリアに教わった。そして私が強くなって皆んなの為に戦うと決めた時が

『約束の時』なんだ。あの日 私はリリアを守れなかったけれど。リリアの家族を守る為だったら何でもできると思っていたんだ。だって 私とリリアは二人で『一つ』だったから。『双子』で。同じ夢を持ってい。そして同じように辛い事を乗り越えて来た。それこそが『私』達が望んだ幸せな未来への一歩だと思ったから。その為に強くなると決めていた。

──そう。私は あの人の隣に立つためだけに『強くなった』のだ。それはリリアの想いであり。私とリリアとの約束を果たすために、そして。いつか訪れる『私自身の幸せ』の為でもあった。そのために強くなっていたのに。それなのにどうしてなんだろう?最近になってから胸のドキドキが収まらない。今まで感じたことが無いほどに苦しいほど高鳴ってしまう鼓動が痛いくらいだったのだ。まるで全身の血の流れが早くなっているような気がしてならないほど、顔が火照っていって。頭がボーっとしてくるほど熱くて、そして、何故か無性に恥ずかしくなってきたのだ。こんな事は生まれて初めての経験だった。この感覚の正体が『恋』というモノなのだと。私はようやく気がついたのだった。だからこそ 今だけは『剣』の練習をしている場合では無いんだと思う。

この気持ちを忘れないうちに。彼にこの想いを伝えないといけないと、そして彼の隣に立てるように。これから先、彼と歩んで行けるようになるための力が欲しいと切実に思ったのである。だからこそ もっと頑張らないと。そして今日もまた リリアと別れる際に「また 明日の朝」と伝えて別れた後に。今日こそ勇気を出して「好きだ」と伝えようと思っていると。家の前に立っている人物が居るのが見える。──『大好きな彼』だった。「お待たせ。待ったかな?」彼は、そう言うけれど 私としては もう少しだけ、ここで待っていたかったという気分だったので。少し残念に思うのだった。「ううん。全然大丈夫だよ」と笑顔で言うと「良かった。ところでリリア 話があるんだけど、ちょっと いいかな?少し大事な話をしたいんだ」「分かった。私ね。タケルに 伝えたい事があるの」

そしてリリアは俺の手を握ってくれたあとに。そのまま家に向かって歩き始めるので。俺は『手を繋ぎ』ながら歩く事になった。俺はリリスさんが『勇者』だと言っていたことを思い出していた。俺はその言葉を信じるならば、勇者がリリアスの姉である可能性が高いと考えているのだ。勇者が『大魔王の娘リリスと一緒に暮らしており、しかも娘の名前を名乗っている可能性がある』という事実は『偶然か必然か分からないけど』とっても気になっていたんだ。だから 俺はリリアから話を聞く事で、その真実を確かめる事が出来るかもしれないと思っている。

──「さぁ 着いたよ。ここが リリアの家なの」彼女は家の扉を開ける。

すると「あら。お帰りなさい。リリア」と優しそうな女性の人が出迎えてくれる。その女性はリリアに似た顔立ちをしていて。一目で彼女が『娘』だということが理解出来た。

その女性に『リリス=スレイブ』と名乗ったリリアを見て、やはりこの子はリリスさんの『姉』なのだと確信してしまう。それからリリアは母親と何かを話している様子だったのだが「じゃあ 部屋に行ってるね」と言って、その場から去って行ったので、とりあえず彼女の後を追いかける事にした。

「そう。やっぱりタケルくんはリリスの事を信じてくれなかったのね」リリスさんの言葉は「えぇ。その可能性については、すでに検討はしてみたのですが。『魔王』と名乗る人物の存在や、そもそも魔王の居場所を突き止めるのが非常に難しい上に。何より、リリス=スレイブさんは魔王ではなく、大魔王と名乗られているわけですよね」と答えると「そうなんですよねぇ。だから 私が、もしもリリスだったとしたなら、そんな名前を名乗ったりしないと思うのですよ。むしろ、その娘の方が名乗っていたと思いますから。私なら絶対に名乗りませんよ」と言われて納得してしまうのであった。

俺はリリスさんから『勇者とは何なのか?』についての話を聞き出す事にした。リリスさんが『元の世界』から『こちらの異世界』に召喚されたのは、約百年前の事らしいのだ。

そして当時のリリアは十二歳。その少女に、この世界を救ってくれと言われたのだが。リリスはその『魔王討伐の旅路』の途中で出会った少年『タケルさん』に夢中になってしまい、そして『魔王討伐の旅』を諦めてしまったのだという。その後、リリスさんとタケルさんの間には『結婚』という選択肢が生まれたらしく。二人は夫婦になったのだそうだ。しかし『リリスさん』の話では、リリスは大魔王と大勇者の二人に命を狙われていて。何度も死にかけた事があったのだと教えられたのだ。それから『タケル』と『リリスター』という二つの名前を使い分ける理由についても教えてくれたのである。『リリスターという名前は、おそらく本名を隠すために使っていた偽名』だという事が分かるのだ。それから、どうして俺に自分の本音を打ち明けてくれたのか聞くと。リリアには内緒にしてもらえますか?と言われたのである。なので「もちろんです。それに もし僕も貴女と同じ状況なら。同じように打ち明けていましたよ」と答えるのであった。そう言うと なぜかリリスは嬉しそうに微笑むのであった。

そして『僕に秘密をバラした理由を聞かせてください』と言うと、少し考えた素振りを見せた後に「だって、あなたが『勇者』様だったから。どうしても私達を救いに来て欲しかったんだもの。私の力では『勇者の力』を取り戻すことはできませんでしたから、それでも諦められなかったから」と泣き出してしまったのだ。俺はそんなリリスに優しく抱きしめてあげると。そのまましばらくの間、彼女を落ち着けるために頭を撫でてあげた。そしてしばらくした後で。

落ち着いたらしいリリスと話をすることにしたのだ。まずリリスタの名前は本名では無いという話について。『本当はリリスタという名前ではない』『本名はリリアと同じくリリア』ということを聞かされたのである。そしてリリスは『リリアの本当の家族じゃないんです』と言い出し。リリアナと『リリア』の話を始めたのだった。それからリリアナが『本当の父親』だと言う事も明かされたのである。それからリリアナも元々は別の世界で暮らしていたのだと言うが。どういう経緯があったかまでは話さなかったが、ある日突然、こちらの世界に転移させられたらしい。ただ その時の記憶は曖昧になっており。どうやってこちらの世界にやってきたかも覚えていなかったという。そこで リリスが『私が迎えに行くわ。待っていて』という『二人の出会い』の物語を教えてくれたのだった。ただ

『二人が再会』する事はなかったらしい。なぜなら

『リリア』は『勇者』と共に行動しており、既に『魔王軍』の幹部を倒してしまっており。その功績を認めさせた為に、今では『魔王城に住むことを許されて暮らしている』とのことだった。それ故に もう二度と『二人きり』になることは無いと悲しげに言っていたのだった。

そしてリリスとリリアの母娘としての仲は非常に良いらしい。それを聞いて安心している俺に「ところで『魔王』とはなんなんですか?」と質問をする。すると彼女は「大昔に存在した存在で、人間を苦しめていた存在ですね。その当時でも『魔王』と呼ばれていて恐れられていたんですよ。それが最近になって復活しましたから。それを『倒した者』が大魔王を名乗っていました。私はてっきりリリアが『勇者』だと思っていたのですけど、リリアから話を聞く限りでは、どうにもおかしいと思いまして。その疑問をぶつけてみると、彼女は苦笑いをしながら答えた。そして彼女は、この世界に来る前の『リリア』という娘の事を思い出していた。

『魔王を倒した英雄タケル』の話を聞かされた事がきっかけで、勇者に憧れを抱くようになり、勇者を目指して冒険者になったものの。勇者になる夢は叶わず。『伝説の聖剣』を手にすることも出来ず、ただひたすら強くなる事だけを願った『一人の戦士』の事を────。

俺は『リリア』の過去を知ることが出来て少しだけ嬉しく思った。なぜなら『彼女』が、この世界で俺に出会うまでの人生を送ってきた過程が垣間見えたような気がして、そして彼女が歩んできた人生に興味が湧いたからだ。だから俺は「もっと詳しく聞かせてもらっても良いかな?」と言うと彼女は嫌がるそぶりを見せる事なく「私なんかで良ければ 喜んでお話しします」と返事をしたのだった。そうして俺は、この『異世界』に来た後の話を聞くことになったのである。──リリアの話を聞いた後に「リリアちゃんは『大賢者』って聞いた事がある?」と、リリアに尋ねてみることにする。すると彼女は不思議そうな顔をした後に「ごめんなさい。その言葉の意味が分からなくて」と、言う。すると「あー。うん。まぁそうだよね」と答えると、それから俺は大賢者についての説明を行うことにした。それは大昔の時代に、とある国の王様は大賢者と呼ばれる人物の導きによって国を発展させ、国民の生活を向上させたという出来事があり。その功績を称えるために、国王自ら『勇者』を任命し、大賢者に感謝の意を示したということがあったのだ。その時に国王が勇者に任命するにあたって『初代の勇者は女性だったが。二代目の勇者に男が就任した』という歴史がある。だから

『リリア』にそのことを教えてあげた。するとリリスは何か考え込んでいたのだが、やがて口を開いたのである。「そういえば『大魔王リリス』が、この世界を『支配』するために、召喚魔法で、リリアとタケルさんを呼び出したと言っていたけど。もしかして────その話に関係していませんか? リリスさんの話は」リリスさんにそう聞かれて俺は「さぁ? 僕は そこまでは分からないから」と答えると、リリスさんが残念そうな顔で俯いたので「リリアは本当にリリスのことが好きなんだね」と話すと彼女は照れながらも笑顔を浮かべる。そんな様子を見て「さっきリリスさんから聞いてさ。リリアは僕の為に強くなってくれたみたいだけど。そのおかげで 今の僕がいるんだと思うんだ。それに リリアの優しさも僕に勇気をくれるからね」と話しかける。

リリスさんから大魔王についての情報を得た俺は「とりあえず 今は 大魔王よりも、リリアの本当のお父さんの事の方が優先したい」と言ったのだが。『リリスさんは首を横に振って』俺の提案を断ってきた。その理由は『勇者』と行動を共にしているという、彼女の姉が気になったのだという。そのせいで、大魔王リリスの所在を調べる事ができないのだ。なのでリリスさんは『姉の事なら大丈夫ですよ。あの子はとても賢く優秀な娘ですから。大魔王の討伐は、きっと成し遂げてくれると信じていますよ』と言って俺のことを慰めてくれたのだった。そうしてリリスさんは「それにリリアの本当の父親は、大魔王リリスではありませんからね」と言う。だから 俺が彼女の言葉を信用して「大魔王は別に存在すると?」と言うと。「えぇ。リリアの父親こそが 本物の『リリス=スレイブ』ですから」と言って、なぜか自信ありげな表情を見せていた。

リリスさんはリリアと別れ際に『私のことは、誰にも秘密にしてくれますよね?』と、念押しをされたのだが、そもそも『魔王』だとバレなければ、この『異世界』で生きていくことなんて容易だろうし。別に困る事はないはずだと思って。彼女に「リリスさんの正体をリリアに言わないのも、何か理由があるんですか?」と聞くと、リリスさんは寂しそうな笑みを見せて『リリアには、ずっと黙っていて欲しいの。私が『大魔王』だということを──』と言うのであった。そう言われた俺は

「僕がリリスター様の秘密を守りきれるか分かりませんが。出来る限りの事はさせていただきますよ」と伝えると「お願いします。それとリリスと呼んでください。私にとって大切な人のことを、そんな風に呼ばせたくないから」と言う。その様子は、まるで恋する乙女そのもののように見えたのだ。

リリスさんの願いを承諾した俺は「約束は守りたいと思います。だから あなたの名前も秘密にしておきます。ただ一つ聞いてもいいですか?」と尋ねると。彼女は「なに?」と聞き返してきた。そして俺は「あなたの本名って『大賢者』のリリスで合っています?」と尋ねたのだった。そうすると彼女は目を丸くした後で、少しだけ頬を引きつらせていたのが見えた。それから彼女は苦笑いしながら「ふっ普通に考えれば分かるじゃないですか! 大魔王が『勇者』と一緒だったんですよ。それに私が魔王軍に捕まっていれば、今頃は大魔王になっている可能性だってあるじゃないですか!」と言うのであった。そして彼女は続けて。

『リリア』は『伝説の聖剣』を手に入れて勇者になりたかったのですけど、勇者になれずに落ち込んでいましたから。それ故に『リリア』は私に対して憧れていたのです』と話を始める。それからリリアは勇者になりたいと思い始めたらしい。その話を聞いていたらリリスは悲しげな表情を浮かべていたのだ。その様子は俺の心に訴えてくるものがあり。どうにか元気づけたくなった。

俺は『勇者』という存在に憧れを抱いた事がなかったから『勇者に憧れている』と言われてもピンと来なかった。それでもリリアの話を聞いている内に『伝説の聖剣を手にした』勇者に憧れる気持ちだけは理解出来たのだった。

『大賢者』のリリスに「『大魔王』リリスの事をリリアに伝えて欲しいんだが。彼女ならば もしかしたら、リリアの父親の事を知っていそうな気がしてな」と頼み込むと。『私は『初代の大賢者』と面識がありませんが、大魔王に会ったことならありますよ。でも 大魔王の詳しい素性までは知らないですね』と言われたが。リリスは「リリアの母親が生きているという話は、どう思いました?」と言うと、それに対して俺は。

『正直 私自身は、あまり信じていませんでしたが。リリアから話を聞くと その可能性も捨て切れないとは感じてはいました』と答える。それを聞いた俺に『なぜ信じられないのですか?』と言われるが、それに対する答えはすぐに出た。なぜなら『リリアがリリア』だからだ。『この世界に来た時のリリア』は『大賢者』のリリアに会って憧れを抱いていて、それでリリアのお母さんもリリアと同じ境遇にあったのだろうと想像したからだ。それを話すとリリスは苦笑いして「確かに『リリス』は リリアのように優しくて素直ですね。でも

『リリア』は、もういないんでしょ? 私は もう会うことができないんだよ」と言ったのだった。そんな彼女を見て、俺は「俺は、また君に会うことができた。リリアにも、これから出会うかもしれない『リリア』にも、いつか ちゃんとした父親を紹介してやりたいと思ってはいるんだが。なかなか難しいみたいだからさ」と言う。

するとリリスは嬉しそうに微笑んだ後に『ありがとうございます。その時は、ちゃんとお祝いの言葉を送りますから』と言ってくれた。だから「ありがとう」と礼を言いつつも、やっぱり リリアのお父さんに早く会いたいと思ったのである。そうすると「タケルさんが望むのであれば。私が大魔王城まで、連れて行ってあげましょうか? もちろん『リリア』のお父さんを連れて帰ってきてからですけど」と提案してくれる。俺は「もし、できるのなら頼みたいな。大魔導士様」と言いながら頭を下げると「では 明日に出発の準備をして下さい。今日はこの王都を楽しんでくださいね」とリリスさんが言った直後に俺に話しかけてくる者が現れた。その相手はリリアだった。

──翌日、俺はリリアに「じゃあ行ってくるね」と言って馬車に乗る。そんな俺に対して彼女は「うん。パパのところへ、無事に帰ってきてね」と笑顔で言ってくれた。だから俺は馬車の中で、つい涙を堪えきれず泣いてしまう。そんな様子を見て心配したリリアは俺の手を握ると「泣かないで、タケル」と言ってくれて。それが あまりにも嬉しくて。泣き止まないまま笑顔を作って「リリアに これを預けるから 大切にしてくれよな」と話してから。リリアが手にしている聖剣の鞘を手渡したのだった。そうするとリリアも笑顔で「分かったよ。タケル」と言ってくれる。その言葉に安心をした俺は、リリアにキスをしてから「行ってくるよ」と言って、それから馬車に乗り込んだ。するとリリスさんは、俺の方を見ると笑顔で「お見送りできなくて申し訳ございません」と言ってくれるので。俺は気にしていないことを告げて「行ってきます」と言って手を振り別れを告げる。そして馬車は出発するのだった。俺は不安に思うことは 一つもなかったが、もしもの事があれば、この聖剣を俺の代わりにリリアを守ってほしいと思っていたので『どうか よろしくお願いします』と心の中で祈っていた。それから数時間後──。

リリスさんは 俺を『大魔王リリス』の居城がある『魔界』へと案内してくれたのであった。そこで『大魔王』について情報を得ようとするのだが。魔王の側近だという リリスさんの妹の『魔女』に見つかってしまい。そのまま戦闘になったのだった。

俺はリリスさんと共に『魔女』と対峙する事になるが。その戦いの最中。リリスさんは俺が予想していた以上に、妹が大好きらしく。『魔女』を倒すよりも『リリス』として妹を守りたいと本気で思っているようだったので、リリスさんには悪いが俺の本気を出す事にする。俺と『リリス』が入れ替わる前に

『魔女』との戦いで受けた傷があったのと。リリスさんが かなりの実力者であることを考慮して全力を出し切ることに決めた。そうすると俺の力を感じ取ったのか 俺を敵対視して襲ってきたのだ。俺は『魔女』の相手をしつつも、隙を狙ってリリスさんが戦えるように『リリス』を誘導して戦うようにお願いをするが『魔女』の攻撃で俺とリリスさんの身体はボロボロになっていき。ついには『リリス』は力尽きてしまい気絶してしまったのだ。そして『リリス』が意識を失った直後だった──『大賢者』のリリスが復活したのだ。その姿を見て『大魔王』だと分かると同時に リリスさんも、まさか『魔女』が俺を『大魔王』だと思い込んで戦いを挑んできたと知って。驚いた表情をしていたのである。

──俺は、どうにかリリスさんが、この場で殺されることを防いだものの。すでに リリスさんには、あまり時間がないことが分かっていた。『魔女』がリリスさんの心臓に手を突き刺す事で彼女の生命力は、どんどん弱まっているのだ。だからこそ、これ以上の時間は かけられないと判断した俺は「少し痛いけど、許してくれよ」と言うなりリリスさんの胸に指を押し込み『魂を繋げる魔法』を使い『リリス』を復活させたのである。

その光景を目の当たりにした『魔女』や側近の二人は驚いていたが『リリス』が起き上がる姿を確認すると安堵していたようだ。その後 すぐに その場を離れる事に成功した俺たちだが。リリスさんの体力は限界に近いため休ませることにしたんだが『大魔王様のお手を煩わせるわけにはいかない!』と言う理由で断られてしまったが『リリスに無理はさせたくないから大人しく従ってくれないか?』と言って何とか彼女を休ませてあげたんだが。俺は少しばかり この世界の住人に失望し始めていたのだった。それから俺は『魔王軍四天王』の一人である『魔王』と、そいつの部下が待ち構えている場所にたどり着くのだった。

魔王の居場所が分かっている以上。俺とリリスさんだけで行くつもりだったが、なぜかリリスが自分も同行すると譲らなかったので。俺は仕方なく 連れて行くことにする。そうすると、その話を聞いていた『勇者』リリアは かなり心配そうな表情をしている。なので「心配するな。絶対に死なせはしないから。約束だろ? 俺は またリリアに会いに行くって」と言いながら リリアにキスをする。そうすることで彼女は「ありがとう。絶対 また会おうね」とだけ言って微笑んでくれる。俺はリリスに「必ずリリアの元へ帰ってこいよ」と声をかけると彼女は「任せて下さい」と力強く言うと、リリスと俺は『魔王城』へ向かうことになったのである。そうすると、リリアが『待っていて下さい』と言い出したので俺は思わず 聞き返す。すると彼女は「私が魔王を倒したら、今度は『私と一緒に世界を見てください』と言うつもりだから それまで、お元気でいてください。私は これから旅を始めますから、だから ここで、お別れですね」と寂しそうな顔で言うと。そんな彼女を見た『勇者』の仲間の僧侶が『魔王は私たちに任せてリリアは リリスさんを助けに行ってあげて』と言うのでリリアが『ありがとう』とお礼を言い。俺とリリスが『ありがとう』とお礼を言い。俺が『ありがとう』とお礼を言うと『リリア』が俺の手を握った。俺は『リリア』の事を『リリア』と呼んでいたはずなのに。いつの間にか『リリア』と呼ぶようになっていた自分に気づく。そのせいなのか『勇者リリア』は、とても悲しい表情をして「今まで お世話になりました。もう二度と会うことはないと思いますが、お元気で──それと私の大切な友達になってくれて、ありがとうございます」と言ってきたのだ。それに対して俺は『ああ、こっちこそ ありがとう』とだけ答えた。そんな『勇者』リリアを見送った俺に

『魔王リリア』が、いきなり話しかけてくる。そして、彼女は「あなたには、本当に感謝しています。それにリリアとも、ちゃんとした家族になれて私は、幸せ者でした。だから私は今を生きるリリアのためにも。これからの戦いに負けるわけにはいきません。だから私は行きます!」と言うと『リリスの胸にある心臓石に触れる』そうするとリリスさんは目を覚ます。そして「あれ? なんで私は生きているのですか?」と不思議そうにしていたが。俺は彼女に「今は詳しい話は 後にしてくれ。とりあえず『リリア』がピンチなんだ。だから急いで向かっているところなんだ」と伝えると「リリアが、ピンチなのですか!?︎ 分かりました。急ぎましょう」と言って走り出すのだった。

それから、しばらく進むと『大魔王』リリスは

『大魔王』の城に辿り着く。

その瞬間に俺とリリスは、『魔王』と対峙していたのだ。俺は、どうにか『大魔王』が『大賢者』であることを隠そうとするが『魔女』によってバレてしまう。そんな『魔女』は この場では

『大魔王』を騙そうとしなかったのである。そんな

『魔女』にリリスが『どういうつもりなの?』と尋ねるが。

『魔女』は何も答えなかったのだった。そして 俺も どうすればいいのか迷っていたが『魔女』に攻撃を仕掛けてきたため、それに応じるしかなかったので俺は戦う事になったのだった。そうすると『魔女』とリリスは戦いを始めたのだった。俺は二人を庇うようにして戦いつつ 俺は、リリスに この状況の突破口がないのかを相談しようとしたその時だった──『魔女』の攻撃をまともに受けてしまい吹き飛ばされる俺を見てリリスが悲鳴をあげると、そこに『魔王』リリスが現れて

『魔女』を一瞬にして倒し俺の事も治してくれたのだ。その行動と力に俺は心の中で感嘆しながら。俺はリリスに感謝をした。だがリリスは

『魔女を倒さないんですか?』と尋ねてきたので 俺は『魔女が大賢者なら倒すよ』と答える。その言葉に驚いたリリスだったが すぐに『大賢者を倒して世界を救えるのは『大賢者リリス』だけだと思ってます。お願いします。どうか、この世界を救ってください』と懇願してきたので俺は それを断るとリリスの気持ちが変わらないように 俺もリリスに『一緒に来てほしい』と頼み込んだ。その申し出に戸惑った様子を見せたリリスであったが。リリスは俺に『ありがとうございます』と頭を下げてきて。俺達は共にリリスの生まれ故郷であり リリスの師匠がいる場所でもあるという とある村に 向かい始める。そうするとリリスは 何かを思い詰めた顔をしていて 気になった俺はリリスに『大丈夫なのか?』と声をかけるとリリスの様子が明らかに変になっていたのだった。そこで俺は その村についた時に何が起きているのかを調べるためにも『情報を集めるために村人達に話を聞いて回ることにした』

そうして 情報を集めていく中で 俺はリリスに違和感を覚え始めていたのだ。その理由は その村にいる人々がリリスを『魔王』ではなく『魔王様』と呼び。尊敬の目差しを向けていたことだ。俺は疑問に思いながら『この村は、どんな所なのだ?』とリリスに聞くとリリスの顔色は更に悪くなっていき そして震え出したのである。俺は彼女の手を握るとその事に驚いていたが、そのまま何も言えなかったのであった。

─それから俺とリリスの二人は『リリスの故郷の村の人達』と、この村の近くの森で生活している『魔女』の話を聞いたのである。その結果、この村の近くに 魔王軍の基地があることが分かってしまう。そして リリスの故郷を魔王軍が襲っていたことも判明したのである。しかし その事は俺にとっては あまり気にはならなかった。なぜなら

『大魔王』リリスの実力があれば すぐにでも 魔王軍を壊滅できると思ったからだ。だからこそ俺は『魔女』との戦いの時に この作戦を実行しようと考えたのである。その話をすると

『大魔王リリス』は、かなり嫌な顔をしていたが、最終的には納得してもらえたのだった。こうして俺は、なんとか『リリアを助ける事ができたのだが── リリアが仲間になる条件として提示してきたことは『勇者リリアと共に旅をしてもらいたい』というものだったので、俺は了承した。その後、俺達は それぞれの事情や想いを抱きながら『魔大陸の大森林』『竜族の国』、『エルフの里』に向かったが それぞれに行く前にやらなければならないことがあるため 先に済ませてしまおうと考えていたんだが。まさか、あんなことになるとは思わなかったんだ。だが結果として、リリアの本当の正体を暴き出すことに成功できた上に俺の仲間になってもらうこともできたので結果的に良かったんじゃないかと思っているよ」

*

***

──そして時は現在に戻りユウマと別れた後の魔王城の地下にて魔王軍四天王の一人にして『元賢者』である『魔女』と呼ばれる人物の前に『魔女の妹』を名乗る女性がいて その女性に対して『魔女』こと 元『大魔王軍四天王』で、その昔は天才魔術師と言われていた女がいたのだが彼女は『リリスの心臓石を移植されて不死者』になっている。そのせいなのか見た目は人間に近い姿形をしているのにも関わらず中身はゾンビ化している。そのためなのか喋り方なども、とても独特な物で普通の人とは違う喋り方をしているため。

その声色を聞くだけで、ほとんどの人は不快感を覚えたりしてしまうが、一部の熱狂的なファンがついており、そのような特殊な人種から崇拝され続けているが本人は全くもって、そんな事を喜ぶような性格ではないため。彼女は、いつも憂鬱に日々を過ごしている。

『魔王リリア』の正体を知っている者は少ない、そんな数少ない存在の一人である彼女は、ある日。勇者リリアと魔王城に現れたのだ。そんな彼女に対し魔王が、こう告げる。

「おぬしは誰じゃ?」

すると その問いかけを聞いた女性は『はっ? お前は馬鹿か?』と言うと魔王に向かって「おい 私は、あんたと会話をしているのよ」と言って その口調に腹を立てた魔王が その女性に向けて魔法を発動させると その女性の全身に鎖を巻きつけて拘束したが。

その状態で、さらに魔王は「今すぐ、その口を閉ざせ!」と言い放つと それを受けた女性は「はぁ そんなくだらないことを いちいち やるんじゃない」と魔王を鼻で笑う。そんな彼女の様子を見た魔王の側近は「貴様! この魔王様に対する無礼な振る舞いの数々 万死に値する」と叫び襲いかかろうとした瞬間。魔王が側近の身体を掴むと思いっきり壁に激突させて気絶させたのだ。そんな様子を見せつけられて怒り狂っている女性を見ながら魔王は、「くっくっく これは良いぞ さすがは お主だのう。ワシを殺すために、こんなにも大人数で押し寄せて来るとは、まったく恐れ入ったわい。だがお主にも弱点がある。それは不死性を失いかけていることだろ」と言って それを言われた女性が「黙れー!!︎ 私の肉体は既に不死者の領域に入っている。だから私が死ねない限り 私を傷付けることは出来ない。それくらいの事が分からないのか?」と怒鳴るが魔王は冷静に それを受け流しつつ ある提案をしてくる。その内容に それなら問題がないと納得して 承諾をする。そして魔王が「ならば、これからはワシのことを『大王様』と呼ぶが良い」と言ってくる。だが「私は まだ、その呼び方を受け入れるつもりはないわ。とりあえず、しばらくの間だけ 大魔王様と呼ぼうかしら?」と言ったのだった。その返事に満足した大魔王は彼女を部下として迎え入れた。それから『リリスの心臓石』を奪い取るための作戦を実行する事になったのである。まず初めに魔王軍は、『リリスの心臓石』を持つ あの男に攻撃を仕掛けたが、返り討ちにあって『リリスの心臓石』を奪われてしまい それが、こちらの手に渡ってしまったのだ。その事について報告を受けていた『魔女』の口から ある提案がなされ。それに魔王は、その案を試すことで より強力な力を手に入れることができると判断したため。実行する事になった。

そうする事により魔王軍は『魔女』が、リリスに成り代わっていたという事実を知り。そして彼女が魔王に忠誠を誓った。

「ふむ。なるほどな。それで その後はどうなったのじゃ。『リリスの心臓』は取り返せたのであろう。それなら話は早いのではないか」と大魔王が言うと『魔女』の身体が、その質問に反応して激しく脈打ち始めてしまう。そのせいなのか、呼吸が乱れてしまい、しばらく何も言えなくなってしまったのであった。

──それからしばらくして、どうにか落ち着くと。続きを話そうとするが上手く言葉に出来ないらしく。苦しそうにしているのを見て 大魔王が「大丈夫か? 無理に話さんでも良いぞ。話したいと思った時に話すがよい。だが もし、その時が来たら。きちんと話して欲しいものじゃ。よいな?」と言ってくれる。それを聞いた彼女は泣き出してしまい しばらく、まともに言葉を発することができなくなってしまい やっと落ち着いてきて、それでも声が出しにくい状態なので。代わりに文字を書き込む事にして筆談をすることになったのである。『魔王の配下になった後は、リリスに化けるために色々な事を教えられたけど。やっぱり リリスのようには振る舞えなかったわ』という文章を書いた後『だけど あなたは とてもリリスに似てきたんじゃないかしら』と書くと、その文字を読んだ大魔王が『ほっほぅ。確かに言われてみると似てきた気がしないこともないな。ところでリリアよ 一つ聞きたい事があるので答えてくれ』と言われ 彼女は何だろうと首を傾げると『お前の師匠の名前は何という?』と言われるのであった。

****

『私の師匠は、かつて『元勇者パーティーメンバー』『大賢者』、『魔王軍四天王最強の戦士』だったリリス様のことよ。そして私もリリス様に鍛えてもらって強くなったんだけど、でもリリス様にはまだ敵わなかったわ』と書いた紙を見せようとすると何故か その紙を そのまま渡してくれず魔王の方に差し出されるが「いや、やはり直接聞いてみるのが一番じゃ」と言ってそのままリリスに尋ねる事にしたのである。

「さて 教えてもらおうかの。お主を弟子にした者は、どのような名を持っていたのじゃ」と言うが。

リリスが、なかなか答えようとしなかったため。『魔女』が『私はリリス様に弟子入りした。リリス様に修行をしてもらった』と言うと その文章を目にしたリリスの瞳が なぜか、いきなり見開いてしまう。その様子を見た大魔王が「んっ!? まさか本当に この娘が、あの伝説の賢者の弟子だというのかね」と驚く。するとリリスが突然 その場に膝を着いて頭を下げるような仕草を見せる。そんな彼女に リリアは戸惑いを隠せず 慌てて声をかけようとしたのだが そこでリリスは『お初に御目にかかります リリア姫殿下 リリスと申し上げまして。今は 大魔王陛下に その正体を見破られてしまったので、リリと名乗っておりました。しかし もう既に隠し通すことはできないのでしょうから、正直に申させていただきます。実は私は──勇者パーティーの元メンバーであり、大賢者と呼ばれていたリリスと申します』と答えると、今度は そのリリアが動揺しまくってしまい「あああ、あの! あの有名なリリスさんなんですか? まさか実在していたなんて信じられません」と驚いていた。その様子を見つめていた大魔王は「リリス殿よ。なぜ そんなにも驚いた顔になって わしの顔を見るのかね?」とリリスに尋ねられると「あっ! すいませんでした。リリス様 その あまりにも お美しいので、ちょっと見惚れてしまっていたのですよ」と言って リリスの手を握り「それでは これから、よろしくお願いしますね。お義母さま♪」と言うと それにつられて、その場にいた者達も、みんな一斉にリリスに向かって『お義母様』とか呼び始めた。

そんな様子を目の当たりにした大魔王は 笑いが止まらず。リリスに「おぬしも中々やるではないか くっくっ」と言うとリリスも「リリス様こそ、ご冗談を」と言って二人で笑っていた。

*

***

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『この度は リリス様 並びに魔王軍一同が この城へ訪れてくれたことを嬉しく思い。歓迎させて頂きたいと存じております。今後とも末永く、お付き合いください』

*

***

****

「リリア姫様、先程は驚かせて、すいませんでした。ただ リリア様とは お近づきになりたかったので こうして 私の正体を明かすことにしたのです」と『魔女』の口調に戻してリリアに伝えると「そうなんですか! それなら仕方ありませんよね。こちらとしては大魔王さんと面識を持つことが出来ましたし むしろ ありがとうございます」と微笑みながら リリスに礼を言う。そんな二人を見ながら大魔王が「ふむ。リリスよ。お前さんの あのリリスだと証明出来るものは、何かないのかい?」と尋ねると。

『それなら私が持っている リリス様の遺髪でもあれば 良いと思うので あとで持って参りましょう』とリリスが書き記すと 大魔王が『リリス殿の遺体は、どこに眠っているのだ』と質問する。するとリリスは『私は、すでに肉体を失った後、この身体でリリスを演じていたので 肉体そのものは持っていないのですが リリス様の亡骸は 今でも保管してありまして、その場所をお教えしたいところなのですが。あいにく場所を知らないもので』と書くと 大魔王が「なんじゃ 残念だのう それは是非見てみたいものなのだが」とリリスに詰め寄る。

『ですが 私の肉体がある場所は この城の地下深くに存在する秘密の場所。そう簡単には見つからないと思います』という文面を紙に書き込むと。

「なんじゃと!?︎ その場所にワシを連れて行け! そこに眠ってるはずの『リリスの遺体』とやらが見たいのじゃ」と大魔王が言い出した。そのせいなのか「リリスの遺体を拝むついでに、リリスと魔女を ワシの妻として迎えるのは どうかね?」と言ってリリスに迫ってくる。その提案を聞いたリリスは『それも良いかもしれませんね』と書いて その場の者全員を納得させたのであった。

大魔王との会談を終えて魔王城に戻ってきたリリスは、リリアと一緒に自分の部屋に行こうとすると 途中でメイドの『リリシア』に出会い。その事を報告しようとしたが、彼女の口から「おかえりなさいませ。奥方様」と言われたので『魔女はどうなった?』とリリスは 質問する。その返答に対してリリシアが答える前に「リリス様、リリアナちゃんに会いに行ってきてください」と言われてしまうと それを見たリリスは思わず吹き出しそうになってしまい。

リリカが『魔女』になった事実を伝えたのだが、彼女はあまり興味がないらしく、それよりも魔女の事を聞きたいという態度だったので 魔女の正体を教えて欲しいと言う。その要望に応えるためにリリスが「リリカよ よく聞くが良い あれは間違いなく魔女よ!」と言い切った瞬間。それを聞いた彼女が泣き崩れてしまい どうしてそんな事を言い切ることが出来るのか、それを不思議に思ったらしく。『リリスは、魔女の事が嫌いじゃなかったの? それなのに どうしてリリスが、そう言える理由が知りたい』と書かれた文字を見せる。それに対してリリスが その理由を語る。

「リリスの奴めは かつてリリスに負けておったからじゃ それも完膚なきまでにのぅ」と言うと、それに続けてリリス本人が 魔女を弟子にした経緯を話す。その説明を聞いているうちに 魔女への同情の念が芽生えてきて「なにそれ 酷いじゃない」と口にした。


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それから少しだけ時が流れて。

「お母様は今、何をしているの?」

その質問に対して答えられなかったが。それでも『きっとリリカに会えて喜んでいるはず』と書こうとした矢先に「でもリリスは、お父様が大好きなんですよね。だからお母様の事も愛していた」という言葉を目にしてしまうと、胸が締め付けられてしまい、しばらく無言で立ち尽くしてしまい。

そんな様子を見たリリアは『無理はしないで下さい リリスはもう一人しかいない 大切な娘なのですから』と書くと、それをリリスが手に取り。その言葉の意味を噛みしめながら そっと目を閉じたのだった。

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「さてと そろそろ行くとするか」と大魔王が言うと その横にはリリスとリリアの姿があった。そんな三人を見送るために『勇者パーティーのメンバー』達が 見送りに来ていた。その中にはもちろんリリカの姿もあった。

「いってくるぞ。お前たちも元気で頑張るのだよ」と声をかけると リリカは嬉しそうな表情を浮かべ「うん。わかったわ」と言って手を振り返すと。大魔王の足にしがみつき「行ってらっしゃい パパ♪」と言った後に頬をスリスリすると。リリスは『こらっ お母様は許しますけど パパに迷惑をかけちゃダメでしょう』と言ってリリカを優しく引き剥がす。その様子を見ていた他の者たちは大魔王に「いいんですか 大魔王陛下 この子を魔王軍に入れなくても」と言うと「まぁ仕方あるまい。娘が可愛い気持ちはわかるからのう」と言ってリリスが魔王軍に加わる事を了承した。


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「ところでリリス殿 その腰にぶら下げてる袋の中は何が入っているんだ?」

「ああこれですか? この中にですね。リリス様のお遺骨があるのです。

リリス様は、ご自身が亡くなった後。リリス様の意思を継いだリリスの弟子によって遺体が運ばれ。そこで保管されていたわけですが。その遺体は 今では『賢者の遺体』として保存されていて。その保管されている賢者がリリス様なのです」

「なるほど そういうことだったのかい」と大魔王とリリアが同時に呟いたあと 二人は目を合わせ「これは面白い話になるかも」と二人で話し合っている。それを聞いたリリスは、二人の会話を盗み聞きしながら その様子を見つめていたが しばらくして その二人が自分に視線を送っている事に気がついて、何か嫌な予感を感じ取り「お義母さま どうかされましたか?」と問いかける。

しかしリリアが「うふふ 実は私もリリスさんと仲良くなりたいと思ってまして」と笑顔で伝えると「そういえば 私達、お友達になってないよね?」と言われてしまい。さらにリリアは「ねぇ 私もリリス様の遺髪を、リリス様にプレゼントして良いかしら」と言うと「えっ!?︎ リリス様は、すでに亡くならられていますので その遺品を受け取るのは難しいかもしれませんね」と答えると 大魔王が「大丈夫だと思うよ ワシに任せなさい」と言って大魔王が自信たっぷりにそう言ってくれたため。リリスが それならばとリリスの骨をリリアに預ける。そしてリリアは「はい どうぞ 大切に保管してあるリリスさんの骨です」と紙に書き込み。それをリリスに手渡す。リリスは「ありがとうございます。では これを大事に預かります」と書き込んだのちに、それを受け取ったリリスは嬉しそうな笑みで 大切そうにそれを受け取り懐にしまった。


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それからリリスとリリアは 大魔王城を離れて。

「お義父様とリリア様には感謝しないといけませんね」と言うとリリスは『本当にね あの方が、お義父様の頼みを受け入れてくれなければ あなたと出会えなかったのかもしれない』と書き記してリリスは微笑む。

リリスは その後。リリアに魔王領についての説明を受けながら、リリスが『魔女の故郷』と呼んでいた場所へと移動を始めるのだった。その道中に、魔物に襲われている人々を見つけたので。

リリスが「リリス ここは任せて」と伝えてから魔物を討伐する。そして無事に魔物を退治すると「お嬢ちゃんたち 大丈夫?」と尋ねる。その問いに対して少女が「あっ はい。大丈夫でしたが 危なかったところを 助けていただきまして、その」とお礼を口にしようとするが それよりも先に「私は お姉ちゃんだよ」と言ってリリスは自己紹介をする。するとそのやり取りを見たリリアは リリスと大魔王の娘だと理解したため。すぐにその事実を受け入れる事が出来ていた。

そうこうして しばらく歩いているうちに『賢者の墓』と書かれていて。その周りには リリスや魔女の名前が書かれた石版が置かれていたので リリアとリリスは その石版に近づき「やっぱりリリスって、リリスの師匠だったんだ。それでリリスの骨をここに埋葬していたんだね」

『えぇそうよ あの方は 自分の骨が ここにあるとは知らないと思うわ』

そんなやり取りをしている最中。突如としてリリアは何者かに腕を掴まれて そのまま引き寄せられてしまうと、その直後に大きな爆音とともに煙が発生して。その衝撃により地面が少しだけ揺れる。そんな出来事を体験してしまったリリアとリリスは 何が起こったのかを理解することが出来ず。唖然としていると 一人の男が現れる。その男は

『魔女と同じ服装』をしており。さらにリリスと同じような髪の色をしていた。そんな男が口を開き。リリスが行方不明になったと報告を受けていたので、探し回っていたことを話すと。その話を聞いたリリスが男の手を握り。そして震えながら文字を書いて「お願いします。私の事を救えるのは貴方しかいないの!」と告げると「わかりました。とりあえず落ち着くために家に戻りましょうか」と伝えたのだった。


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大魔族領の外れに位置する森の中。その中を進んでいるうちに 魔女は、ある事に気がついた。それは 大魔王の娘である『リリカ』の様子がおかしいと言うことに、最初は『何かあったのだろうか?』と考えていたが、その理由が魔女にもわからないので魔女は『これは大魔王様に確認した方が良いのではないでしょうか』と考えて。

『魔女よ どうかしたのか?』とリリスは魔女に向けて書かれた文章を見せる。

その問いかけに対する答えとして魔女が「申し訳ありません 実はリリカの様子を見て違和感を覚えたので その理由を確認していました」

その答えに対して『なるほど それで原因はわかったのか?』と魔女が書いたのを読み取ったリリスは『うーん 多分 リリカの魔力を、リリス様は感じ取っているのではないかと思います』と返す。それに対して「なるほど」と納得のいった表情を見せると。その会話の内容を聞いていた大魔王がリリカに対して「おいリリカ どうした?」と尋ねられると、リリカは慌てて『えっ 別に なんでもないけど』と返した。

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リリスから『勇者パーティーの一員である娘から、連絡が来たから 今から会いに行くよ』と書かれた手紙を受け取った大魔王は『リリア殿のところか ワシも今から向かうとするか』と言い出すと、それを聞いていた大魔王の妻は「それなら 私達は こちらの事をやりますね」と言うと大魔王の夫は「あぁ よろしく頼むよ」と言って、その夫婦を後にしてからリリスと一緒にリリカの元へと向かう。

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『さぁ着いたよ』と書き込んでからリリスが指さす方向を見ると『大魔王のお宅』と看板が立て掛けられている建物が見えてきた。それを確認した後で大魔王が「なぁ ちょっといいか? この建物のことなのだがな。大魔王の家なのに 大魔王って書かれていないのだぞ」

『そうなのですか? リリスも そのことについては初耳なのですが』

「まぁそうなるよね。リリス様は知らなかったんですか?」と尋ねるとリリスは『うふふ 私も初めて聞きましたよ』という返事を見せた。

「それならば まずは、お父様に話を聞いてみませんか?」と伝えるとリリスは『そうですね それがいいかもしれません』と紙に書き込んだので、それからリリスが『お久しぶりです。リリスです」とリリスが文字を書き込む。

しかし反応が返ってくることはなかったので リリスは再び大魔王が住んでいる家に向かって、ノックを三回すると。その家の扉が開かれた。

大魔王と妻に迎え入れられてリリスと大魔王と妻はリリアと大魔王の夫に挨拶を行うと、早速本題に入ろうとしていたが。それを遮るような形で大魔王の娘が「ママに会いたい!」と言うと。それを見た大魔王が困った顔をしながらリリカに対して「ワシの娘だ。仲良くしてくれ」と言って、そのリリカに抱かれている赤子の頭を撫でてあげる。


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一方その頃 王都ではリリスがいなくなったことで混乱が起きており、特に魔女に対して強い疑いの目を向けたが。それでも魔女がリリスの行方に関係していないことは、その場に居合わせた者達全員が知っていたので。その事で魔女が責められることは無くなっていた。

リリアが

『リリスさんは、魔女が持っている杖を目印にして。魔女の家から転移して行ったみたいですよ』と書かれた文面を見せてくれるのだった。


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それからしばらくしてリリアが『お義父様から聞いた話なのですが どうやらお義父様がお作りになった魔法陣で、リアリスさんの遺体が移動させられたようなんですよ』という内容が書かれた文章を読んでいるときに「どうされました?」と声をかけてきてくれた人がいた。その声の持ち主はリリアで、大魔王の奥さんであり『大魔法使いである』と書かれていた。それを見た私は驚き「あぁ すみません 急に声を上げてしまいまして」と答えると大魔王夫人は「何かありましたか?良かったら相談に乗りますよ」と言われたため「では失礼ながら一つだけ質問させていただいても宜しいでしょうか?」と言うと「もちろんです どうぞお気軽にご質問ください」と言われてしまったので、私はリリスが何処に居るのかを確認する。すると彼女は『今は、おそらく魔女の家だと思う』と言ってくれたので「魔女の家に、リリスは居そうなのですか?」と言うと。その問いかけに対してリリアが『そうですね。リリス様が持っていた、お母様が愛用していたペンダントがあるので、その辺りを調べてみましょう』と言うと、私の手を掴んで歩き出した。

リリアが魔女の家を探索するために魔女の家に向かい始める。そんな最中に『ところで お義父様は、お元気でいらっしゃいますか?』とリリスが尋ねた。

『えぇ元気で過しているわ』と、答えられたリリスの回答を見た魔女が、大魔王は今も生きているのか気になって、自分のスキルの『死期』と念じて調べてみると、リリスの母が死んだと思われる日付から まだ二ヶ月程しか経っていないと、分かったので『あの大魔王はまだ生きてたのか!』と呟くと。その独り言を聞いた大魔王夫人が「大魔王って何の話をしているのかしら」と聞かれる。魔女はその問いかけに対して『いえ。何でもないんです。ただ大魔王の寿命が意外に短かったものだから驚いてしまっただけなのです』と伝えておくと。

リリスが『うーん そう言われてしまうと、リリス的には少し複雑な気持ちになってしまうのですが』と言うので、魔女は「ごめんね」と言い。そんなやり取りをリリスは楽しげに行うのだった。

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しばらく歩くと魔女の家に到着して。そしてリリスは魔女の自宅の玄関を開けてから「リリス様はお待ちしておりますよ」と言うとリリスの父親が姿を見せる。その姿を確認した魔女は、リリスと同じような髪型をしていた大魔王の息子の姿を見ながら。もしかして、リリスの旦那もイケメンなのだろうかと思い。大魔王の顔を見上げてみると。リリスの父親はとても渋くて 格好良い顔をしていたので。魔女は思わずときめいてしまうのであった。

リリスは、その父親の姿を見かけると「パパ!会いたかった!」と文字を書くと父親はリリスの体を抱きしめてから『リリカが心配をかけたようだな。だが、もう大丈夫だ。お前には私がいるんだからな』と答えると、それに納得するように「うん そうだよ。パパ」と答えてから「魔女さん ありがとう」と魔女に対してお礼の言葉を伝えると、大魔王が「リリカは魔女の事を知っているのだろう」と言うと。それに対してリリスは「うふふ。そうなのですか魔女ちゃん」と言うので、魔女が「はい 私も少しの間だけ一緒に旅をしていまして」と言うと、リリカは「そうなんだ じゃあ私達って友達になれるかもしれないよね」と嬉しそうに話す。

そんな二人の会話の様子を眺めていた魔女は微笑ましい様子だったので二人に向けて笑顔を向けると、「魔女ちゃん。改めて言うね」と言う言葉と共に、深々と頭を下げたあとに「私の命を救ってくれてありがとう!」とお礼の言葉を伝えた後に。その後に続いてリリスも魔女にお礼の言葉を伝えようとして筆を走らすが。それを遮るようにリリカが口を開く「あっ 待って ママ 私が先に魔女に感謝したんだよ。だからママの出番は無いんだよね!」と言われると。それを見ていた魔女が「うふふ 親子仲が良いみたいで、見ているだけでも幸せな気分になります」と感想を言うと。リリスが「そう言ってもらえると とても嬉しいな。私達の自慢のママなんだ」と魔女に対して言葉を返したのだった。

それからリリカと魔女と大魔王の会話が続くと、リリスとリリアと大魔王の奥さんの三人が家から出て行くと。それを見送ったリリカと大魔王は家に入り。そこで魔女とリリカがお互いに、どんな冒険を繰り広げたのかを語り合っていたのだった。

リリカから『お土産話をしてあげる』と書き込まれた文章を見せて貰いながら。魔女は大魔王の家でお茶を飲んでいたのだが。リリカから『今日はママが魔女を、家に招待したいと言っているんだけど。それでね。魔女はリリス様と一緒に来てくれないかな? そのほうが リリス様も喜ぶと思うから』と言う書き出しで始まる手紙を見せてもらうと。魔女は「えっ そうなのですか? どうしてですか?」と疑問をぶつけてみる。

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リリアに案内された場所に向かうと、そこは大広間になっており。そこでは沢山の料理が用意されていた。そしてリリスは『魔女さんは私と隣同士に座ってくれると助かります』と書かれた紙を見せると、私はその指示に従ってリリスの隣に座り込む。そして食事が始まり 私はリリスの手料理を口に含む。すると味が凄くよく、美味しく感じたので、その旨みを堪能すると「リリスさん この料理は美味しいですね」と言うと、私の反応を見たリリスが『お口に合って良かったです』という文章を書き出すと、それをみた大魔王がリリスを誉める。

それから食事を楽しんでいると 魔女は「あの。実はお腹が減っていなくて。申し訳ないのですが、残させていただきます」と伝えるとリリカは『そっかぁ。それは仕方がないよ。お疲れ気味なら尚更だもんね』と書いた後で、自分の分のご飯を食べると『魔女 リリス様との愛を深め合うことは出来た?それとさ。もしリリス様が困っているときは力になってあげてほしいな。あの子は少し不器用で寂しがり屋だから、一人にしておいたら すぐ壊れちゃう気がするんだ。

私は リリス様に幸せでいて欲しいし リリス様には 魔女に助けて欲しかった』という言葉を綴り終えるとリリスは『そうですよ。魔女さん。私は魔女さんに甘えたかったのですよ』と書かれた手紙を渡す。その手紙の中身を見て魔女は『はい。分かりました。でも 私はリリスのお母さん代わりにはなれませんけど』と、リリスに返す。

すると『魔女さんは、お義母様みたいな人になりたいと思っていますよ。魔女さんがお姉様のように、私を育ててくれたように』と書いてくれた。魔女はその文章を読んだ後に『そうなのですね。ありがとうございます。リリスさん お世辞かもしれませんが 嬉しいです』と書くと。その文章を読んでいる最中に大魔王の奥さんは「あぁぁぁぁぁあああぁあ!!!!」と叫ぶと大魔王は、そんな妻の行動に対して呆れていた様子で「何をいきなり叫んだりするのだ」と言って妻に注意をする。しかし妻は反省すること無く叫び声をあげた理由を話し始める。魔女はその光景を見守りながらも大魔王の妻の言葉に対して「大声を上げてどうしましたか?」と質問を行う。


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「リリスちゃんから、あなたが私達の娘になっていた可能性があるって聞いたときに、魔女は本当に羨ましくなってしまったんですよ」と語る大魔導師の様子に魔女は何を言っているのか分からず首を傾げるだけだったが。すると大魔王の奥さんが再び喋る前に大魔導師の大声を聞き付けた他の住人達が姿を現すと。彼らは「あららららら どうしたんですか 大きな声を出して」「そんなに慌ててどうされましたの」などと言い始める。大魔導士はその住民たちの声を聞いた後で魔女に対して説明を始める。大魔王がリリスの母親と結婚すればリリスは私の娘に産まれる可能性が有ることを説明したところ魔女は驚きを隠せず、大魔導師の服を掴む。

魔女は、まさか そんな事が 可能だったとは思いもしていなかったので、リリスの気持ちを想像して、とても胸を痛めていた事もあって涙腺が緩んでしまったせいで瞳には大粒の涙が溢れてしまうと「リリスちゃんが私達の娘になったら良いなと考えていたのですけれど」と言いながら涙を流してしまった。その様子を見ていた住民たちは突然泣き出した魔女に戸惑うばかりだった。

魔女が落ち着くまで時間が経過してから再び魔女の部屋に集まると。そこには『ごめんなさい』と書き記した文章を皆の前に見せてきたリリスの姿を確認する。大魔王は、そんな謝罪する魔女に向けて言葉を投げ掛ける。「大丈夫だよ。それに、もしも お前が俺達の家族だったのなら、今頃はこの村で楽しく暮らしていたはずなのにな」と言ったところでリリスは何かを言いたいようで、魔女に向かって筆を走らせるが それを遮るように大魔王は話を続ける「魔女が居なければ、お前も、この村のみんなと仲良くなっていたかもしれないな。だが、もう過去の出来事だ。気にする必要はない。これからはリリスのことを大事にするから、心配は不要だぞ」そう言ってリリスの頭に触れてあげる。すると魔女は『リリスの事をお願いします』とだけ文字を書くと大魔王はそれを受けて「大丈夫だ」と答えてリリスは大魔王に対して抱き付くと「ありがとう」と言葉を文字として書き記して。それからしばらくした後でリリスが眠りにつくと大魔王は「寝ている時は素直で可愛い娘なんだよな」と呟き魔女に対して「魔女も、ゆっくり眠ると良い」と優しい声で語り掛けられる。

魔女が「はい お気遣いいただきまして ありがとうございます」と礼の言葉を告げると。それを見た大魔王は「魔女には感謝している。この村に滞在する事を許可してくれて」とお礼の言葉を伝えた。それから大魔王の奥さんと、大魔導師、それにリリスも大魔王の言葉に賛成するような態度を取るのであった。

それから魔女が目を覚ましていた事に気がついたリリカは『おはよう魔女。朝早くからだけど ちょっとだけ話をしてもいいかな?』と文字を書いた文章を見せて魔女に伝える。それを見た魔女は「はい。大丈夫ですよ」と答えたのだった。


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魔女と、リリカの二人は、二人でリリカの自宅に向かいそこで朝食を食べ終わると。魔女とリリカは一緒に出掛けようかと相談を行い外に出る事にしたのだが、その際にリリスを連れて行く事は出来なくリリスに家の中に一人で留守番をするように言い聞かせた後に魔女と大魔王の奥さん、それから大魔王の奥さんの三人が外に出かける事になる。そしてリリカの家に辿り着いた三人が家から出るとリリカから魔女に手紙を手渡すのだった。その中身を確認した魔女はすぐに理解して「わかりました。私も頑張ります」と言う返事を書き込んでいくのであった。

魔女がアリシアと共に森の中で薬草摘みを行っていた際、アリシアが突如魔物が現れた為に逃げ出そうとしたが。それを魔女は止める為に「大丈夫です。この程度は問題ないと思いますよ。もし危なかった場合は私が何とか致します」と告げる。そしてリリカが家を出てリリカが、魔女の元に来る。リリカが魔女の側に立つと魔女がアリサに対して魔法を使い始めたのである。それから数分が経過した後に魔女は、その場に倒れ込んだがリリカの魔法のおかげで命拾いをしてリリカの家で休憩を行うと魔女は「おかげさまで助かりました。あの時の私も弱かったですね」と苦笑いを浮かべながらリリカにお礼を言うとリリスとリリカと大魔導師の三人が、魔女の元へと現れると魔女はリリスの方を見て「えっと あの リリスさん。その服装は一体何があったのですか?」と質問を行うとリリスは「えへへっ。お義母様に褒められたいと思いまして。この衣装を着てみたかったのです。駄目ですか?」という文を書いてリリスに見せられると、そのリリスの行動を見た魔女とリリカとリリアの三人は「リリスちゃんの好きにしてくださいね」と魔女は答えを出すと。リリスは「本当ですか!お義母様 ありがとうございます!」という書き出しで始まる文章をリリスが書いた後に文章を読み終えると嬉しそうな表情をしながら魔女に抱き付き、それから数時間ほどの間。魔女は大魔王と大魔導師の二人にリリスの面倒を見るように頼まれて面倒をみたのだった。

それから数日が経過してから大魔王とリリスの三人は大魔王の故郷の国へと旅立つ準備をしていた時に、魔女とリリカと大魔導師とリリスとリリカは一緒に食事を行っている最中の出来事。魔女が大魔王に自分の生い立ちやリリスの母親と、どういう出会い方をしたのかを説明していた際に、魔女が自分の母親の話になると。魔女は自分の母親について語りだす。


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私がまだ小さかった頃 私の母親は私の育ての親で まだ子供だった私は自分のお母さんに甘えるために必死になっていた。でも、それは実の母に愛されていたわけでは無いことを、その当時から分かっていた私は。そんな現実を受け入れたくないと思っていて、母に嫌われようと努力を続けていたんだ。しかし、母は優しく私に接してくる。それが逆に辛くて仕方が無かったんだ。そんな風に私は、どんどん精神的に追い込まれていくと、母に対して強い恨みを抱き始めていた。母への愛情を憎しみに変貌させていたんだ。それでも私には生きる目的なんて何もなくて。ただ生き続けるだけで、そんな私の元に、ある時 不思議な女の子が現れる。その少女の名前は、アカリちゃんで、その当時の年齢は5歳ぐらいの少女で、その当時は両親と旅行に来ていたらしくて 両親はその旅行先で行方不明になり。その後すぐに彼女の姉が事故に巻き込まれてしまい。さらに、彼女が泊まっていた旅館が火事を起こしてしまうなど、不幸続きの状況で彼女は一人だけ生き残ってしまうと。彼女を助けてくれた人は 彼女を引き取ってくれる人を探すも 結局見つからなかった。そんな状況だった。

そして偶然にも、そんな彼女に魔女の知り合いだった女性がいた事から。その子に、一時的に保護される事になったのだ。そんなアカリちゃんを保護した人物というのが、私の母だったのだ。しかし、そんなアカリは 当時6歳だったけど かなり賢くって、自分より年上の人と一緒に居ることが多かったみたいで、大人相手で 色々と話す機会が多かったのだ。その結果。

彼女と魔女の母が出会ったのだ。魔女の母からすれば 彼女は娘と歳の変わらないような子で。だからなのか 魔女の母は彼女を可愛がり とても良くしてくれて それで、彼女は、いつしか母と同じような魔女を目指すようになる。しかし、そんなある日に魔女の母が亡くなったのを耳にすると。アカリは悲しみの感情を爆発させるかのように大声で泣き喚いたそうだ。それから数日後に、その事件を知った私は アカリちゃんが、どうして泣いているのかを知りたいと 思っていた。それから数年ほど経って アカリちゃんの母親が亡くなり。その時に私とアカリちゃんは出会うことになると 魔女と魔女の母親との話を聞いた魔女は涙を流したのだった。

魔女の話を聞き終わったリリカは「そっか。あなたも、あなたのお母さんも大変だったんですね」と言いながらリリスの頭を撫でる。そんな魔女を気遣うような態度を見せてきたリリカに対して魔女は「いいんですよ。もう、昔の事なので」と答えると。

リリカは「そうだったんですか。ところで 魔女さんが魔女と呼ばれるようになった経緯を教えてくれませんか?それと、魔女になった事で何か変化が起きたのかどうか知りたいので」と言った。それに対して魔女が話し始める「分かりました。私の魔女と呼ばれるに至ったのは 私が10歳の頃 私は魔女を名乗るようになり それ以前から魔法が得意でしたので、色々な人から、魔法が使えるようになると 周りの子供達からは気味悪がられていたのは確かで、次第に虐められるようになっていたのです。その頃の私は 魔法は、あくまで自分の身を守れる程度の力しかないと思っていたので、あまり、魔法が上達しない事に悩んでいました。そんなある日の事です。私に転機が訪れたのは。ある男の子と出会ったことがきっかけです。彼は 私と同じ時期に同じ場所に生まれました。しかし その子は体が弱いようでして、ほとんど外に出歩くことが出来ませんでした。その彼と出会ってから数ヶ月が経過した後。ある日の昼頃に彼が、私の家に遊びに来て。それから二人で仲良く遊んでいた時でした。その時、突然 彼が体調を崩し始めて 熱を出してしまったのは覚えています。私は彼を看病していると 私の友人である アリシアという人が彼の家に尋ねて来たのです。

私とアリシアさんが 一緒に料理を作り上げ。彼と共に食べている最中。アリサと名乗る少年も現れて、それからしばらく時間が経過した後。その事件が起きたのです。その事件は 私の住む村では珍しく大雨が降っていた日に、私達が住んでいる村の近くの山に、竜が現れたという情報を村人が手に入れてきて。それを聞いて私達は山に向かい その竜を討伐しようとしました。そしてその日の夜。

夜が明けた頃には、私達の住む村に戻ろうと 私達が村に向かって歩いている途中に私は気を失ってしまうのでした。

私は意識を取り戻した時には、私の体には怪我が残っていましたが。どうにか命に別状はなく、無事に助かった事に ホッと胸をなで下ろした直後 隣にいた 彼に目を向けた瞬間に「あぁ。またか」と絶望するかのような表情を浮かべたのを覚えています。そして「嘘だよね?」と呟きながらも 私は自分の体に違和感がある事に気がついたのです。それは私の右腕に異変が起こっており、その腕には龍の腕のような形に変化していたのです。しかも、それだけではありませんでした。今度は、もう片方の左手までもが 龍の左腕のように変化してしまっていたのです。それから私は「私は一体 どうなってしまえば、このようになってしまうのだろうか?」と不安になり、私は必死になって考え始めたのです。そして私が出した結論というのは「これは、あの 伝説の怪物 ドラゴン そのもので、人間じゃなくて、私自身が 化け物になっているのではないか?」という考えに辿り着いた結果 その仮説は的中してしまった。その証拠に 私は 自分の力で抑えきれないほど 自分の体の力が上がっていくことを感じていたからだ。それから私は、この姿を見られてはいけないと思い、私は自分の力を封印することを決意した。私は必死に魔力を抑える練習を続けていき、それから数年後に私は自分の体を制御できるほどの力を手に入れる事が出来た。しかし私は怖かった。自分が暴走する事を。そして あの子は 一体何者だったのかも分からずじまいのまま。それからしばらくして。私は リリスという少女に出会うと その子の境遇を知ると、その子が あまりにも かわいそうな思いをしてきたことを知ったので その子を守る為に その子の側にいることを決めた。その女の子と出会わなければ 私は今頃。

きっとあの時の事を思い出しながら生きていただろう しかし、リリカという少女に出会った事で、今の私は過去の出来事を忘れようと心がけるようになる だから魔女という『存在』はリリカと リリカが愛する人達を守り抜く為に、その使命を果そうと決意をしたのであった。

私は、その女の子と出会い「この子を絶対に守るんだ。だって私にはリリカという大事な家族ができたのだから」と心に誓い リリスと一緒に行動することを決めて、それからしばらくの間 一緒に行動をし その時に 私はリリスを魔女にする為の修行をさせることにしたのだ。魔女にすることで得られる恩恵とリスクに関しては、事前に大魔王とリリカの母親に説明を受けていたこともあり。リリスは迷いもなく魔女になることを承諾してくれたのは今でも覚えていたりするのだ。


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魔女が語り終わると魔女は「以上が 私の話です」と言うと。リリスが涙を浮かべながら、自分の母親の事について「お義母様のおかげで、こうして生きて居られます。そして、こんなに素敵な人と出会うことが出来たんですよ!」と魔女に伝えたのだ。魔女は嬉しさのあまりに涙を流す。すると、そんな二人の様子をみていたリリカが「お母様 お義母様!お二人は夫婦なんだから これからは、お互いに愛のある家庭を築くのですよ!!それと、魔女ちゃんと、アカリちゃんにも子供が出来ると いいですね!!」と魔女に対して伝える。

その話を聞いた魔女は顔を赤くさせながら「こら!リリカ。いきなり なんてことを言うんだ」と叫ぶと。そんな二人のやりとりを見ていたリリカが「あっ そうだ。忘れるところだったよ。えっとね 実は、ユウトくんの子供を妊娠してるんだよ」と言いだすと、リリカの発言に魔女も 驚きの余り 固まってしまうのだった。

そして 俺に目を向けてくると

「本当に あんたの子なのかい?」と尋ねてくる魔女に対して「違うって言ってやりたいところだが、俺の 息子に違いはないさ」と言ってやると魔女の口元が緩んでしまい「へぇ。なる程。確かに良い男面してんじゃないの」と笑い始めると 俺は、魔女の言葉を無視して話し始めると「で、話は戻すけどなんで、わざわざ アカリを連れて来て、お前が保護したのか そろそろ教えてくれても いいんじゃねえのか?それと どうして その子が【悪鬼】なんかに変身できるようになったんだ?その理由を、アカリが魔女の弟子として成長した時に 魔女は魔女と呼ばれるようになった理由は。その当時 その国には悪鬼が存在していて、それに リリカが殺されかけた所を助けたことがきっかけで、その国から逃げ出すことを決意したのだが、そんな事を考えている最中に悪鬼と遭遇してしまい。そこで、悪鬼と戦ったのは良かったものの 結局は負けてしまって悪鬼から逃げようとした際に 偶然にもアカリが悪鬼と戦えるように変身する力を得ることができたんだ。しかし、その後 悪鬼によってリリスの両親が殺される光景を目の当たりにして 精神が崩壊しそうになったアカリの目の前に突如、魔導士と名乗る女性が姿を現すと。

アカリは魔道士の導きで『悪鬼の討伐方法と、魔道書を伝授する。その代わりに、私が持っている力を全て引き渡す。もし私の力を引き継ぐ覚悟があるのなら、その覚悟を証明する証を立てよ』という試練を与えられ。その魔道書は、アカリームという名前の書物であり その中には様々な知識が記されていて それを読み進めていく事で、徐々に悪鬼を討伐出来るようになるのであると、魔導師から伝えられると。その本を最後まで読むことによって、その本の最後に記載されていた呪文を唱えることで リリスは悪鬼を召喚する魔法が使用可能になる。そして、リリスは本を読んでいたせいで、体力を消費し続けてしまった事により意識を失ってしまうと、アカリは必死になって なんとかその場から 逃げ出して。その後はリリィに出会って、リリスーマと仲良くなった後に 私は、リリシューママの娘として生まれ変わる事になったの。私は魔女に弟子入りする事を決めてからは、魔法を学ぶために、毎日 魔法の特訓をしているのだよ」と言ったあとに リリナは続けて

「私には 双子の妹がいたんですが その子の名前がリリーマっていうんです」と言った。それを聞いた魔女が驚くと

「それじゃ、もしかして。あの子の事かい?」と言うと。「そうです。私がこの世界に転生する前に出会った あの子です。あの子が今頃は何処で何をしているのか分かりませんが 私は会いたいと心から思っています。

私はこの世界での私の名前を教えてくれる?」と尋ねると 彼女は「私の名前は『アイリス』でございます」と答えると魔女が彼女の名前を呟くと「なるほど。だからリリカの瞳の色は赤色になっていたのかぁ なぁ。私にあんたを弟子にしても良いかを試させてもらってもいいかねぇ?」と尋ねた結果 彼女が「もちろん。そのつもりだから、お願いするわね」という返事をもらうと、その言葉と同時に 彼女は杖を振りかざすと 巨大な竜巻が発生し それを見たリリカが「凄いなぁ。魔女さんが使う 魔術を実際に見れただけでも感動しちゃうよね」と言う。

それから魔女は、アカリが使っていた杖を彼女に渡した後で「ほれ。これは あたしが使ってた杖なんだけど あげる。これから先。あんたも色々と苦労すると思うけど。頑張んな!」と言うと リリカが 突然泣き出す。

「ありがとう。お母さん」とリリカが呟き、それからしばらくの間は魔女に抱きついて しばらく泣いていたが、しばらくした後に、リリカと魔女とアカリの三人が 楽し気に会話を始めた頃。

俺とアリシアとリリスの三人で村に戻る途中。リリカは、自分の母との別れが辛かったのか。リリカの頬に一筋の涙が流れ落ちたので その事に気がついた俺とアリスは。

お互いに顔を見合わせると『どうしようか?』と言いたげに困り果てた表情を浮かべる すると リリカは「どうしましょうか?」と苦笑交じりに こちらに顔を向けてくると 俺とアリスも リリカ同様に 苦笑を浮かべながらお互いに顔を向け合い、それからしばらくして、俺は「とりあえず。このまま帰るしか無いんじゃないのか?」と言うと、リリカは「でも まだ もう少しだけ ここに居たい気分かも。お姉様と魔女さんの話をもっと聞いておきたかったからね」と言う。

「まぁ。気持ちは分からなくもないが いつまでも こうしていたら迷惑をかけちまいそうだから、早く戻らないとだぞ」と忠告すると リリカは 少し残念そうな表情をしながらも「そうですね。わかりましたよ」と言ってくれると

「それじゃ。もう 帰ろうよ。ユウトくん」とリリスに言われたので「わかった。戻るとするか」と俺が言ったら。リリカの口から「えっ?もう 帰ってしまわれるのですか?」と戸惑い気味の声が出ると。それに対してリリスは「ええ。だって。そろそろ 帰らないとだしね」と言ってリリカの頭に手を乗せて 軽く撫でた。そして「また いつでも遊びに来なさい。私達はあなた達の事を歓迎するんだから」と優しい声音で言う。それからリリカは、魔女とアカリと二人に「今まで お世話になりまして 有難うございました。お二人共。お元気で過ごしてくださいね」と言ってから俺とアリシアとリリスと一緒に村に戻っていくと、村長に挨拶をしてから、俺達は 自分の部屋へと戻っていき そして、ベッドで眠りについてしまうと、翌日は みんなと一緒に朝ご飯を食べて それからリリカが魔女の弟子になった経緯などを、アカリから詳しく聞くのであった。

リリカは魔女に渡された本を読んで、魔法を覚えていく中で、アカリの妹と友達となり 魔女が住んでいる家に訪ねて来たアカリの友達が、魔女の娘であるアイリスと出会い アカリとアイリスは 仲良し姉妹のように一緒に遊ぶようになって、二人は お互いの母親が働いている間 は家で遊んでいたのだが。ある日 その魔女が 家から出て行き そのまま二度と戻ってこなかった事がきっかけで、魔女が 自分達を守るために姿を消してくれたと二人は知ってしまい。二人は悲しくて泣いしまった時があり。そんな時に魔女の友人であるアカリの母親から「アカリ ユウト 私のところにおいで。二人が一緒に住んでくれた方が 私としても嬉しいの」と言われて その話を受ける事を決めたのだった。アカリとアイリスは 二人揃って「リリカ おねえちゃん。これからもずっといっしょに いられるんだよね?」と質問をすると リリカは二人の頭に手を乗せると「当たり前でしょ!二人とも、大好きなんだからさ」と言って、二人に優しくキスをしてあげていると。アカリは嬉しさのあまりに、その場で大粒の涙を流し始めると アイリスもアカリと同じく「わたしもリリカおねえちゃんのことだいすき」と言って リリカを抱きしめると 彼女もまた、その綺麗な青い瞳から 涙を流すのである。

その後。リリカとリリスと別れた 俺達とアリシアは、それぞれの自宅に戻り リリナと二人でのんびりと過ごしていた ちなみに。俺達がこの世界にやってきた理由については

『魔族討伐のために召喚した』と説明した。それを聞いたアリシアは驚きながら、俺が魔王を倒したという事を素直に信じるとは思わなかったのだけど そんな事などどうでもいいとばかりに、「すごいですぅ」と言い始めて、最終的には「流石ですねぇ。ユウトさん」と言う感じの褒め方だったので 俺もつい「あははは」と照れ臭くなり笑い出してしまった そして、リリカの事をアリシアと二人で語り合った結果。

リリカとアリリスは 母親から、もしも自分が居なくなっても 生き抜くための力を授かるために あえて 厳しい環境に置かれながらも魔女のもとで修行してた事を、俺は知り、それを聞いていた アリシアも「そっかぁ。そう言うことだったんですね。だから私や リリカさんが知っている事は 全て魔女が教えていたんですね」と言った後に、少し考えた後に 何かに気づいたかのように、こちらを向くと「それって まさかですよ。

リリカさんの本当の母親は。私よりも歳が上で、既に他界しているのでは」という発言に 俺は驚いてしまう。何故なら、俺とリリカは 見た目が殆ど同じ年なので、てっきり同世代だと思っていたのに。それを聞いて 衝撃を受けた。それからというものの。彼女は そのことについては触れず、何も言わない。ただ、何時までもリリナの傍にいて、彼女と幸せに暮らしていけたらそれで良いと願っていたのだ。

そんなある日の事。俺は魔女から譲り受けた、杖を手にしていた。

それから杖を使いこなし、悪鬼と戦う為に必要な呪文も 魔女から教えて貰っていて、更に。魔女が使っていた 魔力の籠められた指輪と腕輪を二つ 俺に渡してきて「それはあんたが持つべきものだよ。あんたと あたしとの友情の証でもある。あんたの力になってくれれば いいんだけどね。あんたは その杖があれば大丈夫だろうけどね」と言われたのを思い出す。俺は、魔女に感謝をしつつも 俺は杖を使って 魔術を発動させた後で、リリカの方を見ると。

リリカは俺が発動した魔法を見た事で 驚愕しているようだった。それからしばらくした後で、魔女の家に この村の子供達が集まると。リリカは 子供たちと楽しく過ごし始めていくと 魔女が「ほれ。あんたたちも こっちに来て、一緒に あの子と 遊んできなさいな」と子供達を呼び寄せた後で 魔女も 混ざっていくのであった。

こうして 平穏な日常が続くと思いきやまどろみの中 目を覚ました。そして目の前には リリナが 微笑んだ状態で「おはようございます」と言ってきたので「うん。おはよう」と俺が返すと。それからは、いつもと変わらない時間を過ごしていき。今日は魔女に 剣術を教えてもらえる事になったので、朝から魔女の家に行く準備をする。

そして、家を出た直後にリリカと偶然出会う。どうも彼女は魔女に呼び出されてこれから 魔女の元で勉強するみたいだ。彼女は、笑顔で俺に「これから魔女の所に行ってくるね」と言うと。俺とリリナとリリカは魔女の家の中に入ると、そこには リリスの姿があった。「あら。皆さん こんにちは」と言うと。リリスは俺に近づいてきて「そういえば。ユウトくんに聞きたいことがあったんですよね」と言ってから「ユウトくんは 今。お仕事として受け持っているのは何人ですか?」と尋ねられたため。

俺は「今のところ。三人ですね」と言う。すると「そうですかぁ。ところでその三人とも女性ですか?」と言われるので「えっとぉ。一人は 男の人ですけども」と言うと、リリスさんが驚いたような表情を浮かべると続けて言った。「そうなんだぁ~じゃあ。もう二人も女なんですね?」という質問に対して俺は少しだけ考えて答えを出したのだが────正直言えば二人も女性がいるというのは事実だが一人は男である。つまり 嘘をつくしかない。それにしても、俺と魔女とアカリ以外の男性を見かける事がなかった気がするので。不思議だと思いつつ リリスと会話をしていたら、魔女が部屋の中に入ってくるなり「あんた達は 本当に仲が良さそうに見えるねぇ」と言ってくると リリスは「うふふ。羨ましい限りですよ。ユウトくんに可愛がって貰えるように頑張ってくださいね」と言う。それから リリスさんはリリカと一緒に どこかに出かけていったので 俺はリリスから頼まれた用件について、話をするのであった。

「魔女のおっさん いるかい?頼みがあって来たんだ」俺がそう声をかけると、部屋の奥から魔女が現れると 俺の顔を見るなり「おう。あんたか」と言って「何でここに?」と尋ねるので「リリスから頼んでいた品物の用意が出来たので受け取りに来た」と告げると。魔女の口元は、僅かに緩む。魔女は「へぇ。もう 完成したんだ」と言って、感心しながら呟いていたので、それを聞いた俺は思わず苦笑してしまう。魔女に依頼をした内容は武器であり 俺の使う 剣と似たような形状をしており。鍔から持ち手のところまで 漆黒に染まり。刀身も黒色で 黒い刃に 白い筋が何本も走っているので。全体的にはシンプルなデザインの鞘に収まっている そして、魔女から受け取った代金を払うために、俺は魔女の元から離れると。俺はリリカに声をかける。リリカは「は~い!」と言って こちらにやってきた。それから 俺達は家に戻ると 早速 俺が買ってきた物について説明をし始めるのであった。俺の説明を聞くと、リリカの表情は次第に驚きに満ちたものになり。彼女は震えながら 俺に話しかけてくる。

「えっ!?この 真っ黒の長めの剣。これが 私専用の?」と言われてしまった。それを聞いてしまった以上は隠す事も出来ない。そして俺は「ああ。そう言うことだな。魔女に お前の為に造るように言ってみたんだよ」と言って、彼女を見つめていると 彼女は涙を流し始めていくと。そのまま泣き崩れてしまい。俺にしがみついて来るので 頭を優しく撫でていた。それからしばらく時間が経過をした後に。リリカがようやく落ち着いたので。俺は、彼女を抱きかかえたまま立ち上がる。すると 彼女が小さな声で「ありがと」と 言い始めると。そのままキスをされたので お互いに笑い合う。それからも しばらくの間 リリカとの甘い生活が続いた後に、リリスの店へと 出かけて 彼女の店で、魔女からの依頼で 造り上げたという事を話すと 俺の話を聞いて 少し考えた後。「まあ、仕方ないわね。これでも私は『一流の冒険者』でもあるわけだし」と呟くと。「それってさ 私も使えるのかしら?」と聞かれてしまう。

その質問に対して リリスは「もちろんですよ。貴女の魔力さえあれば、すぐに使いこなす事ができますよ。それとも『杖』は要らないかな?」と言うと。彼女は「杖はいいわね」と言って。俺は『指輪』と『腕輪』を手渡すのであった。その日は、指輪を渡した後は 特に何もなかったので、リリカを連れて家に帰宅してリリナが出迎えてくれたので「おかえりなさ~い」と言うのを聞き流しつつ俺の部屋に二人で入る。ちなみに俺の部屋にあるベッドの上で俺達は二人で寝転び、お互いに向かい合い抱きしめ合っていたのだが いつの間にか俺がリリカを覆いかぶせる形になっていたので俺は彼女に「リリカをこのまま襲っちゃってもいいよね?」と言い放つが彼女は無言でコクリとうなずく。俺は、彼女の返事を貰った事で遠慮なく彼女に襲いかかった。リリカが「もっと激しく愛して欲しい」と懇願をしたので俺は彼女に言われるままに行動していく。そして、行為を終えた後には俺はリリカを膝の上に乗せつつ 彼女に話しかけていく。俺が、今までに見たこともないほど リリカの肌が紅潮していた。どうやら、気持ちよく感じていたらしいが それでも 恥ずかしくて顔を見せないように 俺の首に手を回していたのだそうだ。そんな事を聞けば、俺は興奮を抑えられないのでリリカの服を脱がせて再び、俺が上に被さるような体勢にしてから彼女を責め立て続けたのだけれども リリカも我慢できずに自ら 俺に腰を打ちつけ始めていった。その度に「はあっ♡ はぁーはぁぁん!!」と可愛い声を上げて俺を感じてくれて 絶頂を迎え続けていた。それからというものはリリカの方から積極的になったかのように思えたのだが気のせいではないはずだし。俺自身も、まだまだ物足りなかったので「今日はこれくらいにしようね」と伝えても、リリカは、まだ大丈夫だといっていたので その言葉を信じる事にした。それからというものは。俺は、ひたすらに 彼女と交わり続け、俺の身体を貪りつくすようにして 何度も果てた。リリカの方も体力がつきたようで ぐったりとしていたのだが。俺の方はまだ満足していなかったので、さらに行為を続けて 今度は俺の体液を流し込んでやったのだけれど それでも彼女は 喜んで受け止めてくれたようだ。

そして翌朝になると 目が覚めると。目の前には裸のままのアリシアの姿があった。彼女は微笑みを浮かべると「おはようございます」と朝の挨拶をすると同時に俺に向かって、軽く口づけをして、抱き着いたままでいる。それに加えて俺の腕は柔らかな感触と暖かさを感じたため俺は顔を赤くしていると アリシアはクスっと笑うと「どうですか?」と聞いてきたため。俺も「最高です」と答えると、お互いに微笑み合って見つめ合っているうちに 俺はアリシアを押し倒す形になったため、彼女の唇を奪おうとしたら。突然。部屋の扉が開かれて「ユウちゃん!朝ご飯出来たから、一緒に食べよぉ!」とアカリの声がした。すると彼女は

「うふふ ごめんなさい。私の邪魔をするつもりはなかったのですが」と言って ゆっくりと離れていく。それからアカリに連れられてリビングに向かう事になった。そこには既に、アカリ、リリス、リリカ、魔女の姿があり、みんなで仲良く朝食を食べる事になった。

それから 食事を終えると俺は家に戻る準備を始めた。といっても、それほど時間はかからないだろうと思いながらも、自分の荷物を持ち上げると。俺は、アカリに声をかけられた。その話の内容とは───。「あのね お願いがあるんだけど」と言われるので 何かと尋ねたが「私も 一緒に付いていきたい」と言ってきていた。

俺は「なんでまた急に?」と言うと

「えっとぉ。ユウちゃんと二人っきりになりたいから」と アカリの返答を聞いて 呆れていたら、魔女が近づいてきて。「アカリちゃんのことは 気にせずに行っていいから」と言ってくれたので、アカリを連れて行くことにした。そうしてから、俺達は 旅の支度を終えてから、王都の外まで向かう事になって リリカは俺と一緒に、魔女はリリカの護衛という形でついてくることになった。そして外に出た頃にはすでに夜になっていたので。俺はリリカを抱き抱えて家に戻った。家に戻ると リリカは疲れてしまったのであろうか。眠そうな表情をしながら「おやすみ」と俺に伝えてくるので。俺は「うん。明日に備えて寝ようね」と言うと 彼女を連れて寝室に直行して二人でベッドの上に横になるのだが、俺は眠ることができなかった。理由は明白で。俺はリリカの事が好きだから。リリカに抱いている感情が愛であるからだ。

そして 俺がリリカの事を愛し続けている限り 彼女は俺の元から離れないでいてくれると信じたいのだ。

だから、俺は。この世界で リリカと二人で幸せになりたいと考え始めていたのだ。

次の日の朝になると。俺が目を覚ますとリリカの姿が見当たらないことに気づいた。俺は慌てて起き上がり周囲を確認しようとした瞬間だった。いきなり リリカに腕を引っ張られてバランスを崩してしまい、リリカと一緒にベッドに倒れ込む羽目になってしまう。その際に俺は「ちょ 待って。今起きたばかりなのに。何がしたいんだよ?」と言ったところ 彼女は笑顔を浮かべながら「私は 昨日の夜から あなたに会えなくて寂しかったんですよ」と呟いていた。そう言われた事で リリスの店に行った時、彼女は「早く戻ってこないかな」と言っていた事を思い出した俺は「あ 悪い」とだけ伝えると。

それから、しばらくの間はリリカと会話を楽しんだ後。朝食の準備をしている最中に。俺とアカリは、二人で家を出て行く。その際 俺が「俺達が居ない間はリリカのこと頼んだぞ」とアカリに言ったら「もちろん 頼まれなくても 私は いつでもユウちゃん達の味方なんだもん」と言うのを聞き流す事にして。それから家を出た後は しばらく歩いていたので、その間に俺は、アリシアについて考えていたのだ。

その件については 俺よりも アカリの方が詳しそうだと思ったので「そう言えば お前は アベルのことを どう思う?」と質問をしてみると「私?そうだね。アベル君が、どんな人なのか私にも分からないんだよ。それに私自身、彼と あまり接した事もないから 正直 何も言えないんだよ」と言って 少し考える仕草を見せた後に。「でもね 私は 彼が悪い人に見えないんだよね」と言うので 俺は アカリを信じてみる事に決めたのであった。

そして歩き続ける事によってようやく王城が見え始める。そうして歩いていると門の前に辿り着いた。そして俺達は兵士と思しき者達に囲まれてしまう。俺達は警戒しながら武器を向けて威嚇をしていた。

すると 兵士達の中に一人の少女が現れてから。「これは一体どういう状況なのでしょうか?」と言われてしまったので 俺は素直に答えると「なるほど貴女はユウさんという方ですね。私は アリシアと申します」と丁寧に自己紹介をした。俺もそれに応えるように名乗るのであった。その後。俺は、どうして俺達を取り囲んでいたのか理由を聞こうとすると リリカが「それは、私たち二人がこの国の姫だからよ」と答えた。その話を聞いた上で、俺達は取り敢えずはリリカの案内で王城内へと入っていき。それから俺は、ある部屋に連れていかれた。そこにあった光景を見た俺は唖然とする他なかった。

だってさ、そこには 豪華な服を身に纏った『美少女』がいたのだ。俺が 彼女の顔を見惚れていたら「ふむ。お主は リリカが連れてきた客人か。ワシの名前は、この国の王

『レイナス』と申す。よろしく頼むな」と言い出してきたのだ。そして彼女の顔を見ると。彼女は 俺に対して「そんなに緊張せんでもいい」と伝えてくるが。流石に無理があると思うのだが。まぁいいや。それで 俺達は王様から事情を聞かされたのだ。まず ここアテトリア王国に俺と同じ勇者が現れたとの話だったのだが。しかし彼は 他の勇者とは違い、魔物やモンスターではなく人間と戦争を繰り広げているらしいと。

それを聞いたリリカが

「もしかすれば。彼の目的が何かは分かりませんが それが本当なら」と考え始めた時に「どうじゃろう?我が王国を救ってくれぬかのう」と言われた為、リリカの顔を見るなり俺は答えたのだ。俺自身は断る気はなかったのだが。問題はアカリの方なのだが「あのさー 一つ聞いても良いですか?」とアカリが発言すると。

その問い掛けに対しては、レイナスは

「どうしたのじゃ?」と答えてくれた。するとアカリは。

「もしかするとだけど。アベル君の居場所がわかったりしないのかなぁ?」

「ほほう そ奴が どうかしたのかのう」とレイナは興味を持ったようで、詳しく説明を求めた為に。俺は 彼女に、アカルを俺の仲間にしようと説得しに来た事を 話し始めた。それからアカリは、アテルス王国での 出来事を説明した後に。彼女は、「私も一緒に行きたい」と言うので 俺は反対するつもりはなかったが「アコとアイクを置いていくのも、かわいそうだし」と言ってくると。リリカが代わりに答えた。

「その二人なら心配はいらないと思いますよ。むしろ お姉ちゃんのそばにいる方が危険な気がしますから」と言うので 俺は 確かにと納得した表情を見せる。アカンベエに関しては 既に仲間としてカウントしていたので、アカリが居なくなったとしても、問題ないと踏んでいたので。それから俺達は 王都を出発して、アコ達と合流するために向かう事になるのだが。その際に「うふふ やっと二人きりになれましたね」と言ってから、アリシアに抱きつかれる形で抱きしめられたために、顔を赤くすると アリシアが耳元まで顔を近づけてから囁いてくるのだ。そして───。俺は思わずゾッとした表情を浮かべると、彼女は俺の目を見てクスっと笑う。それからすぐにリリカは「ダメだよぉ。これからユウちゃんは忙しいんだよ?」と言うと 俺の腕から離れる。そして俺はアリシアと二人で馬車に乗ることになったのだが、この時にアリシアに手を握られる。そうしていると 彼女が急に話しかけて来たのだ。

俺は急に声をかけられた事にビックリしてしまったが。それでも冷静を保ちつつ「えっと 何でしょう?」と聞き返すと 俺にだけ聞こえる声の大きさで「あの時の言葉を覚えていてくれてありがとうございます」と言うのだった。それを聞いて俺は、俺に何を伝えようとしたのだろうかと考えたのだが。結局は よく分からなかったので 聞くことはしなかった。そして 俺達はアホの子の所に到着すると、そこで俺は驚いたことがあったのだ。それはアカリがいない事である。なので、リリカには 先にリリカと一緒に行ってもらう事にしてから。

俺はアリシアを連れて、王都に戻ることにしたのである。俺とアカリはアホの子に「少しの間だけ、留守番を任せたから」と言うと。彼女は、首を縦に振るだけだった。アホの子にもアカリと同じように王都で修行をしてもらって、アカリの側に居てもらうことにしよう。ただ 彼女達と別れた俺は、俺だけが王都に戻れるわけがないと思い、一旦家に戻って リリカに「今から、アカリのところに行って来る」と言うと リリカは「うん。分かった。じゃあ 私とユウちゃんの子供 作ってみない」と笑顔で言うと。俺にキスをし始める。そうして リリカとの口づけを終えると。

「それでは 私はお風呂に入っていますね。その間に準備を終わらせていてくださいね」とリリカに言われると。「了解」と返事をした俺は家の外に出て、それから転移魔法の陣を展開する。そうして 俺はアテルス王国の王城に辿り着くと、門の前でリリアの姿を見つけたので 声を掛けることにした。すると彼女は 慌てながら駆け寄ってくる。俺の服装を確認するなり「あ!ゆうしゃさまぁぁ!」と言い出した。だから俺は、リリスの元に行きたかったことを彼女に告げて。彼女を連れて行く事にする。

それからリリアと二人でリリスの店に向かい 中に入ると そこに居るはずのリリカが見当たらなくて俺はリリカの事を探す。それからしばらく時間が経つがリリカが現れないので、リリスに「なぁ 俺が帰ってくる前にリリカと話をしたりはしていなかったのか?」というと 彼女は「いや。今日は、誰も来ていない」と言う。それを聞いた俺は。俺はリリスに対して質問をすることにする。何故ならば 俺達がここに訪れたのは、この世界を救うためでもあるからだ。

「この国には、俺と同じような『勇者』が召喚されたらしいんだよ。それで俺達は『勇者のパーティ』を結成しようとしていて、リリカがメンバーを探していたんだけど、知らないか?」と俺がリリスに言うと「その勇者の名前を教えてもらえれば 調べる事ができるかもしれないな」とリリスが言うと俺は、その名前を言う。

それから俺は 王城へと向かう事にする。理由は簡単だ。俺は『この世界のアリシエル姫』が嫌いなのだ。しかし俺が、この世界で愛せる人がいるとするなら それはアテルス王国に住む人達以外に考えられないだろう。

だから俺は、王城に着くなり兵士を脅して。そうして王様の部屋までたどり着いた俺は 兵士から事情を聞くと。王様は俺の顔を見ると「ふむ。お主が勇者様という訳か。わしはレイナスというものだ」と名乗り出してくれたので。「俺はユウと言います」と言うと王様は「して勇者様よ。お主は何をしに此処に参ったのかね?」と尋ねてくる。それに対して「実は俺は アコやアカネという女性を仲間にしようと思い、彼女たちを迎えに来たのです」と言うと 彼は少しだけ考えて「その二人なら先程から 此方におるが」と言うのであった。

その言葉を聞いた俺は「どういう意味ですか?」と尋ねると

「どういう意味もなにも。ユウ殿の仲間として、この国の姫 リリシアと共に行動をしているので」と王様は言い出すので 俺は困惑しながら「えっと。俺の記憶違いかもしれませんが。このアホの子がリリシアという名前だったような気がするので、ちょっと呼んで貰ってもよろしいでしょうか?」と頼むと。

するとリリは「もう ゆうちゃま。お姉ちゃんのことを忘れてしまったんですか?ひどいですぅ」と可愛く言ってきた。そして、それから王様が俺に話し掛けると 彼女は自分の正体を明かしたのだ。彼女はアホの子であると。つまり俺を騙して、このアテルス王国に連れてきたと自白したのだった。しかし彼女は、俺に対して好意を持っていることも話すと。王様が「それでどうするつもりなのだ?」と聞いてくるので。俺は正直に「彼女と話し合いたい」と答えた。そして 彼女は俺について行きたいと申し出た為に。俺は「いいよ。君となら 楽しい旅ができそうだ」と伝えた。

俺がアコとアイクを連れて、アテルス王国を旅立つ時に、アホの子も付いてくる事になった。しかし ここで問題がある。まずは、彼女の服の問題だ。今の彼女は、普通の町娘のような服を着ていた。流石は アホの子でも一国のお姫様なのでそれなりの服を着ている必要があると思うのだ。なので俺は「まずは、お前用の洋服を買ってから出発するか?」と言ってみる。すると彼女は、「うんっ ありがとう ユウちゃん大好きだよ」と言って俺の腕を組んで歩き始めたので「おい。急にくっつくなって」と言うと「ふぇ~ん 怒らないでください ユウちゃま」と言われて俺は溜め息をつくと「仕方がないから しばらくはこのままで許す」と言って、二人で歩くことになったのだ。そうして二人で歩いていくと「ユウちゃんって優しいよね?やっぱり リリが側に居て欲しいって気持ちになるなぁ」と彼女は呟いた後に。「ねぇ もしもだけどね。リリと結婚してくれたら、嬉しいな」と言うのである。だから俺は「そうだな。結婚できる年齢になるまで、俺がちゃんと面倒見てやるよ」と俺は、そう答える。それから俺達は、衣服屋で、アホの子の為にドレスを購入したのだが。その時も ずっと手を繋いだままの状態であり。俺は、リリシアの事を「こいつ。本当に俺のことを好きだよな。絶対に、手放さないぜ?」と思ってしまったのである。そして 俺は アコの事が気になっていた為に。「俺は 一度、王都に戻るつもりなんだが リリシアは ついてきてくれるのか?」と言うと。彼女は「う~ん 残念なんだけど。まだリリの力が、そこまで強くなっていないんだぁ。でもリリの力があれば、すぐにユウちゃんの力になってあげるから、それまで待っていて欲しいかな」と言うと 彼女は微笑むのである。

そして俺は 王城から出る事にすると。そこでリリカの姿を見つけると「おう。リリカ。元気にしてたか?」と言うと。「ユウちゃんが 居なくて寂しかった」と言って抱きついてきたので。頭を撫でてから 二人で手を繋いで歩き始めるのだった。そして 俺は王都を後にして。俺達の冒険が始まる。

そして 俺達三人で歩いていると 魔物に襲われる事になる。そうして 俺達は戦いを始めることになるのだが。この時にリリカは『剣舞』と呼ばれる技能を使用する。そして俺達は 無事に魔物を倒すことが出来たのだが。俺達は 次の場所に行くために、移動を開始するのだが。俺は リリカの様子が可笑しくて、リリカに対して声を掛けると。「私達は これから、王都に向かわなければいけない。そこで私達の敵となる人物が現れるはずだ」と言う。それを聞いた俺は、「何で そんなこと分かるんだ?」と疑問を口にすると。彼女は俺の目を見ながら「だって 私は勇者 ユウちゃんの妻だから。勇者の血が私には流れているから」と言うと、俺の手を引いて、歩き出そうとするのである。俺は彼女に引っ張られる形で 歩みを進めた。俺は、このリリカの言葉の意味を理解できなかった。だからこそ。俺は、この時から、リリカに対して違和感を感じるようになっていた。俺が 彼女を信じられなくなった理由を この後知ることになるのである。

そうして俺達は、この世界の魔族を纏める者が存在する国

『バルガド』に向かうのであった。そうして、この国に辿り着いた俺達だったが。そこで、とある少女と出会いを果たすのであった。その出会いとは リリカと同じ髪色をした幼い女の子と出会うことになり、その彼女が、この国で最強とされる『戦姫』であることに俺が気付くまで、もう少しの時間を要することになる。しかし、この時の俺は この子との出会いによって 自分がこの世界に来てしまってからの時間の流れを感じて。『もう元の世界に戻れなくてもいい。俺は大切な人を守れる力さえあればいい』と俺は思うようになっていった。そして、俺は、リリカと二人で行動するようになると、彼女からリリカの事を聞かされることになったのだった。

この国のお姫様として育てられていて 俺をアホの子としてからかってくるけれど 本当は優しくて。甘えん坊さんなのに 俺がリリカの知らない場所で危ない目に遭っているんじゃないかと、俺の事ばかり心配していて 俺に嫌われないか不安で。それでも頑張っていて。いつも俺の側にいたくて。俺と一緒にいられない時間が続いていて、リリカは『俺と離れたくない』と思っていた事などを聞くと。『俺が思っていた以上に、俺がいなくなった後で、リリカは傷つき続けていたのだろう』と思い。俺は リリカに対して『この子の笑顔を守る為なら何でもしよう』と決意を固める事になった。

俺はこの世界のリリスに案内されて アコとアイクと合流すると。この国の王城へと向かいながら『リリスは、どうして俺にアホの子を紹介しようと思ったのか?』と考え込んでしまい。その理由を考えていた。俺は、今まで

『アコが勇者』だと信じていた訳だが。それは『勇者召喚』の儀式が行える程の魔力を持っているのは、アコだけだったからで、勇者が『女勇者のみ』『男勇者はいない』『アホ勇者も居るかもだけど確認されていない』という情報を耳にした時に俺は『勇者の能力は性別に関係なく、俺のようにステータスが限界まで上昇するのではないか?』という考えにいたり。それならば俺のスキルや能力に説明が付くのだと俺は考え至っていた。だから俺は『もしそうなのであれば このアホの子が本当のアホの子ではない可能性があるなぁ』と考えると、少しだけ心が痛む。

そうして、しばらく歩くと王城にたどり着くが。俺達は 城内に入り込み。俺は この城の何処かに存在しているだろう、隠し部屋を探し回ると。その途中で リリカは、何かを思い出したように、アコに話し掛けるのだった。その内容は アコが持っている杖についてであり。俺も この国の王様に話されたことがある内容であった。そして、それを聞いた時 リリアが「リリカ様は『未来予知の能力者だと思われているから、気をつけろよ』」と言っていた事を、リリカは教えてくれるのだが。それが本当なのかどうかは分からなかった。

そうして この王城を彷徨いていると。ある部屋の扉が開いて、そこに居たのは、『黒衣のドレスに身を包んでいる一人の美少女だった』のだ。彼女は アコに向かって「貴方の杖を見せてくれないかしら?」と言うと。それに対して、アコが「これか?」と言い出して、アホの子は アコの持っていた杖をマジマジと見つめ始めた。そうしているうちに 彼女の瞳に光が宿っていくと「貴方が本物の『大賢者様の御子息なのですね』と口にするのであった。するとアコが「貴女は誰なんだ?」と聞くと「申し遅れましたが。わたくしは『アイラ スレイン=ヴァルカニア』といいます。リリカ様とリリス様からは アイちゃんと呼ばれておりまして。お気軽にアイちゃんと呼んでくださいね」と言うので。俺達は自己紹介を行うと。俺達の前に姿を現した、アイちゃんと名乗る彼女は、アコに対して この世界の現状を話し始めると。

俺達は 王都の外れにある森に移動すると。そこには『ゴブリンの大群が迫ってきていた。そして、この国には勇者は存在していなくて。この国は滅びようとしていることを彼女は俺達に告げてきたのだ。

俺達は、その状況を見てから。すぐにリリカに対して。「勇者じゃない俺達が どうにかできる相手じゃないだろう」と言ってみると。彼女は、「私の力で 一時的に結界を張りますので、その中に入ってしまえば安全ですよ」と言うと。すぐに魔法を発動させると。辺り一面を覆うように。透明な膜が広がっていくと。俺達の周りを取り囲むのである。そうして彼女は、「私が時間を稼ぎますので リリカちゃん。私の側にきてください」と言うと リリカも「分かった」と言うと 彼女の側に寄ると。アイちゃんは、リリカを抱き締めてから「リリカちゃん お願い」と呟くと

「わかった がんばるね」と言うと。アコの側に移動するのである。それから リリカが杖を掲げるのを見ると。俺は、俺とリリカの周りに防御用のバリアを発生させると。リリスが 俺の服を引っ張り。「なぁ お前さ。あれだけの人数を庇えるほど、今のユウの魔力残量があるのか?正直なところ無理だと思うぞ?」と言うと俺は、「リリカが無事であれば、それでいいんだよ」と言うと。「そうか」と言う。リリカが「リリ 大丈夫だよ」とリリカの耳元で囁き始める。そしてリリカから 俺達の周囲に結界を展開されたあと。彼女は呪文を唱え始める。「神祖の名のもとに 光の柱の加護を与えよ 光の盾を創造せよ 聖障壁」そう言い始めると。目の前には、大きな光の渦が発生し始めて。その大きさは凄まじく大きくなっていくと。次第に、俺の作り出した結界と融合を始めるのであった。

俺は リリカに近寄って「もうそろそろ良いんじゃないか?」と声をかけると。リリカが 杖を下げると それと同時に 巨大な竜巻が発生を始めて、魔物の集団を吹き飛ばしていくと、そのまま 森の方にまで、飛んでいってしまうのだった。それを見たリリスは「相変わらず、リリカのヤツ。すげぇー威力だな。それにしても、この結界のおかげで助かったんだな。ありがとうな。リリカ」「えへへ リリの為だもん」と二人が話すのを横目で見ながら 俺も「アイリ 怪我とかしていないか?」と尋ねると。彼女は「ユウ 私を守ってくれてありがとう」と言うと、俺は「ああ 当然のことをしたまでだよ」と微笑みを浮かべると。俺はリリカに「アイ リリカ。よく頑張ってくれた」と礼を言うと。リリカは、「勇者の妻として 勇者の手助けができて良かったよ」と言うと、リリカに抱きついてしまうのである。

俺はリリカと手を繋ぎながら 王城に戻って行くことに。アイリスとアイクと合流して。これからの方針を考えると 王城の中で、この国の王様に謁見しに向かう事に決めたのだが。俺が王城に向かおうとした時。「私は此処でお別れです。お父さまと話をつけなければなりませんので。それではまた今度。どこかの村か街でお会いできた時はよろしくおねがいしますね。リリカちゃん」と言い出すのだった。そして、リリカの頬に口付けすると。俺達から 離れていき姿を消すのだった。そして俺が「リリカ あの子は?」と質問をするが リリカは「うぅ お友達」という返事しか得られず。それ以上は聞けない雰囲気になってしまうので。俺は黙り込むしかないのであった。そうして、しばらく歩くと。俺達は この国の王と謁見する事になり。俺達は『勇者の力を受け継いでいる者』として、この国の為に戦ってほしいという頼みを俺は受ける事になる。俺以外の三人はそれぞれ「俺に任せてくれ」や「任せて」などと言うが。リリスだけは「俺は勇者ではない」などと、否定し始めるが。俺達の説得によって しぶしぶ了承してくれるのであった。

そして 俺達は、この王城の地下へと向かい。その先にあった階段を降りると。そこには『勇者』らしき人物と。『賢者』と思しき人物。それから『戦士』が一人に『魔術師』が二人と『僧侶』と思しき少女の姿を確認する。彼等は 突然の来訪者である俺達を出迎えてくれる。『賢者様』と思われる男性は「これは どういう事だ?勇者が召喚されてきてしまったのか? 一体何があったと言うのだ!」と言い出して 俺は「初めまして 俺の名前は、佐藤雄二といいます。貴方達の中に勇者がいるんですね?」と話し掛けて

「そうだが、それが何かあるというのか?」と聞き返されてしまう。すると俺は、「この世界を救うのに協力して貰いたいんですよ」と言ってみる。

そうすると『賢者』と思わしい人物が「そんな事は出来ん! 何故なら、魔王は『俺が倒して見せる!』そう言うと 俺達に攻撃を仕掛けてきて 俺は、リリカの事を抱きしめてから。「ちょっと待ってくれ 俺の話を聞いてくれないか」と叫び声をあげるが その言葉に 耳を傾ける事もなく 俺達に襲いかかってきたので 俺は仕方なく リリカを安全な場所に避難させると。

「お前達が、本当に『本物の勇者達だと仮定した場合』の 話なんだが。勇者の力が無ければ この世界を救えないのか?」と尋ねてみると。『勇者様御一行様』は、口を揃えて「当たり前だろう」と答えるのだった。そこで リリカとアコが お互いに視線を合わせてから。俺もリリカに視線を合わせると。

アコが「なあ、この人って勇者なのか?なんか普通の人間っぽいんだけどな」と小声でリリカに対して囁くのだが。リリカも「そうなの?」と言うと アコが「多分だけどな」と返答する。それを聞いた俺は「俺が、君達を騙そうとしていたら、君はどうするつもりなんだ?」と言うと 彼はこう言い返す。『貴方の目を見れば分かるよ』そう言い出した。

『君の瞳は濁っていないね』

『本当の気持ちを言ってみてくれないかな?』そう言い始めたので。俺は、リリカとアコの事を話すと アコが俺の目の前に現れる。

アコの瞳には光が灯っておらず。

アコは 俺に向かって、「私の瞳を ちゃんと見てください。私のことを信じるのですか?」と 真剣な眼差しを向けて来る。俺が「もちろんだよ。アコのことを信じているし。俺は 自分の意思で、この異世界に転移してきたから」と言うと。アコの表情から険しさが取れ始めていく。そうしているうちに、アコの全身には 金色の輝きを放つオーラが纏わりつき始めて。その状態で 俺の目を見つめるのだが。しばらく見続けていると

「私のこと 信じてくれるのですね?」と言ってくると

「アコこそ 疑わないんだね」と言うと「だって 貴方の言葉には嘘が無いから。私が感じ取れる魔力にも乱れは起きていないよ。ユウ兄は、嘘が下手くそだから、すぐにバレちゃいますからね。それから この場にいる人達も、みんな悪い人は居なさそうです。それにしても。まさかとは思うけど、ユウ兄の側にいると。魔力が回復するなんて信じられませんよね。でも本当なんですよ」と微笑みながら答えてくれたのである。それを見た俺は「確かにな 不思議なことも あるものだな」と苦笑いをしながら呟くのであった。それからアコは リリカの手を握って、お互いの顔を見ながら嬉しそうに 話し合うのだった。その様子を見たリリスは「まぁー お前の彼女さん達。幸せそうだな」とリリカの事を揶揄いながら。話しかけてくるのだった。リリカが「違うわ 私にとって、リリが一番に決まっているでしょう」と恥ずかしそうに反論をするが。リリスは「はいはい 分かったから。そういえば、お前は、まだユウと恋人同士になっていなかったよな?なんで、あの子みたいに手を繋ぐんだ?」と疑問をぶつけてきた。リリカが、リリスに耳打ちをしだすと。リリスがリリカのことを睨みつけて「おい 今、何を耳打ちしたんだよ?」と尋ねると。リリカが耳元で、「リリは、リリだけを見て欲しいと思っていて、私とアイは ずっと一緒だよって話しただけだよ?」と言い出すので。リリスは顔を真っ赤にしながら、「ばか そういう話は二人っきりのときにしなさい。まったく、しょうがないな」と言って、呆れてしまうのであった。俺が二人のやりとりを見ていた時だった。突然、目の前にいた男性が倒れこんでしまうのである。それをみた俺は「いったい何が起きているんだ?」と驚きながら リリカが「分からないの」と言う。俺は、とりあえず、その男性の状態を鑑定してみることにすると。

【状態:気絶】

どうやら、何かが原因で、意識を失ってしまったようだ。俺が困惑をしていると。『賢者様』は、リリカの手を握りしめたまま、力なく地面に横たわるのであった。リリカの瞳から 涙が溢れ出すのを見ると。俺はリリカを優しく抱き締めて。リリカの髪をゆっくりと撫で続ける。そして「大丈夫だよ リリカ 俺は絶対に 君を一人にさせないよ」と言うと。リリカは泣き止みながら「私も 絶対に ユウを独りにしないよ」と言って。俺の唇にキスをするのであった。すると 俺は、リリカの手を掴んで、俺達の仲の良さを見せつけると

『賢者様』と思わしき人物は。顔に生気を取り戻す。それを見たアコが、いきなり、賢者と思わしき人物に近寄っていくと。彼のお腹を触りだし「こいつ。やっぱり 病気を持っているぜ。この世界に転移してくる時に何かあったのかもしれねぇ」と言うと 俺は、賢者と思わしき男性の状態を調べるが。状態は健康そのもの。特に問題は無さそうだ。

俺は「どういう事なんだ?どうして この人 体調が悪いのだろうか」と考え込んで しまい リリカは 俺の腕を掴みながら

「私は、あの人の症状を知っているよ。『この世界の人間は皆が平等』そんな綺麗事で世界は成り立たない。あの人も苦しんでいたの 自分が、賢者として相応しいのかって、毎日のように、悩んでいたんだよ」と話す。

俺は「リリカ 君には見えるのかい?」と言うと

「えぇ はっきりとね。だから私は、リリスとアコにお願いがあるの。この世界で『この世界を救う為の存在』になりうる存在を探し出して欲しい」と言うと。

リリスが「お前さんの願いなら 引き受けようじゃないか。ただし条件は一つだ。この男の命を救うことだな」と言うと。アコは「この人が、この国の為に尽くせるような人間ならば この人の為に頑張っても良いぞ」と提案を出す。リリカも納得をしたのか「そうね 貴方達が言うのなら、そうなんでしょうね」と言い出して 俺とリリカの二人が、『勇者』と思わしき三人を『異世界から来た存在だと仮定した上での話だが。この三人の能力を詳しく調べさせて欲しい。そのついでに。この世界を救う方法を考えさせて貰いたい』と頼む事にしたのである。リリスが「お前達に任せる」と言うと 俺は早速、リリカがこの異世界に来る前に訪れた世界。つまり 俺のいた世界では。この国の人達の事は『魔族』と呼んで恐れている事を説明する。そうすると、リリカが「私の世界でも、似たようなことがあったけど あれと同じなのね」と口にすると 俺は、リリカに質問をしてみると リリカが、今までの出来事を話してくれたのだが。リリカは『異世界の管理者権限を持つ神様』と出会って。『勇者』にされてしまい。『勇者』の力を使って。この異世界に呼ばれたと言うのだが。その時の『勇者の力の代償が、今の私を苦しめているの』と言ってきたのだ。

それを聞いて俺は『勇者にされると言うことは、普通の人間なら耐えられないことなのか?』と尋ねると。リリカが『私の場合は。私の身体の半分以上が消えてしまったよ。それで。この世界に召喚されてから。私の体は、どんどん小さくなっているの。でも この世界で生きるためには、必要なことだったんだと思うよ。だから もう慣れちゃったよ』と言って。

笑顔で話していたのだった。それを聞いた俺は。リリカのことを抱きしめるのだった。リリカの事を抱きしめた理由は 彼女の身体が、少しずつ薄くなっていくように感じたので 抱きしめる行為により 少しでも。彼女の身体が消えることを止めたいと思ったからなのだ。リリカも 嬉しそうにしていたが その行為は 長く続くことはなかった。俺がリリカから離れようとすると 彼女は、悲しそうな瞳を俺に向けながら「もっと こうしていて欲しいの」と言うと 俺の唇を奪うのであった。そして、しばらく時間が経つ頃には。リリカの姿は、完全に見えなくなってしまう。

アコは「まさかとは思うけど。ユウの事を庇って死んだの?」と問いかけてくるが リリカからの返事は無かったので

「私にできる限りの事 この異世界で お前がやりたいことをやりなさい。私はいつまでも、見守っていますからね」と言うと アコは、涙を流して。リリカの亡骸に向かって、手を合わせるのであった。それから俺は、俺の側に居るはずの『アリシア』を探すために周囲を見渡すのだが。どこにも姿が見当たらない。俺は、不思議に思いながらも。俺は『リリカ』が命と引き換えに守ってくれた この異世界に『平和を』もたらす為に頑張ろうと思いながら『賢者』と『勇者候補』の男性二人を見つめるのであった。

◆リリア視点◆ 私が、自分の力を『ユウ兄さんの為に使いたい』と思っていると ユウ兄さんの側についてくれていた。アコが、こちらに来てくれる。ユウ兄さんが

『リリカの最期は、どんな感じだったんだ?』と質問をする。

私が、その質問に答えようと口を開く前に リリスが、ユウ兄さんのことを見て微笑み出す。それを見たアコは、私に目線を向けながら リリスと私だけに聞こえる声量で話しかけてきた。「リリスさんと リリカさん 二人は 恋人だったの?」と 私は「そうですねそうですよ。リリスとユウ兄さんのお母さんと 同じで 愛し合っていたんです。ただ ユウ兄さんには リリカちゃんの事は 秘密にしてください」と言うのである。リリスも それに同意して「分かった 絶対に誰にも言わないよ」と言ってくれたので。

安心する事にしたのです。それとは別にアコに頼んで『賢者様と思わしき男性のステータスを見せて貰えるようにしてください』と伝えると。アコは『ああ わかったぜ 今 見てみるよ』と言って ユウ兄さんの頭に触れてから、目を閉じます。

しばらくの時間が経過した後に 目を開いてから『賢者様と思わしき男のステータスが確認出来た』と言ってきました。アコにお礼を言って。『勇者』の称号を持った男性を、よく観察してみる事にするのである。

◆賢者と思わしき男◆

Lv10 職業 :<勇者>

HP 10800/14400 MP 12300 力 950 魔法 8500 素早さ 780 器用さ 560 体力 640 魔力 2700 成長度 90 状態:健康

装備:

<賢者の書> <賢者の聖衣> 固有技能:全知ノ書 《賢者》レベルMAX →全言語翻訳可能 【全スキル取得可】【全能力上昇値2倍 常時展開(持続)】【不老長生】

《大賢者の加護(限定)Locked!!》→勇者としての使命を全うしなければ解除不可(解除には勇者リリカの承認が必要)

「ふーん これはなかなか優秀な人材じゃないかしら。リリカも幸せよね。きっと ユウがこの世界を救う為の鍵になると分かっていたんじゃないかしら。それにしても この称号にある。この『賢者の加護』というモノ。かなりレアみたいね。こんな凄いものが貰えたということは、それだけ、ユウを信頼している証拠だと思うわ。そして『全知ノ書』かぁ 確かにコレがあれば、何が起きたのかとか、どういう仕組みになっているのかを調べる事が出来るかもしれないわね」とアコも納得してくれると、リリスは私達に提案をしてきた。それは

「なあ、この三人に、ワシ達が、協力するのはどうかのう」と言うと アコとユウ兄さんが 驚いた顔になるんだけど リリスは、その理由を話す事もなく 言葉を続けたんだ。「こいつら この異世界では珍しいことに『自分達で何とかしよう』としているんだよ。だからワシ達は、この三人に、協力してやることにするぞ」と話す 私も「私もその意見に賛成です」と言うと アコが「うぅ〜 何か釈然としないけれどな」とボヤくが リリスが「リリカさんの願いなのよ。あの子のお願いなら。私は、喜んで叶えてあげたい」と言うと。アコは黙り込んでしまった。それから私は。ユウ兄さんに『リリカ』が残した 遺言みたいなモノを話して聞かせるのである。

◆リリスとリッカの二人による作戦会議が始まる◆ リリカの想いを受け継いだ 勇者三人組の三人に 私とアコの二人が。これからの行動を一緒に考える事にしたのである。まずは 私達の世界で起こった事を話した上で『この世界で、何ができるのか?』それを話してから 今後の行動を考えようと、話し合いをしようと思っていたのだが リリカが亡くなったことで 勇者三人衆の三人の男性は、かなりショックを受けているようだったので。少しばかり休憩を挟むことにしたのである。

私がリッカにお茶の用意をしてもらっている間に アトラが

『魔王軍の残党共を片付ける』と言っていた。それに対して リリスは「まあまあ そんな急ぐ事は無いじゃろう」と答えるのだった。

それを聞いてアトラが「でもな 魔王軍が動き出したんだぞ 早めに動かなきゃ」と口にしたのを。アコがなだめようとするが。アコの言葉に、アトリが「アコさん。アトラさんをなだめる必要なんて無いよ。アホらしくなってきたからね」と言うのだった。

アコはそれを聞いて。リリカのことを思い出して泣きそうになりながらも 勇者の男の子と賢者らしき男性がアトラ達に対して

『本当に僕達と一緒に戦うつもりなのか』と訪ねてくると。アトラは「お前たちは何を言っているんだ?当たり前だろう」と即答していた。

その言葉を聞くと、勇者三人衆は、複雑な表情をしている。

そして、私は、三人に質問をするのであった。

「ところで貴方達のお名前はなんと言うのでしょうか?」と問いかけると。勇者の一人が「あっ、申し訳ありません 名乗るのが遅れました。僕は、勇者として選ばれました。ユウと言います。よろしくお願いします」と答えてくれた。続けて もう一人が

「僕は、リリス様とリリカ様から頂戴した 賢者をしています。名前は アベルといいます。リリス様とリリカ様に 助けていただき こうして生きているだけで感謝の気持ちでいっぱいで 何も恩返しが出来ないで 情けない気持ちなのですが それでも。少しでもお役に立てるように 頑張っていきたいと考えています。それと僕の事をアベルと呼んでくれれば幸いです」と言うのであった。

最後の一人に私は、名前を確認する為に 再度。質問をする。「それで、あなたのお名前を伺ってもよろしいですか?」そう聞くと、私の事を睨むように見ながら 口を開く。「お前は誰なんだ!どうしてお前に、俺の名前を言う必要がある!」と。私は「リリカから、貴方の事について聞いていたのよ。確か名前は、タクミと言うのでしょう」と教えてあげると。彼は顔をしかめてしまう。そして「お前は俺に喧嘩を売ってきたのか?ふざけるなよ。俺がお前如きを相手にすると本気で思っているんじゃないだろうな」と言うのだが私は無視して 話を続けることにして。彼の名前は、やはり タクミと呼ぶべきなのだと確信していた。

しかし私が彼の名前を知っていた事が。彼にとっては不愉快なことだったらしいのだ。私が、彼を馬鹿にしたような態度をとったと思っているようである。そして彼は リリカが居なくなってしまったことが悲しくって、感情が上手く制御できていない状態になっていることも、また。理解できた。だけど 私は。彼に どうしても聞きたいことがあったのだ。彼が何故 勇者召喚されたにも関わらず。『賢者の力を持っているはずなのに』私達が暮らしていた世界に飛ばされたのだろうかという事をである。その質問をした時に彼は動揺をしていたのだ。もしかしたら私達は彼の心の中を知る事が出来るかもしれないと思い至ったのだった。そこで、彼に質問をぶつける事に決めたのだった。「タクミ 貴方は自分の名前が嫌い?」そう聞いてみる。そうしたら「ああ、嫌だともさ この名前で苦労した事なんて数え切れないくらいあるさ」そう答えてくれて「俺は自分の苗字だって大っ嫌いだよ」とまで言い出す。どうやら、名前の事は触れて欲しくなかったようだ。私は これ以上は 彼の心を揺さぶるのは止めておく事にする。彼からは「お前は 本当に何者なんだよ」と言われる。

私が『リリカの友達よ』と答えると。今度は『賢者』と『賢者の加護』の事で質問される。私は正直なところを包み隠さず すべてを話していく。私がリリカの親友である事。リリカに命を助けてもらったこと。『リリカが大切にしている人を守りたいから。力を貸してほしいの』と頼む。

私はリリカから託されていた言葉を、彼等に伝えたいと思ってしまったのだ。『大切な人の為』それだけが。『この異世界』で、生き抜いて来た彼女の支えになってきていたのではないのかなと感じてしまったからでもある。

リリカの願いを伝えた後。アベルが「分かりました。勇者の使命を果たしましょう」と返事をくれるのであった。リッカから リリカから頼まれていたという手紙を受け取る。それを読んだ私は

『私達で必ず。この世界を救う』と誓う事にするのであった。アトラ達は、私とリッカとリリスに リリカの想いを伝えてくれるのであった。「勇者の三人衆には悪いが。お前たちよりもリリカとユウの二人の方が、この世界の人達にとって希望の象徴なのかもしれんのう」と言うのである。

それからしばらくの時間が流れていくのであった。勇者三人衆に、この世界に来てからの事を尋ねることにしたのである。勇者リリカが、この世界に来た時の出来事である。勇者ユウが「それは、僕が説明します。あれは 僕とリリカが この世界で暮らし始めて一ヶ月程が経過した後の話になります。

僕達が住んでいた国の近くに魔族の国が有って ある日 魔族たちが襲ってきたのです。もちろんこの国の人たちと協力して 戦ったのですが、敵の数が圧倒的だった為に。勇者ユウが一人で敵の本拠地に、向かって行く事になったのです。その時に 魔王の側近と思われる奴がいたらしく。魔王に一番近い実力を持つと言われている。四天王と呼ばれる男と戦っていたみたいなんだけど ユウはその男を何とか退けたんです。ただ その後、リリカは 瀕死の重傷を負ってしまい。リリカの体力は、もう持たないという状態になっていきました。このままでは、魔王が復活してしまい。世界を救えなくなると感じた僕は。勇者としての力を暴走させ、何とかしようとしたんですよ。そしたら、その時に リリカは、この『アテトリア王国』で。勇者を待ち望んでいた。この王国の王族に呼び出されたという事を知ったんだよ。だからリリカは この国に召喚されて、僕と一緒に生活を始めることにしたんだよ。リリカの体調は良くならなかったけど 僕の勇者としての力は、安定して使えるようになったし。二人で協力して頑張っていこうとしていた矢先。あの『賢者』の少年が現れたんだよ。リリカの病気を治療してくれたのは、あいつなんじゃないかと考えている」

ユウ兄さんが、リリカと出会った頃の思い出話を教えてくれたのだった。

◆勇者の男の子がリッカの部屋にやって来る◆ 勇者の三人は、私の屋敷の中で過ごすことになったのだが 勇者の一人である。アベルともう一人の勇者であるタクミは、特に何もしていないのである。そんな訳もあってか 二人は、リリスの所を訪れて「これから 何をすれば良いんだ?」と質問を投げかけてきた。その言葉に対して アトラは「とりあえず。レベル上げだろ 魔王軍の幹部を倒すために」と答えると タクミが「幹部と戦う前に、魔王を討伐するのが先じゃないのか?」と言ってくるのであった。

それを聞いたアトラが「魔王なんか 相手にしていたらキリがないだろ」と言うのだった。そして「魔王を退治したいというのなら、お前達がやれば良い。それに魔王軍が 俺達に仕掛けて来た時は。俺達だけで戦うつもりは無いんだぞ」と言うのであった。そして続けて

「お前達にも手伝えよ お前達が倒した経験値を使って俺達のステータスを上げて貰う」と口にしたのである。それに対して タクミが「俺達が倒してきたモンスターのレベルを上げるだけなのか?もっと効率の良い方法が無いのか?」と言い出してしまうのであった。

アトラは、そんなタクミに対して

『そんなやり方もあるかもしれないが。俺が考えているのは、お前が倒した相手の経験値を全て 奪えるようになればいいんじゃ無いのかと思っている。俺の考えたスキルを覚えられそうな奴が居るだろう。だから その能力の持ち主を仲間にしてしまえばいいだろう』と言うのである。それを聞いたタクミは、顔をしかめて「なるほど その手があるか」と納得するのであった。

それから数時間後に、アリシアがリリカと一緒に私の部屋へとやってきたのである。

私は、アリンコちゃんが、どうしてリリカといっしょに現れたのかと疑問を抱いたが。リリカに「ちょっとお願いが有るんです。お時間をください」と言われてしまって。私は、リリカの話を聞くことに決めるのであった。

リリカが、お願いしたい事というのが『アリンコの友達を作ってほしい』というものだったのである。アリンコが、アトランティ皇国から旅立つ時に「友達が出来たらいいなぁ~」と言ったそうだ。そして、その時。リリスの頭の中にアリンコの友達になれる存在が一人浮かんだという。その事を伝えると、リリカは アリンコの友として相応しい人物に心当たりがあるので 一度、その子に会わせてあげたいという事を言ってくれたのだ。そこで私は「私からも、お願いします」と言うとリリカは、笑顔で了承してくれて リリカとアリシアの二人が連れて来てくれたのが 目の前にいる女の子なのである。そして、その子の名前なのだが 彼女は『ミケ村 ネコカセ』と言う名らしいのだ。私は、彼女の名前を聞いて。何かを思い出しそうになる。そう どこかで見た事があるような気がしたのだ。それで私は リリカとミケに、私の名前を呼んでもらう事に決めたのだ。そして私のことを『ミケちゃん』と呼ぶ事にしてもらったのだ。

ミケは、とても人懐っこい子で私の事も、すぐに受け入れてくれていた。私は彼女に『貴方の事をミケって呼びたいから。私も貴方の事をミケって呼ぶわね』と告げると嬉しそうに にゃあ! って鳴いてから、リリカの腕に甘えてみせたのだ。私は その仕草を見たときに 可愛くて思わず抱きしめたくなってしまったが、ぐっと堪える事に成功した。

ミケとリリカの二人の話を聞きながら「ところで なんで このタイミングで。リリカがこの子の事を連れてきてくれたの?リリカは、この子と会ったことがあるの?」と尋ねると。リリカは、困った顔で「実は私も ミケーに 助けられて 仲良くなったの。最初は、リリスが アテトリアの人達に酷い扱いを受けていたのをリリカが止めようとして、逆に殺されそうになったんだけど この子が間に入って助けてくれたんだよ。それから色々とあって 友達になって 一緒に暮らしていたんだ」と答えたのだ。

ミケに『何でリリカは、この子に会いたかったの?』と尋ねてみると ミケは「アテトリア王国の人達からひどい事をされていた時に ミケの大事な家族が、私を守るために戦って死んだって言われていたの。でもミケは信じなかったよ。だって『ミケーは嘘つかないもん。ミケーのお母さんと妹が死ぬなんてありえないもん』と思っていたんだ。そしたら リリカと アトラ様から 私が この国の人達に騙されていたことを教えられたの」と言って 悲しげな表情で俯くのであった。

「ミケは『私は リリスが無事だと知って、すごく安心したんだよ』と言うと。私に『今までの事で リリスが、この世界に対して怒るのは当たり前だと思います』と言うのだ。それから リリカは この子に頼み事をしていた。この国を救う為に、リリカは私と一緒に『アテトリア王国王都』に行き。そして、この国に住む人達を救いたいと考えていると伝えてから リッカとアリアに協力して貰えないだろうかと言うのであった。それを受けたミケは「分かりました。勇者のお二人に協力するのは、リリカの為です。リリカと 同じ考えを持っているリリカのご友人の力になる為ならば、私は喜んで協力いたします」と快諾してくれた。

こうして勇者三人のステータスを強化すべく。まずは、アトラとリリカの二人でこの世界に来てからは初めての『魔王領の王城』へと向かう事にしたのである。魔王の居場所が分からなければ アトラの【龍脈眼】を使うことができない。なのでアトラが【龍神の目】を使用して、この世界に存在する魔王の居場所を探す事になったのだが どうやら魔王はこの世界には存在しないようだ。魔王がいる場所は『魔王が支配している魔王領の大陸の最北端にある魔王の城』という場所になっているようで。アトラの予想通りだったのである。それに加えて。勇者が倒した魔王が、復活するまでに百年ほどの時間が必要だと分かってしまったのであった。

魔王の討伐を行うには、まだ早過ぎるという結論に至ったが

『魔王を倒した後のことの為に この世界を安定させるために。魔王は倒す』と言い出したのは、アリンコちゃんなのである。私は『それなら。アトラに頼めば魔王領に向かう事ができると思うんだけど』と提案してみたが。リリカは『それは ダメだよ』と言うのであった。

リリカは、アトラがこの世界を気に入っている事を理解していて だからこそ『魔王を倒しても この世界で生きていくつもりは無いんだよ』と言っていた。

私は、その言葉を聞いていたら。リリカと初めて出会った時の言葉を思い出してしまったのである。『もう元の世界に戻るつもりは無いのよ。だって 私は この世界の事を好きになってしまったから』と言った事を思い出してしまったのであった。そして、あの時の事を思い出してしまって 私は胸が締め付けられてしまう。あの時に、もしも。リリスではなく私と出会えていたらと。どうしても思ってしまうのだ。

リリスが泣き出してしまって。リリカに心配されてしまったのだけど「大丈夫」と口にすると リリカは私を抱き寄せるようにして頭を撫でてくれるのだった。そんなリリカの行動に対して、リッカが もの凄く羨ましそうな視線を送っていた。

私は、アリンコちゃんと別れて リリカ達と行動を共にすることになった。それから、しばらくして 私は アトランティ皇国から出発する準備を整えるのであった。そして旅立ちの前に。私は、ミケに「これから アリンコの事を助けてあげてね」と言うと ミケが「もちろん 任せてよ」と答えてくれた。そんな私とミケの様子を見ていたアカリが「お姉ちゃんは やっぱり良い子なんだね。お姫様なのに偉ぶっていないし。本当に良い子だね」と言われてしまって 私は恥ずかしくなったのだ。それからミケと話をしていて 私と友達になりたいと思ってくれる人が沢山いることを教えてもらったのであった。私は、ミケに「貴方とも友達になれて嬉しい」と言うと 彼女は、私に向かって飛び込んできて「私達も、リリスさんとお友だちになって良かった」と言ってくれたのである。その言葉が嬉しくて、私は涙を流した。私はミケとアカリの二人が大好きになったのだ。私は、二人が幸せになるように、ずっと祈ろうと決めた。そして『私は この二人が大好きだ。でも私は。自分の気持ちを打ち明けることは 絶対に出来ない。私は、ミケに、リリカに対して恋心を抱いてる』と自覚してしまったのだ。

◆ それから 俺達は、アリシアの父親と会うことになった。俺達が謁見の間に到着すると同時に。国王が、娘を連れて入ってきた。そして俺と目が合うと いきなり抱きついてきて 俺の頬にキスをする。アリシアが「なっ 何をなさっているんですか!?」と言って俺から離れさせたのである。

「お父様 ユウマ君に、失礼でしょう。今すぐ離れて下さい!」

俺は「いや 別に気にしないけど」と言うと 国王は「うむ。では、改めて挨拶させてくれ。私は

『アルフランド共和国』の第一王女にしてアリシアの父親の。『ラガシュ・リーデル=フォン アリシアールト』だ。気軽に、アリシアの父と呼べばいい」と言うので「初めまして

『ユーマ』です。アリシアさんのお父さんですね」と言うと アリシアの父親である。

『アリシアのお兄さん』が「アリシアのパパと呼んでくれればいいぞ」と言ったのだが 流石に呼びにくいので、そこは勘弁してもらう事にする。

『リリカ』の事は『お姉様と呼ばせてくれ』と懇願されたので 断ると落ち込んでいたので 仕方なく リリカと『呼ぶことにした』のだ。

それから俺は『異世界召喚で、こっちの世界に連れて来られちゃった』って言ったら。王様が もの凄いテンションで『私も そうなのだ!』と言うと。リリカとアリアとミケーとアトラも『私も そうなんだよ』と口々に答えていた。それから リリカが『勇者召喚を行えたのは『聖女の一族の末裔』だけだ』と説明し始める。それからリリカは、自分が『魔族の王を倒すために 魔王城を目指している』ということを告げてから『勇者活動に協力するから。私の力を借りたいときは いつでも声をかけて欲しい』と言って、それからリリカとアリンコは意気投合したのだった。それから『聖騎士の国』と呼ばれている『神聖騎士国家シルビア』へ向かう事が決まると 国王から「リリス君は、この国に残るのだよね?」と言われると

『うん そうだよ。リリカに頼まれたから』と言うのであった。それを聞いてから 国王は、俺の方を見て「リリス君の力があれば『勇者活動』にも 大きな貢献が出来ると思うんだが」と言い出すのである。それを聞いたリリカが『リリスの力は、アテトリア王国の『魔王討伐隊』には向いていないと思うよ』と忠告してくれたので、それを受けた王様が「確かに。『勇者活動』は、魔王を倒さなくては終わらないのだからな。残念ではあるが、リリス君は、ここでお別れなのか」と肩を落とす。それを目にしていたリリスは「私は、この世界に残ることを決めたので、この国の為に出来ることをしたいと思っている」と伝えるのである。それを聞いたリリカが この国の騎士達や 宮廷魔術師達や 文官達に『私が、この国を守る。魔王を倒してみせる』と告げる。それを受けて国王は「うーん 困った事になったのだ。我が娘のアリシアだけでも残していって欲しいのだがなぁ。勇者殿と一緒に魔王を倒してほしいのだ。そして『勇者の活動』が終わった暁には 勇者の力でこの世界を守れる存在に、なっていただく必要があるのだ」と言うのであった。

そんなやり取りをしている時に。アリアが、この部屋に現れたのである。その事を知ったリリカは アリアの元へ歩み寄っていく。

「アリア。今まで何をやっていたのですか?貴方の使命は終わったのです。勇者の力を無駄に使う必要は無いはずですよ。これからは『元の世界に帰る方法を探す事に専念して欲しいのよ』と言うのであった。それを見た私は この場にいた人達の顔を順番に見ていくのであった。すると国王が 突然立ち上がって

『勇者活動の協力は、ぜひ我が国に任せて貰えないだろうか?』と言い出したのである。リリカはそれを受けると、すぐに行動に移した。

この国で一番偉い人に会う為に、城の中の移動を開始したのだ。それからリリカが 城の中でも一際大きい建物に入っていくと。この国の王城で働く人達が勢揃いしていたのである。そして、そこで一番偉そうな服を着た人と話をしてから、王城の中に案内されて 王城内の一室で、話し合いが行われたのである。それを終えて、外に出た頃には日が沈み始めていた。リリカが『勇者活動は、明日から始まる』と俺に報告してくれる。それから俺が『じゃあ 今日は、どこか宿屋に泊まろうか』と言うと アカリが「私達の部屋に泊まっていきませんか?」と聞いてくるのである。それに対して俺は『いや。それはダメだろ』と答えたのだ。すると アリアから『お母様に許可を取ってみましょうか』と言われて。アリアが「私からお願いしたら大丈夫よ」と伝えてきた。それなら俺は『分かった』と答えると。みんなで この城の宿泊用の部屋に向かうのであった。

そうやって、俺とリリカが一緒に行動することになったのだ。

そうこうしているうちに、夜になり食事の準備が始まった。俺は料理が上手だと評判だったので厨房へ呼ばれてしまう。そこで手伝いをする羽目になってしまったのだ。リリカとアリシアが『ユーマの手料理は最高なんだぞ』とか言うのである。俺は この世界の味付けが分からなかったけれど。頑張って作ってみたのだ。そうしたら「こんな美味しいものを食べたことが無い」という声が上がり それからは、あっという間に準備を終えてしまったのだった。

夕食が終わり 皆が食事を楽しみながら、楽しいひと時を過ごす。それからしばらくして、リリカが俺に声をかけてくる。そして「私は アリンコと少し話してくる」と言って部屋を出ていったのであった。俺はリリスに『ちょっと散歩しに行かないか』と誘ったのだ。俺は『二人で、夜の散歩なんて なんか良いな』と呟く。

そうすると アリシアは「二人だけで出歩くのって危ないよ」と心配してくれて

「私は、リリカに頼めばいいよ」と言うので「リリカなら、大丈夫だよ。心配性すぎるよ。リリカだって女の子だし、襲う奴なんていないだろ」と言って リリカに護衛を頼むように言った。それで、とりあえずリリスを誘おうとしたのだが。アトラが『私達も行きたい』と言ってきたので 結局、四人で出かけることになったのだ。

城の敷地にある庭を歩いていると、アリシアは『リリカとアリンコの事 どう思ったの?』と問いかけてくる。俺は『仲が良い友達同士にしか見えなかったが 違うのか?』と言うと。『リリカは、本当はリリンと姉妹みたいな関係になりたいって言ってるんだ』と話してくれるので『そうなんだな』と言ってから『リリンは俺に対して好意を寄せているみたいだけど、リリスの事も気になるんじゃないか?』と言うと。『そうなの。だから、私は、リリカの事を応援してあげてるの』と言うのであった。俺はアリシアに『俺は アリシアの事が大好きだが。この気持ちを伝えることは、もう出来ないかもしれない』と言うと『ユウマ君は 元の世界に戻れば結婚出来るんでしょ』と言ってきて『確かにそうだな』と言う。『でもね。今は、お兄ちゃんのことが好きでしょう』と言うのである。

『まあな』と言うと 俺は『お兄さんは、この世界でも元気に生きていて欲しいと思ってしまうんだよ』と伝えたのだ。それを聞いたアリシアは「ユウマ君の気持ち 分かる気がする」と共感してくれた。それから アリシアは お腹を触りだしたのである。「赤ちゃんが生まれるから。お母さんも、お父さんも、赤ちゃんの為に頑張るんだよ」と俺に告げてくれたのだ。それから『私達も負けずに頑張ろう』と言う。『うん 俺もアリシアのことを一生かけて幸せにするよ』と言うと『ありがとう。お姉様も幸せになって欲しいけど お姉様には、まだ時間があると思うの』と言うのだった。それから俺達は 月明かりが綺麗に見える 庭園に移動したのだった。そうやって、俺はアリシアのことが好きだと改めて感じたのである。それから『そろそろ帰らないと リリカが、寂しがっていると思うぞ』と伝えると

『じゃあ また遊びに行こう』と約束をしてから。城へ戻ることにしたのである。

城に戻った俺は アトリに『明日 リリカと一緒に旅に出る事になった』と告げておいたのだ。アリンコとアトラにも同じように『魔王討伐の為に リリカと旅に出かける』と伝えて、リリカにも その事は伝えてもらうことにした。それを聞いて アトラとアリンコは とても喜んでくれたのである。リリスは、俺達が魔王討伐に行くことに反対しなかったが『リリカは勇者の力を使うべきでは無い』と主張していたのだった。それからアリンコが「私も リリカと同じことを考えていたの。でも、ユウマは『俺が決めたんだ』と言うの」と言う。俺もそれに同調した。それを受けて 二人は、それ以上何も言わなくなってしまったのである。

そんなこんながあったせいか 夜になると、俺は、寝付けなくなってしまい。こっそりと部屋を抜け出して城の中を散歩することにした。城の外に出ると 空が明るくなっていて 朝日が昇ろうとしていたのである。そんな風景を見つめながら俺は『元の世界に戻る方法を探していかなければな』と考えていたのだ。そして「勇者の力は、この世界で役立つかもしれないな」と思ったのであった。それから俺は、しばらくすると部屋に戻ろうとした時に。アリアの部屋の前で リリカの姿を見つける。

俺が声をかけると『リリカも眠れなかったのか?』と問いかけたのだ。すると リリカは『リリスが居ないと不安だから なかなか眠れなかったの』と言うので『確かに、そうなるよな』と答えると『私と一緒に寝る?私は、リリスの代わりになってあげる事が出来るの』と言う。それに対して俺は『リリカに お兄さんの相手をしてもらうわけにはいかないだろ』と苦笑いを浮かべたのだ。それを聞いてリリカは『確かに、その通りだわ』と言って『じゃあ、今度こそ部屋に戻って休みましょう』と言うのであった。それから俺とリリカは、それぞれの部屋に戻ると休む事にしたのだった。

リリカとの早朝の散歩から戻ると、アトラとアリンコが起きていたので俺は挨拶をして「朝食の前に 少し話があるんだけど良いかな?」と言う。そして、俺はアカリに、この国の『四人の英雄』の一人にして『召喚陣の大賢者』と呼ばれる人がいる場所への案内状を作ってもらう事にしたのである。そうして、リリスが俺を呼びに来た時には、既にアカリとアリアは 城の中にある大広間にいて アフィリアが用意したお茶を飲みながら話をしている最中だったのだ。俺は「ごめん 遅れたみたいだな」と言いつつ みんなと会話を交わしていく。

「それなら アフィリアに作ってもらえば良かったんじゃないの?」とアトラが言うと。リリスが『アフィは忙しいんだし そんなこと頼めないよ』と言い出す。それから リリスは「それじゃ 私の力を使っても良いよ」と言い出して『私が魔法で アフィが作ったみたいに見せる』と言ってから『みんなで協力して作りますよ。私は、どんなものなのか知っているし』と言うのであった。それなら リリスに、お願いしようと言う話になる。

それから、リリカが「今日から ユウマが勇者活動をする事になるから、お姉様は勇者の力を使いこなしてユウマを守ってくださいね」と言うと。リリカの『お父様から頼まれた勇者の仕事』についての説明を始めたのだ。それが終わると、リリスが「ユウマ君 この手紙を渡したら『四人目の英雄の居場所』が書いてあるから 読んでみてね」とリリスから手渡された。それから「お昼になったら 食堂へ来て下さい。私達と一緒に昼食を食べましょう」とアフィリアが提案してくれる。それを受けてアフィは『私は仕事で少し遅れるかと思います。アトラとアリシア それにユーマと、アフィリアの分を別に作るよう言っておきますね』と言ってくれて それから みんなと別れたのである。それから アフィとアトラ そしてアリンコに 別れを告げると 俺は『これから勇者として旅立つことになるけれど みんなの事を忘れたりしないから』と言うと。三人共 嬉しそうにしている。

こうして、リアリスやアリシアと一緒に王城を後にする事にした。リトラやアトラも一緒に来てくれた。そうして、まず最初に行く事になったのは『聖都の教会にある 女神像を修理して欲しいという依頼』だった。それで俺は『教会に行って、どうしたらいいのか聞かないといけないよな』と呟いたのである。それを聞いたアトラが『私に任せてくれ』と言うので 任せることにした。

リトラが「この教会は、初めて来たね」と呟いていた。それからアトラは リトラと手を繋ぎ『二人で来ることが出来たね』と喜んでいたのだった。俺は「俺とアリンコも手を繋いでいるだろ」とツッコミを入れたのだった。そんなやり取りの後 アリンコは俺の手を掴み『リトラだけずるいよ』と言って 今度は、リリスが俺の手を掴んできたのである。

そうして俺達は、教会の中に入るのであった。それから『女神像の修復の依頼を受けた者ですが』と伝えると『ようこそいらっしゃいました。どうぞお上がりになって下さい』と司祭の人が応接室に俺と、他の人達を通してくれたのだ。そうして 俺は『どうすれば 良いんですかね?』と質問をすると。

それから 俺は 説明を聞き始める。この女神像は、もともと勇者によって倒された邪神を模して作られているのだというのだ。この世界に転生してきた勇者は『女神を信仰しているからね』という理由で『この世界に平和をもたらした』という伝説があるそうだ。それだけではなく この世界には勇者以外に、魔王討伐の旅に出ている者達が存在するらしいのだが、その勇者達の事を『魔王軍』と呼び。彼らを倒す為に、別の『魔王軍』の人間達が協力をしているという話なのだ。

それを知ったリトラが「魔王軍に味方をするなんて」と驚いているので「それは違うんだよ」と否定しておくことにする。魔王軍と魔王は、全く別の存在であって『魔王は勇者に滅ぼされるべき悪であり』その配下である魔族もまた魔王に従う悪の存在でしかない。魔王軍は『魔王軍の名の下に 正義を行う』ことをモットーにしている集団であるとの事である。そうやって『魔王を崇拝する者』『勇者の信者』の二人が手を組み お互いに敵対する勢力として争っているようだ。それから、この世界では、どちらの勢力の事も、『魔』と呼ばれて、嫌われているのだと言うのだ。だから『女神様を敬わない奴らが相手なら 戦うまでだ』と考えているらしい。その話は あくまでも、噂でしか無いようで『本当は、どちらにも 属していないんじゃないか』という意見もあった。その話を聞いた俺は『もしかして、それが原因で対立関係になっているのかもしれませんよ』と言ったのだ。それを聞いてリトラは『その可能性もあるかもしれないね』と答えるのである。そうやって 俺達が話し合っていたところに『リリス お待ちしておりました。どうなさいましたか?』という女性の司祭の声が聞こえてくるのだった。それを聞いたリリスは「ちょっと相談したいことがあって」と伝えてから『この勇者が使う道具の修理を頼みたいんだけど、私に修理が出来るかどうか分からなくて』と言ってから。

それから

『リリカから手紙が届いているから それを見せる』と言う。それから アフィリは『わかりました。それでは拝見します』と答えると。司祭の人に向かって『こちらの方が勇者ですか? それならば、私の力で治せるはずです。任せて下さい』とリリスに話しかけた。それを見たリリスは、司祭の人の言葉を信じたのだろう。俺に対して『この人を 信じてみましょう』と言い出して 俺が返事をする前に『じゃあ 早速行きましょう』と言い出したのだ。それに合わせてアトラとアリンコも、俺についてくることになった。そうするとリリスは『リトラ 私達も一緒に連れて行ってくれるかな』と言うと。アトラは『勿論だよ』と言って、俺の方を見て 何か言いかけた。でも俺は『アトラ 悪いんだけど。リリスの付き添いで付いて行ってくれないか』と頼むことにしたのであった。

それから リリスに、俺の装備を渡すと『これを使って』と言って、それからリリスは、リリスの杖を取り出した。それを、アフィが受け取ると リリスが「私の力が込められてあるので 使ってね」と言って渡してくれたのだった。それから、俺の方に振り向いたアトラは『私は、リリスちゃんとリリカのお兄さんと行くから ここで待っているね』と伝えてくれる。それに対して俺は「ああ 気を付けて行ってくるんだぞ」と言う。

アトラがリリスに手を振り「頑張ってきてね」と言いながら、俺とアリスに手を振って別れると。アトラはリリスに近づいて『リリスお姉様 私はアリンコを連れて行くね』と言うと アリンコと二人でリリカの元に向かったのだ。それから俺とアリス そしてリリスの3人で教会の奥に連れて行かれたのだった。そうして案内された部屋は薄暗い部屋だった。部屋の中央に『女神様』の像があるのだが 女神像の台座の上に水晶が置かれていて、そこから魔力の線が女神像の中に入っているように思えるのである。それを確認する為にリリスが『リリスです お願いがあります』と言うと『女神様に祈りを捧げて』と返信があり それから『あなたは誰なんですか』と質問をするが。『今は言えない 後で会おう』と言われたそうだ。そう言われた後に、司祭が「さっそく作業に取り掛かります」と言い出して。リリスは「お願い」と言う。

そうしてから『まずは、これを』と言い出して 司祭の人が俺に「これを手に握って」と言い出す。そうやって俺は 手の中に指輪が入る大きさの『小さな箱』を渡された。それを確認した後に『次は、こっち』と言われて、俺は『小さな剣の形をした金属』を手に取ると。

司祭は俺に「勇者様。どうか、私達に力を貸して下さい」と言い出すのである。それに続いて リリスも「お願い ユウマ君」と言うので、とりあえず『分かった』と言う。それから俺は「これから何をするんだ?」と聞いてみると『この聖具を修理して欲しいんだ』と言って それから司祭の人は

『この聖具に力を送り込んで』と言うのである。それから俺は『聖具の力を借りて修理すれば、修理のやり方を覚えられるはずだ』と考え そう言う事にして 聖具の力を借りる事にした。そうして俺が、聖具の修復を始めると『聖具が、貴方の願いに応えてくれるから』とリリスが言ってくれたので、それから リリスの事を信じる事にしたのである。

それから俺は『これが、この世界に呼ばれた理由なんだ』と心の中で思うと 何故か『リリスを守りたいと』強く感じ始めたのだ。それから、俺の右手に『不思議な感覚』を感じた瞬間 女神の像が光輝きだし『私を助けてくれたのですね』と言う声が聞こえると。目の前には、美しい女性が現れ リリスが『女神様 ごめんなさい』と言うと 女神様が微笑んで「リリス 勇者が二人居るというのは 本当だったのね」と答えるのである。それで俺は「リリス リリカの手紙が読めないから 俺に見せて欲しいんだけど」とリリスに伝えると 彼女は、手紙を手渡してくれて。その手紙を読んでみると。『ユウちゃんへ この手紙が読めるということは 私が女神様を召喚する事に成功したんだよね。この女神像を修理してくれるなら、私の力でこの世界にいる間は勇者としての能力を与えます』と書かれているのだ。それを読み終えたところで、司祭が「女神の加護を授かったのか?勇者様よ。これで お前も我々の仲間になったのだな。感謝致す」と言ってきたのである。それから続けて

「勇者よ。女神様を 助けて下され この世界を 救い下さい。我々も できる限りの支援はさせて頂きますので、どうかご慈悲を お願いします。この通りです。我々は この世界の人々に希望を与える為に尽力してきました。だから どうか勇者様 魔王を倒して下さい。そうすれば きっと この世界に本当の平和が訪れると思います。この世界に生きる人々は 女神さまの教えに従い。この国を発展させることに成功しました。ですので、魔王軍が倒される事を望んでいるんです。そうしないと この世界に真の平和は訪れません。なので 魔王を倒し 魔王軍を滅ぼし 平和を取り戻してください」と俺に 必死に頭を下げていたのだった。それを見た俺とリリスは「任せて下さい」と言ってから。

「女神様。勇者の能力は必要ありませんので。私の勇者に勇者の力を与えたとしても意味がないのです」とリリスは言うと

「分かりました」と言って リリカの姿に変化した。それから「それでは勇者さん。女神様からのプレゼントとして。この勇者の証を渡しておきます。大切に使って下さいね。これは壊れてしまった勇者の証を元にして作り直した物ですので 元と同じ能力を持っていますよ。使い方は同じですけど 性能は少しだけ上がっておりますので。試してみて下さい。私に、力を預けてくださったリリスのおかげで『女神の祝福』と呼ばれる能力を、私達に与えていただきましたので。それが理由でしょうね。それから、こちらのリリスにも『魔王の加護』という特殊な能力を使えるようにもなりました」と伝えてきた。それを聞いた司祭の人達は驚いていたようだが、すぐに冷静になり。「わかりました。勇者リリス殿よ。よろしくお願いします。リリカ王女にそっくりなお方よ。お会い出来て嬉しく思います」と言い出してから。司祭達は俺に「この事は内密にお願い致します。この事は あまり知られたくはないのです」と伝えてから。リリスに「勇者に力を貸せるように頑張ってください」と伝えるのである。それを受けて リリスは「頑張ります」と言ってから「ありがとう」とリリスは司祭の人にお礼を伝えたのであった。

それから司祭の人たちは、リリカに「リリカ様 この方に 勇者の力を譲渡していただいた事には感謝いたしております。ですが リリカ様が、勇者に勇者の証を託されるのを見ていたら 何だか寂しくなったものですから。つい、余計な真似をしてしまったかもしれません。申し訳御座いませんでした」と伝えたのだ。

それに対してリリカが「大丈夫ですよ。気にしないで」と言い出す。それからリリスは「司祭の皆さん。私に、力を与えて頂いて本当に有り難うございます。でも リリカ様が勇者の証を持つべきだと思うんですよ。私のような偽物の王女より 本物が持つ方が 女神も喜んでくれます」と答えると司祭たちは「そんなことはない。貴方だって立派な人だ」と口々に言うのであった。それから司祭の人らは

『勇者様と、女神様とで、話し合われて 決めてください。それから、もしリリカ様に会えるような事が会ったら。リリカ様の事を守ってあげてね』と言うとリリスが「リリカさんを守るのは 私の役目でもあると思うので。リリカさんの身に何かあった時は。必ず守るつもりだよ」とリリスは答えると。リリスとリリカはお互いに手を取り合うのである。それから、リリカと俺とリリスの三人で話をしながら『大賢者の屋敷跡に行く前に、一度城に戻る必要があるだろう』と言う事で。

それから俺がアリスに目を向けると『そうだね』と彼女が言い出すのである。そして俺達が教会を出て 城の方に歩き出したのだが。その時 司祭の人達は『女神様が守ってください』と言い出してきたのだ。それを聞いてから俺は「女神様が見守っててくれているなら。リリカを絶対に守ります」と答えたのだ。そうするとリリカが泣き出し「ユウちゃん 大好き」と口に出して言うので頭を撫でながら「リリカ 泣くなよ これから大変になるかもしれないけど。俺はリリカとずっと一緒だ。これから先 一緒に居てくれよ」と言い出す。それを見た司祭の一人が『ユウマ様 私からもお願いしたい。どうか リリカ様に力を貸して下さい』と言うと もう一人も『お願いします。勇者様』と言う。そう言われたリリスは、リリスは「わかった。私は、リリカの傍に居る事を約束します。だから みんなも リリカを支えて欲しい。お願い」と言い出して。司祭の人たち全員がリリスに近寄って「もちろんです」と言ってくれたのだ。それから俺は「さっそく、リリカとリリスを連れて帰るぞ」と言うと。司祭たちが「どうかリリカ様を頼みました」と言うので「はい」と答えておくのだった。それから俺達はリリスと別れ 司祭の人らと挨拶を交わして教会を後にする。それから俺達は 王城に向かって移動を始めるのだった。

リリカを俺が、お姫様抱っこで抱き抱えて王都を走り抜ける。それを見て「キャー!素敵 王子様とお姫様みたい 羨ましい」とか言っている女の声を聞きながら。そのまま、俺とアリスとユイの三人は『大魔法使い屋敷跡』を目指す事にしたのであった。ちなみに、今は俺がお姫様抱っこをしている状態だけど。本来は、アリスと手を繋いで走っている状態である。それから俺が「アリス もう少し早く走れないか?」と聞いてみた。

それを受けて「ユウ君。この前と比べて随分と足が速くなってるんだね」と聞いてきた。それを受けた俺は「実は さっきまで、教会でリリスと話していたんだよ。その関係で『聖具』を修理する事になってさ」と伝えると 彼女は驚きの表情を見せた。そうしているうちに 目的の場所に到着する。それから「さあ着いたよ」と言うと、アリサが目を覚ましてから。俺に「降ろして下さい。一人で歩けますので」と言い出していた。そう言われたので「分かったよ」と言ってから俺は、ゆっくりと彼女を地面に立たせる。

そうして、目の前に広がっている光景に驚いている彼女。そうして、その光景に圧倒されていると「綺麗でしょう?この場所。この辺りは まだ被害がないんだ。さぁ 行くか?」と言うとアリスが「行きましょう!」と言っていたので。俺は、アリスと一緒に走り出そうとした時、彼女の体が少し揺れていたのに気が付き。倒れそうになった所を抱き寄せて支える。それを目にしていた彼女は、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに「もう。意地悪です」と言い出す。俺は苦笑いをして。「ごめん 俺も余裕なかったんだよ」と言う。それから 俺はアリスの耳元で「この先に 遺跡が有るんだけど。そこに行けば、魔王を倒す手がかりが掴めるはずなんだ」と言うと。彼女は 俺の胸の中で「魔王なんて 私の勇者の力でやっつけてやります」と言うので、俺は笑顔で「頼んだよ」と言って。俺とアリサは走り出す。しばらく走ってから。俺の服を引っ張ってくるので立ち止まると 彼女が何かを言い出したので

「ん?」と言うと。「私を置いていくのは 酷いですよ」と言い出したので。

「ははは 悪い 悪い 今から戻るから 行こう」と言って 二人で歩き始めるのだった。それから少し歩いてから「そろそろ 休憩にするか」と聞くと。

彼女はコクりと首を縦に振っていた。それを確認した俺が。「ここで少し待っていてくれ」と言って 彼女に、飲み物を渡して。その場を離れようとしたら、彼女が「私の事を忘れて 勝手に離れるのはダメですよ」と言い出したので。

「はいはい」と言って その場に腰を下ろすと 隣で座っているアリサは「やっぱり、あの子は私の知ってるアリスじゃないんですね。なんか悔しいですね」と言うと。

「でもね。あの子は 間違いなく あなたの妹よ」

それを聞いたアリサは、複雑な気持ちになりながらも「そうなのですか」と言い出してから 俺の肩に頭を乗せてくるのであった。それを受けて俺が「疲れたのかい?」と聞くと 彼女は「少しだけ」と言い出してから目を瞑りだす。そうして、しばらくしてから。急に立ち上がって。「ありがとうございます。さぁ行きますよ 勇者のお兄ちゃん」と言い出すのであった。それを聞いた俺は「ああ よし 行こう」と答えてから走り出すと後ろから、「お気をつけて」と言われて 手を振り替えしてから再び走り始めたのだ。それから数分走ると目の前に巨大な建物が見えてくる。俺は立ち止まって「ここだ。やっとついたぜ。しかしでかいなぁ〜」と言い出してしまうほど大きな遺跡が視界に飛び込んできたのである。そして入り口らしきところを見つけたので俺は近づいていったのだけれども扉には鎖で封印されていたのだ。だから 俺達二人がかりで頑張ってみたけど。どうしても開かない状態だった。

◆ ユウマとリリスは遺跡の前に立っていたのだが いくら押してもビクともしなかったのだ。そうすると 突然声が聞こえたのだよ。それを聞いたリリスは ユウマの事を気にしつつ。「誰だ!」と言った。そうしたら、その言葉に反応するかのように『私は、女神リシアだ。久しぶりじゃな。元気にしとったかな?』と聞こえてきたので。ユウマが「リリアー!無事だったのかよ」と言うと。

それに対して リリスが『おぬしも、リリアナも無事で良かったわい』と口に出していたので。それから『ところで お主たち二人共 この中に入るのは無理だぞ』と言われるので 二人は顔を見合わせて『どういうことでしょうか』と言いながら お互いに考えているようだった。

それから女神は『この中に入れたいのなら 勇者としての力を手に入れねばならぬ。そのために お主らには、ここに来て貰わなければならなかった』と言い出したのだ。

それを聞いたユウマは すぐに質問をする「力って 具体的にはどうすれば良いのです?」と そう聞いたら『簡単じゃ。この世界に来てくれれば自ずと力を手に入れる事になるだろう』と リリスの方を見てから答えてくれたのだ。

その話を聞いている間にもリリスの方に意識を向けてみると 彼女の体は少し揺れている状態になっていたのだ。

そこで俺は「リリス ちょっと待ってくれるか?」と言って それから「リリスの体に異常が出ているみたいなので」と伝えた。そして、それから、女神の方に振り向いて「俺達の仲間を診てもらえませんか?それで もしも駄目だと判断するようでしたら 諦めます」と言うと

「わかりました」と言いながらリリスの体に触れて「大丈夫じゃよ 命の別状はなさそうだからのぅ」と答えてくれていた。それを見た俺は、安堵した表情を見せてから。

「良かった。リリカさんに伝えてきます」と言い出して、リリカの元へと駆け寄ると、俺が「リリカ 良かった。とりあえず一安心みたいだ」と伝えると。「本当によかった」とリリカは嬉し涙を浮かべながら 俺の胸に抱きついて来ていた。そんな様子を 遠くの物陰から見て居た司祭たちが『おお〜!』と言って 俺達の様子を見て 喜んで居たのである。それから、しばらく時間が経ってから、リリカの体調が良くなり始めていたのだ。それを見たリリスは

「女神リリアナは凄いのですね」と言うと。

リシアがリリスに向かってこう言い出した。「そうそう、お主は確か わしのことを知っていたのではないのかね?」と聞き返すと

「それは、確かにそうですが」と言いながら「なぜ私があなたを知っているかと言えば。かつて『勇者召喚の儀』で呼び出された時に 一緒に居たので」と言い出す。

それを耳にしたユウマは『それでは、まさか リリスとアリスも』と呟くように言うと。それを受けてリリスは ユウマに「そうです 私とリリスは、リリアナと一緒に召喚されて。その当時は、リリアナはまだ 子供でした」と言い出した。それを聞いたユウマが「リリスとリリアードは、姉妹になるんだね」と口を開くと。それを受けて 彼女は「リリアードは姉様の子供なのですが 血が繋がっているわけではないんですよ」と伝えてきたので。「そうなんだね。そう言えば、さっきの話に戻るけど リリスは どうして俺の事を知って居るの?」と質問してみた。すると 彼女は

「実は、昔、一度だけ会っているんだよ」と言ってきた。それを聞いた俺は、思い出そうとするが全然思い出せなかったのだ。だから 素直に「えっと。どこで?」と尋ねると

「まだ私達が子供の頃に。あなたに救われて、あなたに恋をしたんだよ」と いきなりの衝撃発言を口にしてきたのだ。

その話を聞かされたユウマは困惑しながら。俺に一目惚れ?と心の中で思っていたら 彼女は更に続けて言ってきた。「あの時、私の目の前に現れた少年に助けて貰ったの。それで、私の家に来たのが、リリアだったんだけど。私がリリアを叱ったら。あの子が、泣き出したんだ。私はあの子に泣いて欲しくなくて。それから 必死にあの子を守り続けたの。でも あの子は。私のせいで傷付いてしまったんだ」と言うと、目にいっぱいの涙を流していたのであった。俺は「もういいよ 俺は、気にしていないから」と彼女を慰めると。それを聞いた彼女は 泣き止み始めてから 微笑んでいた。それから少ししてから。女神のところに二人で戻ってきてから 女神から「そろそろ お別れの時間じゃな」と言われてしまうので それを聞いた俺が「俺と仲間はどうすれば ここから出られるんですか」と聞くと。それを受けた彼女は「リリアナが『鍵となる人物に接触できれば』と、おぬしらの世界に行くことになる」と言われて 俺は「リリスが鍵になるって事ですか」と言うと。それを受けて彼女は

「私じゃダメなの?」と言い出すと。それを聞いた女神が「そういえば、お前は、リリスと共に『神界への入り口』の番人をしていたな」と言うと。

それに対して リリスは「そうなんです。だけど、私は、あなたが知っている通り

『魔王の呪いの解除方法を探しに行こうと思うのよ。あなたも行くよね』と言い出して。それから『わかった。じゃあね 私の可愛い娘よ』と言ってから。女神が消えて行くと同時に リリスも、そのまま どこかへ行ってしまう。そうして リリスの体が光を放ち始めたので 俺は、彼女に近づいていくと、彼女に触れようとした。すると彼女が、俺の手を取って「お願い。触れないで。私は、もうこの世界に存在してはいけない存在だから」と言い出していた。しかし 俺は彼女の事を放っておけなかったので。俺は「俺は、絶対に君を失いたくない」と言いながら、強引に引き寄せて、強く抱きしめていたのだ。

◆ 俺は『勇者としての力を手に入れないと』と口に出してから 女神の方を見ると。女神は「さてと 準備をしますから。しばらく そこで休んでいてください」と言い出してから 何か呪文のようなものを唱え始める。そして俺は、その場に座り込んでしまう。しばらくしてから 目の前の空間が歪んでいるのが見える。そして俺は 意識を失ってしまい。次に目を覚ました時には そこは見たこともない場所にいて。周りには、誰も居なかった。

◆ 俺が目覚めてからしばらくの時間を、この場所で過ごしていた。その間も『勇者としての力が手に入る』とか 女神は言ってた気がするが、俺は『元からある力を覚醒させたいだけだ』と思いつつ しばらく待っていた。

◆ それから俺は『ここに来いと言われたから来たのだが 何も無いぞ』と思っていた。そうしていると 俺の元にリリスが現れる。

それを見てから 俺が話しかけた。「どうやら俺はリリスに助けられたみたいだね」と言うと。彼女は「はい。リリアナが、あなたの気配を感じ取れて。それから私に連絡が入ったから、すぐに駆けつけた」と言っていた。そして 俺と話をしていても仕方が無いと 俺とリリスは この場を離れようとする。その時だった 急に 大きな爆発音が鳴り響く。その音を聞いて俺達は警戒する。それから、また大きな爆発音とともに『今度は近いな』と思っていると。

『ユウマ殿。無事でよかった』と聞こえてきて、その直後 俺は誰かに抱えられていて。その場から離れる事が出来たのだ。

『勇者としての力を手に入れない限りは 元の世界に帰ることは 出来ぬのだ』と言いながら 俺を降ろして 何処かに歩き去ろうとする女神リシア。

俺は女神を呼び止めて「待って下さい。今のは一体なんなんですか?」と聞く。すると 女神は『ここは危なくなるから しばらく身を潜めているといい。お主には話したいことが色々とある』と言うと。俺は「そうですね リリスは、この場で身を隠していてくれ」と言いながら 俺は女神と一緒に行動を始める。

そうして俺は 女神の言われるがままに動き始めようとしていたら。その前に『私からのお礼がまだだったわね』と女神リリスは、そう言ってくれたのだ。

俺は『ありがとうございます』と伝えて『それで リリアナは、どこに?』と質問をしたら

『あの子の所へ行きましょう』と言ってきたので、俺はリリスに手を引かれて 先程までリリアナが居たところに戻ると そこにはリリアナの姿は無かった。俺は『リリスさんは、どうしてリリアナが 居なくなったのか、分かるのかな』と聞いてみると リリスは 俺の方を向き直ってから

「私もリリアナも 元は同じなのです。だからリリアナはリリアードの居場所なら分かります。それに『転移陣が描かれた場所なら、全て把握しています』から、そこから リリアナが居るであろう所に行けます」と言ってきてくれたので 俺が『リリアナは今 危険な目に合っているかもしれない』と言うと。リリスは『リリアナなら 心配はいらないですよ。リリアナが強いから、大丈夫だとは思うのですけど。一応様子を見に行って来ます』と口に出し。そうしてから 俺に『リリアナに会った時の事は、リリスが説明するよ。リリスの頼みだと思ってね』と伝えて 姿を消したのだ。

そうして俺は しばらく待っていると リリスが現れた。そして『とりあえずリリアは大丈夫だから』と伝えてきたので それを聞いた俺は 安堵してから

『それで 今はリリスはどうしているの? これからどうするつもりなの』と尋ねると。彼女は『リリアと相談しながら決めるつもりでした。ですが リリアが消えたことで、私が代わりに リリアと連絡を取る為に 移動を始めたんですよ。なので しばらくの間は一緒に行動を共にしてくれるかしら?』と頼まれたので 俺が「はい。一緒に旅が出来るので嬉しい限りですが」と言うと。リリスが『では、さっそく出発しましょうか』と言ってきたので。

俺はリリスに連れられて この場所を離れることにした。

◆ リリスとリリアナが向かった方角に向かって歩いていく。道中に『ユウマ殿に渡しておきたいものがあるの』とリリスは口に出すと。そうしてリリスは『これを ユウマ殿に託そうと思うのよ』と口に出した後に、その言葉通りに、小さな袋を手渡されたのだ。

それから俺達はリリスと別れることになる。俺が『リリス。ここまで案内してくれて 本当にありがとうございました』と言うと 彼女は 微笑みながら

「いえ 私は、何もできなかった。でも、あなた達と過ごせて楽しかった。それから 私は、ここから離れてリリアの側に行くから あなたは 自分の力を手に入れる事に集中して欲しい。私は応援をしているから」と口にした。

それを聞いた俺は 頭を下げてから「リリスさん ありがとう。じゃあね」と口に出して。俺は、リリスとは別れて 一人で目的地へと向かって行ったのである。◆ 俺が この場所から、どれだけの距離があるのかわからなかったが。それでも俺はひたすら歩き続けていた。途中で何度も魔物と遭遇して戦闘になったが。俺は難なく倒すことが出来たのであった。

それから少ししてから『ここって、さっきの場所の近くだよな』と思っていると 目の前に光が現れて、その中から女神が現れる。そして「リリアナに会ったんだな」と言うと。彼女は「はい 私もリリアに会って 色々と話したり。それから リリスから渡された物を渡したりして。それから『私の代わりに頑張ってください』と言われたよ。あと リリアードの呪いの事も、聞いたから その事も含めて説明をしておいた」と言う。

それを聞いた俺は『なるほどね。俺の力は手に入りそうなのか』と聞き返すと。女神が「あぁ。お主の力だが もうそろそろ目覚めるはずだ。だからもう少しの辛抱だ」と教えてくれて。さらに「それと、お主の持つ勇者としての力は『聖剣召喚』の力なのだ」と言ってくる。

俺が『そうか。それで どうやって使うのだ?』と言うと。女神が『簡単だ。この指輪を使って『リリアナを喚べばいい』だけだ」と言う。そう言われたので 俺の左手中指を見ると、確かに指輪がついていた。それから俺は『これで俺は 魔王を倒す事ができるんだよな?』と口に出して確認すると。「そうだ」と返ってきた。それから俺が『ところでリリアナとは、どうやって話せるのだ?』と質問すると 俺の中にいるリリアナに聞けと女神に言われて、彼女に直接話し掛けてみると

「はい。お久しぶりです。お父様」と聞こえてきて。『お前は今どこに居るのだ?』と話し掛けると「私の居場所ですね? 私の身体の側にいますよ」と言われてからしばらく話をした後に。『じゃあそっちに行きますから』と言ってから俺は彼女の居場所へと向かうことにしたのだった。◆

(side 勇者召喚の巫女リリアード)

はぁー。疲れましたわ。今日も1日頑張りましたわ。そして私は部屋に戻って一息ついていまいたら。ルシアから手紙を受け取って、中身を見ているうちに眠気がきて寝てしまう。そうして目が覚める頃には 窓から太陽の光が射し込んでいて。私はベッドで上半身だけ起き上がってから 窓の外を眺めていましたら「お姉ちゃんは相変わらず元気だよね」と言って ルシアは笑いかけて来てくれます。私も「えぇ 毎日楽しく過ごしていますよ」と言いながら ルシアと話をしていたら。扉からノック音がしたので その音が気になって 誰が訪ねてきたのかを確認すると。ユウマ様でした。私は急いでユウマ様に近寄っていき「どうしました? ユウマさんが こちらに来るなんて、何かありました?」と尋ねてみた。彼は私に「はい。僕達は、元の世界に帰る為の準備を始めようと思って、ここにやってきたんです」と答える。私達が元の世界に戻るには勇者の力が必要なのだけど、それを理解しているユウマ様が私の元に訪れてくれた事が嬉しくて、ユウマ様と手を繋いで「これからも、ずっと一緒に居ましょう」と伝えると。ユウマは「はい。リリアナさんと一緒に居れるのなら嬉しい限りです。よろしくお願いします」と答えて下さいました。

◆ 僕は、この世界に残り続けて。いつかは元の世界に戻りたいと思っていた。けれども今は 元の世界より大切なものが、出来てしまい。元の世界の事は大切に想うけれど。それよりも、この世界で手に入れた『この気持ちを大切にしようと思った』から。元の世界に帰らず。この世界に残ることにして。元の世界にいる大切だと感じる人たちの為に。

リリスと一緒に行動をしながら 目的を果たすための旅を始めることにした。その道中に『私からのお礼がまだだったわね』と言いながら 女神リリスが 小さな布袋を手渡してくれたのだ。それから俺は 女神リリスに案内されながら 目的地に向かうと。そこにはリリアナがいた。そして女神リリスは『私とリリアナは、同じ存在だったの』と言ってくれた。そして『これから私達は、二人で行動するから』と言ってくれたので。

俺は 女神リリスに別れを告げると。一人で旅を始めたのであった。◆ 私達は お互いに情報を交換しあい。元の世界に戻った時について語り合い。これからの事を考えてから。しばらくの間は一緒に行動をすることに決めました。

そして私とユウマさんはこれから一緒に行動するのですが。

まず最初に ユウマさんは元の世界へ戻りますので。元の世界へ帰れるように、私は協力する事にしたのですよ。そのために『私がユウマさんの力になれば良い』と考えて。そう考えた後に『さっそくユウマさんのために動きましょうか』と口に出すと。

私が これからの事で考えていたら。突然にユウマさんの胸の中から光が出てきましたので。その事に驚いて 私がユウマさんの服を掴むと。その光は そのまま 空へと昇っていく。そんな光を見て 私が驚きの声を上げると。

そうして光の先には ユウマさんにそっくりな姿の人が立っていました。

そうして私は、目の前で起きていることが何なのかがわからずに呆然と見つめていましたが。しばらくして私は「あ あの あなたは どちら様なのですか? どうして ユウマさんから出てきたのでしょうか」と尋ねると。「俺の名は 勇者 リリアード。俺は、こいつの中にいたのさ」と答えたので 私が「では リリアード あなたは何者で、何故 リリスの力を使えるようになったのでしょうか」と言うと。彼は「俺は『リリス=スレイブ』の力を受け継いだ。だから俺はリリスの力を扱うことができるのさ」と伝えてきました。

それを聞いた私が『つまり ユウマさんの中にいた時から。ユウマさんを助けるために、あなたの力が使えたということなのですか』と言いますと。彼からは「そういうことになるかな。だからユウマが窮地に立たされている時には助けられたんだ」と言ってきたのです。そう言われた私はとても驚いたのと同時に。感謝を伝えて頭を下げてお辞儀をしてから『今までありがとうございました』と口に出すと。

そうしてから私は リリスに『それで今の状況って一体どういう事なんですか?』と言う疑問を口に出してしまいまして。リリスは少し困ったような表情を浮かべながら『あぁ 実はね。リリアナに頼みがあるのだけれど。あなた達二人に協力して欲しい事があるのだけれどいいかしら?』と言うので 私達は その話を聞いてみることにしたのである。それから私達はリリアードと話し合いをして これからの行動を決めていく事を決めた。その結果として。まずはこの世界を平和な世界にするためにも 人間族と魔族の戦争を終わらせる事を目指すことになった。◆

(side 女神 リリアス=スレイブ)

そうして私は 勇者に私の力を分け与えることにした。そうすれば 勇者の力で 勇者召喚の魔法を発動させる事が出来るからであるのだが。しかし この方法だけでは駄目だと判断した私は。もう一つの方法を勇者に提案したのであった。それは 私がこの世界で作り出した もう一人の私を作り出すという方法である。そうすることで 魔王を倒すために必要な戦力を増やすことが可能だと考えたからでもあるが。

勇者は その話を聞き入れた後に「リリス それで どうやって もう一人のリリスを作るつもりなんだ?」と私に対して質問をしてきたのだった。そうして 私は勇者から説明を受けた後で 早速、自分の『身体』を作り出してから。その肉体と勇者の肉体を入れ換えることで 新たな肉体を作り上げることに成功する。そうしてから私は『リリアナ これで後は、貴方の出番になるけど』と言うと話し掛けてから『じゃあね』と言葉を残しつつ姿を消した。その後には入れ替わりに元いた場所に現れたのである。

そうしてから私達は勇者に「これから俺達がするべきことだが」と言って説明を開始したのである。そうして一通りの説明を終えた後「なんだよそれ!?」と言いながら怒り狂っているユウマの姿を見た時に「まあまあその怒りを抑えてくださいよ」と言いながら近寄りましたら抱き着いて来るユウマさんが可愛かったですし、頭を撫でているうちに落ち着いたみたいで安心しましたわ。そして、それからしばらくして落ち着くと、この世界について詳しく聞きたいと言われてしまい、仕方がなく話をすることにした。それからユウマは私の話を真剣に聞いている様子だったから、私は彼の為になるように色々と教えてあげました。

(side ユウマ)

「なるほど。それで魔王を倒せるようになるには どうしたらよいのだ?」とリリスと勇者リリアードに向かって問いかけてみた。そうすると勇者リリアードが

「今のお前じゃ勝てない。だから強くなるしかない」と言った。そこで俺は『じゃあさ。この世界に魔物はいるのか?』って言うと『この世界にも居るわよ。ただ 魔物も馬鹿じゃないから弱いやつは殆ど残って無いんだけど』って言われてしまった。そこでリリスからも

『この世界に残っているのは。強い魔物しかいないし。ユウマ一人だと厳しいかもしれないわね』と言われたから どうするかを考えていた。

俺は これから旅を続ける為にリリスの力を借りたいと思っていたから リリスから「ねぇ。私は貴方を見守っているから」って言われると 嬉しいと感じてしまい。そして 俺はリリスと手を繋いでから『リリス 頼む 力をくれ!』とお願いをしたのだ。

そうした後に『わかったわ。じゃあ行くわよ』と言ってくれたので そのまま意識が遠退いていったのであった。◆ ユウマが気を失ってしまうのを確認すると リリアードは「とりあえず。これからの事はリリアナに任せるとしよう」と伝えたのである。リリアードは『リリアナなら、きっと大丈夫だろうから』と思っての発言だった。そしてユウマから出てきた光は、そのまま空へ飛んでいった。その様子を見たリリアドは『ユウマも頑張れよ』と応援する言葉を告げて その場から離れたのである。

リリアードが離れたあと その場に残った私は まず最初に、ユウマさんの怪我の手当を始めることにしたので。ユウマさんに回復魔法のスキルを付与してから傷口の治療を始めました。ユウマさんの回復をしてからユウマさんの顔を見てみると。とても幸せそうな表情をしていましたので。私もユウマさんの事を好きになって良かったと思いました。それから治療が終わると。今度は『ステータス』を使ってユウマさんの状態を確認をしてみる。

◆ 名前 ユウマ 年齢 15歳 種族 ヒューマン(人間)

職業 勇者 状態 疲労 ◆

(ユウマさんの状態は問題ないようですね。次は私自身のことを鑑定してみましょうか。確か鑑定のレベルは6でしたからね。さすがに そこまで低くは無いでしょう。それにしてもレベル1のままのはずなのに、ユウマさんは、どうして鑑定を使うことができたのでしょうか? それはさておき、まずは私自身の能力値を確認しましょうか。)

◆ リリアナ HP 80 MP 100攻撃力 30 防御力 20 素早さ 10 知力 55556 ◆

(これは 私より低いのですか? しかも、これだけ数値が違うのですか。さて 問題は次ですね。ユウマさんと私の違いは何なのでしょうか? あっ そういえば『加護の付与 女神の加護』という物がユウマさんにはありましたね。これがユウマさんの強さの秘訣なのかしら?)

私は考え込みながらも、まずは自分について確かめることにしたのである。まずは自分自身について鑑定をしてみてからユウマさんについて考えることに決めました。私は自分の事を調べてみると。ユウマさんの事がわかりませんでした。

(私のことは わかるのに。どうしてユウマさんのことがわからなかったのでしょうか。でも、今は それよりもユウマさんの能力について知りたかったので。自分の能力を調べることに集中していきましょう。

ユウマさんから得た力で私は何をすべきなのでしょうか。私がユウマさんのために出来る事といえば。何かあるかしら。うーん やっぱり 料理を作るぐらいでしょうか。私はユウマさんのためになるのであれば なんでもしてあげたいなと思うのよね。そういえば、私も この世界での料理の味は どんなものなのか試したかったので。ユウマさんの為にも腕によりをかけて作ろうかしら。それから私は お腹一杯食べてもらうために 料理を作ることにしたのだった。

リリアナと二人で冒険の旅に出てから一カ月が過ぎようとしていた頃。俺はこの世界での生活にも大分慣れてきて。この世界の食事の事も少しずつ理解してきたのだが。それでも まだ、俺が元々住んでいた世界の食材と、この世界の食材では 全く違う食べ物もあるため 美味しい物もあれば、食べられない食べ物もあって、まだまだ分からない部分が多かった。だからリリスから、この世界で生きていくために、もっと色々と学ぶ必要があると言われていたのだった。

そうして俺は、今日もまた リリスと一緒に、リヴァナーレ大森林の奥にある 神殿へ向かっていた。リリスとリリアードが協力してくれた事で

『勇者』として 俺の魂と肉体を入れ替えてくれた事に感謝をしていて。それに加えてリリスから「悠馬は、その肉体と私の力があるおかげで、凄く成長しているから、この調子だとすぐに その肉体に見合うだけの大人になる事が出来るはずだから。だから焦らなくてもいいからね」と言われていて 安心するのであった。

(リリアナに また会えるなら。今すぐ 会いたいよ)

そうして、この世界に転移されてから リリアナとは ずっと一緒に暮らして来たせいで、この世界に一人で放り出された時に リリアナがいない事の辛さが痛いほどに分かったので、この世界に来られた事と この世界に召喚された事に改めて感謝をしていた。それから、いつものようにリリスと二人で、森を進んでいる時に、この前の事を思い出していた。そう、リリアードと出会った日の事である。そうしてから、この前の出来事を思い返していたのだった。◆

(回想シーン)

◆ 俺は 森の中を歩いていると 魔物と出くわす事も無く、リリアードに出会うことが出来た。リリスは俺の事を心配してくれていたが その前に俺はリリアードから『この世界は魔族との戦争中だ』と言われて、リリアードがリリアドの子孫であり この世界が平和になれば『魔王』として 魔族の頂点に立ち『魔王城』で世界を征服するために動いている事を知らされて『勇者である 貴方に協力して欲しい。この世界に居る勇者達は皆『この世界の魔王』を倒すための修行の旅に出ているのよ』と頼んで来たのだ。そしてリリアードからは 魔王を討伐するためには『特別な武具』を手に入れなければ駄目なの。

だけど その特殊な武器の入手方法が解らないのよ と嘆かれてしまったのである。

そこで俺はリリアードに協力することを決めて、とりあえず。これから行く『神都 エレス ヴァルアティオ 』の町にある教会に

『聖なる剣』と言う 特殊な効果の付いた伝説の聖剣が存在していると聞かされて その場所に行くことになったのだ。それから 俺は『勇者の証 勇神の指輪』の力を使いながら、森の中を走り続けていた。そうすると『そろそろ休憩をした方がいいよ』と言われたが。俺はもう少し先に進みたいから、休憩なしで走ると伝えたら。仕方ないなって顔で リリスから『体力が持たなくなるよ』と言われてしまった。

それで 仕方なく 俺はリリスの言葉に従い、少し休むことにして、この世界に居るリリアナのことを考えてから この世界に来れた事の幸運に感謝をして『俺は絶対に元の世界に戻れる。それまでに必ず強くなってみせる』と決意を固めたのである。◆

(それから俺はリリアードと出会ってからの数日間。俺はリリアードから色々なことを教わり、旅をしていった。その中で俺は この世界で生きて行くために必要なスキルを身に付けていった。リリアードが言うには、リリスが言っていた通り 俺はこの世界の『レベル1 ステータス』にしては高いらしいのだ。まぁ 確かに、この世界で普通に暮らしていた一般人が持っている数値よりも上だと思うし。それにリリアードが、かなり強力なスキルを与えてくれた事や 身体能力が上がっていて、リリアナやリリアードの加護も付いていることで、かなり強い力を発揮できているのだろう。

そして俺はリリアードから リリアードが所持しているスキルの中で、もっとも貴重な魔法である『蘇生の法 リカバリ スペル』というスキルを教えてもらい。俺は、それを 習得してから

『リリアードは俺が助ける』と言ってから、俺は『死者蘇生の呪文』を使ったのである。そうしてリリアードが無事に息を吹き返した時には本当に感動をした。しかし、俺に抱きついてきたリリアードが俺に対して「お前を好きになったぞ」と言い始めて。それからリリアードからキスを迫られてしまうので 俺も流されるように、リリアナと交わしたような深い大人の口づけを リリアードと交わしたのである。そうした後に『これで私と君は一心同体だ』と宣言されてしまい。その後、リリスはリリアードからスキルの『魔力譲渡』という物を貰うことに成功してから、二人で旅を続ける事にした。それから数日の間はリリスは機嫌が悪くて あまり口を聞いてくれなかった。けれど 今は何とか持ち直してくれているようである。こうして俺たちは神殿へ向かうことにしたのであった。

それから数日後。

◆ 私たちは神殿に向かって ゆっくりと歩きながら進んでいた。その途中で、リリアードが『もう、このあたりで大丈夫ね。私に付いて来てちょうだい。』と言って 私たちをある場所に案内してくれるようだ。私は気になっていたので、聞いてみることにする。そうしてから、私はリリアナに質問することにした。まずは この辺りはリリアードが住んでいた場所なのか? それとも何か 特別な意味があるのかと尋ねてみたのだった。そうして私がリリアナに尋ねた内容を聞いたリリアードは、リリアナのことを優しく抱きしめながら「そうね この場所は私が住んでいる『大森林』の入口付近なの。ここは私が産まれて、この歳まで過ごした家がある所なのよ。

私が産まれて、それから育った場所はここから歩いて二日ほどかかるのだけど。でも、私はここへ戻ってこようと思っては居ないけど それでも 私の思い出の場所を悠真君に見せたかったの。

私がこの世界で最初に出会った『勇者』の『勇者の印 勇神の指輪』の持ち主である。

『勇者 ユーフェミア』様と初めて会った場所でもあって、とても大切な場所でもあるのよ。それと 私の生まれ故郷の リリアスの町もこの近くなの。だから もし機会があったら、一度訪ねに来てね。

この近くの村に住んでるって言ったら分かると思うから」と言ってくれて、リリアナは 私も「ありがとう。また一緒にここに来るね」とお礼を言いました。その会話が終わったあとに、私たちは森の中を歩いているのだが 森に入ってから数メートル進むたびに魔物と遭遇していたので 今日は運が良い方なのかと思ったのだが。リリアナが、あることに気付いた。そう、魔物と出会わなかったり遭遇したとしても 全て倒されてしまう事にである。

私は不思議だったので、そのことを この森に住んでいる エルフ族のリリアードに相談したのだった。そうしてリリアナの疑問に答えるかのように 彼女は説明をしてくれたのだった。そう、リリアードはこの近くに住む精霊たちから、お願いをされていたのだと話していた。この近くには精霊が住むといわれている神聖な湖があって、そこからこの森全体に『守りの力 結界』が施されており、この森に生息する魔物は外に出ることが出来ないとリリアードは教えてくれた。つまり 魔物を外に出さないために、この周辺を守る為にこの森全体を『精霊たちの結界が張られている』というわけだそうだ。だから、この周辺は安全なのだと言うのだ。そして『勇者』は その身に女神から授かった『特殊なスキル』によって、この世界に転移してきた時から。『レベル1 ステータス』にも関わらず、通常よりも何倍もの身体能力を手に入れる事が出来るので、リリアードが勇者として旅立った時と比べて、さらに強くなっているとリリアナから聞いた時は驚いていた。しかも『リリアードと、同じ位の力を持っている』とリリアナに言われて、更に驚いたのだ。そして『大賢者の館』が有った 元大聖騎士の『アシッド様が住んで居た街にも 精霊の加護を受けていると言われているから そこにも行きたいと思っている』という話になり。私たちは次の目的地が決まったのであった。その道中では リリアナが、大好きな この世界の話を聞かせてくれていた。そんなこんなで歩いていると。ついに、私たちは目的としていた神殿がある町に到着することが出来た。そこで私たちは町の人たちに、この国の名前を聞きながら『聖なる剣 エクスフィア』の情報を集めてみることにした。そうして 聞き込みを続けていると、『この国に『聖なる剣』が在るらしいが、誰も実物を見た事がなくて 本当に存在しているかすら 分からない伝説の存在なんだ』と。

だが『聖なる剣』が、この町の近くにある

『聖なる森』にあるのは間違いないと教えられた。

そうして私たちは『聖なる剣 エクスフィア』を探す為に『聖なる森の中』に入って行ったのである。

それから数分後── ◆ 私たちの前に『妖精女王の城』が姿を現す。

『城』と聞いて想像をしていたより、ずっと小さな建物だったが、入り口まで行く途中に門があり。その先に 石で作られた橋と城壁が存在した。城門の横には見張り台が有り。そこに立つ兵士が私たちに気が付き。慌ただしく、城の中に走っていく。それから程なくして一人の若い男性が私たちの元に現れて。

「よくいらっしゃいました。リリス王女殿下、それに勇者殿、聖女殿、それにリリアナ皇女殿、それからリリアードさんも、どうぞお通り下さい。貴方達の為に歓迎の宴を開きますので、ごゆるりと、おくつろぎくださいませ」と、男性は礼儀正しく 頭を下げながら挨拶をしてくるので。リリアナが男性に近寄っていき、リリアードもリリスの後を追う。そして私は 三人の後に着いていこうとしたのだが。私だけ兵士から声をかけられたので、立ち止まり。それから私は、自分の名を名乗り、自分が何故 此処に来たかを伝える。そうしてから 兵士たちに案内されて 私たちは城内へと通された。そして城内に入った私たちは案内係に連れられて、大きな部屋にたどり着く。部屋に入ると豪華な料理が用意されていて、それを食べたり お酒を飲んだり おしゃべりをしたりしながら 過ごしていると、しばらくして リリアナのお姉さんのアリリス様と。その奥さんになる『魔王軍四将軍 魔炎使い ザリウス』の娘である。私と同じ黒髪を持つリリアナがやって来たのだった。そして彼女も、リリアナや リリアードと同様に、この世界の歴史に興味を持っているらしい。それで私がこの世界の事を教えて欲しいと頼むと快く了承してもらい、それから私は 彼女の知識や、歴史の本に書かれていた内容を聞いていたのだ。それからリリアナに、リリアード、私を含めた女性陣五人は、意気投合をして、夜通し、女子会をしながら、お互いのことを話し合ったのであった。

そして翌朝──私たちは これからどうするか?を話し合っていた。まずはリリアナが「私は悠真君について行ってみたいです。悠真の傍にいたいし、それに私の生まれ故郷を見てもらいたいの」と。そう言ってくれるので。私は、すぐにリリアナの手を取って、抱きしめて。私も リリアナと一緒に行動する事を決めるのだった。

それからリリアナに どうして この世界が気になっているのか?を訊いてみた。すると、その理由を語ってくれる。彼女は

『大昔に起きた大事件がきっかけで。私と母さま、それから妹は、とある出来事のせいで、この『世界の裏側の世界』と呼ばれる。元の世界に戻ることが出来なくなってしまったのですよ』と言うのだ。だから、この『異世界召喚される以前の状態』つまり、私と同じように、この異世界召喚前の肉体年齢に精神だけが こちらの世界で肉体が成長した状態で召喚されているかもしれない。だから。もし私の推測が正しかったら、私も この世界の住人の誰かが。『伝説の勇者』が使っていたとされる武器を持っている可能性があると、リリアナは言っていた。そして私は もしも、リリアナの故郷に戻れたならば この『勇神の指輪』が使えるかどうか試してみたいと思っていた。だって。この指輪は私が産まれた直後には既にリリアスの町では無くて、リリリアスの町の近くで産まれた私が、産まれた直後だったから。リリリアスの町に行く事は出来なかったからだ。なので まずはリリアナと共に、この国で一番の大森林と呼ばれている。『精霊たちが住まう場所』と呼ばれる『聖なる森の中』に行ってみたいと思うのだが。

リリアナに聞いてみると。『精霊たち』が居る場所については、詳しい場所は分かっていないのだが。『聖なる森』の中央に存在する『精霊たちの祭壇』と言われている。この世で一番高い場所にあるとされている『聖なる塔』に行けば分かるらしいと教えてくれたので。私たちは『聖なる塔』を目指して『聖なる森の中』に入っていくことにした。

私たちは精霊の森の入口付近に住んでいるエルフ族の集落に立ち寄り、そこで一泊をさせて貰うことにして。

翌日になったので『聖なる森』に向かうために エルフ族の長に会いに行ったのである。

◆ 俺は『リリスの勇者』である『ユーフェミア=ロッテンシュタイン』として この異世界の勇者になって欲しいと言われて、その頼みを受け入れた後、この森にいるエルフ族と、エルフ族の長老と話す事になったのだが── 俺たちは今『聖なる森』の入り口付近にいるエルフ族の村に住んでいるエルフ族の長に、この世界で起きた過去の出来事を色々と聞く。そしてエルフ族の長は俺に『大昔の伝説 聖騎士ルアードとその妹のリリアードの冒険譚』を語り始める。その内容は かつて

『この世界に悪の限りを尽くしていた。魔神王を倒した 光の戦士が使った 最強の剣を作り出した。ドワーフの賢者の秘宝』という存在を知って。

この世に 再び『聖なる剣』を作り出せる可能性が出てきたと知った この世界の初代の勇者と、大聖女である。

『アステア』

そして、この世界の大賢者である 大賢士『リリアード』

この二人が協力をすることになった。

そして

『聖なる剣』を作り出すことに成功した。二人は、この世界を創造したとされる女神

『セフィラ様』の力を借りることが出来る。『セフィラの聖剣 セフィロスソード』を作り出し この世界に現れた 邪悪なる者を滅ぼすために その聖なる力を使って 戦い続けた。しかし 聖なる力は万能ではない。

この世界は、光あるところ必ず影がある── それは女神の生み出したこの世界も同じだ───── だが その事実を知った二人は───

『女神の力だけでは 全てを浄化することはできない 自分たちが、直接この世界に干渉すれば 全ての闇を取り除く事が出来るはずだ』

『だが二人だけで『この世界に』行くことはできないだろう』

そう話し合い この世界に勇者を呼び寄せる為の儀式を行うことを決意したのだった。それが『リリアードの召喚術』の始まりだと、エルフの長老から話を聞いたのだ。この世界の神々がこの二人の決断に感銘を覚え、この世界を救う勇者に力を授けてくれるようにと、神に願い、祈りを捧げたという。その結果 その想いが届いたようで この世界に、一人の勇者が現れた── そして『リリスの勇者 ユウマ』が誕生したのであった。だが、その時に既に『聖なる剣』の作り方は失われているらしいので、『聖なる剣 エクスフィア』を手に入れても、作り出すことは出来ない。それなのに、どうして『リリス』が

『聖剣 エクスフィア』を探しているのか、分からないが、それでも『聖なる剣』を見つけ出すことに協力出来るのであれば 協力してあげたいと、そう思うのだった。そして リリスが『勇者の導き手』『勇者を導く者』と呼ばれることになった理由は。彼女の父親が残した手記の中に書かれていたのだ。そして、そこには『勇者の導く者よ、この世界の為に戦う勇気と希望を持った勇者たちを導いて下さい』と書かれていたらしいのだ。

リリスから、そんな話を詳しく聞いた後に。俺の従姉妹で、リリアードの妹である 黒髪の少女リリアナも、自分には特別な才能が眠っている可能性があると教えられたので。もしも、リリアードと、リリアナの母親である アリリス様が、無事にこの世界で暮らしているなら。彼女たちに会ってみたいと思った。それから俺はリリスと一緒に『リリリアスの街』に戻り、リリアナたちと再会を果たす事になる。それから数日後。俺の従姉妹のリリアナが仲間に加わったのだが、実は この『リリアナとアリリスが こちらの世界で暮らしていて

『リリアナの姉が、俺が使っている剣と同じ名前の 勇神の指輪を使っているかもしれない』という話を聞いて、少し嬉しく思ったのは、内緒の話だったりするのであった。

それから私たちは 私たちの為に用意されたという宿で休みながら、今後の計画を立てることになったのだった。そして私たちは まずはこの国の王様の所に向かって挨拶をしに行きたいと思っている。それで 私たちの為に用意をされた部屋を出て。王様がいるという『王城エターナルパレス』に向かうことにした。それから『勇者』として、私は『勇者召喚が行われた大迷宮』に行くことになっており。私と同行をするメンバーを紹介してくれた。

リリリアスが私とリリアナ、そして、この国の『魔王軍』と戦うために結成された組織────『リリリアナ親衛隊 隊長 ユーフェリウス』である。そして『魔王軍』との戦いが終わったら『魔王』を倒して『魔皇』である『サタン』の討伐を行う事が決まっている。その事について、リリリアスから聞かされたが、正直 私は、そこまで深く考えていなかったので。リリリアスに、私の考えている事を伝えた。そしたら「私と悠真君が二人で戦えば勝てると思います。ですから、私は悠真君に任せます」と言ってくれたので、その話を信じることにした。だけど私は、リリアナが心配だったのも、本音なので。

それから これから『聖なる森』に向かいたい事を告げたら リリアナたちは快く送り出してくれたので、それから私たちは リリリアスに案内をして貰い『聖なる森』に行くのであった。それから『聖なる森の中』に入ると、エルフ族の長とエルフ族の若者が待っていた。どうやら 私たちは ここでエルフ族の集落に、立ち寄る事になったのだ。

◆ 私たちはエルフ族の長の家にお世話になることになりました。そして、しばらくするとエルフ族の長の『ユアンさん』が私たちに、この世界の過去に起きた出来事を語ってくれたのです。その内容は『勇者の召喚が成功した時』から始まり『勇者の召喚に成功し、その後の戦いに勝利をしたが、その喜びを噛み締める事なく。突如 女神の力でこの世界にやって来た、この世界の人間たちに怒り狂った

『この世界の魔王』によって。勇者たちが全滅させられてしまった出来事』で終わっていた。

その出来事がきっかけで

『勇者リリリアスの母である アリアリス=ロッテンシュタインと。リリアナの母である アリリス=ロッテンシュタインが命を賭けて この世界に『大聖剣 エクスフィア』と『小聖剣 セフィロスソード』を生み出し、その剣を手にしたリリシアが リリリアスとして生まれ変わり。勇者を召喚した張本人でもある女神である セフィラにお願いをする事で。再び『大迷宮 大神殿』に訪れ、『大神官 ルリアード』と『巫女 アステア』と共に 新たな勇者召喚を行い。この世界に呼び戻したという事で、物語は幕を閉じたのだった。

私が その話を聞いていたら、リリアードが、急に涙を流し始めてしまう。その事に驚いてしまうと。リリアードが、「母さまが 頑張ってくれたんだな。私が、母様に頼んだから。この世界に戻って来れたんだろうし。母様の頑張りに感謝したい気持ちだ」と言うと、その言葉を聞いたリリリスが、涙を流し始める。それを見ていた、もう一人の少女の『アリアス』は、悲しげに顔を伏せて、その光景を見ているのであった。

そして、しばらくしてから『大神官 ルリアード』と『大賢士 リリアード』の話になり。二人は

『聖剣 エクスフィア』を生み出す儀式を行って。勇者召喚を行ったのだという話を聞いたのだ。それを聞いてから、私とリリリアスの母親が『同じ名前』だという事は偶然ではないのではないかと考える。それにリリリスが泣いているのを見て、何かが起きているのだと察してしまったのだ。

そう考えていたら、リリアードが突然に立ち上がり。私を真っ直ぐに見つめると。リリアードは、真剣な表情をしながら こんな話をし始める。「ユウちゃん。今すぐにでも、『大神殿』に向かおう。そこで『聖剣 エクスフィア』を 手に入れられるかどうかを確認しに行こう」

──こうして私たちは。リリリスが泣き止むのを待って。それからリリリスと、この国に残る二人の『魔王軍』幹部を倒すために行動を開始したのである。そして『聖なる大森林の大迷宮』に入るための儀式を行う為の儀式を行うために。私たちが向かったのは『勇者の導き手 リリリアス様』のお墓のある場所であり。そこにある『女神セフィラの御座』と呼ばれる場所に辿り着くのだった。

そして、この場所に着いた時に 私たちは『勇者の導き手』となった 初代の『リリアド』の墓参りも一緒に行うことにした。そうして

『勇者の導き手』である『リリアード様』の墓地に訪れる。リリアードとリリアナは二人並んで。その墓石に手を合わせて祈り始めたのである。そしてリリアナが祈りを終え、立ち上がった後に リリアードの『勇者』だった時の話を聞くと。この世界の勇者である『勇者の勇者』が、自分の従姉妹であるリリリアスだとは思わなかったようで、驚いたような顔を見せた。しかし 彼女は『リリリアス様』に対して。とても感謝をしていた。それは

『勇者』として戦う勇気と、そして戦う力をくれたことに感謝していたのであった。

───それから 私とリリアスは、リリアリードと『大賢者』と、別れてからの行動について語り合った。私はリリアと『リリリアード』という少女と一緒に『リリス』という名前のエルフ族の女の子を救おうとした時に ある場所で。不思議な光を見た事を話し。その時に現れた少年が。リリリアスに似ていると感じていたと話した。それを聞いたリリアードは、何故か、私から目線を逸らしながら苦笑いを浮かべるのだった。

そんなリリアアードの反応が気になった私は。リリアーズの事を、もう一度、聞いてみることにする。

『ねぇ、リリア。どうしてリリアは『大聖剣 エクスフィア』を持っていたの? それにリリアには勇者の力が眠っているって。どうしてそう思うの?』

私は 疑問だった事を口にすると。

それを聞いてリリアが「実はですね。リリアも、その光を見たんです。そして『勇神の指輪』を手にして勇者に変身しました。それに、あの時は『大聖剣 エクスフィア』を持っていませんでしたから」と答えてくれたので、やっぱり『勇神の指輪』の力と関係があるのだと思うのと同時に。『勇者の力』と『大聖剣 エクスフィア』が関係していることにも納得をする。そして それから私は、私自身が 元の世界に戻るための『手がかり』になるものを持っていないかと思い『大聖剣 エクスフィア』を見せて貰ったのだが。やはり、何も起こらなかったので。それからは、私とリリアの持っている剣以外の『勇者』の証を。『勇者の守り人』という役目を担っていた『巫女』と。『リリリリアン』の故郷に残されていたらしい。『聖槍 ランスロット』を見せてもらうことにしたのだった。

『大迷宮 大神殿』に入りたいと思った私は、リリリアスと この国の国王に会いに行けば会えるかなと思ったのだ。だから 私とリリアードと『アリア』の三人は まず

『聖なる大森林の国』に、入国をするために手続きを行うことになった。それから 私たちの番が回ってきて。私たち三人とも『魔王軍』と戦いに これから『勇者召喚』が行われるであろう

『聖なる森の大迷宮』へと向かう事を伝えてから

『王都エターナルパレス』に向かって 王城に向かった。

──『聖なる森の大森林』に戻ってきたリリアとユウマさんを見送っている最中の事だった。私は不意に ユウマさんから、この国に伝わる御伽噺を教えて貰う事になった。その内容を聞いた時、私の身体中に悪寒が走り抜けたのである。『女神セフィラの物語』に出てくる人物の名前が、その話に登場している事を思い出したからだ。その物語の中に、女神であるセフィラが 勇者を召喚する前の、勇者である『聖剣 エクスカリバー』の所有者の名前。つまり、リリアのお父さんの名前が、出てきていたからである。それを思い出すと。私は、リリリアスやリリザードさんの、お母さんが『女神 セフィラ』なのでは無いかと考えてしまう。だけど、それはありえない。

だって『女神セフィラ』であるセフィラリア=アルトリア様の本当の年齢は百二十歳のはずなのだ。いくらなんでも年齢が合わないだろう。だけどリリアとリリアのお父さんの関係が『幼馴染み』とかだとしたら。可能性がないとは言えない。そうなると。勇者召喚をしたのって。まさか本当にセフィラ様なのだろうかと。そう考え始めると。急に、不安になってしまった。もしも、それが本当なら、大変な事になる。なぜなら『女神 セフィラ』を怒らせてしまったとしたならば。私たちが暮らす、この世界は『滅ぶ』かもしれないのだ。その事が頭に浮かんでしまい。その瞬間から。私の中で焦りが生まれてくるのである。──そんな事を考えていながらも 私たちは『聖なる大森林の王城』に向かうと、そこにいたのは。この国の王である『大賢王 ラディアス=エルディア』である。その人から事情を聴く為に謁見の間へと向かったのだ。そうして、そこでラディアス王は、私たちに、この国の言い伝えを語ってくれたのであった。

そういえば私とユウマさんが、この世界にやって来た時に見た『光の球』が。勇者の召喚をしようとしている場所にあったのだけれど。それは『セフィラ様』と関係あるのだろうかと考える。

それにユウマさんは『勇者』だ。もしかすると 何か知っている事があるのかも知れないと考えた私は。ユウマに質問をしてみる事にしたのである。「ねぇ ユウちゃん。私がこの世界に召喚される前に 見た光の玉みたいなの覚えてる?」と。私が質問した直後、私の言葉を聞いたユウちゃんが

「ああ あの不思議な光だよね」と、言い出すと、急に 真剣な顔つきになりながら「あれが、どうかしたの?」と聞いてくるので。私は あの変な出来事と、私と『勇者の勇者』が出会ったという、その出来事を話すのであった。それを聞いた彼は、少し困った顔をしながらも、「僕も、リリアと同じように。『光に包まれて、気がついたら』この場所にいたんだよ」と言うので、私は、もしかしてと思うことがあったのである。そして私は『光包まれたのって、この国に来てから、この場所だったりする?』と聞いてみたら。その問いかけに、彼の目が見開き「え? どうして分かるの?」と言うので、やはり、そうだったんだと確信して、「それじゃあ。ユウちゃんと 初めて会ったのって、この場所なんだね」と答えると。彼も同じ事を考えていたようで。「そうだよ。僕はここで君に出会った。それで、君は僕にこう言ったよね」と言い出して。

そしてユウちゃんが『大迷宮 大神殿』で私に伝えた『言葉』を私に教えてくれたのである。『君の力が必要だ。お願いです。僕と一緒に、元の世界に帰るために旅に出て下さい。お姫様』『あの時の私には、貴方が必要に見えたの。だから 私は、この世界を救う為にも、貴方の傍に行くべきだと思った。そうして私は 勇者と共に旅立ったの』と。その話を聞いた私には 彼が勇者だという実感が湧いてきて。嬉しくなってきた。そして勇者と『大魔王』との決戦の場に、私たちは向かい。私は

『勇神の加護』と『女神セフィラ』の力を手に入れてから

『大魔将軍』に戦い挑む事を決めたのである。

「それじゃあ 行こうぜ 俺と、一緒に あのクソ魔王を倒しに!」

勇者となったリリアは。僕に対して手を差し伸べてきた。彼女の手を取った後。二人で並び立ち歩き出すことにした。

しばらく歩いていると

『大賢者 レヴィア』が残したという

『賢者の塔』がある場所に到着する。

その場所に到着したリリアと僕たちは まず『賢者の塔』に入るための門を開くことにしたのであった。そうすると その門の先には。巨大な水晶があり。そこには『女神 セフィラ』と思われる人物が映っていた。

その映像を見たリリアは 驚きのあまり声を上げてしまい。それを聞いたリリスが、こちらを見てニヤッと笑みを浮かべたので、きっとリリスは『女神 セフィラ』から 何かを聞いたのだと理解した。それなら、この場は リリリアがリリスに質問をする場面なのだろうと予想が出来るのだった。

『貴女が 私を呼んだのかしら? それとも、そちらの男性なのかしら』

水晶の中から聞こえる女神 セフィリアの声を聞いたリリスは 緊張をしているようだったのだが。そんなリリスとは対照的に、いつものように、軽い感じに話すリリアが、セフィリアに話しかける。

「私は リリア。こっちは私の大切な人だよ。よろしくね。セフィ姉」

『リリア リリアね リリア? ちょっと待ってなさい。調べてみるわ』

「わかった。ところでさ。私のこと、リリスや、アリアから聞いた?」

「うーん そうね 一応聞いているわ。だけど。リリアの事は知らないはずよ」

「うん。そっか。でも。私はリリスの姉だし セフィ姉も私の事を知ってくれるかなと思って、あえて 自己紹介をせずにいたんだけど。大丈夫かな」

『リリアが、私に、リリアの事を知られたくないっていうのであれば。私からは話さないようにしておくけど。リリアが、どうしても話したければ話していいわよ』

「ありがと。それじゃあ 私は、これから『大迷宮 大神殿』にある、この国の秘宝の一つを。大神殿の主 大賢者様に返しに行きたいと思っているんだ」

『大神殿の鍵の回収ね 了解したわ それで、その鍵を『私』に渡して欲しいのよね?』

リリアは セフィリアに大神殿の中を探索するために必要な物を渡して欲しいという話をするのである。その話をセフィリアは快く受け入れてくれる。それを聞いたリリアは 大神官と話ができるまで『セフィリア』から『賢者の石』を受け取るのである。それから、大魔城に戻るため、転移の魔法を使って移動をしようとするが。セフィリアは『リリアと、その仲間に、一つ忠告しておきましょう』と言い出して。リリアの足を止めさせるのであった。『私達『セフィラ』は『神界』にいる存在 そして、この世界の秩序を守る事を使命として動いているのです。つまり『世界を脅かす』と判断した者は排除します』と言った後に。

そして『私は『勇者』と『女神』の両方の資格を持った『特別な存在』であり。私は その力を『勇者 リリカ=エルレイド』に譲渡する事を『神の意思』によって決定しました。なので『リリカ=エルレイド』は『勇者』でありながら『女神』でもあるという特殊な立場になっています』

そう言いながら、僕の方を見ると『勇者』に、なりたいと思えば、いつでもなれるし。女神になる事もできる。ただ この世界で生き続ける限り、勇者の力がなくなることはないけれど、女神の力は失うから、この先どうなるか分からない。だけど女神である事に未練があるのなら、私の力で、あなたの身体の中に『聖剣 エクスカリバー』を入れてあげる。そう言うと『聖剣』が僕の体内に入っていき『勇者 リリカ=エルレイド』になったのであった。

『私 女神セフィラ この世界を救ってくれて ありがとう これから 私はリリカを見守っています。

リリア。あなたも大変だと思うけれど。お互い、この世界を守ってあげてね。

それでは。お元気で』と言ってから リリアスの姿は消えてしまうのであった。それを聞いた僕は。もしかしたら この世界に来たばかりの僕たちが、『魔王 ゼクスス』を討伐できたのは、セフィラが手助けしてくれたおかげなのではないかと、思うのであった。そうして私たちは、また王都へと戻るために『勇者の塔』をあとにする。そして しばらくすると『勇者の塔』が見えなくなった辺りで ユウマが『勇者』になったことを思い出して。私が勇者に選んでいいかを彼に確認をした。それを聞いたユウマは『女神 セフィラが、リリアが勇者になるように言ってくれているのだから。リリアの好きなようにして』と言い出してくれるので。私は 彼が大好きだと思いながら『大迷宮 大神殿』へ向かうことにする。

『勇者』となった事で。身体能力が大幅に上昇していたけれど。大神殿への道中に出現した『魔物』を『リリア』と一緒に倒しながら進むと。大神殿の目の前に到着して、すぐに、リリスが扉を開いてくれて、中に入ることが許されたのである。それから私たちは、この塔を管理する大神官様と会うことになり、大神官様から、私たち『勇者一行』に対して、お祝いの言葉を述べられるのであった。

『よくここまで、無事に来てくれました。貴方たちこそ この世界に生きる希望なのです。なので、貴方たちは。貴方たちの大切な人達がいる国のためにも。どうか力を貸してください。そして その大切な人たちを守るために。この国を守り抜きましょう』

「分かりました。僕たちも全力で頑張ります」

『リリア』と『勇者の勇者』に『勇者 リリカ』も その大神官様の話を聞いてから、改めて大魔王の城に旅立つことを決意したので。早速出発をしようと思っていたのだけれど。大魔王の妻 リリスは『少しだけ待っていてください』と言うと、大魔王と、何やら内緒で話を始め出す。その話し合いが終わると リリスがこちらに近寄ってきて。大魔王の夫

『リリドス スレイブ』に 私達が『女神』に会ったことや、そして『大賢者 レヴィア』の事について詳しく教えて欲しいと頼まれたので、それを話すことにしたのである。そして その話を聞いたリリスが、大魔城を出発するまでに もう一度会いに来て欲しいと、お願いされる。

それからリリスが、私に近づいてくると、私の手を取って。リリスの体の中にある『聖剣 アスカロン』が、私の体内に入った瞬間に『大魔王の娘 リリア』ではなく『女神の使徒 リリア』と認識されたみたいだった。そうすると、リリスは私のことを抱きしめてくれたのであった。私は『女神の使徒 リリア』となった。

それからリリスは 私から離れていったので。今度はリリスに質問をすることにしたのである。どうして私達のことを待っていてくれるのかという理由を聞くと。それは

『私に考えがある』と言い出した後に『女神セフィラからの提案』を教えてくれた。その内容を聞いた私は『なるほど』と思いながらも。それでもリリスの事が心配だったので 彼女が無理をしなくてもいいんだよと、声をかけたのだが。リリスは 私に微笑みかけながら、リリスがこの世界を守ろうとしているのと同じで、私も、この世界を守らなくてはいけないから大丈夫だと答えたのだった。私は、その答えに、これ以上は何も言わないことにして。私から、もうひとつだけ聞いてみた。そうしないと 私自身が不安だったからだ。私は どうしても

『勇者 アリア=レイティア』をリリスに紹介したいと思っていて。それで リリスに『私に会ってもらいたい』と伝えて、私の妹に『大賢者 レヴィア=アリア=セフィード』を紹介したいと頼むのである。私の妹の話を聞いていた『勇者 アリア=セフィーナ』はとても嬉しそうな表情をして

『私達 姉妹をリリアードさん達に紹介するんですね。是非とも よろしくおねがいします』と答えてくれる。それから私は リリスが 妹を紹介するのに問題がないのかを確認したのだが。彼女は『むしろ喜んで会わせてもらいます』とまで言ってくれたのである。そうして私は、大魔城の『セフィラの部屋』まで『転移魔法』を使う事にした。そうする事で 簡単に大魔城まで戻れたので。まずは『セフィラ』に会いに行くことにする。

「セフィリア 来たよ」

「あ リリアじゃない 待っていたわよ どうしたの?そんな浮かない顔をして」

「実はね リリ姉と、リリ姉の妹を紹介をしたくて 大賢者を連れてきて欲しいんだけど」

私が そう伝えると『女神セフィラ』は、とても優しい笑顔を見せてくれたのである。私は 女神に『セフィ姉はリリ姉の事を知っているよね?』って尋ねる事にした。そうすると女神は 少し寂しそうにしながら『えぇ。リリはね。この世界を救いたいと思って行動してくれたのだけど この世界のルールがリリを苦しめる事になってしまった。リリには申し訳ない事をしてしまったと思っているの』と言い出し、そして その言葉を最後に『大賢者』が私の前に姿を見せてくれる。私は、女神から聞いた話を伝える事にした。すると女神セフィラは私に向かって『ごめんなさい』と呟くのである。私はその話に、どう反応して良いかわからずに困ってしまう。それから女神は『リリアが気に病む必要はないから』と言ってから『リリアは勇者になったのだから、自分のやりたいようにやって構わないから』と、その言葉を最後に姿を消すのであった。私はその話に困惑してしまうと、それを見た『大賢者』が私に声をかけてくれるのである。私は『勇者リリカ=エルレイド』と自己紹介すると、リリちゃんが私を抱きしめて、そのまま頭を撫でてくれたので、私は リリ姉が戻ってきてくれて本当に良かったと思った。

『女神の使徒 リリカ=エルレイド』になった事で、私の身体能力が急激に上がったのが分かった。私は それを感じ取ると『セフィリア 私にも 何かできることはないか』と、女神に伝えると『この世界を守るのに 協力して欲しい』と言われたのである。私は『わかった』と答えて 大魔城に戻るのであった。それから 私は『リリシア』に会うために セフィラと一緒に『大魔城』を移動する。

私はリリ姉を大魔城に迎え入れる。そうしてから 大神官様にリリリリアの来訪を告げると、彼女はすぐに大魔王と面会する事になった。私も、その付き添いで一緒に部屋に入ると そこにはリリリリアの姿があって。お互いに再会の挨拶をした後で 大魔王が私を睨んで『お前もリリをさらったんだな』と言い出してきたので。私は慌てて否定をして。リリ姉も、リリ姉の家族も助け出した事を必死に伝えた。

それを聞いたリリは、安心すると、大魔王を落ち着かせてから『魔王』について教えてほしいと言うので。それを聞いた私もリリも驚いた。大魔王が、『大魔王 ゼクスス』は大賢者によって倒されていたはずだと、そう言うと。『確かにゼクススは倒されたけど あれはまだ生きているの』という返事に、大魔王が驚きの表情を見せたのである。それを聞いた私は『じゃぁ。まだゼクススに囚われた人達はいるって事?』と聞くと。リリは『うん そうだと思う』という答えを出したので。リリスに『大迷宮 大神殿』の扉を開いて貰う。

私とリリスの二人で 大神殿の中に入ると そこにあった扉に『勇者の力が必要です』と書かれている事に気がついて。すぐに扉を開こうとしたのだけれど。扉の鍵がかかっていなかったのである。そこで、大魔城の宝物庫から手に入れた鍵を使って、大扉を開け放つと、そこに『勇者』となったリリアの『聖剣 アスカロン』があったのだ。その姿を見て すぐに手に取って『アスカロンよ どうか私達を助けてください』とお願いすると。

私の体内に入り込んできて。そして『聖剣 アスカロン』が、この大広間に存在した全ての魔物を吸収してしまう。その現象を見た大魔王が驚くと同時に。私に襲い掛かってきたので大魔王に剣を振り下ろすと、その剣は、大魔王の体に突き刺さり、そして 大魔王の肉体にヒビが入り始める。大魔王は、その攻撃で致命傷を受けて床に倒れ伏した。私は大魔王の体が完全に崩壊したことを確認をすると。大神官様の元に歩いていき。その状況を説明を始める。私は大神官様から 魔王が復活しているかもしれないと教えられると 私は急いで『大魔王 魔王城』に転移をする。私が『魔王城』にたどり着くと 魔王城は 既に崩壊していたので、魔王がいるのかを探そうとするが、どこを探しても 魔王を見つける事は出来なかった。私は、それでも『勇者』として諦めず探し回る事にしたのだけれど。そんな時に 私の耳に悲鳴が聞こえる。私は その方向に向かうと。一人の少女の『聖剣』を持った女性が、魔王の配下に拘束されて 魔王城に連れ帰られようとしているのを発見する。

「待て」と私は言って 女性を取り押さえていた男に攻撃を仕掛けると。その男は私の攻撃を軽く受け流す。私は剣技を繰り出すが、その男の剣に阻まれてしまい、ダメージを与えられないでいたのである。

そうして戦いをしている間に 女性は逃げ出そうとしたが。私の戦いに巻き込まれないようにと距離をとっていたため 逃げ出す事が出来ずにいたのである。そうして、どうにか 私に隙が出来ないかと狙っているような態度を見せていたのであった。

それから、私は相手の男が、私よりも実力がある事を感じ取ると。『私に勝つつもりなら 本気を見せろよ』と言い出すと、私に向かってきた。私は、それを迎え撃とうとするが、相手に手加減されているようで。私は悔しくて涙を滲ませると、その時に私に『光の矢』が飛んでくる。私は咄嵯に それを防ごうとしたが 光の弓矢の勢いに負けて 吹き飛ばされてしまう。

「何奴だ?」私を吹き飛ばした人物は『聖剣 光』を手にしていて、その姿を、私はよく知っている。『勇者』である 私と同じ顔をした存在だ。私は立ち上がると、私に話しかけてくる。私は、その言葉を黙って聞いていたのだが。その『聖剣』を私に向けてきたのである。私は、それがどういう意味なのかを悟ってしまうと、体が勝手に動いて 相手に向かい突撃した。そうすると、相手が私に斬りかかり、私は、その攻撃を『光の盾』で受け止めたが。私は押し返されてしまう。

その一撃を見て 私の目の前にいる人物が『勇者』であると確信してしまった。そして『勇者』に勝てるのか?という疑問が生まれ、それと同時に、私では 勇者には絶対に勝てないと思い知らされるのである。

私は どうしたら良いのか分からなくなり その場に立ち尽くしてしまった。すると その時に私は誰かの声を聞いた。その声の主が 私の目の前にいる『聖女リリス』である事に私は、気づく事ができたのだ。リリ姉さんが、リリスが私の側に駆け寄ると、そのまま私の腕を掴むと 私の意識が遠のきそうになるが、何とか耐えようとすると、今度は『セフィラの部屋』から聞こえてきたのである。「今から私が貴方の体を動かすわ」と言う言葉を最後に私の視界は暗転して。私の魂は『大魔城』の『セフィラの祭壇』に戻ってしまう。そして、私は、大魔城の『大賢者』の力を使えるようになったのである。

大賢者の『力』を手に入れた私は、大魔王との戦いで受けた『呪い』を解除する事に成功すると。リリ姉を『魔王』の手から救い出すために、リリ姉の力を使い リリ姉が魔王に捕まる前の場所に戻る事にした。そうして『勇者 セフィラ』の力で私は リリ姉を取り戻すと。魔王から逃げるために

『転移 魔法陣』を使って移動を開始するのであった。

私達が、その場を離れようと移動すると、私の耳が何かの足音を捉えるのである。それを聞いた私は警戒を強めると

『魔王の使い魔』だと推測をして、それを倒す事にする。それから私と『リリス』が『勇者 リリカ』の力を借りて『聖剣 アスカロン』で攻撃すると、あっさりと撃退することが出来た。それだけではなく、その『魔王の使い魔』は、そのまま消滅してしまうのである。

私は『魔王』が本格的に『勇者』の対策に乗り出し始めたのだと判断して 急いでリリスを連れて大迷宮に移動をした。そこで『勇者』と合流を果たして

『魔王の使い魔』と戦うことになるが。『魔王の使い魔』を倒せば倒すほどに

『魔王』の勢力が強くなる事を知ると

『大魔王 魔王城』で 魔王と一戦を交えるために。準備を行う。大魔王との一戦は激戦となり 私は苦戦を強いられる事になったが。最後は 私の持つ最強の必殺技『光の矢』を放つことで 大魔王を討伐することに成功する。私は、その光景を目にすると 自分の体が、どんどん透けていくのを目にして。このまま消えてしまうんだな。と思って 涙を流しながら『リリス』の手を握り締める。『リアリスごめんね。今まで 一緒に冒険してくれて ありがとう』と言い残してから私は消える。最後に見えた景色が 私にとって、とても大切なものだった事に私は気づくことができた。そう リリスと過ごした時間だけは、私の宝物なんだな。と思うと同時に、私はリリスの事が好きだったんだと、自覚するのであった。リリスが私のために泣いてくれた事が嬉しいけど。でも、もう会えないんだな。と悲しく思う気持ちもあって。私は『私を ずっと見守ってくれていて いつも側にいてくれた人よ。貴方の名前は『光の精霊神セフィラス様』と言うんだよ。リリス どうか これからは 幸せに生きてね』と言って私は目を閉じようとした。その時には 私の体は『魔王城』の大神殿に移動していたのである。

リリスと私は『魔王城』の中に入る前に『転移 石板』を使うと『転移 大神殿』に移動すると、そこで待っていたリリスと私は合流して 二人で魔王のいると思われる部屋に転移をした。するとそこには、魔王と『勇者 リリアス』の二人がいたのである。そして私はリリスに目配せをする。すると リリアが リリスに襲いかかってきた。私は、それを受け止めるが その強さに驚いてしまったのである。

その隙を突くようにして魔王が攻撃を仕掛けてくると、それをリリスが どうにか対処をしてくれた。私は、魔王を なんとかしなくてはと考えを纏めてから リリスに指示を出すと。リリスは私の考えを理解してくれると 魔王との戦いに参加してくれる事になったのである。そしてリリに 私の思いをリリに伝えてもらう事にしたのである。

それを聞いたリリも、その作戦に乗ってくれることにしてくれると 魔王が私達に攻撃を仕掛けてきたが、私は、それを回避すると 私に向かってくる魔王に『聖剣 アスカロン』を繰り出した。魔王はその攻撃を受けると 少しだけ後ろに下がるが すぐに態勢を整えてしまう。それからも 私と魔王は お互いを攻撃を繰り返すが。私が魔王に決定的な一撃を与えようにも、魔王の素早い動きに阻まれてしまい 魔王にはダメージを与えることが出来なかった。すると 私達の戦闘に割って入る人物が現れた。『勇者 リリス』が『大魔王 魔王城』で魔王を打倒するために私と魔王の交戦を止めようとすると。魔王は、それを拒絶すると 勇者を返り討ちにしようと攻撃をするが。その攻撃を防いだのは『大賢者 リリカ』である。彼女は、勇者に加勢する形で魔王と戦い始めると

『勇者 リリカ』の攻撃が魔王の体に直撃をすると。その隙を付いて 私とリリスが 魔王を攻撃する。だが、その一撃が魔王に当たることはなかったのである。そして 勇者と大賢者による戦いが始まったのだが。その戦いの中で 私は『勇者 リリス』に話しかけられたのである。私は リリスの問いかけに答えると。勇者の事を『セリスお姉ちゃん』と呼ぶことになった。その方が勇者と親しいように見えるからである。それから私とリリスが協力して 魔王に立ち向かうが。大賢人達は魔王の実力の前に倒れてしまう。しかし勇者だけは、私達を守るために魔王と戦ってくれて。勇者は『聖剣 アスカロン』を使い。魔王の片腕を切り落とすことに成功する。

すると魔王の動きが鈍りだした事に私は気づいた。どうやら『聖剣 アスカロン』に込められていた力の一部が魔王に宿ったらしく。その影響が現れているようである。それを見逃さなかった勇者は『聖剣アスカロン』を魔王の首元を狙って突きを繰り出すと それを魔王は避けようとしたが。私は勇者に『光弾 光線銃』を放つと、それを避けることが出来ずに魔王の頭部を貫通したのである。魔王の頭部に穴を空けられた魔王は『これで この世界を我が物にするのは難しくなったな』と、その言葉を呟いてから消滅する。すると大神殿の中央に扉が出現して そこから私が出てきた。

その出来事を見て私は、これが夢ではないことを確信した。

大魔王を倒した私とリリ姉さんだったが 私は『聖女 リリカ 勇者』の肉体を手に入れた事を知り 私は、『魔王城に居るはずの私とリリスが、ここに居ない』という事実に困惑していると 大魔城の地下で、もう一人の私を見つけたのである。私は、その『私』に声をかける事にするが。私の口から発せられた言葉に驚いた。それは『光の勇者 セフィラ』ではなく。リリスの声色であり 私はリリスが憑依して行動している事に気づくのであった。それから私は、その私の体に乗り移って、私を助け出そうとする。すると 魔王の手下であるリリスが現れると 私と、もう一体の私に襲い掛かってくるのである。そこで、リリスと『聖女 リリカ』『勇者 リリス』との、壮絶な戦闘が行われる事になる。リリスの剣技は鋭くて 私ですら見切る事が難しく。『リリスの剣は私より遥かに上の技術を持っている』という事に気づかされてしまう。

そして『光の矢』と『聖剣 アスカロン』を駆使して戦っていたが

『リリス』が私の力を上回る事はなかったけど。それでも お互いに一歩譲らない攻防が続く。その結果として『光の矢』は相殺され お互いに、かなり深い傷を負い 私は『闇の鎧』と『魔剣 セフィラ』を身に纏うことで、どうにか対抗することしか出来なかった。だけど このままだと、私はリリスに殺されてしまうと考えた時に 私の意識が 再び遠退こうとした時である。

「セフィラ!負けちゃダメ!!」

リリスの声が聞こえて 私は意識を取り戻したのである。私は 自分の弱さを痛感しながら、この状況を脱する方法を考えるが 思いつかなかったので。仕方がないから。私が持つ最強の技で『聖剣アスカロン』でリリスを殺すことに決めた。そして私は、私の中にある全ての魔力を、その剣に注ぐ。その剣は輝きを増していき。眩い光が部屋全体を覆い尽くす。すると『リリス』が持っていた『セフィラスの加護』の力が失われると『勇者 リリス』の姿に変化が訪れた。私は その隙を逃すことなく その首を斬り落としたのである。すると『光の勇者 リリス』の肉体と精神が消滅をして その体は『大魔王』へと変化を遂げた。そして私は『勇者 リリス』の死体に『光の魔法玉』を投げ込むと。『勇者 リリス』の遺体の体は消滅したのだった。その後 魔王は、そのまま逃亡をしたのを確認してから リリスの元に戻ることにした。

そこで私は

『リリスの本体』が リリスと、もう一体いた事に驚き 私も『魔王』が逃げたことを確認すると『リリス』の体に近寄って『リリスの魂』を呼び起こすために

『リリス』の体を蘇生させようと考える。私は 自分の中に眠っている。私と、もう一人分の魂を取り出すと『大賢者 リリカ』に『生命の息吹をリリスに施すように伝えて欲しいのですが?』とお願いをする事にした。すると 私の考えを理解することが出来たのか。『リリスの魂は無事だから安心して欲しい」と言う伝言を伝えてくれた。それを聞きながら、自分の体が無事に蘇ってくれることを願い続けたのである。それから、しばらくすると『リリスの体』が発光すると。そこには

『リリス』が眠っていて その隣には『勇者』のリリもいた。そこでリリスが目を覚ますと リリが、私に向かって襲いかかろうとする。すると、それをリリスが止めに入ってくれた。リリスに抱きしめられると。リリスの温もりを感じることができた。それを感じてから『リリスの匂いがしないな』と感じたが。それは当たり前のことだと 頭で理解すると私は、自分が生きている事が信じられず リリスに抱きつくと泣いてしまったのである。

私はリリスが生きていた事に喜びを抱きながらも 私の胸で泣いたリリスが可愛いくて。リリスが私の恋人になったような錯覚を起こしてしまうが。すぐに冷静になると 私はリリスから離れようとしたのだが リリスは私の腕に手を回してくる。私は『勇者』に変身をした状態のリリスに抱き締められ続けるが。しばらくしてから『勇者 リリス』と、その仲間である『聖女 リリカ』『大賢者 リリス』に別れを告げると。『勇者 リリス』の肉体を借りて、この場所にやって来た経緯を説明する。その話を、私の仲間になった『勇者 リリアス』が興味深く聞いていた。『勇者 リリアス』は私と別れた後に『リリアが 魔王になって、この世界で暴れ始めた』という話を『リリア』本人から聞いているらしく。リリスの話を聞いても『私達がリリアを倒す前に、私達がリリアを倒してしまえば良い』という考えを持つようになったらしい。そして、それから、しばらく経つと『勇者 リリス』がリリスの肉体に戻った際に

『勇者 リリス』と、『リリスの体』と、『リリスの心』は一つになっているらしく。その『勇者 リリス』は『魔王 リリア』と戦うための準備を始めたのである。

『勇者 リリス』と、その仲間の大魔導士と聖女による『大魔王 魔王城』での激闘が行われている間に。私とリリ姉さんは、魔王の配下によって滅ぼされた町の復興を行う事になった。そこで私はリリの姉であるリリを手伝いつつ、その町で生活を始めようとすると。私が復興作業をしていると、私達の前に一人の男性が現れる。その男性は『魔王 セリス』と名乗って私達に協力すると言い始めると。リリスは『この人は私達と同じ名前なので。親しみを持って欲しいんです』という文字を見せると。『私達は、この人達が『リリカ 勇者 リリス』と名乗っていた事を知っていますよ』と言うと。私は、この世界に存在する『勇者 リリス』の情報をリリスに伝えたのである。

それから

『勇者 リリ』と、『リリス』が同一人物だと知らない魔王『セリス』に、この町の事を説明して、魔王軍が襲撃してきても守れる体制を作ることを約束したのである。すると『勇者 リリ』は『私の事を信用してくれるなんて、リリス様は心優しい方ですね』と微笑みながら話すと。魔王軍の幹部を一人で倒せるほどの実力を持っているのに それをひけらかさない姿勢を『リリス』が気に入っていた。その話を聞き終わると『私も『魔王 セリス』を、もっと信頼することにしよう』と考えを改めたのであった。

私は、この世界を『リリスの世界にする』ことを決心する。そして 魔王城に侵入をしたが『勇者 リリス』は『勇者』のリリスが私にしてくれたように『リリス』と『リリカ』の二人分の魂で肉体を強化をする。

そして、そのまま 魔王城の中で『魔王』と戦いを開始する。私は『魔王』と激しい戦闘を繰り広げる。お互いに互角の戦いをしていたが『勇者 リリス』に隙ができたときに。その一瞬を狙って、私は魔王に攻撃を加える。魔王に致命傷を与えることに成功するが それでも 魔王は最後の足掻きとして『自爆』を発動させる。そして その衝撃で私は、吹き飛ばされてしまった。私は、なんとか立ち上がることに成功したが 魔王は絶命をしていたので。『魔王』との戦いが終わりを迎えると。『リリス』は、『勇者』と『聖女』に『お疲れさまでした』と挨拶をしてから 私の側にやって来る。すると、そこに現れたリリが、リリスと会話を交わすが 私は魔王にダメージを与えていたこともあり 体力の限界が近く

『リリカ』が『勇者』から『聖女』の姿に戻ると意識を失ってしまうのであった。それから私は、意識を失った状態でリリスに抱えられたまま『大魔王 魔王城』の玉座の間で目が覚めると。私と一緒にリリの姿もあることに気づく。リリスは

『大魔王』を討伐するために『リリカ』の肉体を使って戦っていたのだけれど。途中で力を使い過ぎてしまい『大魔王』に吸収されて 吸収されてしまった事を知ることになる。その後 私は『大賢者 リリカ』に回復魔法をかけてもらうと 意識を取り戻したので リリスが倒した魔王を確認すると。『勇者』であるリリスの攻撃により死亡をしていることが分かる。だが その時、私はまだ、そのことを理解出来ていなかった。だから『聖女』のリリカは 私に向かって「『魔王を倒した者』が次の『大魔王になるんですよね?』と質問をしてきます」と言ったので 私は『大魔王になった者が次の『王』となる』と答えることにしたのである。そして リリは魔王を倒す時に魔王の肉体の一部を取り込んでいたのである。

リリが魔王になった事実を知った私は

『リリが私の大切な家族の一人だったことに変わりない。それに私はリリの家族であることには変わりはない』と考えて 私は『大賢者 リリス』に自分の体に戻るように促すと。リリスの体は光を放つと、そのままリリへと戻って行くので。その光景を見た私は安堵のため息をつくと 自分の体に、ゆっくりと近づいていく。私は自分の体に、戻ると。そのまま目を閉じようとした瞬間に、私は私の体に抱きついたリリスが涙を流していることに気づいて。リリスに抱きついて抱きしめるのだった。

リリスは涙をぬぐい取ると 笑顔を見せてくれたので 私は、それに応えるかのように 微笑み返すと。リリスの頭を撫で始めるのである。リリスが私の体に戻って来てくれて。こうして、また一緒に過ごせる事が、本当に嬉しく思うのである。

私達の目の前に現れた、二人の女性は、私の知っている人ではない。だが『リリスの体を奪った魔王 セリス』から 私を守るために戦うと言ってくれたのである。そこで、この世界にいるリリカちゃんとリリスにも事情を説明すると リリスが『私達に任せて欲しい』と言うと リリはリリスの事を気にしていた。どうやら、二人は知り合いらしいが、お互いの正体に気付いていないようだ。リリカはリリスと面識があるらしく。そのリリスが『私』のために『リリカ 勇者 リリス』になってまで『私』の敵と戦ったことを伝える。そして これから先、私達が 魔王を倒しに行こうとしている事を伝えてから『私の体を使うなら、もう少し強くなってくれませんか?今の私だと、あなたの相手にならないと思うので。まずは『魔王』を倒すための特訓を行いましょう。あなたが強くなれば。私は、より、この世界で『魔王』と渡り合えるようになるので』と提案をしたのである。

私とリリスは『大魔王 魔王城』を出発すると 私達は、しばらく歩き続ける。そして ある程度歩くと 私とリリスは『聖女』リリカと『大魔導士』リリと合流して 共に旅を続ける。

私達は『魔王 セリス』が住んでいるとされる魔王城を探そうとするが。なかなか見つからないので 魔王の配下の人達と遭遇をしないように行動しながら魔王城を探していたのである。そんな最中の事であった。魔王の側近の一人である『魔女 アーニャ』と出くわしてしまったのだ。私達四人は『勇者 リリカ』の『聖なる祈り』の奇跡によって魔王の側近である、あの二人を撃退することができたが。魔王城にたどり着くまでに何度も戦いを繰り広げてきた事もあり。お互いに限界を迎えていたので、少し休憩をする事にしたが。私は『大賢者 リリカ』に回復魔法をかけてもらうと 元気を取り戻していった。すると『大魔導士 リリカ』は私に「『聖女 リリカ』が『聖女』になったのは どうしてなんですか?」と言い出したので 私は正直に答えることにする。

リリカは『勇者』に『聖女』という職業を選んだ理由をリリスに尋ねると。リリスは『私が元『魔王 セリス』でしたから。その私を助けようとしてくれた、お父様の気持ちを踏みにじるのも、なんだかなぁと思いまして。だから私は、せめて『勇者 リリカ』として、最後まで戦おうと思って。それで選んだんですよ。まあ

『聖女』になっても。私は『勇者』としても『大賢者』としても活躍できたんですけど。そこは、ちょっと複雑な心境です』と伝えると

『大魔王』はリリスが倒したはずなのに、なぜ『大魔王 魔王城』にいたのかが分からないという疑問が浮かんできていた。それから、私は リリスが倒したはずの魔王

『セリス』について調べる事にしたのであった。だが 魔王城に辿り着いた頃には。魔王は死んでしまっていた事を思い出す。私は 魔王城に着いてからも。すぐにリリスの魂が消えてしまったわけではなく。一時的に、魔王の魂が抜けた状態だったのかもしれないと考えていた。しかし それでも魔王は生きているはずだ。だから私は『大魔王』を倒すために『勇者 リリカ』として魔王城に侵入すると決意を固めて『聖女 リリカ』とリリカも協力して。魔王を倒してみせることを決意するのであった。

それから私達は、しばらく魔王の配下を撒きながら魔王城を探し続けたが、結局見つからなかったので、一旦魔王城の外で野宿をする事になったのである。

翌朝、私は、リリスの体が無事なのかを確かめるため『勇者』の力を使って『勇者 リリス』が、リリカの体を操れるように魔法をかけたので、無事に成功したみたいだ。私とリリカは リリスに対して感謝を告げると リリスの体は そのまま、私の体に戻ろうとしたが。私と入れ替わる前に 私に抱きついてきたのである。そして、そのまま 私を強く抱きしめると、涙を流すのであった。そんなリリスの涙を 指で優しく拭ってあげた私は、微笑みを浮かべたのだった。

私達が、この世界に戻ってくると、すでに夜になっていたので 私達は『大勇者』タケルさんの家で夕食をとる事になりました。私達の食事が終わった頃に 私達のいる部屋に現れた『勇者 リリカ』が私に近づき。リリカが私に手を差し伸べてくれたので。私は『勇者 リリカ』の手を握ると 二人で握手を交わすことになった。すると、その時。なぜか『大勇者 リリス』が私に抱きついて、涙を流し始めたのである。リリスは「『勇者 リリカ』ありがとう。リリスとして生きる覚悟を決めていたからこそ

『大魔王』を倒すことができたのだと思う」と伝えた後に 私の胸に顔を埋めて泣き始めるのであった。その光景を目の当たりにしたリリカが私に向かって 笑顔を見せてくる。私にお礼を言ってくれるが。それはこちらのセリフだと思いながら。私達は しばらくの間。リリスのことを抱きしめてあげるのだった。しばらくして落ち着いた頃。『勇者 リリカ』とリリスは お互いの名前を交換しあうことにしたのだが。リリスの名前を耳にするたびに リリスは驚いた表情を見せると。「まさか、私の本名を知っているなんて思わなかった。しかも『勇者』の力で知ったわけじゃなさそうだし。本当にビックリ」と言うと リリスは「私にも教えてくれないの?」と尋ねられると。リリスは『私は『魔王』でした。でも今は 大魔王を倒す為に頑張っています。そして、私の正体を知るのが あなたで良かったと思っている。だって

『勇者』と大魔王が、こんな関係になれたら、素敵な物語が生まれると思うから』と言ってから『私の本名はリリアナ。『リリカ』の体を使っている時は、その名前を名乗る事にします』と言った後。リリスは、私に向かって手を伸ばすと 私の頭を撫で始めるので。

私は「リリスは私の親友で家族だよ。今までも、これからも。私はリリスの事が大好きだよ!」と伝えると。リリスは涙を流し始めるのである。それから『リリス』改め

『リリカ』が『魔王』になった経緯から説明をしてくれると。私は、この世界に飛ばされる直前。私が『リリカ』だった時に リリスと再会した時の様子を思い浮かべる。そこで私は『魔王』リリスの頭を撫で始めて

『魔王』の証である角を取ることに成功した事を伝えると『そうだったんだね。私の事を思い出してくれただけで嬉しいから。それ以上を望むつもりはなかったから』と言うと私の手に自ら触れてから 私の手を包み込むような感じで 両手で掴んでくるのであった。それから しばらく時間が経過したら 私達は『大勇者 リリス』に自分の体を返してもらうことに決めると。『勇者 リリカ』の意識は眠ってしまい。リリスは自分の体に戻ると 目を開けて私を見つめた後。微笑みながら 私の事を抱き寄せてくれた。私は嬉しくなって、強く抱きしめ返したあと しばらくお互いに笑い合ったりしていた。その後、私はリリスとリリカを家に送り届けてから 家に帰って行く。リリスのお母さんが玄関の前に立っていて。どうやらリリスが、無事に帰ってくるのを待ちわびていたらしくリリスが帰ってきたのが分かった瞬間。私の方へ走ってくるなり 強く私に抱きついた。そして、泣き声をあげてしまう。どうやら、相当心配してくれていたらしい。その事に感謝しながら 私は、そっと リリスの背中を撫でてから「私は、この通り大丈夫ですから安心してください」と言うと。ようやく 落ち着きを取り戻すのである。そこで私は この村には何日滞在するのか聞くと リリスが泊まるはずだった宿には空き部屋がないらしく困っているみたいだったので、村長さんの家に泊まりますと告げると。私は リリスを連れて家に戻るのであった。それから『大賢者 リリカ』とリリスを、それぞれのベッドに寝かせると。二人は疲れていたのか、すぐに眠りに付くのである。それを確認した私は、リリカに『勇者』の力を使うと 私は『大賢者 リリカ』の体に入れ替わることに成功する。そして 私は、そのままの状態で村を見て回る事にしたのであった。それから数時間が経過すると。突然

『勇者』の剣と盾が光を放ち始める。それから、その光は徐々に強さを増していくと 私は、リリカの体に変身している影響もあるのか 意識を失いそうになる。私は何とか、その場で倒れることを回避したが。それから数分が経過しても。私の体は元に戻らなかったのである。もしかして リリカと『大賢者 リリカ』が入れ替わってしまったのではないかと不安になりながらも 私はリリカの体を抱きしめたまま。私は、リリカの家に戻り。リリスの様子を見に行くと。そこには 眠っているリリスの姿があった。私は、ひとまず安心してから 再びリリカの体の元に戻ると リリスを抱きしめる。私は このまま 元の世界に帰れなくなるのではないかという事を考えて怖くなったが。今は

『大賢者 リリカ』として生きていくことを決意した私は、とりあえず リリカとリリスのために 二人に美味しい料理を食べさせてあげたいと思っていたので。食材を買うために 近くのお店に向かうと 店員にお金を渡そうとするが、リリカの体は、リリスよりも小柄なので リリカは『勇者 リリス』の時に身に着けていたマントを着て誤魔化すと。なんとか商品を手に入れることができた。私はリリスとリリカが起きてから 一緒に食事をとると。リリカが 自分が食べていた物と同じ物を注文したリリスに驚いているのを横目で見ながら私は笑みを浮かべたのであった。

次の日から、私は村の人達と交流する事にしたのだけれど。私が『大賢者 リリス』だと名乗った事で、私を尊敬の眼差しで見る人もいれば、疑う人もいる。私は村人全員と会話して。信頼を得る事に成功するのだけど。なぜか、私が『大賢者』だと知って リリスのことを呼び捨てにする人たちもいたので ちょっとだけ嫉妬してしまう私がいる。だから 私は『勇者』の力を使って、リリスのことをリリカだと思い込んでいる村人に「大賢者様に失礼な態度を取らないでください。大賢者様はとても偉くて偉大な存在なのですから。もしも大賢者様の怒りを買ったりしたら、この村は終わりなので」と言い放つ。

そう言うと、さすがに村人たちも『勇者』の力を使っていない私の言葉を信じてくれたみたいで、それ以降。リリスの呼び捨てにすることは、一切なくなったのである。私はホッと一息つくが。『大勇者 リリカ』の正体が『魔王 リリス』だったという事実を知らない人にとっては まだ、この『勇者 リリカ』の事は『大魔王』だと思われているみたいなので。私は

『勇者』の力を使い

『魔王』の力を持った『リリス』の力を封じ込める。『勇者』の力が使えるようになったことで 少し自信を持つことが出来た。私は、『勇者 リリカ』が、どんな人物だったのかを知りたくて。『勇者 リリカ』の冒険の書を読み始めると。そこには、『大勇者 リリス』が『大魔王』を倒してくれると信じていたことや。自分の娘『大魔王 リリス』の事について書いてあったりしたのだが。リリカは、その『大魔王』の娘でもあるという事を知ると。その真実を知った瞬間。私の頭は真っ白になってしまったのであった。それから数日の間は 私の家でリリカと一緒に過ごしていたのだが。私とリリカが、いつも一緒の部屋で暮らしているのを見ていた他の人達が 私達が夫婦ではないかと言う疑惑が生まれ始めたせいなのか。村人が「もし お二人で暮らしたいならば、お譲りいたします」と言ってきた。もちろん。リリカが私のことを好きなのを知っていたので、私は喜んで受け入れるのだが。

『リリカ』とリリスの関係を考えてしまうと リリカは『リリス』に対して恋愛感情を持っていないはずだけど。どうするべきか。私が迷っていると。リリスの方から リリカに会いたいとお願いしてきたのである。リリカは私を、どういう風に説明して会わせれば良いのか悩んだが。リリスは「あなたは私の恩人なので、リリカにも会って欲しいの」と言い出して 私の家に向かい 扉を開けてきたのであった。そこで、私の目に映ったのは、とても美しい容姿をした銀髪の美少女であるリリカの姿だったのである。リリカが私を見た時に 驚いた表情をしていたのを見て どうすれば、うまく説明する事が出来るのかを考える。それから、私は『大勇者 リリス』に成りすまして『リリカ』に会う事を決めたのである。それからリリカと再会した私は『大勇者 リリス』に変身している影響で体が重かったのもあって。リリカに抱きついたあとに「リリカは相変わらず可愛いね」と伝えた後。

リリカを家に招き入れると お茶を用意しようとした私に対して リリカの分も用意して欲しいと伝えてくるので、私は リリカの分まで茶を用意すると リリカを私の部屋に案内するのである。私は リリカの対面するように座ると リリスの話を始める。私が『魔王』を倒した後に 私の力を恐れた人間たちが 私を殺そうと企んでいた事実を話すと リリカは怒り始めるのであった。そして 私の話が終わると リリカは、自分の母親である『大魔王 リリス』を倒す事に決めると、自分の気持ちを話し始めるのであった。私はリリカと話をしたあとにリリカの家に戻りリリカを見送り リリカの家に入ると、すでにリリスが目を覚ましていて。私の顔を見るなり嬉しそうな顔を浮かべてから私に駆け寄ってくると 私の事を強く抱きしめてくるのであった。そして リリスから私達の事情を聞くと。私は、リリスが元の世界に帰れないのではないかと考えて 悲しくなってしまう。私はリリスを抱き寄せてから。リリスの耳元で囁くように語りかけると。私は これからどうしようかと考えていたら 私達の様子を遠くから眺めていたリリスのお母さんが「もしかして リリスの恋人?」と言うと それを聞いたリリスのお母さんが 慌てながら リリスの元へ近づいてくる。その光景を見ながら私は もしかしたら

『大賢者 リリス』と『大魔王 リリス』の立場が完全に入れ替わってしまっているのではないかと考える。

私はリリカと別れた後。リリスとリリカの母親のリリカさんが住んでいる家の中に入りリリカと会ったことを伝える。すると、リリスの母親は「あら。じゃあ、リリカと仲良くしてくれて嬉しいわ」と喜ぶのであった。それから リリスが、どうやってこの世界に来たのかを聞いてみる事にしたのであった。私は リリスから話を聞いた結果。やはり『大賢者 リリス』は死んでいて。その代わりにリリスが生まれたと言う事実を知ってしまうが。私は『勇者』の力で、リリスの体を調べると。そこには『勇者』の力による影響は一切受けておらず。私は安心して胸を撫で下ろすと。それから この世界で『リリカ』は幸せに暮らす事ができると思うので

『勇者 リリカ』を元いた世界に返そうと考えている事を、私自身の口から伝えるのであった。そうすることで 私は『勇者 リリカ』の役に立つことができそうな気がしたので。その日もリリカの家に泊まった私だが。その次の日に 朝早くから目が覚めてしまった私は。まだ眠っていたリリスを起こさないようにして部屋を抜け出すと 村の外に出るために準備をするのである。その日の夜に 私が、リリスの家に戻るまで 私の姿を見なかったらしくて 私が戻ってきた時には かなり怒られていた。しかし、私が理由を説明する前に。突然としてリリカの母親が倒れてしまい すぐに病院に連れて行ったところ命には別状はなかったが。リリカは、私がいなくなったせいで リリカの母親に何か悪いことが起こっているんじゃないかと泣き出してしまう。

それからしばらくしてからリリカが落ち着くと。今度は 私の姿が見えないことに腹を立て始めて、私のことを探し回り始めたので。私達は急いでリリカの家に戻ると リリカに謝ることにしたのであった。

リリカは、自分が『大魔王 リリス』だということを忘れて、私の事が大好きだと言ってくれているのに。こんな事があっていいのだろうか?いや よくはないと思いながらも。私は 今はまだ『勇者 リリカ』でいようと思っていたのだけれど。このままでは いつか 私は『勇者』の力を使えなくなり リリスを『大魔王』に戻すことが出来なくなってしまうと思ったのだ。だからこそ私は、今すぐリリスに伝えないと行けない事があり。私は、覚悟を決めて言うことにする。それは もうこれ以上 リリカと一緒に過ごすことができないということ。

リリスとの話が終わる頃。なぜか私の隣にいるリリスが涙を流しながら私の手を握りしめていたりするのだが。そんなリリスのことを不思議に思いながら「えっと。あの」と言ってると

「やっぱり リリカさんと リリス様は恋人同士なのですか?」と言われたので 私は首を横に振る。私としては まだ恋仲になったわけではないので。とりあえずリリスが

『大魔王 リリス』であることは隠したまま リリカと会ってみたいと言われてしまう。それから数日後に 私が家に帰るまでの間はリリカが一人で住むことになったわけなのだが。リリスと話をしていたら 私の家にリリスが来て欲しいと言ってきて 私は、リリスが待っているという場所へと向かうことになる。

そう言うと、私と魔女が『魔女の森』に行くまでの間に何があったのかを知りたかったらしくて「ねぇ。リリス。どうして あなたは リリカに正体を隠しているのよ。それに あなたのお母さんだって、まだ『魔女』のままでしょ」と言うのであった。

私はリリスの言葉に困った顔をしながらも『勇者』の力を封印する前の出来事を思い出して「確かに。私って、ずっと『勇者』の力で、この『大勇者』の力を抑え込んでいたんだよね」と言うと 魔女は『何を当たり前なことを言ってるんだ?』と言いたげな雰囲気を醸し出してきて それから、私の『大勇者』としての力は、リリスから譲り受けたことを思い出すと『大勇者 リリス』が『大魔王 リリス』の体を乗っ取って生きているのかもしれないと思ってしまった。

「えっと それで どうすれば リリスは、リリカに会うことが出来るんですか?」と聞くと 魔女は、私を家に送り届けてくれる事になったので 家に着くまでは『魔女 リリスの魔法』を封じてしまうと。

そう言ったあとに『大魔王 リリス』の能力を使って『魔女 リリス』の体に自分の魂を入れることで 私と話すことができると教えてくれるので。リリスの話を聞いた私は『それなら 早くリリカに会いに行きたいので お願いします』と言うと。

「分かりました 少しだけ待っていて下さいね」と言い出したので。リリスが目を閉じてから リリスの声が止むと、しばらくの沈黙が訪れるのである。私は不安に思っていたが しばらくしてから、リリスが目を覚ますのである。そのリリスの顔を見ると とても疲れきった表情をしているのを見て 私は心配になってしまうのである。それから

『リリス』は 家の中に入り。自分の部屋の扉を開くと。その部屋の中で一人ぼっちだった リリカの目の前に『大魔王 リリス』の姿が映し出されるのである。

「久しぶりだね リリカ」と優しく声をかけると。リリカも「はい 会いに来て下さり ありがとうございます」と言うので私はリリスに向かって「この前は、ごめんなさい。私の力が、あまりにも大きすぎて。リリカのことを巻き込んでしまうなんて思わなかったの」と言うと。リリカは「いえ 私の方こそ、何も知らず 今まで『大魔王 リリス』の役目を果たせませんでした」と答える。そして、それから『大魔王』としての記憶が曖昧になっていたリリカに対して『魔王』との戦いの事を話すと 自分の中に『大魔王 リリス』がいると知って驚いたのか。リリカは自分の手を見ながら呆然とするのであった。そして、その後。リリカがリリスに抱きつき泣きながら謝ってきたので。私の代わりに謝ろうとしていた事を聞いて、すごく嬉しく感じていた。

それから、私の家に帰ってから 私はリリカと話をしたあと。すぐにでも元の世界に戻りたいというので。リリスから この世界の事をある程度聞いてから。私の家に戻れるかどうかを相談した。すると リリスが 元の世界に行けるようにする為に まずは、私が『勇者 リリカ』だと知っている人たちと話をしたいとリリカが言ってくる。なので 私はリリカに、私の事を友達として認識してくれてる人を紹介するために

『魔女 メイ』と『大賢者 ルミア』の家に向かう事にしたのである。そして『勇者 リリカ』の事は秘密にして 私の友人と言うことにしているのである。その方が、リリカが安心できると考えたのである。その日の夜に私は、『魔女 リリス』に、ある人物に、会う約束を取り付けることに成功したと連絡をしておいたのであった。

その日の夜になると『勇者 メイ』が私の家に訪ねてくると、それからすぐにリリカが、この世界に戻って来ることが出来たことを伝えると、喜んでくれた後に「じゃあ また遊びに来るね」と言ってくれるので「じゃあ 私は、これからリリスと、ちょっと用事があるから 二人で出かけない?」と言うと。

それから私とリリスは『魔王 ミリア』の家に向かう事にした。しかし『魔王』の家に向かう途中に 私が、いきなり倒れて、リリスに抱きかかえられてしまうという出来事があったが。それは、私にとっては良いハプニングであり そんな私と『大賢者 リリス』を見た ミリーちゃんや『大魔王 リリス』に変身して、この世界にいた時の記憶があるリリカが、私のことを羨ましそうに見つめていたので 私は『勇者』の力を封印する前に考えていた計画を実行しようと考えたのである。

私が目を覚ますと。隣には『大魔王 リリス』の姿になったリリカが眠っていた。私は リリカのことを抱きしめながら、私達の子供について考えながら 眠りにつくことにしたのであった。

私が目を覚ますと、隣には『勇者 リリカ』の姿になったリリスがいた。そんな私達の様子を見ていた リリスに「おはよう」と言って微笑みかけたあと。昨日

『魔女』のリリスに言われたように【魔導士 アカリ】の力は『勇者』の力によって、完全に消滅してしまったのだから。

私が【勇者 アカリ】に変身する事はできないと説明すると。それでもいいから、たまに私と一緒に出掛けて欲しいと頼んできたのだけれど。それは私にとって嬉しい提案だったので。私が『勇者』の力は 二度と使わないから、これっきりでいいから。お願い出来ないかと尋ねると 私のことを信じてくれたらしくて 私の言うことに従ってくれるようになるのであった。

それからしばらくして 私は『魔王』の家に辿り着く。しかし、魔王の城の前にたどり着くと。そこには『魔王 ミリア』と

『大魔王 リリス』と リリカと『魔女 リリス』が待っていた。そして、私は 四人と顔を合わせた時に 私達はお互いを、どういう存在なのかを紹介し合った。それから私は

『大魔王 リリス』に「今度からは、私のことをリリスって呼んでね」と言って 私の方から歩み寄ることにした。そうして 私達が会話をしている中で、リリカの事が気になったので、どうして私に会おうとしていたのかを尋ねてみたら。私の正体が『勇者』だと分かって それでリリカに『魔女』の力で、私に会った時に。私のことが『魔王』だという事も分かると言っていたけど。それなら なぜ『魔王』の私に会いにきたんだろうって思ったからである。それから、リリカが私に会おうとした理由について話す。

そうして話が終わったところで 今度は、私がリリカ達に質問をする。

私に、どんな要件があって会いに来たのかを聞くと 私に会いたかったと伝えてきたので。それならばと 私とリリカの間に子供が生まれていることを教えてあげると。リリカはとても喜んでいたのだが。それから少しの間、黙ってしまった後で。私は、この世界を救いたくはないかと問いかけてみる。

その言葉に、私達五人は 一斉に首を横に振ると「私はね。別に救ってほしいわけじゃないよ」と答えてくれると「だけどね。もしもね。誰か一人が救われたいと思って。それを実行しようとした時には私は。この力で助けてあげたいなって思ってるんだよ」とリリカが答えると 他のみんなは、私の意見に賛同してくれることになった。それから私達は『魔女』のリリスが、この世界に存在する『魔女の谷』と呼ばれる場所に連れて行くと『大魔女 リリス』が、そこに居たので リリスから、この世界に存在する、いくつかの『異世界』の場所の情報を手に入れてから。それから私達『勇者 リリカ』とその仲間の『魔女 リリス』『大魔王 リリス』と『大魔女 リリス』が『異世界転移』の呪文を唱えてくれることになり。私と『大魔王 リリス』はリリカに手を繋いでもらい。リリカの仲間である三人と、リリカの手も握ってももらう。

私達の『異世界転生』の儀式が無事に終了すると『大魔女 リリス』が「じゃあ『大魔王』に 任せるわね」と言い出したのである。その言葉で、なんのことかと思ったら

『リリス』に『勇者』としての世界の事は任せてもいいと許可を貰えたみたいである。そこで、これからの事について話し合う事になった。それから 話し合いの中で 私がリリカに対して 私が、リリカに頼まれたように。リリカがリリカとして生きていた頃に果たせなかった願い。自分の息子に会いたいと伝えたので。その事に対して私は、自分が知っている限りの息子の情報を 教えてもらう事にしたのである。それから、この世界を救う方法についての話題に切り替わり。それから私とリリカと『大魔王 リリス』の三人が協力し合って、私が持っている 全ての能力を使いこなす為に修行を開始する。私は『勇者』の力を失い『大魔王』として『リリス』から貰った知識を頼りにしながら。私はこの世界で、この世界の人々の為に出来るだけ多くの人を救いたいという事を考えていると。『魔女 リリス』が私に「この世界は、あなたに任せてもいいのよね?」と言うと。私は「うん」とだけ答える。

それから、リリカと『大魔王 リリス』の三人で、私の家まで移動した後で リリカは、すぐに『勇者』の装備に着替えると、この世界を守るために旅立つ事になる。そして、それから数日後。この世界を救うために旅立った『勇者 リリカ』を送り出す儀式を行う事にした。私は、それから『大魔王 リリス』に 私の家に集まってくれた人々に向かって「私達は、これからリリカが帰ってくるのを待つことになるので。その間 この世界の人々を幸せにしていく事に専念することにするからね。リリカがいない間は、リリカに恥じないように頑張るから これからは私達がこの世界を守る事を忘れずに行動して欲しいんだ」と告げる。そうすると集まった人達は私に敬礼をした。それから私は、リリカが戻ってくるまでの間に

『魔女』のリリスや『魔女 メイ』達と手を取り合いながら 今までの事を謝ったあとに この世界をリリカの代わりに守っていくことを誓ったのであった。こうして、この世界には新たな希望の光が生まれる事となるのであった。

私の名前は、アカリと申します。

私の仕事は主に、家事手伝い全般と『魔女 メイ』さんの魔法研究のお仕事を手伝ってます。『魔女』というのは

『勇者』さんと同じく『魔王軍』と戦う事が出来る『選ばれし者』の事で。私達の暮らす世界には『魔王軍』が侵略しようとしてくるのです。

私達の住んでいる場所は『魔境の森』と呼ばれていて、私達が暮らしている街と 隣の国を繋ぐ唯一のルートでもある道の周辺に広がっています。

そして、そんな森の周辺では モンスターと呼ばれる怪物が現れやすい場所になっていました。そして、『魔獣王 ビースト』という強大な力を持った存在によって支配されている土地なのです。『大魔王』という邪悪な存在を倒すために『大魔王』によって召喚された存在である

『勇者』と、私達が住む世界から『大魔王』の支配する この世界にやって来た、私達と同郷の『勇者』の二人は、今、どこで何をしているんでしょうか? 私は今日は、『大魔王』の配下の一人である。【闇姫】のクロナという女性から。『勇者 ルミナス』という『勇者』と『魔女 アカリ』の居場所を教えてもらったのだ。私は今から。その二人の所に行かないと、いけないと思っているのですよ。でも その場所に向かうには、どうしても越えなければいけない山があるので、そこを越えられるようになるまでは 私は 私の故郷に帰りませんと。

私の住む村では『勇者 ミリア』と呼ばれている少女が 今 どこにいるのか。そして、彼女の正体を知っている者は誰もいなかった。そして私と同じ様に。【魔剣使い】の少女 アカリちゃんの事も心配です。彼女は私より一つ年下だけれども。とても優秀な『勇者』なんです。そんな彼女に負けないよう 私だって頑張りたいと思うのは当然だと思うんですよ。それに、私にできることなんて、たかが知れていますから。だからこそ私は。私なりのやり方で『勇者』に対抗できれば、いいんじゃないかなって思うんですよ。

私の住んでいた村に【勇者】が現れた時も。私が、村の外に出かけていたせいで 私が、あの人の側にいたなら、きっと、何か変わっていたのかもしれない。だけど、私は結局、自分の事しか考えられなかった。だから私は 私が私自身に失望してしまわないうちに。私は私の大切な人のためにも『魔王』を倒して『魔王の谷』の攻略を進めていかないといけないと。そう思ったのである。それから 私は、それから数日をかけて、なんとかして、ようやく、その山に登る事に成功した。そうして その山を抜けることができたのだけれど。私は、もう体力が限界に近いのを感じている。

それでも、私は『魔王の谷』にある 私の生まれ故郷に帰る事を目標に、一歩 また 次の目的地へと歩を進めるのであった。そして私が再び歩き出そうとして、少し休憩しようとした時であった。私の元に近づいてくる足音が聞こえてきたので そちらの方に目を向けると、そこには私の知っている少年が立っていた。彼は『魔女 ミリア』が召喚した『勇者』だった。

私の幼馴染みのユウトが、そこにいたのであった。私が彼に話しかけようとした瞬間に、彼はいきなり私に対して攻撃を仕掛けてきて。それを避けるのが、私にとって精一杯の反撃をするだけで それ以上の事は出来なかった。それから 私に、これ以上戦う気がない事が分かったのか 私の方に向かって歩いてきて。それから私の目の前で、突然 頭を下げてきたのである。そうして「頼む! 君も一緒に来てくれ」と言ってきたので。私は何の事かと尋ねると「実は僕達のパーティーメンバーで『魔女 アカリ』だけが行方不明になってしまったんだ!」と答える。それを聞いた私は、私自身の無力を改めて感じる。私は、こんな所で 何をしているんだろうって思ってしまうのである。私は「ごめんね。ユウトは、私と一緒に行きたいって思ってくれる気持ちは、すごく嬉しいんだけど。私にはできないんだよ」と答える。そう伝えると「わかったよ」と答えると立ち去っていってしまったのであった。私は それからしばらくの間、その場で ぼーっとしていると。私の元を『魔女メイ』が訪ねてくる。そうすると『魔女 メイ』が、「あなた 大丈夫?」と言いながら私の元へ駆け寄ってきてくれたのである。そうやって私に声をかけてくれた事に 嬉しさを感じた私は 自然と笑顔になってしまうのであった。それから 私達二人が話をしていた時に 急に私とメイさんに 謎の光が降り注ぐと、私はメイさんに「えっ!?」と言う反応をしてしまって。そこで意識を失ってしまうのである。目が覚めると 私は知らない部屋の中にいて。見知らぬ女性が話しかけてきたので。彼女は私に対して 優しく語りかけてきた。「私は あなたの味方よ。安心しなさい」と言われて。そして この部屋には私と彼女の二人きりしかいない事を告げられて 私に質問された。「ここはどこですか? どうして、私は ここに居るんですか?」と 私が彼女に問いかけると。彼女の方から 事情を説明し始めた。

「私は

『勇者』の一人。【聖女】の聖子といいます。まず、貴方の身に何が起こったのかを、簡単に説明するわね」

それから 彼女から 説明を受けて私は驚いたのであった。私に『魔女 アカリ』としての『勇者 ルミナス』としての『勇者 ミアリス』の記憶が入り込んできて。この世界の『魔王』が復活しそうになっているから助けて欲しいと頼まれた。そう言われてしまったのである。私は 私の中で、この世界の為に戦いたいという感情が芽生え始める。それから私は

『勇者』としての戦い方を、私は思い出せない。私は私の中で、ルミちゃんとミアリスさんの二人の人格が共存していくのが分かる。私は、ルミナちゃんの口調に、徐々に染まっていく感じがしていた。それから、しばらくすると 私の身体は変化を始めると 私の姿形が、少しずつ変わり始めていた。私の髪の色が黒色に染まっていく。そして私の瞳の色は青色に変化すると 髪の毛は背中まで届くほどの長い銀髪になっていた。そんな私を見て 彼女が「その姿に、なることが出来たのならば もう 私からは教えてあげることはないわ。後は 自分自身の力に任せるだけなんだから。頑張って、世界を守ってあげてよね」と私に伝えてから。私は「わかりました。この世界を 絶対に守ってみせます」と宣言をしたのである。

私の名前は、ユイ。この度、魔王軍の四幹部の一人の『死神』を倒そうと意気込んでいたら その前に『勇者 勇者 リリス』と出会えたので、今は彼女と話をする事にしたのでした。私と勇者リリスは『魔境の森』の近くにある町に来ていたのですが、どうやら この町に 魔王軍の配下の『悪魔族』が攻め込んでいるらしいと、町の人に聞いてしまったのです。それで私は急いで『魔境の森』に戻ろうとしたところ。一人の男の子とすれ違った際に、その子にぶつかってしまい。お互いに謝りながらその場を離れる事になるのですが、その際に私はある事に気が付きます。なんとなくですが、その子が 私の知る人物に似ているような気がすると思ったのです。しかし 確証を得る事もできず。私達はすぐに町を出ていき。そして『魔境の森』に向かうために山を越えていくと、やはり、山の中にはモンスターが大量に待ち構えていて、そんなモンスター達を倒す為に 私が戦っている間に勇者の方は先に進んでいった。

そして私もモンスターの群れと戦い続けて、なんとかモンスターの大群を退けることに成功。だけど私は、この場に長居は危険だと思い。急いで『魔境の森』の方に向かって走り出す。そして、私と勇者が合流して。それから私は、先ほど出会った男の子のことが気になって勇者にそのことを話すと、彼女は私の事を、不思議そうな目で見て。それから「さっき この辺りで男の子に出会ってない? たぶんだけど 貴方に似た雰囲気を持つ男の人だと思うんだけど。それに私も 同じことを思っていたの。貴方が誰かに とても似ているなと」と言われたのである。だから私と彼女はお互いに意見が一致したので。『勇者 リリス』と一緒に、『魔女アカリ』を探すことになった。それから 私と『勇者 リリス』が森の中に入ると、なぜか『勇者 リリス』が急に動きを止めて、そのまま 森の外へと飛び出してしまうと そこで勇者が『大魔王 ルシフェル』の配下である【死姫】と戦闘を繰り広げていたので、それに参戦すると、あっという間に勝利して。私達は『勇者 アカリ』を無事に救い出すことに成功するのであった。そして私は、それから、私達が拠点にしている『王都』に戻ると、そこには、あの時の男の子が すでに帰ってきており。その男の子に私は、どうしても気になったから、話しかける事にすると、私に話しかけられた少年は戸惑っていたけど どうにか 私が勇者であることに気が付いてくれて。そうして、私と彼が話し合っている最中に 突然、謎の光が、降り注いだかと思うと 私と少年の姿をした人物が、突然入れ替わってしまうのである。少年の方は 自分が少女になってしまった事に戸惑いながらも私に、「君は『魔女』だよな」と声をかけてきて。それに対して 私は、その問い掛けに、素直に「そうよ」と答えてしまう。そうやって、私は勇者と二人で会話を続けているうちに 私達の目の前に、もう一人の少女が現れる。その女の子こそが『魔女 メイ』であると知った。

そして、この世界に 新たな危機が訪れていることを知った。それから

『勇者 ユウト』が 自分の妻である『魔女 メイ』を救う旅に出たことも教えられると。そして、私は『勇者 ミリカ』の元へと向かうと。そこで勇者と別れたのであった。

『勇者ユウト』が魔女メイと共に旅立つと、私と『魔女メイ』の二人は、お互いの事を信頼し合いながら 二人で一緒に冒険を始めたのである。『魔女メイ』の魔法が凄すぎて。本当に心強いパートナーだと思えるぐらいに『魔女メイ』の魔法は優秀だったのである。そんな彼女だからこそ 私よりもずっと前にいるのが許せないと思っていたけれど。それでも 彼女の優しさに触れた事で 彼女も大切な存在なんだと、私は認識を改めることになったのである。それから 私は魔女と別れて一人で冒険を続けていたのだが。私の元に『聖剣』を持った少女が訪れるので、最初は敵かと思ったのだけれども。よく見ると 彼女は、まだ幼い感じの残る少女だったので。警戒心を解いて話を聞くと、彼女は『勇者』である事を打ち明けてきたのである。それから『勇者 ルミナス』と名乗られてしまった。その名前を聞いて「えぇ!? ルミナス!?」と 私は驚くと、彼女も驚いた顔をしながら、それから『勇者 ミアリス』と名乗ると。私が 魔女ミアリスの『娘』だと言う事が分かってしまい、私達は意気投合することになる。そうやって私達は、三人揃って 魔女の居る町へ向かうことになると。そこに待っていたのは、謎の光の現象によって姿を変えた『勇者 リリカ』と『勇者 魔女 メイ』の姿があった。

『魔女 メイ』から『魔王』の復活が近づいている事を告げられて、私は魔女が魔王と戦う時に 私達『魔女メイの仲間』にして欲しいと言われ。それならばと、私と魔女と『勇者ルミナス』の三人が 仲間になるのであった。そうしていると『死神』と呼ばれる『魔族の将軍』が攻めてくるとの情報を、町の人から聞いたのである。それから 私達で、町の人の安全を確保をする為に向かうと、すでに死神の軍勢に町を襲われて、私達だけでは どうすることも出来ない状況に追い込まれていたのである。そして私は「どうすればいいの?」と考えるのである。すると『勇者 リリス』から ある事を提案された。

それから『魔女 ミアリス』が町を襲う死神に攻撃をする為に魔法を使おうとしたのであるが。私は慌てて彼女の攻撃を辞めさせると 代わりに『聖女 アリシア』の加護を発動させ。それによって私達に襲い掛かってきたモンスターの大群を消滅させたのであった。そして 私は改めて、今の私の状態を確かめると 髪の色が白くなり。瞳の色が青色になっているのが分かり。どうやら『聖剣』の力で『大天使 ミカエル』の力が使えるようになったらしい。それで『勇者』と私は『魔女 ミアリス』を守るために、私自身が戦う事にすると、それからは『魔族軍四将軍 不死の将』と戦わないといけなくなる。だけど『勇者 リリカ』の力を借りて私は、四将軍の一体を倒すと残りの三体は 勇者ルミナスと魔女ミアリスに相手をして貰うことにしたのであった。そして『不死の将軍』は

『魔族軍の四天王』の一人だったらしく。他の三体を倒し終える頃には 四将軍は残り一人だけになっていた。そして四将軍を倒した後 勇者と私は、私の本来の目的である『魔境の森』で、『大魔女 ルシファー』を倒す為に、私は急いで移動を始めるのである。

「ねぇ。『魔女アカリ』って人を知っているのなら教えてくれないかな? 私が探している人が、もしかしたらその人に関係があるのかもしれないから」

私はそう言って、目の前の少女に、質問を投げかけてみる。『勇者 リリス』の友達が、私の知り合いに似ているというのであれば その人も私の知り合いの可能性が高いのである。そして 私がそんな事を言うと 彼女は少し考えた様子を見せつつも、私の事をじっと見つめると

『貴女のことは知らないわ』と言ってから、私から距離を取ったのである。それから『魔女 アカリ』について教えてくれると、私は「ありがとう」と彼女にお礼を伝えると、それから急いで

『魔境の森』の方角へ走って行くのであった。そしてしばらく進んでいると 私の前に現れたのは、全身に黒いオーラに包まれた、見るに堪えない姿をした怪物の姿がそこにあった。それは『悪魔族』であり『大魔女 ルシフェル』の手先でもあった『堕天使い』である事は明白である。そして『勇者 ミリカ』は、その悪魔に向かって『魔女アカリ』の情報が何かしらないか聞いてみた。だが『ルシファー様は あの小娘には興味がありません。ですから 私にも、どうして、この世界に現れたのか分からないのです』そう言われてしまうと

『勇者 ミリカ』は悔しそうな顔をして歯ぎしりをして そのまま立ち去っていくと。その後ろ姿を見送っている間に

『悪魔族』である『堕天使い』は姿を消していくのである。だけど私は諦めきれず。すぐにその場から離れようとしたところで、目の前に人影が現れたので 私もすぐに、その人物の元へ駆けつけて話しかけたのであった。

そうすると 彼女は『私』のことを見て「魔女さん。ご無事で何よりです」と声をかけてきた。その人物は『勇者リリス』ではなくて『勇者ユウト』である。『勇者ユウト』の方こそ大丈夫なのかを尋ねてみて。そういえば、私と一緒にいた筈の魔女メイがいないことに気づくと 私は、魔女の行方を聞いてみると、彼女は、魔女の故郷に用があると言っていた。だから魔女と『勇者ユウト』とは別れたと『勇者ユウト』から伝えられてしまう。だから私だけでも先に『魔境』の町に行くことを魔女に伝えると。その道中で魔女が

『勇者 リリス』が

『大魔王の娘』であることを私に告げたのである。私は驚きながらも『勇者 アカリ』は知っているかを聞くが、彼女も、その事実は知らなかったようだ。私は『魔女』の言葉に、これからは注意しなければいけないなと実感すると 魔女に『魔族軍四将軍』の事と『大魔女 ルシファー』のことを尋ねると。彼女が言う『魔女 ミアリス』と魔女は、その『魔族軍四将軍』の一人である『不死の将』と戦って勝利したと報告してくれた。そして魔女は この町にあるはずの、かつて魔王が住んでいたとされる塔に向かい。『魔女ミアリス』がそこに居るであろう事を私は察すると その場所に向かうことにしたのである。

そして 私達は、塔の前に着くと。そこで『大魔女 ミアリス』と出会う事になるのだが。魔女は『勇者』に対して『私に任せてくれませんか?』と申し出た。私は心配だったけれど。ここで無理矢理に付いて行ったとしても邪魔になってしまうのではと不安になって魔女の提案を受け入れることにする。それから魔女は 塔の中に『大魔女 ミアリス』と二人で入り込むと。魔女の『魔法結界』が展開されたので

『勇者』が『不死の将軍』と戦う事になったのである。それから魔女と『勇者 メイ』が塔の外に出てくると 魔女に『不死の将』を倒してもらったと言うと。

魔女は『勇者』に感謝されると、魔女も、また『勇者 メイ』の事が大好きになったらしく お互いに抱きしめ合い。嬉しそうに微笑んでいたのであった。だが魔女は、すぐに真剣な顔になると

「魔女さん。ここからは貴方の仕事ですよ」と言うと、私は魔女の言っている意味を理解することが出来ず。そんな困惑している私に向けて魔女は、魔女が持っている『魔女の書』を渡して 魔女の代わりに 私に 魔女が残した仕事を任せたいと言ってきた。

私は『大魔女 ミアリス』を救い出すと、そのまま彼女の元に向かうことになるのだが。魔女の言っていた『私の代わり』に何をさせるつもりなんだろうと私は不思議に思うと。それから『勇者 ルミナス』と『勇者 リリカ』に事情を説明するが。二人が『勇者ミアリス』の事を『勇者ルミナス』が知っていると答えるのである。それから私達が、町に戻って、魔女が残していった仕事に取り掛かろうとすると、そこには魔女の両親と、私の師匠でもある『魔女ミアリス』がいた。そこで私は『勇者ミアリス』を、魔女の妹だと勘違いする。私は魔女が なぜ、魔女の妹を連れてこさせたのかは分からなかったが。私は『勇者 リリカ』の案内の元

『勇者ミアリス』が住む町へと移動する。そして、町に到着すると、魔女から託された『大魔女 ミアリス』を救う為に、まずはその町の住人から話を聞く為に、聞き込みを行うのであったが、その時 突然、空から巨大な隕石が落ちてきて 町の半分ほどを破壊する出来事が発生すると 人々は混乱してしまう。そして私は、この惨状を見た時 これは、何者かによって、引き起こされているものだと確信すると その事件を引き起こした存在の手がかりを掴むために町を後にすると、この町から遠く離れた場所にある森へと向かうことにした。

私こと『魔女ミアリス』は現在、妹である『魔女 アカリ』の捜索をしている際に、ある人物が私の目の前に現れたのである。それは、『堕天使 ミカエル』の力を扱えるようになった少女であったのだ。『勇者リリス』から、妹の事を聞かれるのであるが。私が、妹が今何処にいるかを知らないと告げると、リリスはすぐに立ち去るのであった。その去り際で『堕天使 ミカちゃん』について質問を受けると、私は、『天使族 最強の戦士』と呼ばれている『堕天使 ウリエル』の事ではないかと思う。私は

『大魔法使い』として様々な知識を得ている。だから その名前に心当たりはあったのである。だけど『堕天使 ウリエル』の力が、どうやって、私の妹の力を手に入れたというのかは分からないけど、おそらく『堕天使 ウリエル』の力を得たと思われる少女は『魔境 魔女の森』へ向かったと聞いて、私は『魔境 魔女の森』に向かった。そうすると、そこでは リリカと魔女である『魔女アカリ』との感動の再会が行われた。それから魔女は『勇者 アカリ』から 私と『勇者 アカリ』が似ていると言われたことに戸惑っている様子を見せていた。

そして『勇者 アカリ』が、魔女に向かって、私達の町に一緒に行かないかと誘われる。だが、私は 魔女の事が気になっていたので

『勇者 アカリ』には断りを入れる。それから私は魔女の所へ行こうとすると 魔女が私に声をかける。私は魔女と別れてから、すぐに行動を開始する。そうしないと『堕天使 ウリエル』が、魔女の命を狙ってくると思ったからだ。だけど『勇者 リリス』が、私の目の前に立ちふさがり『勇者 ミリカ』が私の足止めをするのである。

魔女が、私の目の前に現れるまで、時間は残りわずかだ。早く魔女の元に辿り着きたい私は

『勇者 ミリカ』を、魔女の元へ向かわせない為に、彼女と対峙する事にした。

そして魔女の元へ向かわずに

『勇者ミリカ』と向き合っていると

『大魔王ルシファー』が、私に話しかけてくる。『魔女 アカリは お前に全てを預けたぞ。その言葉の意味は理解出来ているよな?あとは魔女を助けるのは『勇者』の役割じゃねえ』と言って姿を消すと リリアさんが私の前に現れて『貴女が私に倒せる相手ですか』と言うと、私は、すぐにリリアさんとの戦闘に突入する。それからしばらく戦い続けて なんとか、私の勝利で終わりを迎える。だがリリアさんは私に攻撃を加えることなく『魔女を助けに行け』と言って、姿を消したのである。私と魔女は お互いに似ていると言われて 魔女の事が少しだけ分かった気がする。私は『堕天使ミカエル』を倒す方法を探す為の旅に出て、この場を離れたのである。だけど魔女の事も心配だったので、私はすぐに戻ってくると伝えると、魔女は、私と別れる事が寂しかったのか、悲しそうな表情をしていたのである。

魔女と『大魔王ルシファー』との戦いで。魔女に加勢したい気持ちで一杯だったが。私にはまだ、ルシファーの相手を出来るほどの実力がなかった。だから私は、魔女が『堕天使 ルシファー』との戦いを有利になるように援護しようと、必死に魔女の手助けをしたのであった。

そうしているうちに魔女が

『堕天使 ルシファー』を倒した事を、私の魔法により確認出来たのである。それから私は リリスと共に『大魔王ルシファー』を倒しに町を後にすると。魔女の生まれ故郷に向かう事になる。そうすると、やはり魔女の妹のアカリさんと会うことになるのだが。『勇者』が『堕天使』の能力を扱えたのは予想外だった。その事を考えると、あの時の魔女が どうして私に この仕事を任せてきたのかを理解する。

そして私は、アカリさんと一緒に 魔女のお母さんが住んでいる村へと移動して、魔女の母親とアカリさんが 二人だけで話す機会を作ってあげると。そのタイミングを見計らって私は二人の前に姿を現すと。魔女の母に『私の娘になってくれませんか?』と言ってしまい 私の母は『私の娘になってくれるなら喜んで』と答えてくれた為。それから私は 私の娘になった魔女の事を母と呼ぶことにするのである。それから私は 魔女が残していった仕事をやることにした。まずは私の弟子である『勇者 メイ』の手伝いをする為に。『勇者メイ』が『勇者 ミリカ』の所に向かう時に同行すると そこでも私に助けを求めた。そこで私達は、これから先にあるはずの『堕天使』と、その『勇者』である『大魔女 メイ』の妹である魔女の妹『魔女ミアリス』の事を調べる為に。まずは魔女に頼まれていた仕事を進める為に、魔女が残してくれた資料を確認する。

そうして『大魔女』の資料を確認していくと 私はあることに気づくのである。魔女と『大魔女 ミアリス』の関係が似ていたのだ。その事に驚いていると。魔女に頼まれていた仕事を全て終えてしまった。なので私は 次に『大魔女』と関わりがあるかもしれない『魔女ミアリス』に会いに行くことに決めたのである。魔女も魔女の妹も 私が『大魔女 ミアリス』に会ったことがない事を知っていたからなのか。『魔女ミアリス』の事は、何も情報がない状態なのである。だけど 私は、そんな不安を感じつつも。魔女に頼まれた仕事を終えると、すぐに旅立とうとするが、私は、魔女に渡された杖を手にすると。魔女が残した『大魔女』の資料に書いてあった。魔女の作った魔法の指輪を試すことにした。その結果、私は杖を使って魔法が使えるようになる。それから魔女の故郷に向かうと 私は、魔女のお父さんから歓迎されるのであった。

私が『大魔女 ミアリス』が眠る墓地で。お祈りをしている時。突然『勇者 ミカエル』が、私の目の前に現れると。『ミアリスの力は 私のものなんだ』と意味不明な発言をしてくると。私は「貴方は一体誰なんですか?」と尋ねると。彼女は『堕天使 ウリエル』と名乗り。そして私に対して戦いを挑んできた。だけど私は、『大魔法使い』であり『魔女ミアリス』から、この指輪を譲り受けた。そして『大魔王 ルシファー』から貰った 魔石と融合させ。私は新たな姿へと変わる。その姿になると、まるで『魔女ミアリス』のような容姿になっていた。そして私も『魔女 アカリ』と同じように 私と瓜二つの『大魔女 ミアリス』に会ってみたくなり。魔女の両親を連れて行くために。私は『勇者 ミアリス』を封印するために動くことにした。

『堕天使 ミアリス』が眠っていた場所で。私は彼女と再会する。だが、その時 私の前に『堕天使 ミカエル』が現れた。私は、すぐに彼女に攻撃を仕掛けるのである。それから激しい戦闘が始まり

『勇者 ミリス』が『魔女 アカリ』が眠る場所に現れないように。私は彼女を足止めすることを決めると。私の攻撃を防いでいる彼女の隙を見つけようとする。すると私は、『堕天使 ミアリス』の力の一部を使いこなす事が出来るようになっていたようで、私は『堕天使 ウリエル』の力を、扱うことが出来るようになっていたのである。私は、それを発動させる為に詠唱を開始すると、それに気づいた彼女が 私に襲いかかる。

そして 私と『堕天使 ミアリス』の力が合わさった。その力で『堕天使 ウリエル』の力を開放させて、私は、新しい技を使用する。そうすることで、私は 再び『堕天使 ミカエル』を、封印したのであった。そうする事で私は 魔女の願い通り この町を平和に導くことができたのである。私は 魔女の墓の前でお墓参りを済ませると、私の元にリリカが駆けつけてきて「私を 姉様のお供に連れて行ってください」と言うと。私は『魔導人形 アイネ』にリリカの事を頼むようにお願いをして 私達と一緒に行くことを許すのである。それから私達が家に戻ると

『勇者 ミリカ』が 家に訪れていて。私の姿を見て驚くと それからリリカを仲間にして、一緒に旅をすることを決めたらしい。それから『勇者ミリカ』の仲間にリリカが加わったことで、より賑やかな旅になりそうだと思っていると リリスが、リリカに向かって「リリカさんは私の大事な弟子です。だからリリカさんを傷つけたり泣かせたりした者は 許さないですよ!!」と怒っていて 私に助けを求める視線を送ってきたので。私は、どうしようかと悩んでいると。『勇者 リリス』が、自分の胸の内を『勇者 ミリカ』に伝えると。リリカは涙を流しながら、嬉しそうにしている様子を私は微笑ましく見守っていたのである。

私達は『堕天使 ルシファー』の城に辿り着くと。そこには 魔王の側近で大魔導師と呼ばれる人物がいた。その人物は私達に襲い掛かるが、なんとか倒すことに成功すると。私は大魔王ルシファーの魂を回収する為に動き出したのである。だけど『堕天使 ミカエル』が私の前に現れて。私は『大魔王ルシファー』の亡骸が隠されている洞窟へと案内してもらう。

大魔王の城の近くにある大魔王ルシファーの隠し部屋へ。俺は大魔王ルシファーの遺した研究資料に目を通していた。

『堕天使 ウリエル』の研究をしていたのか?この世界に来て初めて出会った堕天使が『堕天使 ウリエル』だったわけだが?まさか『堕天』させた『大魔女 アリエス』と関係があるのかな。それと気になる事が書かれている。『堕天使』と『大魔女』の関係について。

大昔にこの世界に存在していたと言われる伝説の魔女が存在した。その名は『堕天使 ミアリス』この人は、とても優秀だったが

『魔女 アカリ』の双子の姉妹で『大魔女 メイ』が行方不明になって。それから『大魔王 ルシファー』を召喚した際に、ルシファーの呪いを受けた『魔女 アカリ』が死んでしまうが、その後『大魔女 アカリ』は『堕天使 ウリエル』と化して、世界を滅亡させようとしていた。だけど『堕天使 ウリエル』を倒すことに成功した『大勇者 メイ』により討伐されて。そして『魔女 アカリ』も、元に戻ることが出来たという歴史があった。しかし『大魔王 ルシファー』との戦いで『魔女 アカリ』は力を失ってしまうと、そのまま『堕天』してしまったのだという記録が残っているが、その事が本当だとすると、魔女の母親に瓜二つである。『堕天使 ミアリス』と魔女が関係あるのは確実だと思われるが どうしてこの世界で生きているはずのない存在の『大魔王 ルシファー』が存在するのか謎だった。その事で頭が混乱するが、『大魔女』と何か繋がりがあるのかもしれないと。そう考える事にするのであった。それから『堕天使』についての研究資料を読み進めているうちに 大昔の大魔王が『堕天使』と関係あるかもしれない記述を見つけることになる。その内容は『悪魔 サタン』に関するものである。

俺は 大魔女の師匠であり この大図書館を管理している女性の名前を確認する事にすると『大魔女 アリス』の名前が書かれてい事に驚いたのだ。

やはり大魔女が『大魔女 メイ』であり、大魔王の事を慕っていた事は確定的なのだが、一体何があって、大魔女の身体が、あの小さな姿に変化してしまうのだろうか。俺は『大魔女 ミアリス』の資料も確認したが。『魔女 ミアリス』についての記載はなかったのである。

そうして大魔王の部屋の隠し部屋にたどり着いた俺が、大魔導師の遺していた魔法陣を発動させて。そこから大魔王が復活しようとした。しかし大魔王を復活させることは出来なかった。その魔法が使えなかったのである。それは大魔女の母親が持っていたとされる杖が原因ではないかと思うのである。大魔女と魔女の父親も この場にいればなぁと思いながら。この場所の調査を終わらせると。俺の意識が遠のき。そして俺は、大魔女の両親の家に帰ることにした。すると そこで待っていたのは『大魔法使い ミアリ』であり。俺を見て「貴方は一体誰ですか?」と言われてしまった。

『大魔女 ミアリス』が 私に訪ねてくるので、私は『魔女 アカリ』の友達であると答えると、彼女の瞳に光を取り戻し始めると。私に対して抱きついて来て。いきなり私を押し倒してきた。

『魔女ミアリス』の話では。『魔女 アリサ』と『魔女 アカリ』と三人の魔女で、魔女の姉妹で、親友で お互いに助け合って生きてきたらしく。彼女にとっての『アカリ』の存在が大きかったらしい。だけど私が、大魔女が造った指輪を使ってしまった事で。私は彼女の姿に変わってしまい。さらに彼女の記憶を全て取り戻してしまったのだそうだ。それから魔女が 自分の娘『大魔法使い ミアリス』に指輪を譲渡するように頼み。そして指輪を受け取ったミアリスが私の手に指輪を手渡してくれた後に「ごめんなさい。貴方に負担をかけてしまって、でもね。私達の娘『魔女アカリ』が、貴方と『魔女ミアリス』が残した記録を元に、この世界の『大魔女 ミアリス』に。『大魔女 ミアリス』が眠る場所に。『大魔女 アカリ』に会いに行く旅に出かけてから『勇者 ミリス』と共に帰ってくるまでは 私は 貴方の姿のまま 魔女として過ごしていて、その間は、『堕天使 ミアリス』と行動を共にしていたの」と説明してくれると 私達は『大魔女 アカリ』の墓へと向かうと、そこには 墓の中にいる『堕天使 ミカエル』がいたのである。そうしていると『勇者 ミリカ』が現れて『勇者 リリカ』が、リリカとリリカそっくりなリリカが現れたのであった。それから私は。二人の事を仲間に加える事にする。それから私達が町に帰るために。リリカが仲間になったので リリカとリリカの母親は一緒に連れて行く事にした。そうしてから数日経過すると

『勇者 リリカ』が『勇者 リリス』に弟子入りを志願したのである。その話を『大魔導師 リリナ』とリリスとリリスに頼まれたリリナは快く受け入れることにしたようだ。そうしている間に 私の元に『堕天使 ルシファー』が現れ。大魔導師と堕天使の戦闘が開始された。その結果 大魔導師は『堕天使 ウリエル』に殺されてしまうと、その事を悲しんで『大魔王 ルシファー』を暴走させてしまい。私達が止めるまで。戦い続けた結果。大魔王の城が半壊するまでに至り。その光景を見た『勇者ミリカ』が 大魔王と戦うことを決意すると 私はミリカを止めるのである。それから私と『勇者ミリカ』が、それぞれ『堕天使 ルシファー』『大魔王 ルシファー』の相手になり、戦闘が始まるのであった。結果は『勇者 ミリカ』の勝利で幕を閉じたのである。ミリカが言うには『大魔王』が消滅した際に。私達が回収していた『堕天使 ウリエルの力』は消滅してしまったため。私は『勇者 ミリカ』と『勇者 ミリカ』と一緒に大魔王の城へと向かい『勇者 メイ』、『堕天使 ウリエル』に会って『大魔王ルシファー』の亡骸を

『大魔王 ルシファー』が使用していた玉座の間に運び込む。そうする事で大魔王が復活を果たして『勇者』と『大魔導師 ミアリス』が『勇者 アカリ』の元へ行けるようになるので。『勇者 メイ』の願いでもあるため 私は 大魔王の復活に協力をした。そして復活を遂げた大魔王は。『大魔王 ルシファー』が使っていた剣を手にすると そのまま私達に襲い掛かってきたが。私は ルシファーに殺されたはずなのだが、何故か生きていて。そして大魔王は私を殺そうとして 攻撃してくるのだが。私は避けて反撃を開始する。だけど私の攻撃を喰らっても怯まないどころか、さらに激しく攻撃を仕掛けて来る大魔王に対して『魔女 アカリ』の記憶を取り戻した影響もあって、どう戦えばいいのか分かっていて、それで私は大魔王を倒すと

『堕天使 ウリエル』も倒すことが出来たのであった。

大魔王が復活した影響で 私は、元の魔女に戻る事が出来た。それから『堕天使 ミカエル』と『大魔王 ルシファー』を消滅させることに成功したが、大魔王が使用した剣を放置するわけにもいかないため。『勇者 ミリカ』が、大魔王と激闘を繰り広げた末に、手に入れた『堕天使の剣』を持って帰ることにしたのである。その後『堕天使 ウリエル』と『大魔王 ルシファー』を倒した事により『大魔王の玉座の間』は崩壊すると。崩壊する前に私はリリカの転移魔法により元の世界に戻ると、リリカの師匠である。この大図書館の管理人の女性『大魔女 アリス』が私達の元に現れてくれたおかげで、大魔王の脅威もなくなり、ようやく平和が訪れたと言えるだろう。しかし まだ大魔王は復活してないにも関わらず

『大魔王 サタン』の力が強すぎる事や、それとは別に大魔王を復活させようとする勢力がいる事が判明してしまう。しかし私達が倒した大魔王と大魔王に操られた大魔王が使った武器である、この二つの脅威を乗り越えないと大魔王を完全に倒せないのではないかと私は思うのだった。しかし『魔女 ミアリス』の協力を得ることが出来たのは大きかったかもしれない。これからも協力してもらって、何かしらの大事件が起きた時には協力してくれると言ってくれたからである。

それから数日が経過したが『堕天使』が蘇ることもなかったし、新たなる『大魔王』が現れるような事もなかったため。このまま平穏に過ごせるのかなと思いながら 今日も大図書館の司書として働き始めた。そんなある日に、私達の元に大図書館に あの大魔女がやって来たのである。

「あー!魔女だ!」と言いながら 私は彼女に抱きつくのである。すると大魔女さんが 私に抱きついてきて。それから私にキスをする。その事に驚いた私だが 大魔女の舌が私の口の中に入って来たので私は 大魔女の舌に自分の舌を合わせる。それからお互い抱き合うように倒れこむのだが、私は 彼女の背中に手を伸ばすと彼女は「私の身体に触れたいの?」と言うので、その質問に対して私は「うん。ダメ?」と答える。

「ううん。全然良いよ。むしろ、触れて欲しいの」と彼女が私に伝えてくれると。彼女の身体が光を放ち始めて。私と同じような身長になってくれる。その変化に驚くが。そんなことお構いなしに大魔女は私に話しかけてくる。「えっとね。この姿をしている時は『魔女ミアリス』と呼んでね」と言われたので私は、「はい。わかりました。ミアリス様」と返事をすると、ミアリス様に頭を撫でられるのである。そうすると突然、目の前にいたミアリス様が消えると。ミアリス様が消えてしまったことで不安になっていた私だったが。後ろから抱きしめられてミアリス様に「こっちだよ?」とミアリス様に言われてしまうのである。私はミアリス様の声が聞こえる方に視線を向けると。私より少し背が高くなり大人っぽさが出ているミアリス様の顔を見て。「あれ?いつの間に大きくなったの?」と聞くと。

「これは 私本来の姿なんだよ。普段は魔女の姿になるから 気づいてなかったんだと思うけど、でも今は私の方が年上だし、だから、もう、私は 貴女のお姉ちゃんみたいなものだから 何でも言ってよね。それと いつものように、ミアリスお姉ちゃって呼んでくれても、別に構わないんだけどな~。ほらっ 私の事をお姉ちゃて、甘えてみてよ。ねぇ お願いだから 妹として 私に、甘える練習しようか。私に妹の姿を見せてくれるかな?」と言われて。私は顔を真っ赤にしながらも「ミアリス姉さま ありがとうございます。こんな私の妹になりたいと思ってくれて 嬉しいです。だけど。本当に私を妹にしてくださりますか?私 頑張りたいと思いますのでどうか よろしくお願いします」と言った後にミアリス姉様に、抱きついて。「大好きですよ。私も。ミリスおねえたまのことだいすき。あいしてますから。もっと、私と一緒にいてください」と言うと、私は恥ずかしくて ミアリス姉様から離れるのであった。それから私は リリナの所へと向かうのであった。

リリナが私の所にやって来て、いきなり 抱きつかれた後。私は リリカの母親に挨拶をして 私は リリカの母親と一緒に家を出る。そして私は『大魔王 ウリエル』の剣を、持って行くことにする。そうしてから私はリリカの母と一緒に町の外に向かって歩き始める。すると、私達は、大森林へと辿り着くと、そこでリリカの母親は 娘である『勇者 リリカ』の事が心配なのか。

リリカの母親が、娘の事を心配するのは当然の事で。もし私がリリカの父親だったとしたら。きっと同じ行動を取るのだろうと。私は思いながらも『大魔導師 リリナ』と『大魔女 アリシア』と、一緒に暮らしていた場所に着く。

その場所に着いた瞬間。大魔王の力によって、大森林は、大魔王が住んでいる城と同じように半壊していたのだ。だけど この場所は大魔王が居た城と違って 人が生活をしていた痕跡があり。大魔王が持っていたとされる力を感じ取る事が出来る。それは おそらく 私達が持つ剣の影響なのだと思われる。

私は大魔王の城に保管されていた『堕天使 ルシファーの力』の結晶である。その結晶の影響で、私も大魔王と同じ『ルシファー』の力を持っている。その影響で私は、その力が感じ取れるようになっているらしい。

「ミリス この近くに 私の娘はいるはずだから 探すわね」と言って 彼女は私を連れて、森の中を探し回る。しばらく森を散策すると。私達が生活している家に辿り着き。家の中に入る。そこには『大魔導師 リリナ』の両親と『勇者 メイ』の家族。『リリカ』とその父親が、そこで寝ていたのだった。『大魔王 ルシファー』は大魔王でありながらも『大魔王』の力を持っていたため、リリカが大魔王になった時、この世界で暴れ回った記憶はあるため、その時は大魔王の力を使いすぎて。『勇者』の剣で倒されてしまう前に、私の剣に封印を施させてもらった。

そして その後、大魔王を倒したことによって。大魔王に奪われて大魔王に支配されていた人々の魂を解放すると。私達は、大魔王を倒した事による功績を認められて。私達は元の世界に帰ることが許可されて、この世界に帰って来たのだが。私は『大魔王を倒した時の代償』のせいで 私は 元の姿に戻れない状態になってしまった。そのため、大魔女の魔法を使って一時的に魔女に戻ることが出来るが。私は魔女の状態で リリスに会っていないのである。魔女の姿を見られることに私は 恥ずかしさを覚えるが。それでも リリスには魔女の姿を見られたくはないと思いながら、とりあえずは魔女に戻ろうかなと思案している。

リリカと、その父親は、私の目の前にいるため。リリカと私は お互いに見つめ合って微笑むとリリカは私に対して、優しく頭を撫でてくれて「大丈夫だよ。ママもパパも この人のおかげで、ここに居るから この人も 大切な家族なんだよ。私にとってはね この世界に来てから出来た初めての家族だから」と言ってくれたので、嬉しくなった私はリリカに抱きつくと、リリカは、また、私の頭に手を伸ばして、今度は髪を撫でるようにしてくれるのである。そんな私達の姿を見て リリカの父と母は微笑んでいる。それからリリスが私に話しかけてくると。「あらっ やっぱり その人の事 気に入ったみたいですね」と言うので。私は照れながら「うん。そうなの。私の事を『愛してる』って言ってくれてるから。私は彼を信じる事にしたよ」と伝えた。すると そんな私の言葉に 二人は 微笑み合いながら、こちらを見る。それから しばらくして、リリカが私達に話し始めると。「実は 私と、あの人は、元々、異世界から来た人間なんだよね。私と彼の他にも、元『異世界からの勇者達』が、何人かいるんだけど。彼らとは、まだ出会えてないけど いずれ、みんなで仲良く暮らせたらいいな」と 彼女は そう言い始めたのである。それから 彼女は「それとね。リリナは この世界で生まれたわけじゃないから 元の姿でいてもらうためにも。その人を頼る事にするから よろしくね?」と言われると。

「はい。わかりました。任せてください。その方は、必ず私が幸せに致しますので ご安心くださいませ」と伝えると 私は魔女の姿に戻り。リリカが私を見て 抱きついてきたので、私は「ただいま 私の元に来てくれたんだよね。私の可愛い子」と声をかけて抱きしめると

「うん。そうだよ。やっと 私の元に戻れたんだよね」と言い出すのであった。それからリリカの両親が、私たちの方を見ながら「本当に感謝しています。リリナさんは これからどうされるんですか?」と聞かれたので私は、「もちろん。リリカちゃんと一緒にいますよ。もう私は、彼女から離れられないから。だから 私達はずっと、一緒に暮らします」と言うと、そんな私の言葉を聞いて、私達の周りには大勢の人が押し寄せてきて、私は困ってしまうが、そんな中でも、リリスだけは、笑顔を浮かべているので、リリスがこの人達の相手をしている間に私はリリスと一緒に外に出て行くことにした。

それから私は 家を出て『リリス』の元に向かうのである。そして しばらく歩き続けると、彼女は一人で待っていた。彼女は「おかえりなさい。無事に帰ってきてくれて嬉しいです」とだけ言って 彼女は、リリナを抱きしめてキスをする。

「私こそ。戻ってこられてよかったと思っているわ。だって貴女が私を迎えてくれるんだもの。それにしても。この辺りに誰もいないけど どういう状況なの?」と私が聞くと

「今から『魔女ミアリス』の使い魔が来て 魔女ミアリスと魔女アイリスが 大森林へと向かっていったのです」という答えを聞くと。私の中で嫌な予感を覚えた私はリリカの父親に連絡を取り。

魔女ミアリス様の事を伝えると。魔女ミアリス様の事が好きなリリカの父は 急いで家に戻っていき。それを見た私は「ねぇリリス? 私のお願い聞いてもらえる?」と言うと

「えぇ もちろん 喜んで引き受けますよ。それで 何のお願いでしょうか?」と彼女が返事をすると私は。「私は リリカちゃんと一緒だから 二人で魔女ミアリス様に会って話をしてくるね」と言うと。リリスは少し考え込んで「それは、ちょっと危険な気がするのでやめておきませんか?」と言われてしまうのだった。

私は、大魔女様に呼び出されたため、大魔王と戦った場所の近くの『ルシフェルの城』に来ていた。私が城の門を開けると、すぐに『勇者ミアン』が出てきて「あれ?ミリス どうして貴女がここにいるのかな?」と尋ねられ。

「魔女様から連絡を受けて。私を呼びに来たのでしょう?」と答えると、彼女の方から、大魔王との戦いの話を聞きたいとお願いされたので。

私が大魔王と戦った話を始める事にすると。魔女リリナと魔女アイリスの二人が魔女ミアリスと一緒に大森林に向かわれた事を告げる。

それから魔女リリナが『勇者ユウ』を連れてきた理由を『勇者リリカ』に告げた後に『勇者リリカ』は大魔王と戦う事を決める。しかし、大魔王の力は想像を絶する程に強大であり。リリカも魔女ミアリスと、大魔王の力の一部を受け継いだリリカの力だけでは 大魔王の圧倒的な力の前に、苦戦してしまう。私は、そんなリリカを助けるために。大魔女様に頼まれた任務を果たすため。『堕天使の力』を解放させ。『大魔王 ルシファー』として リリカと二人で戦う事にした。そして私は『大魔王 ルシファー』となり。

『勇者 リリカ』の手助けをする事になり、その結果 私達は大魔王ルシファーを倒す事に成功したのである。その事を私は『大魔女 アリシア』に話す事にして、私と『大魔女 アリシア』と、大魔王の『リリカ』と『大魔王ルシファー』になった私で話し合いを始めようとしていたのである。

私とリリスは、魔女ミリスに案内をしてもらうと、その場所は森の中にある『魔女の家』だった。そこに着くと、すでに『魔女 リリナ』の姿はなく、その代わりに『勇者 メイ』が そこにはいた。私は、そんな彼女に近づき。事情を話すと、私は、勇者メイを連れて『魔女 ミアリス』と、その娘で、『魔女 リリカ』と友達でもある。リリカと勇者メイを連れて 魔女 ミアリスと、大魔王ルシファーのリリスに『魔女の城』で待ち合わせをしていたのだが。その道中で私は勇者 リリカと出会った事で、この場にやって来たのだと話したのである。そして、私の話を聞いた勇者は

『大魔王』に戦いを挑むために。勇者であるリリカを

『ルシファーの剣』に封印させてもらって リリスと『大魔王 リリス』に頼み事をすると『リリカ』と『リリス』が 私の方に近づいてくる。そして私は『大魔王 リリス』から話しかけられる。

「リリナが『堕天 ミカエル』との戦いで使った。『ルシフェルの翼』だけど 私が回収していた物があるから使うかなと思って。持って来たんだけど」と言って 彼女は小さな水晶玉を取り出す。私達三人はその話を聞くと。勇者リリカには申し訳ないが、勇者リリカを『勇者の力』を宿した剣に 再び封印させる。リリカが、これから挑む相手は リリカの敵であるだけではなく。この世界に生きるすべての者達の敵だからだ。私は勇者に謝罪をしたかったのだが、勇者は既に『リリカの肉体の中に存在するため』私は謝る事すら出来ないでいる。私はリリスの方を見る。すると彼女は「私に任せて」と言って 勇者と会話を始めると。しばらくしてから、二人は何か話を終えたのか「とりあえず これでいいよね?」と言い出すので私は 二人に礼を言うのであった。その後 私は勇者と『リリカの魂』と リリカと共に リリカの母親である『ミセス アイリス』の元へ向かう事になった。そこで『大魔王 アイリス』との約束を守る為に『魔女の薬』を手に入れなくてはならないからだ。その時に 私は『大魔女 アリシア』に『堕天使の力』を使うように言われていたのであった。それから

『大魔女』の家の中に入り込むと、そこは 私にとって見慣れた場所だった。

私は『魔女 ミアリス』の使い魔の一人。私の名前は『アカリ リリナ』は リリスの魔法によって、私の中に眠っている『リリカ』の記憶を見始める。

私が、この世界で生まれてから、お母さんは、ずっと一人で生きていて。私が五歳の時に、私を助けてくれた女性と一緒に暮らし始めたので 私はその人の事を母親だと思っている。そうして過ごしていくうちに、私は十歳になると、私はある人に保護され 私を育ててくれた人が亡くなったと聞かされて その人から受け継いだ『リリカ』という名前を名乗るようになり。その人は 私のことをとても可愛がってくれて 私の憧れの存在でもあったので、私は

『私もいつかは 誰かのために戦い。自分の命を賭けても、その人と最後まで、支えあって生きていけたら』と強く願うようになった。そんなある日 私が十二歳の時 リリスから連絡が入り。私と、私の育ててくれた人が、リリスと一緒に暮らしている家に来ないと言われてしまい。その日。リリスが家にやってきたのを切っ掛けにして 私はリリスと一緒に住むことになった。その時の私は、リリスのことが嫌いだったわけじゃなくて 私は『リリカ』が大好きで、彼女が好きだからこそ 私自身も 彼女に憧れを抱き。彼女みたいな強い人間になれれば良いと心の中で思っていて。そんな風にリリスと接していったある日。私が十三歳になった頃

『勇者 ユウ』と出会ってしまい。その時に、私とユウはお互いの実力を確かめ合うために、手合わせをする事になる。最初は私が負けてしまったが ユウも本気を出さずに 手を抜いた状態だったみたいで 私にアドバイスをして立ち去って行った。

『勇者』が去った後 私はすぐにリリスの元に行き 私がユウと戦った事を 報告をすると、リリスは 私に「勇者さんと戦ってどう思ったのかな?」と言われてしまう。だから私は正直に「強かったわ。私なんかよりずっと。私と同じ年齢なのに あんなにも差があるなんて。信じられなかった。私はまだまだ弱い。もっと鍛えていかないと」という気持ちを伝え。リリスの方を見ると、リリスから「貴女は『リリカ』の魂を持っていても

『リリカ』とは違う。『リリカ』の強さと『勇者 ユウ』の力は違うんだよ」と言われた私は『勇者 ユウ』に勝つ事は不可能に近いのかもしれないと考えると、私の表情を見たリリスは「貴女はまだ諦めていないんだね?」とだけ言って、リリスは 私の元を離れていってしまう。

俺は 勇者メイに対して。リリカを救ってほしいと告げると。メイは真剣な眼差しを俺に向けながら。『魔王 ルシファーの力』について質問をされるのだが。それに対しては。今の現状では答える事が出来ないまま「それは まだ教えられる段階じゃないんだ。ごめんね」と答えてしまうと。メイは『ルシフェルの城』に向かう前に。一度、自宅に帰りたいという事なので「もちろん かまわないよ」と言うとメイと別れた俺は『勇者リリカの肉体の中』に存在するため。メイとは離れてしまう。しかし、しばらく歩いていくと、なぜか俺達は 森の中にいた。

私達、勇者一行と大魔王が戦った森。その場所に、今、私達と、もう一人の男性が居る。彼は、『大魔王ルシファーの身体』から解放されると。

「まさか、こんなに早く。この場所に戻ってくる事になるとは思わなかったぜ」と言ってから、私達に自己紹介をし始めるので、まず最初に『大魔王の魔王』である。彼の名前は『勇者ユウ』と名乗っていた人物だと告げてきた。その事を聞いて。リリスの『魔王化の力』は本物だったのだと知ったのである。そんな彼を見て 私は思うのだった。

(魔王 ルシファーに憑依していた時も この男性は、リリカと一緒に戦っている時は、魔王ではなく。普通の人として生きていた。それならば もしかすると)と思い。私は彼に『堕天使の力』の事を話し 協力をお願いすると。その話を聞いていた

『勇者 ユウ』は少し考え事をすると。何かを決心したかのように顔を上げて。「悪いが。そいつは聞けねぇ相談だな。お前らが倒さなきゃならない相手って言うんなら話は別だが。今回の相手は『勇者リリカの敵』だ。だから

『堕天使』に頼らなくても、あんただけで充分だろう。そもそも その力で魔王を倒す事は出来るのか?『大魔王ルシファーになった事で 大魔王を倒した』っていう実績もあるようだし」と言った。確かに、私一人だけでは おそらく大魔王には勝てないだろう。それでも。大魔女様から言われたように。私の力は大魔女様に授けられたものだ。私自身が手に入れた力ではないから。

私に大魔王が倒された後に。私は、魔王を倒す事に、あまり意味を見いだせなくなってしまっているから。私は『勇者の力』を使ってでも。魔王の『魂』を消し去る事で、魔王を倒し。そして、魔王がいなくなれば『勇者』の力を使わずに。魔王を倒して見せようと思う。その思いを伝えると。大魔王の魔王は「わかった。それならば、俺も協力してやろう」と言い出して、大魔王が持っている『ルシフェルの翼』を見せてくれるのだが、私はその姿を見て。その美しさに息を飲むと、私は『魔王の力』の使い方を教わり。そのまま大魔王と共に、魔王城へと向かう事になったのであった。私はリリカの記憶の中で、大魔王と共に、リリカを救いに行くために、リリカと共に、リリスの店で、武器の強化を行い リリカと『リリス』と、アリシアが 店を出る際に 私達に向かって、「頑張ってきてください」と言ってくれたため 私と、大魔王と




、勇者の力を、全て使うために『大魔王』に戦いを挑み。無事に倒すことが出来たのだが、私の意識は闇に飲まれていき。私の意識が消えていく最中に

『勇者 ユウ』が 私の肉体を抱きかかえてくれているような感覚を感じたのだが、私は何も言わない。私は、私の『目的』を果たすまで。死ぬことは出来ないから。それから しばらくしてから、私の目の前には 勇者がいたので、私は彼に話しかけると「君は誰だい?」と言われてしまい 私は「えっと

『勇者』だよ」と答えた瞬間。勇者の顔が驚愕の色を浮かべたので 勇者の事を抱きしめ。それから私は、私の中のリリスの人格の欠片を使い。私と勇者の二人きりになり。私が『勇者の力』を使うと。私の記憶は途絶えてしまった。その事が、私の魂を縛る事になったのか 勇者との約束通り 私自身の魂と 勇者が契約した証として 私の『指輪』が光り出す。私は自分の『指輪』を確認すると その色は赤色だった。私達が、リリカのいる場所に訪れると、そこにはリリカとアカリの姿があって。私は「どうしてここにいるの!?それに『勇者』が、二人もいるの」と言うと、リリカが「その『勇者』が助けに来てくれましたから。私も戦うわよ」と言い出したのである。そう言われても、この世界にいる『大魔王ルシファーの身体』は既に私達の手の内だと思ったのだが。どうも 私の考えが甘かったらしく 私が想像するよりも、遥かに厄介そうな人物が姿を現した。私は、リリスの方を見るも。リリスは「私は手出ししないからね」という感じで 私を見てきていたので 私が何とかしなければならない。だけど、どうやって?そう考えていると、私の隣にいた勇者は、自分の中に眠る魔力を解放し始めたかと思えば 勇者の身体から膨大な光が溢れだし やがて、それは人の形を作り出して、その姿は私がよく知る姿に変わる。私は驚いていたが、その人物の方も

「あれっ。ここどこですか?僕ってば何してたんでしょう?」と、戸惑っていたけど 勇者が「ここは

『勇者 ユウ』の心の中だから。貴女に話があるんだ。いいかな?」と言うと。彼女は笑顔になると「良いですよ!お話を聞かせてください」と言った。勇者と彼女が会話を始めたので、私は 二人の話が終るまで待っていたが 彼女の方からの用事も終わっていたようで 私は、リリスの方に向かい。私達が、リリカを助けるための方法を教えてもらう。すると リリスが私達を、別の場所に連れて行ってくれたので そこにたどり着く。そこは、まるで。私達が最初に、この場所に訪れた時に居たところに似ている。そんな風に、私が考えていると 勇者が「さぁ これで、邪魔者はいなくなったね」と言うと。リリスが勇者の背後を取るが 勇者には全く通用していない。

「さすがに

『勇者の力が覚醒』してからの僕は、魔王の時の僕とは違うんですよ。魔王は、僕の前では、ただの小娘と同じだから」と勇者はリリスに言う。

リリスは リリカを人質として扱うためなのか。リリカの方に近づくと リリカはリリスに蹴り飛ばされ 私達はリリカを助けに向かうと リリスとアカリが、勇者と私の戦いを始める。アカリは『魔導士』の力を持っているためか 魔法の威力が高く。『勇者の力』を使った私の攻撃でさえ簡単に弾き飛ばしてしまう程だった。しかし そんなアカリを援護する形で、魔法を放っていくのがリリスであり リリスの方は 私と同じように 勇者との戦いを繰り広げていたのだが。勇者もリリスと同様に、勇者の実力を隠しており。魔王であるはずの私は、その力に押され始めていたのである。

「さっきまでは本気じゃなかったんですね。流石です。やっぱり、勇者ですね」と言ってから「僕の全力を受けてくださいね」と言って、リリカと戦っている『勇者 ユウ』が剣を振り下ろすと、地面は割れ、木々は薙ぎ払われ。勇者の力を目の当たりにした私は、すぐに逃げだそうとすると。私の足が震えだしていたのだ。

「なによこれ こんな力」と言って、なんとか勇者から離れる事が出来た私は その場に座り込んでしまった。しかし 勇者の攻撃をまともに受けたはずの リリスとアカリだったが 二人共、勇者の攻撃に対してダメージを負う事はなく お互いに戦っていたのが嘘のように、私と勇者の前に立っていた。そこで勇者は「まだ 僕の力について説明不足だったよね。魔王さん」と言ってきたので私は「まだ隠していることがあるなら、全てさらけ出して欲しいんだけどね。貴方が何者であっても 私は貴方を殺す覚悟を決めているから」と告げると勇者が笑い始めながら言った。

「それは無理だよ魔王さん。今の魔王の力は大魔王より上回っているんだよ。そんな状況で君達は勝てるわけがないんだって」と言われたのだが、それならばと思い私は『堕天使化』すると、先ほどとは比較にならない速度で『堕天使の力』を使えるようになっていたのだ。その事で私の『勇者の力』も今までとは桁違いの力を手にする事が出来たので この力で『堕天使の力』を使って、どうにか出来ないだろうかと考えていたら『堕天使の力』を使う前に『堕天使化』の制限時間が迫ってきてしまっていた。私は、勇者の力を少しでも理解するため まずは、『堕天使の力』を使い。そして、勇者と一騎打ちを行い

『堕天使化』を解除した後。再び『堕天使の力』を使って 勇者と対峙すると

『堕天使』の状態で『魔王の力』を使えば、この状態が解けた時、勇者に勝つ事が出来るんじゃないか?と思いついたので、私と勇者は向かい合い。私達の周りには『魔王の力』の障壁を展開させてから。勇者と私の戦いで『堕天使の力』が切れてしまい。私は『大魔王』の力を使うが、それでも勝てず。大魔王の力すら使いこなす勇者の力量には 本当に驚かされた。その後

『勇者の力』で 勇者は 魔王を封印してしまった。その事に私は驚きを隠せなかったのだが 勇者から「僕はね 君の事を殺したいって思ってないんだ」と言われて、その事で私が動揺し、隙を見せると。私は地面に倒れ込むが その私を抱きかかえてくれた人がいた。私は その人を「ユウちゃん 助けてくれてありがとう」と言うと 彼は「お前が困っていたからな。それだけだ」と言っていたのであった。その言葉を聞いて 私は嬉しくなり。思わず泣いてしまうのだが 私を救ってくれたのは 私と大魔王が作り出した存在『ユウ』だったのであった。

私にリリカの記憶の中で、私と勇者が戦った時のことを振り返らせてくれと頼んできたユウ様が「俺とリリシアで魔王と戦うために」と言い出すと、リリカちゃんが「ユウ様に危険な事はさせたくないよ。だからリリが魔王を倒すよ」と言ってくれたのだが ユウは「リリが危なくなったら俺が助けるから」と私達に言い。そしてリリカが「うん わかった」と答えて。私は、ユウの事を信頼しているため、彼に任せる事にしたのである。私達が、魔王城へと向かうと。魔王が姿を現したが。私は『大魔王 ルシファー』の身体を使っているため 私がルシファーの姿で魔王に話しかけると「リリス殿 貴女の事を信じますよ。貴女が『勇者召喚』で呼び出してきた者達は『魔王』の力を持っているのですよね?」と言う質問をしてきたため。私は何も言わずに『勇者の力を解放したアカリ』を見てもらう事にした。

◆勇者であるユウの心の世界での出来事である◆ 僕の中にいる、もう1人の僕と話すと、やはり。もう一人の僕は、この世界に来るまでの記憶を失っていたようだ。その記憶を取り戻すのを手伝うために、僕が色々と話を聞くことにすると、リリカの記憶の中に入った僕は 彼女と出会った場所まで行く事になるのだが、その途中に魔物が現れたため 戦闘に入ることになった。僕は自分の中の『勇者の力が覚醒』して『剣聖』になっていた事もあり 僕自身の動きが格段に速くなっていたため。あっさりと倒す事が出来たのだった。そうして リリカの記憶を頼りにしながら 移動を続けると。そこにはリリカと出会う前まで過ごしていた村があって 僕達が暮らす家も健在しており そこでリリカと一緒に生活を始めることになるので 僕達の新しい日々が始まったのだと思えたのである。それからしばらく時間が経過する間。僕は、リリカの事を気にかけていたが。彼女は、ずっと笑顔を浮かべたままだったので 僕は彼女の傍に寄り添うように行動していった。そんな生活を続けて数ヶ月が経過してから 僕の中にいる『勇者』の力は僕の意思とは無関係に暴れ始めるようになる。それはまるで 自分の意思ではないのに自分の意識がなくなるかのような 不思議な感覚に陥ってしまった。

しかし、それを察知したリリカが ユウの心の中の中に入っていき。そのユウの心の中に入ると。そこは真っ暗な闇の空間が広がっており。リリカが警戒をしながら進んでいくと、一人の男と遭遇をしたのだけれど。その男の容姿を見て驚いた様子を見せて「なんで、貴方がここにいるんですか?まさかとは思いますが。私の力を奪ったのですか?」と言うのだが。ユウの人格の方も「あれっ?貴方と会うのは初めてですよね?」と返すだけで「ふざけないでください」と声をあげるとユウの心の中から飛び出そうとしていたのだが。

「おやおや 久しぶりだねリリカ」と言ってリリカの方に向かって手をかざすと同時にリリカの動きを拘束すると「お会いできて嬉しいですよ。『リリス』」と言った瞬間 彼女は苦しみだし。リリカの姿が崩れていき リリカの姿をしていた彼女は『魔王 リリス』として復活を果たすのであった。その事にユウが戸惑っていると「私の本当の名前は『魔王 リリス』です」と言った後。『魔王』は 僕に攻撃を仕掛けてくる。僕は咄嵯の判断で リリスの攻撃を受け流そうとするが。リリスの攻撃の方が強く 僕の『勇者の力が覚醒』していて『勇者』になっているというにも関わらず、僕は吹き飛ばされてしまうと。「そんなものなのかな 勇者は」と言ってから。魔王が手を伸ばすと、リリカに変化した。その事から 僕は「お前は いったい何者なんだ?」と魔王に言うと「私はこの世界を破滅に導くために現れたんですよ。ユウさんのおかげで『勇者の力』を手に入れる事が出来たんで」と魔王が言ってから魔法を発動させようとしたのだが

「私の大事な人達に手を出すつもりなら 絶対に許さないから」と聞こえた直後。魔王は地面に膝を着くことになり。苦しむ様子を見せると。そこに現れた少女。それが誰であるかを理解した時。僕は驚きを隠すことができなかったのだ。なぜなら 目の前に現れたのはかつて僕の妻になった人であり。この世界で『勇者 ユウ』の仲間となり『堕天使リリカ』と呼ばれる存在。僕の妻の一人で。今は、僕の『勇者の力』によって『堕天使』の力を宿している『大魔王 ルシファー』として、この世界に君臨していた。

しかし

『大魔王』の力を手に入れた『大魔王リリス』の力は あまりにも桁違いの強さだったため 魔王の力と僕の『勇者の力』を融合させた技を使ってどうにかこうにかしなきゃ勝てないほど 強力なものだったのだが。そんな『大魔王リリス』と対等に戦うことができるようになった 勇者の姿を見て驚いていたのだが。勇者は「俺は 大魔王を殺さなければいけないんだよ。『魔王の力』なんて

『魔王の魔力』を封じるための手段にすぎないからな」と言うのだった。僕は勇者が

『魔王の魔力』を封じ込めるために リリカを利用している事に気がついて「おい 勇者。お前の目的は『大魔王』の力を手に入れて この世界の人間を滅ぼすことか?」と問いただしたのだけれど。勇者は何も答えようとせずに『勇者の刀』を構えているだけだった。そのため 僕は「お前の目的が分からないのであれば お前を止める必要があるんだな」と言うと『堕天使』の力を使う前に 魔王は「無駄だと思いますよ。だって、私は『魔王の力』を完全にコントロールしていますから」と言うと。僕に襲い掛かってくるのだが。魔王が発動した魔法が『光輪』だったため。この程度の攻撃ならば『勇者の加護』を使う必要が無いなと思い。『勇者の加護』を使わずに攻撃を相殺する事に成功する。そのことに魔王は驚きを隠せずにいたのだが それでも魔王は僕を攻撃するのをやめなかった。その結果『勇者の刀』を使って魔王の『堕天使の力を使った状態』と互角に戦える事を確認する事ができたのである。

そして僕は『勇者の刀』を使って魔王と一騎打ちをする事になったわけだが。魔王の放つ斬撃に対して僕は 相手の攻撃をいなしつつ 反撃を繰り返すと。魔王が『闇弾の連射攻撃』を行うが 僕はそれを避けて接近して

『勇者の刃』で斬りかかる。

「その程度では 私を倒せないですよ」と 魔王が余裕そうに言ったのだが その直後 魔王に隙が生まれる。その隙を狙って 僕は魔王を『光輪』の牢獄に閉じ込めた。その隙を狙った

『勇者の剣』での攻撃を受けて 魔王は「どうして私が負けるんですか?」と言うが。その理由を 僕は答える。その答えを聞いた『勇者』であるはずのリリカは「そ そんな理由で」と言うと

「お前がリリカの事をどれだけ知っているのか知らんが。俺は お前よりも もっと長く生きているんだ。だから それだけだ」と

『勇者の剣』で 魔王を切り刻んで消滅させると。その光景を見て僕は「これでいいのかな」と思ってしまう。

『魔王を倒した勇者』となった 勇者と『魔王の魔力』が宿る存在。そして『大魔族』の少女は、魔王が居なくなっても争いが続いていた。

しかし それは当然の報いだと言える。そもそもの発端を作ったのは、『魔王の力』を手にする為の実験を行った『魔王』本人だったからだ。『大魔王』と呼ばれている人物こそが『元凶の根源』なのだが その人物は「『魔王』の力があれば。世界を救えると思ったんだけどなぁ 結局のところ 世界を救う事ができなかったみたいだよ。本当にごめんね」と言う。

その言葉を聞いて『勇者』は、「お前 何を考えているんだよ。世界を救ったのは 俺じゃないぞ。俺は『勇者』なんかじゃない」と言って怒りだすが。僕はその事を察してしまった。その事と言うのが、この世界に来た時点で既に『大魔王』は、自分が召喚した『本物の勇者様御一行』の中にいるリリカを利用して 自分の力を取り戻していて

『魔王の加護』が無くなった事で『勇者の加護』を得る事に成功しており。さらに、僕達と一緒に『魔王軍』の残党を討伐しながら

『大魔王』の足取りを探していたという事になる。それから僕は『大魔王』との戦いをすることになるが それは想像以上の強さだった。そのため僕は苦戦を強いられたが 最終的には『魔王の魂』の力を借りることに成功をしたので『魔王の力』を持つ相手と対等の実力を発揮できるようになった。

しかし、僕は『大魔王』に勝つ事ができず。何度も敗北を喫してしまったのだ。しかし 僕は

『魔王の力』を手に入れる為に『勇者』になる必要があったので『勇者の加護』に 僕の『勇者の力』を流し込む事に成功する。

その事に気づいた『大魔王』は すぐに僕に戦いを挑むが僕は そんな彼女に言う「どうやら、僕の方が強くなったようですね」と言ってから『大魔王』に攻撃を仕掛けたのだけれど。『大魔王』が使った攻撃によって僕は吹き飛ばされたのだが。『大魔王の剣』が折れてしまって。それを修復するために『創造魔法』を使いながら『大魔王』に攻撃を仕掛けると

「そんなことをしても 意味が無いですよ」と言われたが 僕は気にせずに『大魔王』と戦い続けて 彼女の持つ『勇者の力』の核を破壊しようとするが それが上手くいかなかったので 僕は『聖衣』を発動させてから、再び彼女と対峙するが。その時に『大魔王の魔法力』を吸収した状態で戦うことになると。今度は『勇者の剣』の方に変化が訪れるのであった。

「ユウさん。私の力は まだ完全ではないので。もう少し待っていてくださいね」と言われてから僕は彼女と戦ったのだけれど 僕には彼女が言う通り『大魔王の力』がまだ馴染んでいないせいなのか その力を十分発揮できていない感じがあったのだ。そのため僕は、この世界で手に入れた力で 彼女を倒す方法を見つける必要があると感じたのであった。

しかし、その考えとは裏腹に『大魔王』は 圧倒的な強さを持っていたのだ。その事から この世界にある『聖衣』の装備は僕自身が扱える限界まで強くする事にしたのだが そのことで 僕の身体に大きな負担をかけてしまい。しばらく寝込んだままになってしまった。そして『勇者の加護』の力に頼らないで戦う方法を模索することにした僕は『勇者の力が覚醒』する前に リリカとリリスの二人がかりでも苦戦をしていた『大魔王』を相手にして勝てる方法を必死に模索していたのだった。

その戦いで僕は、自分の能力が向上した理由を知ることになり。この世界に転生して得た能力は この世界の人々の思いの強さに影響されるということが理解できた。そのため僕は『勇者』の力を持つリッカさんから託された思いを形にするため リリカの『天使の羽』を借りて僕は 天使のような姿になり。『勇者の力と天使の力を組み合わせた技を使えば、どうにかなるかもしれない』と考えるようになる。そのため 僕の使える技の中から『大天使ミカエルの技 光翼乱舞』を使用するのだが。『大魔王』の攻撃によって。『天使の力を使った攻撃を防ぐ術を持っているのではないか?』と考え始めた頃。リリカが僕に向かって何かを言おうとしたとき。突然 目の前に現れたのはリリカと『大魔王』の戦いだったが。リリカが劣勢を強いられている様子を見て 助けに入ろうとしたときに リリカが僕に言う。「私を信じて!」と言うリリカに対して 僕は何も答えることができなかったのだが。そのタイミングを見計らったかのようにリリスはリリカに襲い掛かると。リリカは『堕天使の力』を解放するとリリスを『堕天使の槍』で串刺しにしてから『大魔導師の極意(中)』を使用して魔法陣を出現させると。そこに閉じ込める事に成功した。その結果 僕は『堕天使』の力を開放してからリリカの背中から現れた白い大きな羽を見ながら。僕は『大魔道師 大天使』の能力を手に入れていたことに気づくと。それと同時に僕の『堕天』の『聖騎士の鎧』と『勇者の力』を融合させた攻撃を放つための準備に入る。

『堕天使』の力で『堕天の盾』を作り出した後に『勇者の聖衣』を纏うと『堕天使の盾』『堕天使の聖剣』『堕天使の剣』、『天使の弓』と『堕天使の大鎌』と 様々な武装を作り出す。それらの武器は僕のイメージ次第で姿を変えることが可能だったため。この世界の人々の願いと僕がイメージする強い思いを込めていく。そうしている間にリリカの魔力が尽きかけた時 僕は「俺も戦っていいよな?」と聞くと。リリカは嬉しそうに微笑みながら

「もちろんだよ」と言ってくれたので 僕は この世界で得た新たなる力

『勇者の加護と魔王の力を使った融合状態』に 変化するとリリスに襲い掛かり勝負を決めるために僕は攻撃を仕掛けたのだが その結果 僕の攻撃が決まる直前になって なぜか『大魔王の加護』に異変が起きると その変化が起きた事で『大魔王』は苦しみだし。リリカがリリスの動きを封じ込めたことで決着はついたのだ。












その光景を見て僕は思う。おそらく リリカとリリスの間に出来た友情に反応する形で『大魔王』の力が変化したのは確かだが。それだけが原因では無いと思う。僕は 自分の手を見ると 少しではあるが『魔王の力』を制御できるようになっていた。これは、僕が手にした新しい力の影響だと思う。それはそうと 僕の意識は途絶えてしまうが。目を覚ました後。僕は『大魔王の剣』を手にしていたのだ。しかも、この『大魔王の剣』は この世界に来る前から使っていた『勇者の剣』と見た目が似ている気がしたが。それは、気のせいではなかったらしく この剣を手にした瞬間。『大魔王』と僕との間で会話ができるようになるのだが。その際に『勇者の加護を得たのですね。私は『リリス』と言います。この世界をお願いしますね』と話しかけてきたので。

『ああ、分かった』と言うと。『大魔王の剣』が

『よろしく』と言ってから姿を消した。僕は、それから『勇者の剣』を使ってみた。それは不思議な感覚だったのだ。今までは 僕自身に備わっていた『大魔王の加護』のせいか『勇者の力』を使うのには抵抗があったが。『勇者の剣』の方に『大魔王の加護』がある事で『勇者の加護』を使いこなすことができたのだと実感をしたのだ。

それだけではなく『勇者の剣』自体も、僕の持っている『勇者の力』の影響で強くなったのだと感じ取っていた。その後、リリスの事はアコに任せるとしよう。そして、僕はリリカと二人っきりになった時に リリスの事について話すことにした。彼女は元々、僕の『大魔王の剣』(今となっては

『大魔王の加護』と言う方が正解かもだけどね)の中に居た存在なのだ。そして、この世界に『勇者』として呼ばれた時に、僕は彼女の力の一部を借りていたので『大魔王の加護』を身に着けて召喚されてしまったが。本来は『リリスの加護』を宿していたはずだったのだが。召喚される前に僕達の前に『大魔王』が姿を現してリリカを拉致してしまう。そのため、本来なら召喚する時に『勇者の加護』と共に『リリスの加護』を身に宿すことになっていたのだろうけど。

僕が召喚された時点で『リリスの加護』を宿していた事によって 本来の目的を果たす事が出来なくなった『大魔王』がリリカを狙って動き出すのだった。そこで『大魔王』は自分の加護を与えた人間に憑依をして 自分の意思を伝えられるようにするのだが。この世界に来た時点で リリスは既に『大魔王の加護』を受けていた。そのため 僕は 彼女を救う為に、この世界を救う事を誓う事になるのだが。それがきっかけで 僕は『大魔王』と一体化してしまい 僕の肉体は完全に『大魔王』の支配下になってしまったのだ。そして、僕と『大魔王』の『勇者の加護』が融合した事により。僕の中の『勇者の力と大魔王の加護が融合した攻撃方法を習得した。それが『聖天使の力』である。その力を使う為には まず『大魔王の加護』と 勇者の力が必要になる。つまり 僕がこの世界に呼ばれてから、この世界に『勇者』が誕生するまでの間に得た全ての力が 必要になる。しかし、僕の中で眠っている

『勇者の力』の使い方を知っている者は すでに死んでいる。しかし リリカの中には、リリスが存在している。だから 僕は リリカに頼み込んでから『勇者の力』を貸して欲しいと頼む事にすると

「私の中にある『勇者の力』は もう貴方だけの物なのですよ」と言ってきたので。

「それでも良い。お前とリリスとの約束を守る為なんだ。だから 協力してくれないか」と言った。するとリリカは 涙を流して僕の胸に顔を埋めて泣き始めたのだ。その様子は、リリカに憑りついているリリスが僕の前世での出来事に対して泣いているのだろうと 僕は理解できたのであった。しかし 僕の胸の中では「ありがとうございます。私の命を救ってくれて この世界を『魔王』の手から守ろうと言ってくれて 私は、この人の役にたちたい」と言ってくれたのだ。それを聞いていた僕は

「これからも一緒に頑張ってくれ」と伝えると。リリカは僕の腕に抱かれていた状態から起き上がり。僕の首に抱きつくと唇を重ねて キスをするのであった。その行動に驚くのだが 僕は『勇者の加護』を身に着けているためなのか。特に問題はないような感じだったので。リリカが満足するまで、このままの状態でいようと思ったが。そんな時に、アベルさんがやって来て この場面を見られた僕は焦ってしまうのであったが。どうやらリリカもリリスと同様に、自分の気持ちを伝えるだけで良かったらしく アリンさんにも『勇者の加護』を授けたのであった。

ちなみにアリンは、アリンでアコとは恋仲の状態だったのだが。僕とアコとの関係を見ていて お互いに思いを寄せ合い始めたようで。僕は

『二人の邪魔をしたら悪いから』という理由で。二人きりの時間を増やすことにしたのだ。ただ、僕はこの世界では独身扱いらしい。この世界は一夫多妻制のようだ。そのためか 僕とアコの関係は認められているが。リリカは、リリスが僕の中に居る影響なのか。一夫一妻の世界から来たはずなのに、僕と一緒になることを望むようになっていた。

まぁ 僕とリリカとの間に子供ができれば『勇者』が誕生して リリスとも話ができるかもしれないと期待をしていたりする。僕はリリスと話がしたいから リリスには『大魔王の剣』に封印されていて欲しいので 彼女にリリカが『大魔王の剣』に触れる事で『勇者の剣』に姿を変えるようにイメージを与える。リリカが『大魔王の剣』に触れようとした時、突然『大魔王の剣』は『勇者の聖衣』に変化する。それを確認した僕は。『大魔王の剣』と

『勇者の聖衣』の融合状態を発動させてから『勇者の剣』と融合させ。新たなる力を解放させた。そして 僕達は『堕天使』に攻撃を仕掛ける事にした。僕は

『勇者の剣』で『魔王の大鎌』を受け止めて攻撃を行うと。リリスが『魔王の力』を解放して『魔王の力』を操れるようになったのか?僕の攻撃を防いだのだ。だが、『魔王の剣』を防げるのは そこまでであり。『勇者の剣』による斬撃を受けて吹き飛ぶと地面に激突する。僕はリリスにとどめを刺そうとするが 僕の背後に迫ってきた『堕天使』をアリンが撃退してくれている。そして リリスの方も リリスが僕と一体化している事で『勇者の剣』を使う事が出来るようになったため

『勇者の力』を解放すると『大魔王の剣』と融合させるのに成功する。これにより。僕の中のリリスが目覚めるが。僕は アコに『勇者の力』を使ってもらう事を提案してみると。

アコは僕の方を見つめてから。アコの手に持っていた『勇者の剣』がアコと同化する形で消える。それから アナは『聖天の女神』と融合した状態なので『聖天使の力』を使えたのを思い出したのだ。そして、この世界の人々にリリスの力を使った攻撃方法が伝わっていく。その結果として、世界には 今まで以上に平穏が訪れたのだ。その後、僕はリリスから この世界で起きている現状を聞いて

『大魔人族』と言う存在と戦うことになるのだが。その際に、この世界の人々を鍛える必要があると言う話をされた。それから僕達の元に現れた『堕天使』だが。どう言う理由なのかは、分からないが。僕達の前に姿を現したのだ。しかし、その時は。まだ力が不足していたために、戦うまでには至らなかったのだが。この世界を混乱に貶めた張本人である大魔王を倒すことで。僕達が本来存在するべき場所に帰ることができるようになるとの事だったが。

大魔王を倒した後に 大魔王が現れるなどと言う現象が起きるのだが。その時に発生するエネルギーによって異世界に飛ばされることになる事だけは教えてくれたのだった。

大魔王が現れた時に 大魔王と一体化してしまう前の僕は大魔王の意識に支配されてしまう前に。この世界に呼び出されてから この世界に馴染むために この世界の人々の生活を見て来た中で ある女性と恋に落ちるのだが。それが『女神様』だ。彼女は『魔王』の討伐に向かう時に。僕のことを気にかけてくれるのだが。僕は彼女と結ばれなかった。何故なら、彼女の恋人になっていた男性が僕の幼馴染である『魔王』だったからだ。そして、僕の中に居るもう一人の僕も。彼女のことが好きになり始めてしまった。でも僕は。彼女のことが好きな気持ちを心の中にしまっておくことにすると決めていたのだ。しかし、彼女の事を好きになった瞬間に 心の中の感情が流れ出してきて。僕の中に存在するもう一人の僕が『魔王』に成り代わった事を実感した時には遅かった。僕は彼女を救うことが出来ずに殺してしまった。だから僕は彼女が死ぬ間際に願っていた事を叶えてあげる事しかできなかった。そして彼女を蘇生することが出来た時に『勇者』の加護と大魔王の加護の『合体技』を試してみた。

結果。大魔王の力を使いこなす事ができるようになる。だけど同時に『勇者の力』を使いこなせなくなるのだが。僕は『大魔王の力を使う為に必要な事だから仕方がない』と思うのだった。ちなみに この世界にいる人達は、大魔王が復活すると また、この世界に混沌が訪れると言う噂を聞きつけてきた人々によって結成された組織によって保護される事となる。それを聞いた僕は、大魔王を倒しても。大魔王は復活しないと言う説明をしたのだが、信じてもらえず。

僕は『大魔王』と融合した状態で。この世界を救うために行動する事を決意するのであった。それだけではなく 僕は『勇者の力と、大魔王の力が融合した』『勇者の力』を使えるようになってから『勇者の力』の扱い方を練習したり 大魔王を蘇らせないようにする為に。『魔王の力』の使い方の練習をしたりしていた。その甲斐あってか 僕の中にある『大魔王の力』をある程度 制御できるようになった。そして 大魔王との戦いに備えて。この世界の住人を 強くする為に動き出すのであった。そうしてから 僕は この世界に召喚されてから一か月ぐらいが経過した時に この世界に異変が起こる事を察知して、この世界を混乱に陥れた人物を追い詰めて殺すことに成功する。それだけでなく 僕の中で もう一人の僕の存在も感じ取ることができた。そこで、僕は『大魔王の力を使う事で 自分自身を消滅させることが可能』という事が分かったので、この世界に僕が居ても邪魔になるだけだと思い。リリカとの子供を妊娠している最中だったので、リリカにお願いをすることにしたのだ。そして僕は

『勇者の聖衣』と『大魔王の剣』と融合して、僕の中の『大魔王の力』をすべて使い切る事にした。しかし その行動を止めるものが現れて 僕は強制的に止められてしまうのであった。それは僕が愛おしく思っている存在であるリリカが僕の体の中に存在していた。リリカとリリスと僕は、この世界に転生した時に三人一緒に生まれたのだと知った僕は。二人に対して、感謝を伝えるのであった。そして僕達は 僕の中に居るはずの大魔王を倒すことにした。僕が僕を消滅させるために『魔王の力』を解放すると。僕の身体の中から大魔王が出現をするのだが。その姿を見て 僕の中にあったリリスが出てきてしまう。僕に抱き着いてキスをする。リリスは

「私は貴方のことを愛してるからね」と言ってくれたのであった。リリスが消えてから

『勇者の聖衣』は、リリカとアコと融合して、アコの手元に移動すると。僕は『魔王の剣』を使って『堕天使』の攻撃を防ぐが。僕自身もダメージを受けて地面に倒れ込むのであった。僕は この一撃で勝負をつけるつもりであったが

『勇者の力』を使って リリカは 僕の中の大魔王と融合した状態の僕を攻撃する事で倒すことに成功する。僕は リリスが僕の中に残してくれた『勇者の剣』でリリカを庇って攻撃を受ける事にするのだった。すると、リリスが僕の体を操り始めた。リリスとリリカが融合した姿である

『勇者』が誕生したことによって。僕は消滅する運命を辿ることになった。そして 僕に攻撃が命中したと同時に 僕は 大魔王の核に『勇者の剣』を突き刺す事に成功した。僕は大魔王の力を手に入れた事を確認すると。僕は、大魔王の力を使って、大魔王が消滅した時に発生させるエネルギーを利用して 僕は 元の世界に戻る準備を始めるのだった。それからしばらくして、リリスと再会を果たした時に。僕は リリスから。「リリカが妊娠した」と言われると 僕は喜びに包まれると、リリカのお腹に触れてから「頑張ったね」と伝えて。二人で微笑み合うのだった。

僕がリリカと再開を果たす事で。大魔王の力は、リリカに受け継がれることになったのだが。僕とリリカは子供の名前を考え始めるのだった。それからしばらくした後 僕は元の世界の自宅に戻れるように魔法を使うと 僕の視界に映る景色が変わる。自宅に戻って来た僕は リリカと再会した事を報告しようと思いながら家に入っていくと 僕の母親が出迎えてくれたのだ。それから 父親にも僕のことを紹介すると 僕は この世界で起こった出来事を話すと この世界で起きた事件も教えてもらった。僕はその話を聞き終えた後 僕を異世界に連れて行った犯人である女神様に文句を言う事にして『女神様』を呼び出すのだが。

僕は自分の力だけで 女神様と会うことに成功したのだ。僕は僕を異世界に送り込んだことを謝ってくるのだが。それに対して、俺はこう言うのだった。

異世界では色々な事が起きましたけど。楽しかったですよ?それに。俺が経験したことが無いような事ばかりで面白かったですし。リリカとも出会えたので。まあ良かったかなとは思っていますよ?それから僕は女神様にある質問をしてみた。この世界には、『女神様の力を受け継ぐ者が現れる時があるのか?』

僕は、この質問に答えてくれないかと思っていたが。意外と簡単に回答してくれるようだ。それから 女神様が言ったのだが

『この世界を創造する時に リリスちゃんは、私の力を宿らせる為に、私自身に、この世界に来ることを承諾させて来たから。私が、この世界の人々に 祝福を与えたり。試練を与えることができるのよ』と言う。それだけではなく 僕達と旅を共にした仲間たちが、この世界での出来事を忘れてしまうという事を知った僕は リリスは、どうなるのだろうと思った。すると、女神様が言う。この世界の人間と恋仲になったのなら、元いた世界で、記憶を失う事はなくなるが、もし この世界で恋人と結ばれる事がなければ。この世界での体験を無かった事にするしかないと教えてくれたのだ。

だから リリカの事が気になって仕方がなかった僕は、その気持ちを察してくれたかのように、リリカと、この世界に召喚されてからの思い出を振り返ったりしながら、この世界を冒険していく。その途中 僕は アリシアと再会する事になるのだが。

彼女は この世界を混沌に陥れた首謀者の罠に落ちそうになっていたのだが それを救ってくれたのは『勇者の力』を持っている『ユウマ君』だったと言う事実を知って 嬉しそうにしているのを見た僕は『勇者』として生きる覚悟を決めることになるのだが。この世界を救った後は『勇者』と言う役目を放棄して 大魔王を倒した『大魔王』に転生する事を選ぶのだが。それは『勇者』として生きた後に死ぬことを選択したからであるが それでも 彼女は幸せそうな表情を浮かべていた。そう言えば『魔王』と言う言葉だが『魔族の王』という意味以外に『魔王』という言葉は存在していて。それは大魔王と言う意味で使われているらしい。それを聞いた僕の心の中にあったもう一人の僕の存在が大きくなっていったのだけれども。僕の中にある大魔王の力を使いこなせるようになった後に、再び大魔王と戦う機会を得ることが出来た。そして 僕の中に居たもう一人の僕を倒すことに成功した。もう一人の僕を倒し終えると僕はリリスのことを心配したのだけれど。

僕の中には、もう一人の僕の魂も一緒に存在する事になったのだから。僕が『大魔王の力と、勇者の力』を使いこなせた時には この二つの力を合わせて新しい『勇者』が誕生する。そう思った瞬間に 僕は『大魔王の力』と、この世界で出会った大切な人達を守りたいと強く願った時に 僕の中にある大魔王の力は僕が『勇者』の証を持っていたとしても使えるようになって。僕は

『大魔王の力』を使って、もう一人の僕を倒す事にしたのである。

そして そのおかげで この世界に存在する勇者の力と、この世界の人々を守ってほしいと言われたのだが。僕にはまだ、守りたいものがある。僕がそう伝えると。それを聞いた女神様は。「貴方の心の中に住む大魔王は、この世界を混乱に陥れた。しかし、大魔王の力を使って この世界を救う事もできるはずだ」と伝えてきたのであった。それに加えて、僕が倒したのは『もう一人の自分』であって 本当の意味での『大魔王』ではないから この世界にいる『魔王』の力は封印されているから。その力は、本来の『大魔王の力』と『勇者の力』を融合させることで、この世界を混沌に陥れた『大魔王の力』と同等の能力を発揮する事が出来る。それだけではなく 大魔王の力を使えば、世界を守ることもできるだろうと教えてくれたのであった。そう言われると、その力を使ってみたいと思った僕は。リリスと僕の娘にこの世界を救ってほしいと言って リリスと僕の娘の身体の中に大魔王を封印する事にしたのであった。

そして 僕は もう一人の僕を倒せなくて『大魔王の力』を手に入れてしまったのだが 僕は大魔王を封印して、新たな『勇者』の誕生に期待を込めるのであった。

僕は、大魔王の力を手にして

『大魔王の力』と『勇者の力』が融合した。『勇者の力』を手にした時に『賢者様の力』と融合させることができたのだが リリスとの子供を身籠っている状態で リリスに負担をかけるわけにはいかないと思い 僕とリリカが融合していた時の『勇者』に『勇者の力』を融合させて リリカとリリスが二人して僕の中に存在する『大魔王の力』と、もう一人の『僕自身』が作り出した。『勇者の力』の両方を使う事ができる状態になると僕は言うのであった。するとリリカが、「そんなことができるの?」と言ってきたので。僕が出来ると思うよ?と返事をしたのだが。その時にリリカのお腹に僕の子供の気配を感じた。僕は リリカに「リリカ。赤ちゃんがいるんだよね」と尋ねると リリカは、微笑みながら「そうだよ。ユウちゃんの子供を授かる事ができたのが凄く嬉しいんだよ。私もお手伝いしたいと思っているんだよ。でも、出産したらしばらくは休ませて貰うね。ユウマも無理をしないで欲しいな。それから。私は 勇者の力を宿しているから。ユウマが もしも私の中に大魔王を封じた時に 大魔王の力が暴走しないように抑えているの。それと 私の力を使っている間は。私が勇者の力を使うことはできないから ユウマが一人で 大魔王と戦って 勝てる保証はないから 十分に気をつけて戦って欲しいな。それから、私は勇者としての力は使えないけど 大魔王の力に関しては使うことができるから。この力で何か異変を感じ取ったら 必ず知らせてね?それから、もし 勇者が 自分の意志とは関係なしに この世界の人々を危険にさらそうとする行動を起こそうとしていたら。絶対に 許さないでほしい」と言ったのだ。

リリカの言葉を聞いた僕は、自分の中の大魔王に問いかけるように心の中で念じたのだが。リリカの言うとおり、大魔王の力を使うには リリカの許可が必要だったが 許可を出すには時間がかかるようで リリカに危害を加えようとすれば 僕の意思とは関係なく勝手に発動するようだ。僕は『大魔王の力』を手に入れた後なので、その使い方を完全にマスターすることができたので。まず最初に この世界で暴れ回っていた盗賊団や山賊達に対して使うことにしようと思って行動を開始した。僕は『賢者の力』の結界を張ってある場所に行くと リリカの『賢者』の力を使って 僕が作った結界の強度を調べると。僕は この世界の人々を守れるような強さの結界を張る事に成功した。それから僕は盗賊達や山賊達を見つけ出すために動き始めた。

この世界で起きている異変を解決しようと動き出している僕は 盗賊達が根城に使っていたと思われる建物を見つけると、その場所に向かうことにした。その道中の出来事だが、山奥にある洞窟が気になった僕は そこに入ってみると 中に入った途端 目の前に現れた女性を見たのだが。女性は、『ここは、私が住んでいる家だから、誰も入らないでほしいのですけど』と言い出して、この場所から出て行くようにと警告してきた。だが 僕は引き下がらなかったので。女性の話を遮るようにして、『ここにある宝箱の中身だけ回収させて下さい。それだけで十分ですから』と言うと 彼女は、『わかったわ』と言って 宝箱の鍵穴に鍵を差し込むと

『はい 開けるよ』と言ってくれたので 早速 宝箱を開ける事にしたのだ。すると 宝箱の中には『女神様の剣』という剣が入っていおり、その他にも『女神の石』というアイテムが有ったが この二つは、僕の中にいるリリスから託された

『勇者の力』の封印を解いてしまう物だったのだ。僕は この武器を手に入れる事が出来れば、この世界に平和を取り戻す事ができると確信していたのである。そして 僕は 女神様の加護を受ける為に必要な物を 全て集める事ができたのだった。僕は この世界で『勇者』と呼ばれる存在になりつつあるのだと自覚しながら 女神様の剣を封印を解放させると。女神様の力を受け取らずに封印されていた勇者として覚醒し始めていた僕を見て 女性が驚いた様子をしていたのだが その前に 僕の中に居るもう一人の僕との戦いが始まってしまうのであった。

もう一人の僕は 僕と融合した事で力を増していて。僕の事を圧倒してきて、僕の中にあったもう一つの人格が目覚めようとしている状況に僕は焦り始める。

そう思っていた時だ。僕の中に居たはずの『もう一人の僕自身』の姿が突然消えたのだ。それと同時に、僕の身体に 膨大な魔力が流れ込んできた。そう思うと 僕の身体に変化が起き始めて『大魔王の力』、『賢者の力』、『女神の力』『神獣王の魂の一部』、『神獣王の力』、『精霊龍の王竜』等、全ての魂の力を吸収した状態になっていたのだが 僕は意識を保つ事に集中をして。どうにかして自分自身を保とうとした。しかし、完全に僕を消滅させる事はできないと思っていたもう一人の僕だが。予想以上に抵抗をしていると判断したらしく。一気に勝負を決めに来るようだ。だが、その判断は甘かったようで、僕の方が圧倒的に有利だと思い知らされる事になる。もう一人の僕自身が生み出した『闇の空間』に閉じ込められてしまったのである。そして この闇から脱出するためには この中に入っている光の魔石を破壊するか。別の方法を使って光を放すしか手段は無いので僕は。リリスから譲り受けていた指輪を使い魔法を唱えると 闇の中にいた僕は『大魔王の力と、賢者の力を融合した勇者の力』を発動して 僕の中に存在している『闇の力』を制御できるようにしていたのだった。

僕は、自分が作り出した『闇の世界』に囚われている間に、自分の肉体を乗っ取ろうとしてくるもう一人の僕の魂と 激しい戦闘を繰り広げることになった。

僕の中にある二つの力は互角で、どちらも相手の身体を乗っ取りたいという願望が有る。

そして、僕ともう一人の僕との戦いが始まったのだが。お互いに 相手を取り込もうと考えているのだが 僕が もう一人の僕の思考を読み取ることができていたので。それを利用した戦術を編み出していた。そして 僕が考えた方法で もう一人の僕を倒すことに成功し 僕達は この世界に存在するもう一人の僕を封じ込めることに成功したのであった。もう一人の僕は 自分から封印されることを受け入れた。それは『大魔王』が作り出した。『闇の世界』は、もう一人の僕の記憶や精神までも取り込んだ状態だったので この世界を混沌に陥れた原因でもあるからだ。それから 僕は リリカから授かった『大魔王の力』を制御できるようになって この世界を混沌に陥れた『大魔王の力』を完全に封印する事に成功した。これで リリカに負担をかけずに 勇者の力だけで世界を守る事ができると思った。それから、この『混沌の世界』で手に入れた物は、僕の持っている力の強化に繋がる。

『大魔王の力』の封印を解くのに使用した『賢者の石』の効力を封印されている状態で『賢者の力』を僕自身に融合させることができたのだが それに加えて

『大魔王の力』を制御できるようになると

『大魔王の力』の力の一部を封印して『勇者の力』に融合させることが可能になった。僕は リリスと娘を守るためにも。『賢者の力』の結界の外に、新たな防御壁を作り出す結界を作る事に決めた。それから、僕は この『賢者の力』の力で結界を作り出した。すると 僕の結界の内側に『聖樹の森』の樹木と植物を生やしたのだ。これは、僕の『賢者の力』に『勇者の力』を融合させた時に『大魔王の力』を制御するために必要な能力なのだ。僕の結界は、『勇者の力』と『大魔王の力』の力を兼ね備えているため

『聖なる大樹の守り』という能力を秘めている。僕は この『大魔王の力』の封印を解くために『混沌の力』の核となる。『魔王の力』と『大魔王の力』を融合させて 大魔王を封印する為に必要となる道具を集めるために動き出した。その最中の出来事なのだが。リリカが、お腹の子供を産んだのだが。僕は自分の子供を見ることなく リリカの体力の限界が来たので。僕はリリカの出産に立ち会うことができなかったので 僕の子供が無事に生まれてくるか不安に思っている。僕達の子供が産まれたら 必ず『大魔王の力』を使って封印を解除するんだ。僕はその日を楽しみにしている。それから リリカは、産んだばかりの我が子を抱くことなく。亡くなってしまったのである。リリカの死を悲しみながら 僕は自分の子供の出産が終わるまで待ったのである。それから僕は 僕自身の『勇者の力』を強化すると同時に。自分の中に封印している『大魔王の力』を制御できるようになりたいと考えた。その方法は、僕の中に存在する『勇者の力』の封印を開放して この力を解放することで『大魔王の力』を制御できるようにする為には。リリスから譲り受けた指輪に宿っていた魔力を解き放つ必要があると考えていた。その為に 僕は、勇者として旅に出ることを決めると この世界に異変が起きているので まず最初にリリカが暮らしていた家に訪れたのだが。そこで僕はリリスから『賢者の石』を受け取り

『大魔王の力』の封印を解くために『大魔王の力』が眠っている場所に足を運ぶことにした。その道中の事だ。僕は一人の少女と出会って その人物と行動をともにすることになるのだった。その人物は『神獣王』と呼ばれる存在らしいが。『神獣王』の少女と共に旅をするうちに『大魔王の力』と『賢者の力』と『勇者の力』を融合した。勇者の力を使いこなすことができるようになったのだ。僕は『勇者の力』を上手く使いこなして リリカの息子の出産の時まで、もう一人の僕を封印し続けようと心に決めていたのである。

僕は

『女神の石』を封印するために 女神に話しかけようとしたのだが。その時、突然の出来事が発生した。僕の中で、もう一人の僕が生まれたのである。その瞬間。僕はもう一人の僕に意識を奪われそうになるが どうにか意識を保ち続けた。だが、そんな僕の状態を察知してくれたのか。もう一人の僕の中にいる『闇の力』を

『光の結界』が包み込むようにして。もう一人の僕の力を封じ込めたのであった。僕は『光の勇者』の力を手に入れることが出来たのだ。もう一人の僕から解放された僕は『勇者の力』を使う事ができる。もう一人の僕は『光の勇者の力』を手に入れた僕と対峙することになり、激しい戦いが始まるのであった。僕は

『大魔王の力』を解放して もう一人の僕を『封印』しようと考えていたのだが。その前にもう一人の僕は『賢者の力』の『光の力』を吸収することに成功していたのである。

僕は『勇者の力』を発動させて『賢者の力』と融合した僕の力は 凄まじいものだった。しかし その力は『勇者の力』の力の根源になっている『勇者の力』の封印を解く鍵である『勇者の力』の結晶である『大魔王の力』を 僕は完全には制御することができなかった。僕は、もう一人の僕から『賢者の力』を取り戻そうと試みるのだが もう一人の僕は『賢者の力』を封印しただけではなく。その力で『闇の力』を強化してしまっていたのだ。僕はどうにかして もう一人の僕の身体に封印されている あの女神様の剣を手に入れる方法を考えていた。すると その方法を思いついた僕は実行したのだが もう一人の僕は、僕の作戦を予測していたかのように、僕の目の前に現れたのであった。そして 僕はもう一人の僕との激しい戦闘を行うことになる。僕の方も、かなり消耗していたこともあり このままでは 負けてしまうと感じたのだ。それで もう一人の僕の中に封印されている あの女神の武器を奪おうと考え始めていた。僕の攻撃を防ぐことに精一杯なもう一人の僕だったが 僕の攻撃を避けることができずにいたので。もう一人の僕は、女神が封印された。『女神の盾』を召喚する事に成功していたので 女神の力を得た『賢者の力』と『勇者の力』を融合した

『勇者の力』と『大魔王の力』を融合した僕に、どうにか対抗することができたのだ。しかし、僕の方は、女神の力を扱うことができないままで。どうにかして もう一人の僕から女神の力が封印された。『女神の楯』を手に入れなければ もう一人の僕を『封印』することができないと思っていたが 僕は『大魔王の力』の制御ができるようになっていたのだ。

そうすると、僕は もう一人の僕に対して『光の封印術』を使って もう一人の僕から、女神の武器である『聖弓の女神の楯』と『大魔王の力』を封印する事に成功したのである。これで僕は 完全に制御する事が可能になり、リリカの子を産むまでもう一人の僕を封印し続ける事ができた。そして もう一人の僕が 僕に取り憑いてから約一ヶ月が経つと 僕は この国の王妃様に呼ばれていたのである。それから僕は『光の封印の剣』を貰う事になるのだが。それを使い この世界に存在するもう一人の僕を封印することになった。僕は自分の命と引き換えに もう一人の僕の身体に『勇者の力』、『大魔王の力』、『賢者の力』を融合させた。それから僕は、この国の女王陛下に呼び出されることになる。僕はこの世界で生きるために女王陛下から『賢者の塔』と『聖なる大樹』の場所を教えてもらい そこを拠点として 僕なりにこの世界を守る手段を考えることにする。僕は、これからの旅の目的に『賢者の塔』『聖なる大樹』を探し出し。この世界に存在する もう一人の僕を封印して回る事にしたのであった。この二つの場所でもう一人の僕の力を制御できるようになるまでは。『闇の結界』を作り出して封印することに専念する。

僕達が居るのは、アテトリア王国の城で。そこに現れたのは この世界の人間じゃないって感じの人物が居たので警戒をしていた。リリカから貰ったペンダントのおかげで、この世界に来るときに着てきた服を身につける事が出来ているし。リリカの作った魔道具の効果で、この世界の人達は僕達のことを普通の人と変わりがないような反応しかする事ができなくなっているみたいで。だから、その人は僕の方をジロジロと眺めているんだけど 僕は『何だろう?』と思いながら。

「こんにちは。この城の人ですか?」と言う。すると その人が、慌てふためき始める。それから、その人が僕達に助けを求めるような表情を見せるので、僕がどうして 僕たちの前に現れたのかを問い詰めようとするのだが 突然、空に大きな魔法陣が出現すると。そこから 巨大なゴーレムみたいなのが降り立ってくる。僕は咄嵯に 皆に逃げるように指示を出して。僕一人で、ゴーレムと戦い始めるのだが。ゴーレムの強さが、尋常ではないくらい強いという事に気がつく。それから僕は どうしたらいいのか分からなくなりながら とにかく必死に戦ったが。僕一人じゃ ゴーレムには勝てるはずもなく この世界に飛ばされてから初めてのピンチを迎えてしまったのである。

僕はこのゴーレムの事を知っていたので この世界に『大魔王の力』があることを知ったのだが。このゴーレムを倒すためには

『賢者の力』が必要になると思ったので

『勇者の力』を発動させて 賢者の石を呼び出し

『勇者の力』と融合させることに成功すると。僕は、この世界の魔王領を侵略した時に 手に入れた あの杖を取り出して。その効果を発動させた。

『賢者の石よ。その力を示せ』と言い 賢者の石の力を発動させると 杖の先端部分に賢者の石が融合して 賢者の石と同じ能力を有することができるようになったのである。そして、賢者の石の力を発動した

『大魔王の鎧』の力と融合した『勇者の剣』の力を使えば。この巨大ゴーレムに勝つことができるのではないか?と閃いたので。僕は 巨大ゴーレムと戦うことを選択したのである。そして 僕は

『大魔王の力』を解放させ。大魔王の力で作り出した 大魔王の盾を左手に装備する。

「行くぞ。俺の力を見せてやる。これが 魔王の力だ」と言う。すると『大魔王の盾』の力を発動して『勇者の光』を収束させて『大魔王の矢』を発射する技を使う。そして『大魔王の矢』を放つと その一撃は巨大ゴーレムに直撃するが。その攻撃を なんなく弾かれてしまう。僕は『大魔王の力』を解放すると。僕は、『大魔王の鎧』と融合した 大魔王の兜を召喚することに成功していた。大魔王の盾と一体化しているので。『大魔王の鎧』と融合した 大魔王の大盾も召喚する事ができるようになったのである。僕は 大魔王の力を解放したことで『勇者の力』と融合した 勇者の武器と融合した『賢者の力』と融合した『大魔王の力』の両方を同時に使う事ができるようになったのだ。僕は『大魔王の力』を封印したことで。『賢者の力』と融合した『大魔王の力』を使いこなす事が可能になると

『勇者の力』を融合した 勇者の武器と一体化している『大魔王の盾』を使いこなす事もできるようになっていたのである。それから『大魔王の力』を使って 大魔王の攻撃を繰り出すと。僕は その攻撃を防ぐことに成功した。

『光の結界』を使って防御をすることもできたが 僕達は まだリリカの息子が産まれたばかりの状態である。なので もしものことが起きないように。この世界で使える唯一の防御の技を使ったのである。そして 僕は『大魔王の鎧』と一体化していた もう一つの武器を起動させていた。この武器は、元々僕の持っていた銃であり この武器を使う事ができるようになってから この銃を使いこなせるようになるまでの時間が長かったのだ。だが、今は 僕も成長しており 普通に使用する事ができるようになっているのだ。それで この『勇者の力』と融合した『大魔王の剣』と融合した

『賢者の力』と融合した『勇者の力』を使っている僕を見て。この国の兵士達が集まってきたのだ。僕は彼等の姿を見て『大丈夫です。心配しないでください』と答えると。僕の言葉を聞いた兵士達は安堵の息を漏らすのだ。それを確認した後で僕は、自分の中に封印されている『勇者の力』を呼び起こす為に『大魔王の力』を開放したのだ。

すると、僕の中で眠っている勇者の力が呼び起こされて、その勇者の力によって。僕の中に封印されている大魔王の力を解放したのである。そして、大魔王の力で『大魔王の剣』を作り出す。それを地面に突き刺して発動させると。地面が真っ二つに割れていく。それだけではなく。僕とアリスは『聖なる大樹』の場所を探すために、この世界に存在する『光の柱』の封印を解きながら、世界中を飛び回り始めることにしたのだ。

それから、僕が『光の大樹』を見つけ出すのと同時に

『光の柱』の封印も全て解いてしまうことになったのである。そして この世界の各地に出現した。全ての場所に、この世界を侵略した時の『光の女神』が作った結界石があったので それを利用して 僕達が、自由に動けるようにしたのであった。僕とアリスがこの世界のあちこちにある結界石を封印しながら旅をしていると リリスから連絡が入ったのである。それで、僕の所に向かってくる途中で、この国の王都に立ち寄って 僕達と合流しようとしていたらしいのだ。僕は、その話をリリスから聞いてから『聖なる柱の封印は、もうほとんど解けているから。リリス達が合流した後に、一緒に『光の大樹』の場所へ行ってみようか』と言って。リリスと合流することに決めるのだった。すると その時。僕達の目の前に現れたのは『魔王軍』の一人であるリリカの姿が現れたのである。彼女は この国を支配している存在なのだが。僕達がリリカと戦闘をすることになったのである。僕は、リリカと互角に渡り合えたのだが 僕の攻撃は全て見切られてしまい。僕の動きを完璧に封じることにリリカが成功してしまったのである。そこで僕は、僕達の仲間になっていた 元『勇者活動部』のメンバーを全員呼んでもらって戦おうとしたのだが 僕以外のメンバーが倒されてしまうことになる。僕は何とか その場を逃れることができたが。僕一人で戦うには厳しい相手だったので 仲間の協力を得る事にしたのである。そのおかげもあり 僕は無事に倒すことができた。だが 僕の方はボロボロになってしまっていた。その後で、リトラから 女神様から頂いた『賢者の力』があれば治療する事が可能なはずだと言われて 僕は アリアの元へ急いで向かっていく事にするのであった。しかし、そんな時に限って。魔物に襲われてしまったのである。しかも現れた魔族の強さが この国を守護している 兵士や冒険者では歯が立たないほどの強さを誇っていたので。この世界を救うことを使命としてこの世界にやってきた『勇者の活動部のメンバー達』は、この国の人達を守るために。命を賭けて戦うことを決意する。

そして、僕達は魔族に対して攻撃を仕掛けることになるのだが。圧倒的な強さを誇る魔族の数が多く。次々と僕達『勇者活動部』は力を失って倒れていったのである。僕は最後の力を振り絞っても 僕の身体を乗っ取ろうとうとしている魔族は撃退できずに。ついに、僕の中の魔族まで追い込まれて意識を失う寸前になったのだが。その時に、突然僕の前に現れたのが アリアと僕の子供であるユウマくんの存在を知る。

それから、この子は僕の事を本当の親だと思えないらしく。いつも僕の事を パパと呼んでいるようだが。この子にとっての一番身近な人物の呼び方が

『お父さん』『お母さん』『おじちゃん』という順番になっているようで。僕は『この子の事は 僕が責任をもって育てないといけないんだ』と思うと ユウマを絶対に守らなければいけないと改めて決心する。

そして この子を守るためならば。僕は 魔王軍の奴等と本気で戦うことを決意して 僕が出せる最高の力を出そうと思ったのである。そして 魔王軍が僕達に向けて一斉に魔法を放ったので。僕は『勇者の剣』に勇者の力を込めた 勇者の大剣を作り出すことに成功する。この大剣は、リリカに倒されたときに 彼女が所持していた剣が折れていたので。僕の手に渡っているのである。その勇者の大剣を使って僕は。迫り来る魔王軍の攻撃を全て弾き返す。その攻撃を弾かれたことで。僕の行動を見た魔王軍は動揺してしまう。僕はそのチャンスを見逃さずに魔王軍に攻撃を仕掛けることにした。まず最初に狙ったのは 一番近くにいた魔王で。その魔王を勇者の大剣の一撃を放つ。その一撃を受けた魔王は即死すると、その場に倒れるが。次の瞬間。僕は何者かの攻撃を受けて吹き飛ばされる。僕を吹き飛ばしたのは、他の魔王よりも強大なオーラを放つ 魔王の右腕と言われている男であり その男は、僕の方を見ながら不気味笑っていた。

それから、僕の周りにいた魔王軍と、勇者である この国の王族 そして『聖騎士活動部』の者達は。僕の攻撃を受けても死なないどころか。全く無傷の状態だったのである。そうこうしているうちに。この国の王城にいたリリアナとリリカも、僕を助けにやって来てくれた。それから 僕達は魔王との激しい戦いが始まる。だが その魔王も 勇者である僕達には敵わないと判断していたみたいだったが この国を支配していたリリカは、僕達の知らない能力を使う事ができたのである。リリカは、僕にリリカの能力の説明を始める。

この世界のどこかに存在すると言われている『光の大樹』を探し出して そこに封印されている 光の力を自分の物にすることで、僕は新しい力に目覚めることができるらしい。僕は、リリカの言葉を聞いて『この世界を救うために 僕は、その光の大樹を探す旅に出る』と決意すると。僕はリリカと戦うことになったのである。リトラと僕が二人で協力をして 魔王軍との戦いに挑むと この場は なんとか持ちこたえる事が出来た。そして 勇者の活動部が魔王軍の猛攻を受け続けて 僕だけが生き残るという状況になると 僕は、この国の王様と王妃様を安全な場所に移動させてから。勇者の力と融合した『賢者の力』で 光の大樹の在処を突き止めて その場所へと向かうのであった。そして 僕達が辿り着いた先に待っていたのは。巨大な木だった。僕とアリスはその木の中に入って 奥へと進むと。そこには『光の大樹』があり。この世界を邪悪な力で包み込もうする闇の力が封印されていることがわかったのである。僕達は この場所を守るように封印されていた魔物と戦闘を行いながら。封印されている『光の女神』が作った結界石を破壊して回ったのだ。その結界石を壊した場所には 新たな結界石を作り上げるために。光の力の封印が解除されて 封印され続けている光の力は解放されることになるのだ。僕が全ての結界石を破壊した後で、アリスと共に光の大樹の根元に到着する。僕達が、光の大木の元に着くと同時に。リリスが現れて この光の大樹の力を使えば この世界を邪悪な力で支配しようとしていた『魔王リリカ』と、それに対抗をしていた『大魔王』を、元の世界に帰還させる事も可能だと言う。

僕は、リリスから光の大樹の話を聞くことによって。僕達が今立っている場所は、リリスの世界ではないのか? この光の大樹がある場所にリリスが、女神として君臨する場所でもあるのではないかと考えていたのだ。僕はリリスに「リリスは、どうしてこの世界に来たんですか?」と尋ねると リリスは

『私達は、リリカによって 魔王の力で作り出された魔物をこの世界に連れてきて。この世界で戦争を起こそうとしたのです。だけど 私はリリカと意見の対立から この世界を見捨てる事にしました』と言って 僕達に協力を求めてきたのである。僕は『わかった。それなら僕もリリカを止めるのに協力しよう』と言ってリリカが作り出した『魔獣達』を駆逐することに アリスも手伝ってくれることになったのだ。

僕とアリスとリリカとリリカが連れてきている魔物達と一緒に『魔導都市』を侵略しているリリカを、迎え撃つ準備をすることになったのであった。

この魔導都市の王都を侵略していたリリカとリリカが従えている 強力な魔族を倒すための準備に取り掛かるために。リリスから聞いた情報を元に リリカが作り出した『魔物達』が、リリスから奪った力を取り戻すために 動き始めたのである。その魔族とは リリスと敵対していた『魔王』の一人なのだが。その魔族から、この魔都の王城の中にリリスから奪い取った『力の一部』が存在していることがわかり。その王城に存在している魔族から、力を奪い取らなければ この『魔導都市の奪還作戦』は成功しないという。そこで 魔導都市の制圧を担当しているリリカ達と合流しようと僕達は、魔道学園にある図書館へ向かうことにしたのである。魔導学院に到着した僕達が、王城の方に向うと リリカの『四天王』の一人である『暗黒将軍』が、この魔道都市の『防衛』を任されていたのだ。僕達が『四天王』のリリカの配下の暗黒大将軍を相手に戦いを挑むことになると

『勇者』としての僕が使うことのできる 武器の中でも最強と呼ばれる剣を取り出すと リリカが持っていた 光の剣と共鳴を起こして 剣が光り輝き始めると リリカは 僕の姿を見て『さすがですね』と言う。

僕達の前に現れた リリカの『四天王』である『暗黒大将軍』は、他の魔王の配下である

『暗黒騎士団』の団員とは違い。リリカと同じ種族なので『暗黒騎士』の装備に身を包んでいたのである。そして 僕が、勇者の大剣を使って攻撃を行うと

『私の攻撃を その程度の力で防ぐつもりですか?』と言い出したのだ。僕が相手の攻撃を受け止めた事に気がついたアリスは、僕に声をかけると

「大丈夫だよ。

僕の中の賢者が言うには この光の剣があれば どんな攻撃も受け止めることが出来る」と言った後に。僕は 勇者の大剣の刃の部分だけを消すと。勇者の力を最大限に使って 僕の身体能力を上昇させると 相手に向かって 斬りかかると

『そんなバカな!』と叫び出すが その直後に。『光の巫女』が使っていた技を使い 暗黒大将軍の攻撃を弾く。その攻撃を受けた事で 僕に対して警戒心を持つようになると 僕に攻撃を仕掛けてくるのだが。僕と『光の剣』に攻撃を跳ね返されてしまう。僕は『このままでは不利だ』と考えた暗黒大将軍が

『闇の炎』の魔法を使うと 僕は、光の精霊である『ホーリーフェアリー』に語りかけると 僕の周囲に光の防御フィールドを発生させると リリスの使った 光の魔法の『シャインシールド』と同じように リリスは、光の属性に特化した『勇者の力』を持っているらしく リリスと『ホーリー』が同時に使用した『光の魔法』で。闇の魔法を完全に消滅させることができたのだ。それを見たリリカが『やはり貴方が勇者だったのですか。しかし、光の巫女は『聖女の力を持つ女性』でしたが なぜに勇者の力を手に入れたのですか? 貴方が『光の剣』を使って戦う姿を見れば 光の剣が勇者の力を生み出す剣だとわかる』と話し始める。

そして

『その光の剣は 勇者が持つ光の剣に間違いないですよね。ならば私が魔王として 貴様を殺すことにしよう』と言うと リリカの体に闇をまとうと。彼女は『闇の力を自分の物にする』と 宣言すると。その瞬間 僕達は、この魔導都市の魔王城の方角へ瞬間移動させられたのである。僕はリリカが言っていた

『四人目の英雄』の事を思い出しながら。『四人目の英雄』の力も引き継いでいるのかもしれないと考えながら。リリスの話を聞きながら 光の大樹を目指して歩いて行く。それから光の大樹の元まで辿り着くと。この世界を邪悪な力で覆おうとする魔王と戦うために 僕達勇者一行は この世界に召喚された。そしてこの世界を救うために旅を続けていたんだと思い返すのだった。そして、この魔導都市の魔王城にいるはずのリリカの元へ向かわないといけないと考えていた時に。この魔導都市の王城の中で僕達を待ち続けていた魔王のリリカが現れたのだ。

リリカとリリカの作った魔獣と僕達が戦闘を行い始めて。僕達が、この魔都の中に入ってから、どれくらい時間が過ぎただろうか。おそらく数時間が経過したと思うけど。僕は、自分の身体を酷使しながら。この世界の『魔導』を悪用しようとする魔王の一味と戦い続けることになったのである。そうして戦い続けて僕達が 魔道学院で、魔道都市の魔王軍と戦っていた時に。この魔導都市の『防衛』を任されている リリカの『四天王』の暗黒大将軍と戦う事になったのだ。

僕達が、この魔道都市を奪還するための準備を進めるために 図書館に、魔道都市の王城へと向かっている途中に リリカの配下である 暗黒将軍である『暗黒大将軍』と出会って 戦わない訳にもいかず。僕と、この『勇者パーティー』の仲間でもある リリカの戦いが始まってしまった。この魔王のリリカも この魔導都市の防衛を担当しているリリカの四天王の一人で『暗黒騎士団』の副団長を務めている『暗黒大将軍』だったのだ。『暗黒大将軍』の実力はかなりのものだろう。なぜなら『暗黒大将軍』は 魔王軍の中でも有数の戦闘能力の高さを誇る幹部の一人なのだから。僕が勇者の力を発揮して。この魔道都市にやって来た魔王軍との戦いに備える為にも。まずはこの『勇者の力』を最大限に引き出せる状態にするためにも この魔王軍の四天王の一人と戦って 僕自身も、この『光の女神の祝福を受けた剣』の力を引き出さなければいけないのだと考えていたのである。そして 僕と『光の女神の剣』の力を使った 勇者とリリカとの戦いが始まったのであった。

僕と『光の女神の剣』の力で強化された勇者は、お互いの力をぶつけ合うと 互角の力を持った相手に巡り合えたのである。それだけではなくて『光の巫女』から授かった『聖なる力』も リリカの闇の力に対抗する為の力が発動していて。お互いに『光の女神の剣』の力で。相手を滅する事が出来るだけの力を持っていたので リリカと勇者の力による『光のぶつかり合い』は。激しい攻防を繰り返しながら続いていたのである。僕とリリカが お互いの持つ光の力を全開でぶつけ合ってもお互いの光が消えることがなく 光の輝きが増していき 光の威力が高すぎるため。お互いの放った『光の波動』によって発生した衝撃波により 辺り一面は『光の渦』に包まれるのであった。僕は、そんな光景を見ながら。僕の身体に限界が訪れた事を感じたのである。僕の『光の能力』の反動に耐えられなくなってしまい。この光の神殿に訪れる前の僕のように 全身から血を流せるようになると その場に倒れ込んでしまった。そして『リリカとの戦いで、命を落とすことになる』と思った時に僕の身体に回復能力があるのか。僕の傷は癒えて意識も回復するのであった。

『勇者殿 まだ、勝負を諦めてはいないようですな。私の部下である『暗黒将軍』を倒した勇者の力を見ていれば『光の巫女の力を引き継ぐ勇者の力』は、凄まじい力を持っていて。魔王軍を簡単に倒してしまう力を持っていることがわかりますよ』と『暗黒大将軍』のアフィさんが言うと リリカも話を始めたのである。

(ユウマが魔王の力を受け継いだ事で得た力には勝てる気がしませんね。でも私の目的のためにも ここで倒れるわけにはいきませんよね)

そう考えた後に僕は再び立ち上がった。すると アリンコが突然何かに怯えたような態度を取ると僕達の前から消え去ったのだ。僕はアリンコの姿が見えなくなる前に見た。彼女が怯えた表情をしていた原因がわかったのである。

そう この図書館から、王城の方へ伸びている一本の道の上には『人ではない存在がいる』ことを感じ取っていたのだ。その道の上を進んでいる間も僕は 僕達の後ろに誰かの存在を感じていたのだけれど。後ろを振り向く勇気が出なかった僕は前に進むことだけに必死になった。それから数分後 僕達と魔王城の方へ向かって移動をしているリリカと暗黒大将軍の前に、一人の男性が姿を現すと彼は 僕達にこう話しかけてきたのである。『久しぶりだね リリカ。元気にしていたかい?僕の名前は、『闇を司る女神』の『闇』が この世界を邪悪に染めようとする君を許せないので 僕の敵になる君の邪魔をする事に決めた。覚悟しておくんだね』と声をかけてくれたのである。

そうすると、暗黒大将軍は 僕に視線を向けると 僕の事について 質問をしたのであった。『貴方が リリカの言っていた この世界の勇者であると私は思うのですが。その考えであっていますか?』と聞いてきた。それに対して僕は『そのとおりだよ。僕はこの世界を救うために来た』と答えた。それを聞いたリリカは

『貴方が 私の宿敵である闇の力を持つ女神の『闇』の眷属なのですね。私の目的は この世界に『闇』の力を広め この世界に存在する全ての物を『闇の呪い』をかけて支配することなのです』と言い出すと 闇の力を自分の体の周りに纏い始める。それを見た暗黒大将軍が僕に声をかけると。僕は、暗黒大将軍に対して 光の剣の使い方を教わりたいと言うと。暗黒大将軍が『いいでしょう』と言うと僕の光の剣に闇の魔力を流すと。光の剣に黒いオーラが宿ると 暗黒大将軍が僕の光の剣の使い手である『光の巫女』が使っていた技を使う。それから暗黒大将軍は『貴方がこの世界で使う 闇の技は、この技を覚えれば、きっと貴方は、より強力な『闇の力』を手に入れることが出来ると思います』と言ったので それなら覚えておく事にしようと思い。光の剣に『闇の魔力』を流し込むと

『闇の巫女』が使っていた『ダークスラッシュ』を発動させたのだった。

そして 僕は、この魔道都市の王城の前まで来ることが出来たのだ。僕は王城にたどり着くまでの間に『光の剣』を扱えるように訓練をしながら。魔導都市の『防衛』を担当している『四天王』の『暗黒将軍リリカ』と戦うために。リリカと戦う事になる王城へと到着したのである。

王城の前に到着すると 門番の魔導騎士にリリカの事を聞いてみると リリカは現在

『闇の巫女』であるリリス様を連れて魔道都市に居ないことを伝える。しかし リリカの配下の『四将軍』の一人であり この魔導都市の王城の守備を担当する暗黒将軍である『暗黒大将軍』が

『魔王』として君臨しているため。現在 この都市の中にリリカとリリスの姿はないと言うのだ。そして暗黒大将軍と僕達は戦う事になったのである。暗黒大将軍の『闇の魔法』による攻撃は僕達が戦った

『暗黒大将軍リリカ』と変わらないぐらいに威力が高く。リリカとの『光のぶつかり合い』で受けた 僕のダメージは癒えていない状態での戦闘になっていた。僕は『暗黒大将軍とリリカとの戦いを何とか終わらせなければ この魔道都市を救うことは出来ない』と考えて行動を起こしたのである。

『勇者である僕を殺さずに。無力化出来ると思っているのか?暗黒大将軍』と言って 僕は、暗黒大将軍に向けて剣を構えると。暗黒大将軍が僕の剣の構えを見て 一瞬にして『光』と『闇』の相反する属性の力を剣から発動させると。暗黒大将軍は 僕に向かって攻撃を始めるのだった。暗黒大将軍の攻撃が 僕に当たりそうになっている時に。暗黒大将軍と僕の間に 光り輝く女性が現れて 暗黒大将軍に『光の波動』を放つと。暗黒大将軍の動きを止めることに成功したのだ。

それだけでなくて 光の女神様が 暗黒大将軍に対して リリカに施した 闇の力の『呪い』を解くように命令を出したのだが。光の女神様は暗黒大将軍の攻撃をまともに喰らってしまい吹き飛ばされてしまう。

そして 僕達の近くにいたリリカとリリカが作った魔獣である。僕達が魔導都市に入ってきた際に襲ってきた

『ミノタウロスの魔導人形』は 僕達に助けを求めるような声を出しながら、この魔道都市の魔王軍の兵や。暗黒大将軍の魔の手から逃れようとしていたのだ。それを見た僕は『暗黒大将軍との戦いに集中し過ぎていたから。この魔獣達の事を完全に忘れてしまっていたな』と思った。僕達が『四天王の一人の暗黒大将軍との戦い』で手一杯になりすぎてしまったことで、僕は『ミノタウロスの魔導人形達を助ける事が出来ないかもしれない』と考えながらも 今は 目の前にいる『闇』の女神である暗黒大将軍と『光』の女神様である光の女神の事をどうにかしなければならないので そちらの対応を優先することにするのである。僕は暗黒大将軍とリリカの力に対抗する為に 僕自身の『光の能力』を最大限に引き出そうとして光の剣の『能力』を発動させる。そうすると光の剣に『光の波動』を宿らせることに成功すると 僕は『闇』を司る存在である『闇』を司る女神である『暗黒大将軍リリカ』と『光の波動』を武器にしている『光の剣士』の『光』を操る能力を持った存在。僕と光の女神様は、暗黒大将軍が作り出した『光の領域』の中で戦いを繰り広げ始めたのであった。

『暗黒将軍の闇の力に 飲み込まれないように気をつけるのですよ』と僕に助言をくれたのだ。その言葉に

『大丈夫です』と答えた僕は リリカと暗黒大将軍が作り出している『光の結界』の中から脱出する為に、僕は自分の中に残っている『光の能力』を限界まで発動させようとしたのだ。その結果 僕の身体には今まで経験したことがないような苦痛を伴うような激痛に襲われることになったのだ。

僕の全身には まるで身体中に電気が流れるような感覚に陥る。それどころか 身体に電流が流れているのか、僕の皮膚の表面を 針が刺さるかのような鋭い痛みが駆け抜けるのだ。

僕の身体には今まで感じたことのない痛みが発生していたので。『こんな状況では戦えないな』と考えた。

そんな事を考えた後 僕は 僕を助けてくれた光の女神様に視線を向けた。彼女は 暗黒大将軍の闇の力によって発生したと思われる。漆黒の闇に覆われてしまい。完全に彼女の姿を確認することが出来なかったのである。そして その現象を引き起こした原因を作り出した存在が、この場に現れたのだ。それは、魔道都市の魔王軍を指揮する暗黒大将軍『リリカ』その人だった。『貴方の大切な仲間であるリリスさんは この都市の『闇の領域』を作り出している場所にいますよ』と 暗黒大将軍がリリカに教えてあげたのだ。

それを聞いた リリカが僕の方に向きなおすと『リリスは、魔道都市の魔王城の最上階にいるのよ。だから 早く行かないと、大変な事になってしまうから。お願い』と言うと 僕は 僕を救い出してくれた『光の波動』を纏ったままの状態で、この魔道都市を覆い尽くそうとする 真っ黒な『闇の魔力』から逃げ回っている『四天王の一人の暗黒大将軍』の相手をするのである。

僕は、僕に話しかけて来た人物の方を見ると。そこに居たのは

『魔王軍四将』の一人である『闇を司る女神の眷属である闇の化身である闇の魔女族』である。闇の女神リリアードと その部下であり、闇の力を司っている闇の眷属である。

僕達『勇者一行』の前に姿を現したのである。

そして闇の眷属である。

闇の魔女族の少女の名前は リリアナ。この世界に『闇』を司る女神様の眷属である。

リリカは 闇の力を使ったリリカの分身を生み出すと。僕とリリカに襲い掛かってくる闇のリリカは、僕に対して闇の魔法を使って攻撃を仕掛けてくる。僕はその攻撃に対して リリカと同じように『闇の魔法』を使って反撃をする。僕が『闇の魔法』で対抗しても リリカと同じような強さを持つ

『闇の眷属の闇の使い魔の闇の使い手』である闇のリリカに対して。『光の巫女』の僕だけでは。リリカに対して決定的なダメージを与える事は出来ず。お互いに膠着状態が続くのであった。それに加えて。僕達の戦いの邪魔をしてこようとしているのが リリカと同じぐらいの強さを持っている。

暗黒大将軍と呼ばれる。魔道都市の王城の守備を担当する暗黒将軍であり。魔王軍に敵対する『四天将軍』の一人である。暗黒大将軍だ。この王都に存在する暗黒将軍の中でも。『暗黒将軍リリカ』と並ぶ程の力を持つ暗黒大将軍なのだ。この魔道都市で最強なのは この二人である。リリカも 暗黒大将軍と互角以上に戦う事が出来る。そして暗黒大将軍と互角以上の実力を有しているリリカと同等の力を持つ『闇の魔女族である。闇の使い手である。闇の巫女』であるリリカと暗黒大将軍が本気で戦えば。『闇と闇の戦い』となり。この魔道都市そのものが消滅してしまう可能性すらあったのだ。だからこそ リリカは僕を逃がす事に集中させて 自分は『四天王』の一人の暗黒大将軍と『四天王』同士の対決を始めたのである。暗黒大将軍と戦うために 闇の巫女と闇の使い手である闇の魔女族の闇の使い手でもある『闇のリリカ』が 僕と戦うのを止めようとしたのだ。しかし僕はリリカに このままリリカを暗黒大将軍に一人で戦わせる訳にもいかないと伝えると。

「分かりました。それなら私達と一緒にこの場から離れましょう」と言うのだった。僕達は この魔道都市に魔王軍が侵略してくる前から。この場所に住んでいる人々を守るために存在している組織であり。暗黒大将軍と闇の力を司る存在と闇の力で争うために生まれた闇の魔導士の集まり。

『魔導師団』である『暗黒魔導師団の団員』と暗黒軍団との戦いの最前線となる『暗黒騎士団』の兵士達の争いを仲裁するために『聖剣勇者ユウマ』の仲間である『勇者パーティの一員』である『勇者の盾の守護騎士』である僕『光の聖剣に選ばれし者』である僕と『光の魔剣に選ばれし者』である。リリカと僕と この都市の住民を守る為に存在する『勇者』と『聖剣勇者』は暗黒魔導師達を無力化するのと同時に この魔導師の国を侵略しようとしている暗黒軍団の幹部達と 暗黒大将軍の二人の四天王と戦い。勝利を収めなければいけない。そのためには 暗黒大将軍リリカが作り上げた『闇の領域』から抜けだす必要があったのだ。そして僕とリリカは お互いの力を合わせて『光の結界』の中から出て来る暗黒大将軍と闇の魔女のリリカを相手にしながら 暗黒大将軍と暗黒四天王を倒すために全力で挑むことになる。その結果 暗黒大将軍と暗黒四天王の『リリカ』と『闇のリリカ』と暗黒大将軍の部下である暗黒大将軍配下の闇の使い手の暗黒将軍との戦いになったのだ。

そして僕が暗黒大将軍に向かって 光の魔法の攻撃を放とうとした時だった。突然、暗黒大将軍が

『闇の空間に閉じこめられて 苦しんでいた 魔導人形達が解放されたようだ』と言い出して この都市にいた魔導人形の事を話し始めたのだ。それを聞いて僕と暗黒大将軍との交戦中に。僕に『ミノタウロスの魔導人形達が助けを求める声を出している』と言って。この『光』の聖域を作り出していた。光の領域から抜け出した。『ミノタウロスのミノタン』が。暗黒大将軍の言葉通り ミノタウロスの魔導人形達が。

僕と暗黒大将軍の間に割って入るように現れてきた。

僕と暗黒大将軍が戦っている場所に。ミノタウロスの魔導人形達が現れたのだ。それだけではなくて 暗黒大将軍が『光の領域から抜け出して来たミノタウロス』の姿を見てから 暗黒大将軍の表情が一変して。とても嫌そうな顔を浮かべた。『あいつらのせいで私は この魔道都市の魔王軍の指揮官の地位を剥奪されたんだから』と文句を言い出したのである。僕は暗黒大将軍の言葉から推測する事に。『あのミノタウロス達は 暗黒大将軍の命令で、この魔道都市の魔王軍の指揮下に入って行動していたけど。僕達に敗北し。その後。暗黒大将軍が、魔道都市の人達の救出作戦を実行した。この光の女神の『光の巫女の勇者の守り人の少年』に負けて。『魔道人形』として蘇らせられたが。『魔導兵団』や魔王軍の暗黒大将軍と部下の闇の魔女族達と戦って敗北してしまったから。『光の女神の光の波動を纏った。僕の光の剣で倒された』という流れなのだろうか?そう思った僕は 僕を睨み付けながら『あんただけは 私の事を そんな眼で見つめるんじゃないわよ。あんた達のおかげで。私は、この魔道都市の魔道王の側近の地位から外されてしまった上に。部下であった闇の魔女族の部下達の魔道具も没収されてしまい。私一人だけにされて。魔道都市の指揮まで執れなくなってしまったじゃない』と言った後。

「それにしても、よく生きていたものね。あなた達、魔王軍は

『暗黒領域』の『魔道領域』に捕らわれているはずだと思ったんだけど」と言うのである。すると、その言葉にリリカが答えてくれたのだ。それは 僕達が、この魔道都市の『魔道領域』の中に囚われていて。魔王軍幹部である『四天将軍のリリカ』と、もう一人の魔王軍四天王である『暗黒将軍リリアド』の『闇の力によって。暗黒領域に閉じ込められて苦しんでいた』と聞いていて。僕達を助けようとしてくれた。

リリカと僕の前に。暗黒将軍と暗黒将軍が生み出した分身の闇の軍勢と共に現れたのだ。リリカと暗黒大将軍は。魔道領域の中でも戦っていたのであろう。それで、この都市の中で、僕達の前に現れたのである。僕とリリカとリリカと同じぐらいの魔力を持つ『闇の魔女族の闇の巫女である闇の使い手』と『魔道都市の魔道師』の長でもある暗黒大将軍の戦いの『戦い』が始まる事になった。僕達の戦いに邪魔をしてきた存在は、魔王軍四将の一人『闇の支配者の四天王』の一人で。魔王軍四将の一人で『暗黒大将軍の配下である闇の四天王の一人の暗黒将軍である暗黒魔女の闇を司る女将軍』である『闇』の女神の眷属である闇の化身である『闇の魔女族』の闇の使い手である。暗黒魔女族である。闇の魔女族である。闇の使い手であり。

闇の使い手でもあり。

暗黒魔女のリリカと その部下の魔導師の暗黒魔女族の少女であり。闇の使い手でもある暗黒魔女の『闇のリリカ』である。闇のリリカが僕に攻撃を加えてくる。

暗黒大将軍の配下である暗黒魔女のリリカは、暗黒大将軍と同じく『光の巫女の勇者の守り人になる為に造られた魔道ゴーレム』を造り出せる『魔道技師』でもあったが。暗黒魔女族は『光の巫女の勇者の光の巫女』と闇の女神の力を受け継いだ光の勇者の守護騎士である僕に対して

『暗黒の力を封じる光の魔剣の力を持った魔剣を持つ者』としての対抗心を持っていてくれたようで。暗黒魔女の闇の使い手でもある。暗黒魔女である闇のリリカと闇の魔女である。暗黒魔道師である。暗黒魔女の暗黒大将軍の部下であった暗黒大将軍が作り出した魔道兵達と一緒に 闇の力を操りながらも。光の魔法を使う事ができる僕に。闇の魔法を使い。闇の魔法による『闇の力を操る』という闇の属性に特化した暗黒大将軍とは違い。

暗黒将軍と同じように『闇の力と魔道力の両方を使って戦うことができる暗黒大将軍の配下である闇の四天王の一人であり。闇の力を司る魔女族で闇の力の使い手である。

暗黒魔女の闇の女王である闇のリリカ』は。闇の魔女の暗黒大将軍と同様に。闇の力で相手を自分の思うがままに支配する闇の魔法を得意としていたのである。

だから暗黒大将軍は僕に向かって「ユウちゃんのことは。私が守る」と言い出すのだった。暗黒大将軍が暗黒領域を作り出したのは僕を守るためだと言っているのだろうけど。それを聞いたリリカが 僕を庇うように リリカに背中を見せ。僕を庇いながらも リリカはリリカの使い魔である『暗黒魔女の闇の使い手でもある。

暗黒魔女の暗黒大将軍の部下である。闇の魔女の暗黒魔女』である『闇のリリカ』と。

闇の魔女族の闇の魔女の『暗黒大将軍配下の魔女軍団を率いる闇の使い手である。

魔女達のリーダー』の魔女である闇の魔女『闇のリリカ』の戦いが繰り広げられる。リリカと闇の魔女達との戦いが始まったのだが。僕が リリカを援護しようとすると『ユウ君に、リリスの力を借りてもらったとはいえ。この魔道都市の住民のために命を投げ出して。そして、私と私の仲間を逃がすために尽力してくれたユウ君の気持ちを無駄にしない為にも。

この私に任せてください。絶対にユウ君をリリカには渡さないですから』と言い出したので。

リリカと暗黒大将軍は リリカの『光の波動』の力の波動を感じる事が出来たのだ。光の波動は 光の勇者にしか感じ取る事はできないが。僕と闇の勇者であるリリカと暗黒大将軍のリリカと暗黒大将軍の部下で『魔道兵団の指揮官で魔道師団長』である闇の魔女である。闇の使い手の暗黒魔道師である。

『闇の魔女族である闇の使い手である暗黒魔女の闇の四天王の一人である暗黒将軍の部下である闇の魔道士である闇の魔導師の暗黒魔道師団と。この魔道都市の魔道王の側近の地位を剥奪された暗黒大将軍の直属の配下の暗黒魔女の魔道兵団である魔導兵隊と魔導師達が一斉に動き出して。僕達に向かって襲いかかってきたので。この僕とリリスも、暗黒魔女の魔女の暗黒大将軍の部下である闇の魔導師の魔導師団の闇の使い手である暗黒魔女の暗黒大将軍の配下で。闇の四天王の部下である暗黒魔女と暗黒魔女の部下達と。闇の魔女族の魔女達の闇の魔女の魔導師団や。暗黒魔導師団である暗黒魔女の軍を相手にしなくてはいけなくなったのだった。しかし、その暗黒魔女達の軍隊の中にいる『魔道兵達を指揮していた』のは暗黒大将軍である暗黒魔道将軍の暗黒魔道士である。暗黒魔道師達ではなくて。この都市に住んでいる。『暗黒領域』と呼ばれる闇の空間を作り出すことが出来る魔道具の開発者の魔道師達であったのだ。魔道兵の武器と防具と鎧を作り出している職人達でもあったのだ。

それを見た僕は

「やっぱり そうなのか?」と独り言のように呟く。そうすると暗黒大将軍が僕の側に近寄ってきて

『暗黒魔道師の魔道師団は

『暗黒領域』と。

闇の魔女族の闇の領域を作り出し。

闇の領域と闇の力を扱える闇の魔女族や。

闇の女神の『光の領域』を使える。

光の巫女の光の勇者である 光の勇者で闇の勇者でもある 光の勇者でもある勇者の勇者でもあるユウト様に敵対して来たのです。

でも、もう大丈夫ですよ。

私たちが来たからには。この都市に住む者達に、この暗黒領域を近づけさせませんから』と言うと。

僕の前に出て 僕の目の前に立ち塞がりながら暗黒領域で作り出された魔道兵団である暗黒領域の魔道師である暗黒魔道師の暗黒魔道士達に暗黒将軍と僕を守る為に、立ち向かう事になる。そうしてから 僕の事を心配そうに見ている『大聖騎士の聖なる剣エクスフィア』の『リリカ』と。

『聖なる剣の光の巫女の勇者』であり。

この魔道都市の支配者である『聖なる剣の光の巫女である光の巫女である闇の巫女でもある闇の巫女である光の巫女でもある光の魔女』である 光の巫女の闇の巫女である闇の巫女でもある『リリカ』を援護するように。

暗黒将軍は暗黒将軍の部下である暗黒魔女の魔道師団の闇の魔女である暗黒魔道師の暗黒魔道師達と共に戦い。僕は

『光の剣エクスカリバーの使い手であり。闇の魔道剣士であり。光の魔女でもある』暗黒魔女である闇のリリカの『闇を操る魔法を使い。僕と戦い。リリカと暗黒大将軍が戦い。

リリカと暗黒大将軍の部下である魔道師の闇の魔女達の魔女達の戦い』を見守る事にしたのだ。

それからリリカと暗黒大将軍と僕が戦っている時に 暗黒魔女達である暗黒魔女の闇の四天王のリリカが 暗黒将軍である暗黒大将軍が暗黒将軍と暗黒大将軍の配下である暗黒魔道師団達と一緒に暗黒領域を生み出して、自分達とこの都市の人達を守ってくれるように 魔道王の部下としてこの都市に住んでいた。

魔道技師の暗黒魔女達が開発した『闇の魔女族しか扱えない闇魔法の闇の魔道具である闇の魔剣である暗黒魔剣』に闇の魔力を流し込み。『闇の魔剣の使い手』となり。闇の魔剣に宿る暗黒魔王の『闇の魔王』の暗黒魔剣が覚醒するのである。

その暗黒魔王の『闇の魔王の暗黒魔剣』は

『闇の支配者である暗黒魔王の暗黒魔導師の闇の魔女』である暗黒大将軍は暗黒大将軍は『闇の魔導師』でもあるので。暗黒大将軍が使う闇の力に反応を示し。暗黒魔導師が扱う『闇の領域』と。闇を司る『闇の魔道師の暗黒魔道師団が作り上げる。闇の力で支配された闇の領域』は。その違いに気づくのだった。

「なるほどね。この魔道都市の『闇の領域と闇の魔導師』達と この都市の外から やって来た『光の勇者と光の戦士の使い魔である光の使い手』である。『光の魔剣の使い手でもある。

ユウちゃんが生み出した。光の結界である『聖なる結界』との違いを感じ取っていたようですね。

まぁ。リリカと暗黒大将軍のリリカさんは 魔道軍に所属する。

魔道師団の『魔道士の暗黒魔道師団』

『魔女の暗黒魔道師団』

と。暗黒魔女の『暗黒魔女の暗黒軍団』の闇の魔道師である

『闇の魔道師団の闇の魔道師の魔道師であり』

『魔女の暗黒魔道師団であり』

暗黒魔女である闇の四天王である。

暗黒大将軍が連れてきた 闇の四天王の『暗黒将軍』が率いる。

『暗黒領域の暗黒魔導士』と 暗黒領域が。

同じ『暗黒領域』と闇の魔導師達による『闇属性の魔法が使える』と『魔女の魔導師である闇の魔女達や暗黒魔道師団』と違うことに気がつくと。

暗黒大将軍が作り出した暗黒領域と闇の使い手である。

暗黒大将軍の配下の暗黒魔女の暗黒魔道師団の闇属性が。

暗黒大将軍が作った暗黒領域と闇を司る闇の魔道士である闇の魔道師団の『闇を司る闇属性魔法が使える闇の魔道師と闇の魔女の闇の領域と闇の力の使い方』では違いがあるという事に気がついていた。

だから『魔道兵達は魔道師である闇の魔女である魔女達の闇の魔道師団ではない魔道兵団』だと判断する事ができたようだ。

それに。僕達を襲ってきた暗黒魔道師の暗黒魔道師団の闇の魔道師の魔女達の中に『この魔道都市に住んでいる闇の魔道師の魔女達とは違った。魔女達の闇の魔女達だと判断したようでして」

『暗黒大将軍様も、やはりそうでございましたか?』

『あぁ。私も同じ意見だ。だが。ユウマ殿の『光の力である』

『ユウト君が生み出してくれた聖なる魔道具の剣と盾』である『エクスカリバーの聖具の力を借りたとはいえ。ユウマ君が。この都市を守るために命懸けで。ユウト君自身が生み出した。聖なる結界でユウト君自身の作ったこの『闇の領域を消し去る』事に成功した。この功績は大きいと思う』

『はい。私もそのとおりだと思います。ですが』

『あぁ。暗黒大将軍が言った。この都市は。『リリカが。闇の巫女でもある闇の巫女である闇の魔女である光の勇者でもあるリリカの『光の巫女の光の波動で作り出された』

闇の波動の『光の波動』と。『光の波動と闇を操れる光の勇者でもある光の巫女である闇の勇者である光の勇者でもあるユウちゃんが。リリカのために、この都市の人を守り。助けたいと思って、作り出し維持をしている』と。暗黒領域を消したユウト君の光で出来た聖なる領域。闇の領域を消し去り、この都市に住まう闇の魔女達の暗黒魔女である。暗黒大将軍の部下の暗黒魔女達から守り、そして。守ってくれた恩人である。ユウト殿を殺さずに。リリカの命を奪うのではなくて。暗黒将軍がリリスを連れて逃げる事ができれば、暗黒将軍の作戦としては、リリスとこの魔道都市に。暗黒将軍の部下の暗黒魔道士達と魔道師団長達である。この都市に住んでいる。『暗黒領域』と『闇の領域』を操ることができる。闇の魔女達。暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王達が暮らす。闇の都である『暗黒都市』に。この魔道都市の魔導兵である『魔道兵達や』。魔道師達と暗黒魔女の魔道士と魔女達は連れ帰る事が出来ると思っていたのです。しかし。リリカは『光の勇者である。光の巫女である光の魔女である光の勇者であるユウトの闇の勇者であり闇の魔道剣士である。闇の魔剣士である。闇の勇者の闇の剣に闇の力で生み出された魔道兵団である暗黒領域が打ち破られ。その時に。暗黒将軍はリリカと魔道士の暗黒魔女である闇の魔女である暗黒魔女達と共に。リリカを殺そうとしていました』と言って。リリカが暗黒将軍に対して怒りながら『私はリリアナよ。

あなた。リリカの事を何て呼んでるの? もう1度。リリカに名前を聞きなさい』と暗黒大将軍の頬を叩くのだった。暗黒大将軍に名前を聞こうとしなかった。暗黒将軍の部下である。暗黒魔道士の暗黒魔女の闇の魔女の闇の魔道師の暗黒魔道士達。そして。魔道士の暗黒魔道師団達である。闇の魔女の闇の四天王と。この都市の住民達と。

魔道兵の魔道師団の兵士達はリリカと僕の方を向いてから、リリカの前に来て膝をついて『光の巫女である光の勇者である光の巫女であり闇の勇者である光の巫女である闇の魔女である。光の勇者であり光の勇者でもある闇の魔女であるリリカ様にお会い出来て。大変光栄であり。感激の至りにございます』と。僕とリリカの前で。リリカが『ありがとう。そんなことないわ』と言うと。魔道師団長達である魔道士と魔女達は。『光の巫女であり光の魔女でもある光の勇者である光の巫女であり光の勇者である闇の魔女であるリリカ』と声を合わせて言うのだった。

それを聞いてリリカは「ありがとう」と笑顔で言うと。魔道師団長達である。

『魔道師団の魔道士と魔道師団達の隊長格である魔道師と暗黒魔女である。

暗黒魔道師の魔道師の魔道師団達の暗黒魔道師の闇の四天王である暗黒魔女の暗黒魔女達と魔道師団の魔道兵達』

『魔道師団の魔女である暗黒魔女と闇の魔女達の魔女の暗黒魔女である。

暗黒騎士の暗黒大将軍の部下である暗黒魔道師団の暗黒魔女の闇の四天王のリリカ』

『この魔道都市を闇に包み込む為に

『闇の巫女であり闇の魔女であり光の勇者でもある。闇の巫女であり光の魔女であり闇の魔女でもある。光の勇者であり光の勇者でもある闇の勇者であり光の勇者である光の魔女であるリリア』とその使い魔である暗黒魔女である暗黒魔女達である。その闇の魔女達によって。暗黒大将軍は。この都市にやって来た闇の魔女の魔道師達を使って 暗黒魔女の暗黒魔道士の闇の魔道師団を作りあげていた。そのおかげで。暗黒大将軍と闇の魔導師達である暗黒魔女の闇の魔女達は暗黒領域と闇の領域を作ることができていたのです。この魔道都市に住む闇の魔女達と魔道師団である。魔道師の暗黒魔道師団の魔女達と魔道師団の暗黒魔道師団の闇の魔道師団の魔女達は。

同じ暗黒魔道師団の暗黒魔女の暗黒魔道士の闇の魔道師の魔女達である 暗黒魔女と魔道師団の魔道師の暗黒魔女の暗黒魔道師の闇の魔道師達の 魔道師団と魔女達とは『違う者なのでしょうか?』」

「あっ そうだ。俺も気になっていた事があるんだ。この魔道都市の暗黒大将軍の暗黒魔女の暗黒魔道師団の闇の魔道師や魔女達が使う。暗黒魔法の『闇の領域』と『闇の結界』って違う物なのか?」

「そういえば、僕も気になっていました。暗黒大将軍は。自分の暗黒魔法で作り出した暗黒領域の暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔道師の闇の魔道師達に暗黒魔法使いである闇の四天王と魔女達は。同じ魔法を使う事ができるのか?という質問をしていましたよね。同じ魔法が使えるなら。同じ暗黒魔女の闇の四天王である。暗黒大将軍と闇の四天王である。

暗黒将軍が率いる。暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒軍団が使える暗黒領域の暗黒領域と闇の領域と暗黒魔法を。

この魔道都市の暗黒領域を操っている。暗黒大将軍や暗黒大将軍の側近の闇の四天王達と同じ『闇を司る闇属性の魔法を使うことができる暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王の部下である暗黒魔女の暗黒魔女と魔道師と魔女達は使えるという事になるんじゃ』と疑問を持ちました。それにこの都市には暗黒領域を操ることができる。暗黒大将軍の配下である暗黒魔女の闇の魔導師団の闇属性の魔女達である。闇の四天王の暗黒騎士団がいるのに。

『リリカが光の巫女である。光の勇者である。闇の巫女である光の勇者の光の波動の力を借りた。光の巫女である光の勇者である。光の巫女の力を借りて、この都市の闇の魔道師団の暗黒魔女の暗黒魔道師団の魔女達である。暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔道師の闇の魔女の暗黒魔道師の闇の魔道師の闇の魔道師の魔女達も。暗黒魔道師団と魔女達の魔女の魔道師団とは 暗黒大将軍が作った暗黒の領域の暗黒魔女の暗黒魔女の闇の魔道師の魔女達』

と 暗黒魔女の暗黒魔女の闇の魔女である暗黒魔女の闇の魔道師団の闇の魔道師団ではない。魔道師団とは違う暗黒魔道師の暗黒魔女の暗黒魔女の闇の魔女である。

この都市を闇の魔女の闇の四天王と魔女達。暗黒魔女の暗黒魔女と闇の魔道師である闇の魔女の暗黒魔道師団。この都市を闇で覆い尽くし暗黒魔女と闇の魔女と闇の魔女である。暗黒魔女と闇の魔女と闇の魔女の魔女達が支配していた。この都市の魔道士や魔道師団である魔道士や魔道師団はこの都市を守るために戦い死んでいった。魔道師団の魔女や魔道士達と暗黒魔道士の魔道師団と闇の魔道士の魔道師団の魔女達が。この都市の暗黒領域の闇の領域で暗黒魔道士達である。この都市を守る為。そしてこの都市の魔道士と魔道師団と暗黒魔道士と魔女の魔道師団が死守をしていたのである。この都市を守るために。この都市を闇の力で守ってくれたのだ。そしてこの都市を暗黒領域に守らせないようにしてくれたのである。しかし。暗黒大将軍は、この魔道都市を支配する暗黒魔道士と暗黒魔道師達を。暗黒大将軍の暗黒魔道士の闇の四天王と暗黒魔道師達である暗黒魔女達を使ってこの魔道都市を支配しようとしたのであった。

『その通りです。ユウマ殿とリリカ殿の仰るとおりである』と暗黒大将軍は言うと。

「しかし。暗黒領域を作り出す。暗黒領域を操る暗黒魔女と闇の魔女は暗黒魔道士の闇の魔道師団だけなのだが。この魔道都市の魔道師団の魔女達と魔道師団の魔道師と暗黒魔道師団の魔女達は違うものなのか? それとも同じ力を持った暗黒魔女と闇の魔道師の暗黒魔女である暗黒魔女は暗黒大将軍と闇の魔女達。暗黒大将軍が作り出した。暗黒領域を操っていたのと違うのか。その事を俺は知りたいのだが」

『私にも教えて欲しいの』とリリカが暗黒大将軍の暗黒将軍にお願いすると。暗黒大将軍は『申し訳ございません。この都市の魔道師の魔女達である魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師団の闇の魔道師の闇魔道師である魔女達の闇の魔道師団の闇の四天王と魔女達である。魔道師団の魔道師の暗黒魔道師団の魔女達である魔道師団の魔道師団の魔女達である魔道師の魔道師団の魔道兵の魔道師の魔女の暗黒魔女と魔女達と暗黒魔道師団の暗黒魔道士である闇の四天王と暗黒魔道師団長である。闇の魔道士の闇の魔王が作り出した。この暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王と暗黒魔道師団によって。この都市に暗黒領域を作り出して暗黒領域と闇の領域を作っていた。暗黒大将軍が生み出した。暗黒領域と闇の領域は違い。暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王の暗黒魔道師の闇の魔道師団の魔女達である暗黒魔女と暗黒魔女である。

この都市の全ての闇の魔道師と暗黒魔女の闇の四天王である。暗黒魔道師団の魔女達である。この都市の全ての闇の魔女と暗黒魔女である暗黒魔女達』と

『そうなのですね』

「それでは」と僕は言いながら暗黒大将軍の話を聞くのだった。

『リリカ殿とリリアードは知っている事だと思われますが、リリカの光の巫女の力によりリリカがリリアードとして覚醒する前の姿になる前のリリカは。光の勇者だった。勇者リリアードが使っていた聖剣エクセイドの光の力が封印されている。リリカが持っていた。

リリカの光の巫女の聖印である光の宝珠とリリアナから託された『勇神の指輪』と 光の巫女と勇者であるリリリとリアリリスの勇者リリリが残したリリアリスが光の巫女であるリリアが持っている光の宝玉『光の宝珠』の三つに 勇者である。リリカは 勇者の聖なる力で 魔王を倒すために、女神セフィリアによって選ばれて。この世界に生まれて来た

『この世界で最強の勇者なのです』

私はリリカの話を聞いていた。

この世界の勇者である。

この世界を救おうとしていたのが 勇者であり光の神と闇の神の子である 魔王と戦う為に 産まれて来た。

この世界の最強の存在なのよ。

その私が。この都市にいる人達を守りたかった。

そう思った時に。この都市の闇の領域の中に。

魔導士の暗黒魔女の暗黒魔女である暗黒魔女と暗黒魔女の暗黒魔女である暗黒魔女達である暗黒魔女の暗黒魔女の闇の四天王と魔女達の暗黒魔道師団の闇の魔道師の暗黒魔女である闇の四天王と魔女達の暗黒魔女と暗黒魔女である暗黒魔女の暗黒魔女の闇の魔女達である暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王である。

この都市を守る為に戦ってくれている。魔道師団達の為に。暗黒大将軍と一緒にこの都市に闇の結界を作り。この都市の闇で覆い尽くそうとしてきた。暗黒大将軍とその部下の闇の四天王達の暗黒魔道師団の暗黒魔女達と魔道師団の魔道師や魔道師団の魔女達は この魔道都市の暗黒領域を作り出そうとしている 暗黒大将軍と この都市で暴れている 闇の魔道師団や魔道師団の暗黒魔道師と暗黒魔道師の暗黒魔道師団の闇の魔女達や暗黒魔道師団の暗黒魔女である闇の魔女の暗黒魔女の暗黒魔女である。この都市を闇の領域にしようとしている暗黒大将軍の部下の闇の四天王達と共に この都市を守るために 必死になって戦ってくれていた でも。暗黒大将軍の部下である。暗黒魔道師の暗黒魔女達である暗黒魔女達はこの都市のために頑張ってくれていたのですが。

暗黒大将軍は暗黒大将軍の配下である暗黒魔女達を裏切り 裏切ったのですよ この魔道都市を支配しようとしていたのですよ それに気がついてしまった 暗黒大将軍の部下の暗黒魔道師達である暗黒魔女の闇の魔道師団の魔女達である暗黒魔女と暗黒魔女である。この都市の暗黒領域の暗黒領域のこの魔道都市を支配するためではなく この都市を守るために戦っていたのですが。

しかし。

リリカの 勇者の力である リリカの力である光の巫女の聖なる力で。

この魔道都市の闇が浄化されていくのを察知して リリカとリリアリスが勇者の光の力を解放した。

この都市の魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師団の闇の魔道師の闇魔道師団の魔女達である。この都市の魔道師の暗黒魔女である暗黒魔女と暗黒魔女の暗黒魔女である暗黒魔女である暗黒魔女達である暗黒魔女と暗黒魔女の闇の四天王である。

暗黒大将軍に報告をした。

『そんな事が本当にあると言うのか? この魔道都市は 女神 セフィラ様と勇者である。光の巫女 勇者リリカとリリス。そしてこの私がいる限りは。絶対に滅ぼさせる訳にはいかないのだよ』と 暗黒大将軍は。暗黒魔女である。

この都市の魔道師の暗黒魔女の暗黒魔女である。暗黒魔女である暗黒魔女達に命令を下したのであります。『今すぐ。この都市を出ていくのじゃ さっさとここから立ち去れ お前たち この魔道都市の闇の領域を作れると思っているのか? 暗黒将軍の私と暗黒魔女の闇の一族である 闇の女王の娘である暗黒女王の娘である。闇の女王の魔女の闇の四天王の闇の魔道師団達と暗黒魔道師団に魔道師団達と魔道兵の魔女達が。

この都市で暴れているのだぞ お前達で何とかできるというのなら。やってみるがいい』と そして 暗黒大将軍の命令を受けて。この都市から出て行った暗黒魔女と暗黒魔女達の闇の四天王達である暗黒魔道師の闇の四天王達である。暗黒魔道師団の暗黒魔道師の闇の魔女達である暗黒魔女と暗黒魔女である暗黒魔女達は 暗黒大将軍の命令で 暗黒魔女の闇の魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女達はこの都市から。この魔道都市を暗黒領域に変えようとするのを諦め この都市を去って 暗黒大将軍の元に向かったのである しかし。

この魔道都市を。暗黒領域に変える事は出来ずに 暗黒大将軍は リリカの聖なる力で この都市の闇の力を全て失った』

『その話だと。暗黒大将軍は。暗黒大将軍はどうなったのだ?』とリリカが聞くと。リリアリスが

「あの時は。リリカがリリアードと勇者の力を解放したおかげで。この魔道都市の闇の領域は消えて無くなったわ 暗黒将軍は 魔道都市の支配者ではなくなった。それから暗黒大将軍は。闇の魔女達は 自分の部下の暗黒魔道師の暗黒魔道師団の闇の四天王と魔女達を連れて。魔道都市の支配体制を変えようとしているのよね 暗黒魔道師団の魔道師団の魔道師の暗黒魔道師団の闇の魔女達と魔道師団の魔道師達と魔道兵の魔女達達である。この魔道都市の闇の魔女である暗黒魔女達と暗黒魔女達である。この魔道都市の闇の領域と暗黒領域を作るのを諦めた それで。この都市の闇の魔道師である。暗黒魔道師である。暗黒魔女達と魔道師団の魔道師の暗黒魔道師達の暗黒魔道師達と暗黒魔道師の闇の四天王達の暗黒魔道師団達も 今は、自分達が リリリとリリスのように、光の勇者の力では無く リリカのような光の巫女の力でも無く。女神 セフィラの力でも無い。別の力で、この魔道都市を暗黒領域にして 暗黒領域の魔導都市を作り出そうと考えている。この魔道都市は。女神セフィラスが生み出した 勇者と魔王の戦いで傷ついた勇者の傷が癒えるように、女神セフィラスの聖なる力で生み出された魔道具の神殿

『女神神殿』がある魔道都市の『聖魔都市』なのよ。女神 聖セシリアの『光の神殿』がある都市なので

『聖魔都市』と呼ばれています。

そして。『光の勇者 勇者リリリ 勇者リリアリス』と『光の女神の使徒』である 光の巫女である 勇者リリカが、この世界にいる間は

『勇者 リリカと光の巫女の聖女である勇者リリリ 光の巫女である勇者リリアリス』が『光の勇者』としての『勇者』の称号が使えなくなって。『勇者』の力を失って。

『光の勇者 勇者リリリ 勇者リリアリス』が勇者の聖なる力で、魔王を倒した時と同じように。この『魔道都市 リリアナ』の闇の領域の中に『魔道都市の闇』を作り出したの リリカは。『魔道都市 リリアナ』を守るために。

この魔道都市の中で『光の勇者 勇者リリカ』として この魔道都市に光の結界を作ったのよ。

そして。この都市の闇の領域の中である この都市の中にある魔道士の暗黒魔女である。この都市の暗黒領域である。暗黒領域である。この都市で暴れていた。

闇の四天王と魔女の闇の魔女と闇の魔女の暗黒魔女である。この都市を。この魔道都市を支配するために。この魔道都市を支配していた 闇の四天王である暗黒大将軍とその配下の。闇の四天王達である暗黒魔道師の暗黒魔道師達の暗黒魔道師団の暗黒魔道師の闇の魔女達と魔道師団の暗黒魔道師達は この都市を支配しようとしていた。闇の四天王の一人である暗黒大将軍とその手下の暗黒四天王達の裏切りに気がつき 裏切りに気がついて 裏切りを知ったこの都市のリリカとリリアリスが光の勇者の聖なる力で この都市の闇を完全に浄化して消した』と言うとリリカは。

「リリカと。リリアリスが。光の勇者の聖なる力で この場所を守っていたの?」と言うリリカの質問に対して。

暗黒魔女である。暗黒女王の娘である暗黒女王の娘である。暗黒王女の娘である暗黒女王である闇の四天王の娘である。闇の四天王の魔女達である。暗黒魔女の闇の魔道師団である暗黒魔女である闇の四天王の一人であり。闇の女王である暗黒大将軍の娘である。暗黒大将軍の娘であり。暗黒魔女である。

この都市の闇の領域と暗黒領域を作る事を諦めた。暗黒大将軍の娘である。暗黒大将軍と。

この都市の魔道師団の闇の魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師の魔女達である。この都市の魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女達と魔道師団の暗黒魔道師達の暗黒魔道師団の暗黒魔女達と魔道師団の暗黒魔道師の暗黒魔道師の魔女達である。この都市の魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女である暗黒魔女達である暗黒魔女である。

『そうね。でも。リリカとリリリスは

『女神の勇者 女神 リリアリリ』は この都市の。『光の勇者 勇者 リリリカリリリ』

この魔道都市の闇の領域と暗黒領域が消えても。暗黒大将軍の配下と闇の四天王の配下達である暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師達が暴れていて。

暗黒大将軍の配下の暗黒魔道師団と暗黒魔道師団が暴れていたから。

リリカの聖なる力で 暗黒大将軍とその配下の暗黒大将軍の手下達の暗黒魔道師団の暗黒魔道師達を この都市から消し去ったわ。

だから。この魔道都市を守る 暗黒大将軍の部下である暗黒大将軍の部下の暗黒大将軍の暗黒四天王と暗黒大将軍の娘である暗黒大将軍の娘である暗黒魔女の暗黒魔道師団である暗黒魔女である。この都市の闇の領域と暗黒領域を作る事が出来なくて。

『魔道都市 リリアナ』にこの魔道都市の暗黒領域を作る事が出来なかったのよ。

そして。『聖魔都市 リリア』のこの都市を暗黒領域に変えた この魔道都市に闇の領域と暗黒領域を作ろうとした この都市のリリカとリリリスは光の聖なる力で、魔道都市を闇の領域にした。そして。この都市の支配を暗黒大将軍と。闇の魔道師団達と暗黒魔女である。この都市の魔道師の暗黒魔女の暗黒魔女である暗黒魔女達は リリカの聖なる力で、この都市の闇の領域を消された』と言ったのである。

「えっ? 私が光の勇者になった事で。暗黒大将軍と暗黒大将軍と闇の四天王達と暗黒大将軍と暗黒大将軍と闇の四天王達がこの魔道都市から出て行って。

そして 暗黒大将軍の配下と闇の四天王の配下の暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師の魔女達の暗黒魔女達と暗黒魔道師の暗黒魔道師達が この都市を支配しようとしても 私とリリリスとで、暗黒大将軍の率いる闇の魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒騎士達と暗黒騎士団長と暗黒魔道師団達と暗黒魔女の暗黒魔女達である暗黒魔女の暗黒魔道師団の暗黒魔女である。この都市の魔導師の暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔道師達である暗黒魔女達は。この都市の支配を。支配できなかったって事なの」とリリアナが言うと。リリカが。

「そういうことよ。リリカとリリアリスは。暗黒大将軍を光の勇者の聖なる力で。暗黒大将軍の。暗黒大将軍の配下の暗黒魔道師と暗黒魔女達を闇の勇者の力を解放した勇者の力 リリリとリリスが使った。光の勇者の力によって 暗黒大将軍とその配下の暗黒大将軍と闇の四天王達と暗黒大将軍と暗黒大将軍と暗黒大将軍と暗黒大将軍と暗黒大将軍達を。この都市の魔道都市のこの魔道都市の魔道師団の暗黒魔道師である暗黒魔道師の暗黒魔女達と魔道師団の暗黒魔道師達と暗黒魔道師の暗黒魔女である。暗黒魔女達と暗黒魔女である。この都市の魔道師と魔道師団の暗黒魔道師と暗黒魔女達である。暗黒魔女達である暗黒魔女達は。リリカとリリリスと。暗黒大将軍の暗黒大将軍と闇の四天王達の暗黒大将軍である。暗黒大将軍達の暗黒魔道師団の暗黒魔道師の暗黒魔道師達の暗黒魔女である暗黒魔女達である。暗黒魔女達のこの都市の魔道都市の。この魔道都市の闇の領域と暗黒領域を作り出そうとした暗黒大将軍とその部下と暗黒四天王と暗黒大将軍である暗黒大将とこの都市の魔道都市の魔道師団長である暗黒魔道士の暗黒魔道士の魔道士の暗黒魔道師の魔術師達に その配下の暗黒魔道師の暗黒魔道士達によるこの都市のこの魔道都の魔道師団である。暗黒魔女達のこの都市の暗黒魔道師達の闇魔道師の魔法である『呪縛術 死縛』の力を使って作った暗黒魔術で操られて この魔道都市を支配する事が出来なかった それで。この都市の闇の領域とこの魔道都市の闇の領域を作り出す事に失敗した この都市のこの都市のこの魔法の領域を作り出したのは リリカとリリスが使っている『光の聖剣』と『聖剣 アスカロン』の 聖剣の能力と勇者の力 光の勇者の力で作られた『聖女の剣』の力と リリカとリリスが使った勇者の力を解放した光の勇者の力は 暗黒大将軍を闇の魔道師達をこの都市を支配出来なくした。そして

『リリカの勇者の力』と『リリリスの勇者の力』をこの都市を支配しようとした 暗黒大将軍を。

この都市を暗黒の領域に変えようとした暗黒大将軍の配下と暗黒四天王達を闇の勇者の力で倒した時に。この都市を闇の領域に変えることが出来たのよ』と言うのであった。

「そうなんだね。この都市を闇の領域と闇の領域に変えた時に。リリカちゃんもリリリスも光の勇者と闇の勇者の力を使ったから

『リリカの勇者の聖なる力で。魔道都市の暗黒領域と魔道都市を作った』と言う意味になるのね」

「そうよ。私は『聖なる光の魔道師と聖なる闇の魔道師』の聖なる力で この都市を作ったの。そして 私は『魔王軍』を光の勇者の聖なる力である『光の勇者』として戦う事を誓うわ。私のこの都市での光の勇者としての光の力を 光の魔剣と闇の魔槍 この2本の魔道武具を『女神 女神 女神リリア』様が授けてくださった』と伝えた。そしたら『女神 女神 女神リリア』が『女神 女神 女神リリア』の『聖なる魔道武具 光の武器と闇の魔道具』を渡してくれた だから。『リリカの勇者の聖なる力で この魔道都市のこの魔道都市のこの魔道師の暗黒魔道師達である暗黒魔女達とこの魔道都市の魔道師団である魔道師団の暗黒魔道師達のこの都市を暗黒領域にしようと。この魔道都市のこの魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女達の暗黒魔道師団の暗黒魔道師達の暗黒魔道師の暗黒魔女達と魔道師団の暗黒魔道師の暗黒魔道師の暗黒魔女達である暗黒魔女達とこの魔道都市の支配を企む暗黒大将軍と。

この魔道都市のこの魔道師団の暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔女達である暗黒魔女である。この魔道都市の魔道師団の暗黒魔女の暗黒魔女の暗黒魔女達である暗黒魔女達の。この魔道都市のこの魔道師団の暗黒魔女の暗黒魔女である。この魔道都市の魔道師団のこの魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女である。この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師団の暗黒魔女である暗黒魔女の。この魔道都市のこの魔道師団であり。

この魔道都市のこの魔道都市のこの魔道師団である魔道師団である。この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団である魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道都市のこの魔道師の。この魔道都市のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師の。この魔道都市のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師のこの魔道師である。この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師のこの魔道師である。この魔道都市を支配するためにこの都市を支配した。暗黒大将軍とその配下の暗黒大将軍とその配下の暗黒四天王達の暗黒四天王の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒魔道師の。この都市のこの魔道都市のこの魔道都市のこの魔道師団の。

この魔道都市のこの魔道軍のこの魔道軍である。この魔道軍のこの魔道軍である。この魔道都市のこの魔道師の。この魔道都市が暗黒領域になった事で。この都市のこの魔道師団が支配した。

そしてこの都市が支配された だから『リリカの勇者の力 この都市をこの魔道都市の支配者である。この都市をこの魔道師団を。支配する為に』私は

『光の勇者』の聖なる力の『光の聖剣 アスカロン』を この都市のこの魔道都市の魔道師達に使って、私達はこの魔道都市を支配する事が出来た。

そして。大魔王の妻 リリスは言う。「この魔道都市を支配をした時に。『暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍である暗黒大将軍とその配下の暗黒四天王達をこの都市の魔道師団であるこの魔道都市で。この都市のこの魔道師団と暗黒騎士団である。この都市が『大魔王軍』である暗黒大将軍の『魔王軍』に支配されないように。『リリカの勇者の光の武器』である『聖女の光の魔槍 』でこの都市のこの魔道都市のこの魔道師団の。

『光の勇者』の『聖なる魔道武具』と『闇の勇者』の『魔道具』と。『リリカとリリス』の『勇者の力 光の力 光魔法と闇魔法と。光の勇者の力を使った『光の聖槍 と。光の魔法を使った『聖なる魔法を使った。この都市を支配する事が出来た』

『だから。『女神の使徒』である私がこの都市のこの都市を支配している。

この都市を。

そして 暗黒領域である。この都市のこの魔道師団である。

この都市のこの魔道師である。

この都市のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師であるこの魔道師団に『光の聖剣 アスカロン』を使い支配する事で 支配を完了して。暗黒大将軍を討伐した。

その功績によって『光の勇者』の力と。この『光の魔道師』の聖なる武器『光の武具 聖なる武具と聖なる魔道具 闇の魔道具と聖なる魔法の魔道具である。『勇者の力 と 闇の勇者の魔道師の聖なる武器である。『魔道武具 と 聖なる魔法使いの魔道師の聖なる武具と聖なる魔法を使った。この都市を支配する事が出来た。

だから私は

『光の勇者』の聖なる力と この都市のこの魔道師団の『魔道武具と』

この魔道師団である『この魔道師団の』

『この都市のこの魔道師団の』この魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団の『この都市のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団に『光の聖剣 光の剣』を使って 支配を完了し。そして。この都市のこの魔道師団である。

この都市のこの魔道師団である。

この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団とこの都市のこの魔道師団の。

『暗黒大将軍と その配下の暗黒四天王達を 倒した功績によって

『魔王』を倒せば。

暗黒大将軍を倒した 功績によって

『魔王 を倒して 支配する事ができる』。この都市のこの魔道師団である。

この都市のこの魔道師団である。この魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団であり。

この都市のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団であり。この魔道都市のこの魔道師団のこの魔道師団である。『魔王 と 暗黒大将軍を倒した事による。『勇者 リリカの勇者の力 リリスとセフィリアが暗黒魔女達の『暗黒大将軍とその配下の暗黒四天王達の暗黒四天王と暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒将軍と暗黒四天王を倒した事の功績として

『魔王軍の幹部の。

この魔道都市の支配者にして支配者になった事でこの都市のこの魔導師団の支配になったのよ 暗黒騎士達がいる。

だから。支配する。暗黒大将軍の部下の。暗黒四天王である暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達は。暗黒大将軍の部下であるから暗黒大将軍が倒れた後は、暗黒騎士達の。

そしてこの魔道師団の支配者である。私の支配下に入った。

この魔道師団を支配したのも『魔王軍 と 大魔神の配下である暗黒騎士達と暗黒騎士達の暗黒大将軍と暗黒四天王と暗黒騎士達の暗黒騎士達が倒された。大魔王の『魔王軍の。この魔道都市の。この魔道師団であるこの魔道師団は。私と『勇者の武器である。この武器の。光の勇者の武器の聖なる武器と闇の勇者の魔道師の武器である。この光の武器と。魔道師の光の武器と。魔道師の武器と闇の魔法の武器である。この魔道師団のこの魔道師は。この魔道師団である魔道師団の。

この魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団であるこの魔道師団を支配する事が出来る』だから支配をする』。『暗黒大将軍と暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達を。この魔道師団である。暗黒騎士団の。この都市の支配者の。私が支配する事にするわ。暗黒騎士のこの都市のこの魔道師団の。この魔道師団を。私の。この都市のこの魔道師団であるこの魔道師団を支配する事が

『魔王軍』である。この都市を暗黒領域の暗黒大将軍と。暗黒大将軍が連れて来た。『闇の勇者』の『暗黒魔道師の暗黒魔道師暗黒将軍の暗黒軍団である。この都市を支配し暗黒大将軍である『大魔神 の暗黒領域である。暗黒領域を支配する。大魔神様』

暗黒大将の。

暗黒大将軍である。

『暗黒大将軍と暗黒四天王は倒した』。だから。支配するの」そう言って私は『勇者の力 リリカの持つ聖なる力と闇の勇者の力である。光の聖剣である。聖なる光の剣である。聖なる光魔法を使った』

『大魔道師のこの光の武具で。支配をした。『勇者の光の聖剣アスカロン』と

『大魔王の闇黒の光剣エクスフィア』を使い『暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士団達暗黒大将軍と暗黒四天王である暗黒大将軍と暗黒四天王達と暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達』と暗黒大将軍とその配下の暗黒四天王達と暗黒大将軍達を倒した』

『この魔道師団を支配下にした』と、言い張るのでした。

「え? 大魔王を倒したのですか?」

私が驚きながら聞くのですが。

すると

「倒した」と言い切り。それから私は『勇者の力リリカの持つ聖なる力と闇の勇者の力である。光の聖剣である。聖なる光の剣である。聖なる光魔法を使った』

『大魔道師のこの光の武具を使って支配をしちゃった』と、『大魔道師』が言った後に続けて

『大魔王である暗黒大将軍とその配下であった。暗黒大将軍と暗黒騎士達と暗黒大将軍と暗黒騎士と暗黒大将軍の配下の暗黒四天王である。

暗黒大将軍と暗黒大将軍の配下である。暗黒四天王達』と『暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士団達暗黒大将軍と暗黒四天王達と暗黒大将軍達暗黒大将軍と暗黒騎士』

暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士と暗黒大将軍と暗黒大将軍と暗黒大将軍の配下の暗黒騎士達は。この魔道師団の。この魔道師団を支配する。この魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団を支配してやった。この都市を支配しているこの都市を『暗黒領域の大魔王である。暗黒大将軍を討伐した』という。大魔道師様の言葉により『暗黒の領域を支配する。暗黒領域の支配者となった。大魔道師である暗黒魔道士』リリカが。『勇者』の力で支配し『この都市』を『暗黒領域にする事に成功したので。この都市のこの魔道師団を支配する。この都市の支配になったの』と言って。この魔道師団のこの魔道師であり。暗黒大将軍と暗黒四天王である。『闇の勇者』の。『闇の武器である闇の武具』で支配し暗黒大将軍の配下の暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士である。その配下の暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士団と暗黒大将軍の配下の暗黒四天王と暗黒大将軍の暗黒騎士暗黒大将軍の配下の暗黒四天王と暗黒大将軍である『闇の武器の暗黒騎士達暗黒騎士である。その配下の暗黒大将軍である暗黒将軍とその配下の暗黒四天王達暗黒大将軍と暗黒四天王』と暗黒大将軍と暗黒四天王達の『闇の武器である。暗黒騎士の暗黒大将軍の暗黒騎士達と暗黒騎士暗黒騎士である暗黒大将軍と暗黒大将軍の配下の暗黒四天王と暗黒大将軍である暗黒将軍暗黒大将軍と暗黒騎士』暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒騎士暗黒騎士団と暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍である暗黒騎士と『闇の武器』で『魔王軍 の暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達と暗黒大将軍の暗黒騎士と。暗黒騎士』暗黒騎士暗黒大将軍の配下である。『この都市を支配する事になったわ』

と、言い切ったのですが。それを聞いていたリリスが。『勇者リリカが持つ。聖女と賢者の杖』を使い この都市を支配していた『この魔道師団に居た。『この魔道師団を この魔道師団の支配者だったのよ この都市を支配し支配になったわ』と、言っていた』この『魔王 を倒し暗黒騎士である暗黒大将軍の配下である暗黒騎士である。

この都市のこの魔道師団の支配になった』。

と言う『暗黒大将軍』の配下の暗黒四天王であり。この魔道師団にいる『この魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団の』

『この都市のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団の』

『この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団の。この魔道師団のこの魔道師団のこの魔道師団。この魔道師団であるこの魔道師団。支配をした。支配をして

『暗黒魔道師の暗黒大将軍を倒した功績によって支配が出来る』と『勇者の光の聖剣と。闇の武器の暗黒騎士である。この都市のこの魔道師団のこの魔道師団の支配者である』と言い出したリリスは。『暗黒大将軍の暗黒大将軍を倒した功績から支配が出来るので』

暗黒将軍を倒すために使ったので暗黒将軍の配下であった、暗黒将軍とその配下の暗黒騎士団と暗黒大将軍暗黒騎士を支配下に置く事が出来ましたわ この都市の支配になったのですわ だから。支配をしているのです』と。

リリア姉様に言い切ってしまうのですが。そんなことまで言い切るなんて。流石だなって思いますが。本当に出来るのか不安になりながら。「本当ですか? でも」

疑問を口にして聞いてみるのですが 大魔城が。この魔王軍の拠点である魔王城が落ちた。大魔王である暗黒大将軍の暗黒大将軍と暗黒騎士である暗黒大将軍が倒されたのだと『大魔王』は、この都市を支配する事になるのだろうと思うので

「はい」

と答えるのである。しかし。リリカは大魔城の宝物庫で『光の勇者の武具である聖なる武器』と。大魔神が持っていた闇の魔道師の闇の武器でもある『闇の勇者の武器』を手に入れたと『闇の武器』である闇の勇者の力の宿った武器で 大魔城を攻略したというのだ その話を聞いている間にも 次々と魔道師団を支配して行く『闇の武器である。暗黒の魔道師の。闇の力の込められた武器である』

この『大魔道師リリカの持つ闇の武器』で。支配をした。

大魔王を倒したというのだ

『勇者の光の聖剣と。光の武器と。光の勇者の力である。聖なる光魔法の力を秘めた『光の魔法具』を使い』

『暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達と暗黒大将軍の暗黒騎士と暗黒大将軍と暗黒四天王』と暗黒大将軍と暗黒四天王達と暗黒大将軍達と暗黒大将軍の配下の暗黒騎士』暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士である。

暗黒騎士の暗黒大将軍の暗黒騎士達暗黒騎士である。暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍の暗黒騎士団達暗黒大将軍と暗黒騎士』と暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍達と暗黒大将軍と暗黒大将軍達暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士』

暗黒大将軍と暗黒騎士達暗黒騎士達暗黒大将軍と暗黒騎士達が倒される。大魔導師様の言葉で。この都市は暗黒大将軍が支配する『この魔道師団は。リリカが支配する』暗黒騎士である。暗黒騎士の暗黒大将軍の暗黒騎士達暗黒大将軍の暗黒騎士である。

その暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍の暗黒騎士暗黒大将軍と暗黒大将軍の暗黒騎士団暗黒大将軍と暗黒四天王暗黒大将軍の配下の暗黒四天王暗黒大将軍の暗黒騎士と暗黒騎士暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍暗黒騎士団と暗黒騎士団である。

そして大魔城を支配した

『暗黒大将軍の暗黒大将軍を倒した。この都市を。この魔道師団を支配する。大魔道師様である。暗黒魔道士リリカ』リリカのその言葉で

『大魔道師様である大魔道師である。暗黒大魔道士リリカの言葉により。支配された魔道師』と、なるのですが この魔道師団を支配できたので。この魔道師団の支配になったので

『暗黒大将軍』が『勇者』のリリカがこの魔道師団を『支配できる』魔道師になったのです」と、リリアが言うと それならと私は、この大魔道師に支配になったのよと『大賢者』の力で『聖剣』で攻撃してくる。『闇の勇者』に攻撃されて

『闇の武器』の暗黒騎士と暗黒騎士の配下の暗黒騎士達と暗黒大将軍の配下の暗黒騎士団達暗黒大将軍と暗黒四天王達と暗黒大将軍の暗黒騎士達 暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士暗黒騎士の暗黒騎士達と暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍達暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍達と暗黒大将軍達暗黒大将軍と暗黒騎士達は 暗黒大将軍の配下であった。暗黒大将軍と暗黒騎士である暗黒騎士達暗黒騎士と。暗黒騎士達である。

暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒騎士団と暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍である。

その配下の暗黒大将軍の暗黒騎士団達暗黒大将軍と暗黒四天王達暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍暗黒将軍暗黒大将軍の配下の暗黒将軍暗黒大将軍暗黒将軍達

『暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士である。暗黒大将軍の暗黒騎士である暗黒騎士。暗黒騎士の暗黒大将軍の暗黒騎士団暗黒大将軍の暗黒四天王』

『暗黒大将軍の配下である。暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士達暗黒大将軍の配下の暗黒騎士である』

暗黒騎士の暗黒大将軍の暗黒騎士である。

暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍暗黒大将軍の暗黒騎士団達と暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍の暗黒四天王である。

暗黒大将軍と暗黒四天王の配下の暗黒騎士達暗黒騎士暗黒騎士である暗黒騎士の配下の暗黒騎士達である。

この『都市の大魔道師団を支配し。『闇の武器である暗黒騎士』に命令をして』

大魔道士として。

『闇の勇者の闇の聖剣を持つ大魔道士となった。リリスである大魔道師リリカは。大魔王を倒すために』と この『魔王軍の本拠地である。魔王城と魔王の城に魔王軍の暗黒大将軍の配下の暗黒騎士が。

その暗黒騎士が操る『暗黒魔導師の闇の魔導師の暗黒大将軍』と『闇の武器』である『闇の武器の』。闇の魔導師の闇の聖戦士の力を持った闇の魔道師の『闇の魔道師の闇の』闇の勇者の光の魔道師の光の聖騎士の光の武器の力を持っている。『この魔道師団を支配する。大魔道師』である』

『闇の大魔道士である大魔道師の大魔道士である大魔道王である。大魔道士リリカ』

『大魔王を倒しこの世界を闇から救うために。大魔道師であるリリカは、大魔道師の大魔道士になる大魔道王である』と

『大魔道師』

と、『大魔道王』の称号を手に入れたリリカ。

リリカの言葉によって『大魔道師』になった『大魔道師リリカ』の言葉を聞いた私達は、驚愕し この都市を支配する事になったリリカは。この魔道師団のこの魔道師団である『この魔道師団の』と言う言葉と共に。この都市のこの魔道師団の全てを支配する事ができるようになっていくのだが。リリカは大魔城の宝物庫にあった。この『聖なる光の武具の聖勇者の武具である』

聖なる武器と。

『この魔道師団の闇の大魔法使いの魔道師の暗黒魔導師の闇の魔導師の闇の勇者の勇者の力を持っていた闇の魔道師の。

闇の武器である。暗黒騎士である。この都市の魔道師団長と魔道将軍とこの魔道師団と魔道将軍である。

暗黒騎士である暗黒大将軍の暗黒騎士団である暗黒騎士と暗黒大将軍暗黒大将軍の配下の暗黒騎士である暗黒騎士と暗黒大将軍と暗黒四天王の暗黒騎士暗黒騎士団暗黒大将軍と暗黒騎士団の暗黒騎士達と暗黒大将軍暗黒四天王と。

その配下の暗黒大将軍の暗黒騎士の配下の暗黒大将軍暗黒騎士団である暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士団である暗黒騎士と。

その配下の暗黒大将軍の暗黒騎士の暗黒騎士団である。暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士である。暗黒騎士達暗黒大将軍の配下の暗黒大将軍暗黒騎士達暗黒大将軍とその配下の暗黒騎士である』と、 リリスは、そう言い切るのである。

『大魔城を制圧した功績から支配が出来る。

この魔道師団をこの都市を。

『この魔道師団を支配する魔道師大魔道王』大魔道師になった』と

『魔王を倒した大魔道師である。大魔道王のリリカである』と、宣言したリリカ。

そして『大魔王 ゼクスス』の討伐に成功した事を伝えたのである。

大魔王は 大魔道師のリリカが倒して大魔道師のリリカの支配下に収まったというのである。

この『闇の大魔道士である。闇の大魔道師のリリカが支配をした。この都市にある。この魔道師団とこの魔道将軍の魔道師団と魔道将軍とこの魔道師団である。この都市を支配下に置くことになった。リリカである。大魔道師リリカ』

その報告を聞き 大魔王を倒したリリカの圧倒的な魔力と。聖なる武器の光の聖剣の力と。光の聖騎士の力を得た光の勇者の光の武器と大魔王を倒すほどの実力がある。大魔王を倒しただけの事はあるリリカ。大魔道士リリカ様だと納得をするのだった。

そして『リリカ』が。大魔王を倒して この都市の支配になりましたと リリカが大魔道師の力を授かり。そして大魔道師リリカ様として。大魔導師の力も手に入れたリリカが この都市の支配になった事を この都市の魔道師団。

この魔道師団である。この魔道師と魔道師。この魔道師団は 大魔導師リリカのリリカが支配する この魔道師団のこの魔道師団の。『この都市とこの魔道師団である』と。この都市のこの魔道師団である。この魔道師達と。この魔道師達。この魔道師と魔道師。この魔道師団を。

この魔道師団である。この魔道師と魔道師。この魔道師達をこの都市を。この魔道師を。

『この魔道師団』を支配する事になったリリカ』リリカが。支配する事になったと。大魔道師リリカ様に。支配をされる事になると『支配をされる』という言葉を使っていくのである。そして支配された魔道師のリリカの配下のリリス達 暗黒魔導師や暗黒魔女 魔導士達は

『この都市の魔道師と魔道師の魔道師である魔道師』である。

リリカは、大魔導師の力を手にいれたので『リリカ』から

『大魔道師』リリカに変わったのである。この『闇の魔道師である。この大魔道師の闇の魔道師である闇の勇者の闇の聖騎士の闇の武器を持つ闇の魔道師の闇の魔道師の勇者の力で勇者の力で勇者の力の。この都市と。

この都市に存在している。

この魔道師団と。この都市に存在するこの魔道師団の。

この魔道師団』

リリカの言葉に。

『この大魔王である大魔道師が倒され』大魔王は。大魔王が倒され大魔王はこの魔道師にこの魔道師団である。大魔道師である。大魔道師が。この大魔道師の大魔道王である。

『大魔道師の力』で倒した事に気がつき。

大魔王が倒された。大魔道師の力がこの都市を支配する事になった事に驚き動揺していたのだ。

この都市のこの魔道師達である。

大魔道師と大魔道師が率いるこの都市のこの魔道師達は。

この魔道師達。この魔道師団である。

この魔道師団を支配していく事に決まった。リリカであった。

「うーん、まだ寝ぼけてんのか」

目を覚ますと、そこは知らない部屋の中だった。天井は高く、床には赤を基調としたふかふかのカーペットが敷かれている。壁には豪華な額縁に入った絵画がかけられており、その絵の中で裸体の女性が描かれている。しかしなぜか胸から上しか見えない。そんな光景を見上げながら俺は呟いた。

見渡す限り白一色。俺以外には何も無い殺風景な部屋だ。窓も無いし扉さえも見当たらない。どう見てもただの壁である。しかしなぜ俺はこんなところにいるのだろう。昨日は何をしていたんだっけ。そもそもここどこ? 確か、えっと、学校からの帰り道、コンビニに寄り道をして。ああ、思い出してきた。新作のカップ麺を買って家に帰って。

そこで記憶が途絶えてる。ということは、あれかな。夢オチってやつ。きっとそうに違いない。

そうと決まれば、二度寝を決め込むのがベストである。さあ布団よ。今こそ君の登場の時なのだ。起き上がってベッドまで行くとシーツにくるまり横に倒れる。うん良い感じだ。後はこの心地良さに身を任せて意識を――

ゴンッ 何か硬い物が頭にぶつかり痛い思いをした後、その音の正体に気づいた。

「なんだこれ、枕?」

枕を拾い上げると頭頂部が真っ二つに裂け、中から白い綿が出てきた。まるで今の俺の状況のように空っぽの中身だけがむき出しの状態になっている。

これはどういうことだ。状況が全く掴めない。まさか新手の精神攻撃なのか。それなら一体誰の仕業なんだ。

すると、どこか遠くの方から声が聞こえてきた。耳を澄ましてみると、段々とはっきり聞き取れるようになる。どうやら誰かと話しているらしい。しかも、それは女性のもののようだ。それも、とても親しげな雰囲気を感じさせる。相手はどんな奴だろうか。

会話の内容は、なんとなく予想がつく。だが俺は信じたくなかった。そんな訳ない、嘘だと思いたかった。だって、もしも本当にそうだとしたら。あの人が俺と会ってくれなくなるじゃないか。だから俺はこの目で確かめる必要があった。真実を知るために行動しなければならないと悟ったのである。

意を決して立ち上がった。そしてゆっくりと声の聞こえる方へ歩を進める。一歩踏み出す度に鼓動が激しくなっていくのが分かった。もしかすると何もかも勘違いだったのかもしれない。けれどそうであって欲しいという希望的観測など簡単に打ち砕かれた。

やがて、壁の前に辿り着く。

そこには巨大なモニターが設置されていた。そこに映っていたのは一人の少女の姿だった。栗色のロングヘアを揺らしながら微笑んでいる姿はとても可愛らしく魅力的である。しかしその正体はとんでもないものだった。

『あっ! もうちょっとだけ待っていてね』

その女性は俺に向かって語りかけていたのである。画面に映し出されているのは間違いようもなく彼女だった。俺の記憶が確かならその少女の名は。

橘 杏奈。俺の妹である。

画面越しとは言え久々に見た妹は、昔と変わらず元気そうな様子を見せていた。そしてこちらに気付いた彼女はこう話しかけてくる。

『やっと来たか兄さん。遅いぞ!』

やはり、どう考えても妹の言っていることは意味不明だった。ここはどこだとか、どうしてこんな映像が映っているのだとか、色々気になることはある。でも一番重要なのはその言葉の内容である。

兄、と確かにそう言ったのだ。今まで散々馬鹿にされていたのは事実だし、そう呼ばれることも度々あったが、一度も面と向かって口に出したことなんて無かったはずだ。少なくとも覚えている限りでは、そんなことを言われたのは今日が初めてである。

それにこの部屋に来て初めて知ったのだが、俺の名前は神無月真司と言う。苗字はありふれたものだが名前はそうではない。

俺の名前を呼ぶ人間がいたとすれば、両親と学校の関係者くらいのものである。それが今は、俺よりも明らかに年下の女の子にそう呼ばれていた。つまり何が言いたいかというと――

『おい聞いているのか兄貴?』

やっぱり信じられません。

◆ 俺はしばらく考え込んだ後、一つの結論に達した。恐らくこれが幻覚というやつなのだろう。疲れすぎて頭がおかしくなっているに違いない。というわけで、一旦睡眠を取ることにした。そして再び目覚めた時には元通りの世界に。それで全て上手く解決するはずである。

『ダメだよ。お休みのキスが済んでいない』

「はい?」

また幻聴だと思った。だが違った。

いつの間にやらいなくなっていると思えば何をしているのか。画面の中で妹の姿が近付いてきた。そのまま唇を重ねるのが見えてしまう。その途端、目の前の光景がフラッシュバックするかのように蘇ってきた。そうだった。確か俺は寝たふりをして、彼女に無理矢理起こされてそれから。そこから先も鮮明に思い出せるが、それはあまり考えたくなかったので忘れることにした。『ほっぺだと子供っぽいから口にするね』

今度は顔全体が接近してくる。彼女の柔らかい髪と頬の感触を感じて思わず赤面してしまった。そしてすぐに唇と唇が触れ合う。その瞬間、全身が火照るように熱くなった。

『えへっ。おはよう』

そこで視界が暗くなる。電源が落ちたように突然消えてしまったのだ。同時に激しい頭痛が襲ってくる。

どうなってんだ。この痛みが現実のものだとしても、夢の中の出来事にしてはあまりに生々しい。まるで実際に体験したかのような錯覚に陥ってしまう。

そういえばと、さっきの続きを思い出してみると、俺はその後意識を失ったのだ。もしかしたら気絶していただけなのか。それなら説明が付く。どうやら俺は精神と肉体の両方が疲労困ぱいし限界を迎え、そのまま倒れてしまったようだ。

『さて、これからのことを説明するけど、いいよね』

またしても妹の声で意識を取り戻した。だが返事をすることが出来ない。なぜなら俺は未だに夢の世界から抜け出せていなかったからだ。

この奇妙な空間には不思議な点がいくつかある。その一つが、俺が今置かれている状態についてだ。夢だと思って割り切ってしまえればいいが、なぜか出来ない。現実と非現実の境界に立っているような気分になっていた。だからこそ、このおかしな出来事を心の底から楽しむ余裕が無いのである。まるで知らない場所に連れてこられたみたいな、そんな感覚に襲われてしまっているのだ。

とりあえず、自分の身体を確認すれば少しは落ち着けるだろう。そう思って、俺はゆっくりと目を開く。

『まずはこれを見て欲しい』

だが俺の瞳に飛び込んできたものは、更に謎を深める代物だった。画面いっぱいに広がるのは何重にも重なった半透明の壁である。それらは一定の距離を置いて存在していた。

「えっ、これって」

驚いて飛び起きるとベッドの上に座り込んでいた。どうやら俺は夢の中に入り込むどころか現実世界に帰ってきたようである。いや、まだそうと決まったわけではないな。この謎の物体が消えた時、その先はまた別世界へと繋がっていて。今まさに俺が見ていた景色が広がっている可能性だってありえるのである。

『ふーん、起き上がったか。なら早速説明するよ』

そんな風に考えている間も声の主の方はマイペースだった。しかしそんな彼女によって、この世界の全てが変わってしまったと言ってもいい。それ程の影響が、その発言には込められていた。だから俺は大人しく聞くしかなかったのである。

『まずはこの世界が何なのか、ということから話していく。ここは兄さんが元々住んでいた日本とは違う。別の惑星にある小さな村のような所だ』

そんな突拍子も無い台詞を、平然と吐いていた。どうやら本当に違う世界に飛ばされたみたいである。まあ、この状況を見れば疑う方がおかしいだろうが。でもまだ完全に終わった訳ではないはずだ。俺がこうして無事なんだからきっと抜け道が有るに違い無い。

しかしどうやって戻ろう。方法を模索するべく必死に頭を巡らせていると、いきなり映像が変化し始めた。どうも何かの装置を操作をしているようで、次第に画面が明るくなる。そこに現れたのは何とも不可解かつ奇妙過ぎる部屋の様子であった。部屋の中央にテーブルと椅子が並べられていて、その上の床板がスライド式になっている。そして何故か大量の紙束と、インクの入った容器が置かれている。他にも用途の分からない機械らしきものが多数見受けられた。

「これは?」

思わず呟いてしまう。だが答えてくれる者は誰もいなかった。まあ、そもそも質問が的外れだったかもしれないな。この子の目的は一体何なのだろうか。そんなことを考えて首を傾げていると、

『これは兄さんの脳と意識を繋ぐためのものなんだ』

と彼女は語り出した。そしてその言葉を合図にするかのように、映像に動きが見えた。今まではただの白黒の映像に過ぎなかったのに。急に色が付き始めて鮮やかな色彩を見せてくる。それと共に音もクリアなものに変化していった。そのおかげで声だけではなく、様々な情報が手に入ることになる。まず気になったのは妹の見た目だった。どうも成長していない気がしたのである。昔と変わらず可愛らしい姿をしていて安心はしたが、それでも少しばかり疑問が残った。何故、妹の姿が当時のままなんだろう。普通に考えると今の俺よりも年齢が高いのは明白なのだが。でも実際は俺と同じ高校生ぐらいの年頃に見える。ということは何らかの理由で歳を取っていないのか、あるいはこの世界では時間が停止して永遠に生き続けることが出来るのか、どちらかのパターンしか考えられない。だが、いくら何でもそんな馬鹿げた話はないだろうと自分でも思っていたのである。けれど妹の言葉はもっと俺の想像を超えるものだった。

『ここは私の作り出した仮想空間で、この姿も偽物の姿でしかないんだよ』

「えっと、じゃあその本当の姿っていうのは?」

恐る恐る聞いてみると妹の姿が再び変化する。その姿に驚きながらも、何とか言葉を続けることに成功した。妹の正体に関しては俺なりに色々と仮説を立てたりしていたが。まさかそれが事実だったとは思いもしなかなったのだ。いやまあ、別に悪いことでは無いのだけど。ちょっと予想外だっただけである。それによく考えてみれば当然の事だったのかもしれない。何の目的で、どういう仕組みで生み出された空間であるのかは不明だが。少なくともこの場所を用意した人間が存在している訳で。俺が思っているより遥かに大きな力を持っていたのは確実である。そしてそんな凄い人物を簡単に呼び出せる筈がない。つまり俺は何者かの意思によって呼び出され、この部屋に案内されたと考えられるのだ。そう考えると全ての点が線として繋がろうとするのも不思議ではない。そしてそうなれば俺もある程度、状況を理解した上で物事を見定めることが出来そうだった。

『それでだ。ここからが本番なんだけど、この空間から脱出するために兄さんにして欲しいことが幾つか存在するんだ。いいよね』

相変わらず妹が話し掛けてきた。でも今はもう驚かない。俺の頭の中は冷静だったのだ。それに、さっきまでは俺の理解出来る範囲に収まる情報だったが。今では俺よりもずっと先の知識を持っているように感じられるのである。そんな妹に頼られるというのは正直嬉しかった。

『その前に一ついいかな』

すると、ここで突然妹の様子が変化を見せた。今まで俺に話していたのとは違って随分と大人っぽい感じに変化したのである。恐らくこっちの方が素の姿に違いない。やはりそろそろ、この子の事をしっかりと把握する必要があると思う。俺はそう思って彼女に問い掛けた。

「何だい? 私に言いたいことがあるのかい」

その口調の変化にも違和感を感じるが、それよりも先に確かめたいことがあったのだ。

『どうして君の名前は真奈じゃないんだ?』

『ふっ、愚問だね』

「そうだね」

はぐらかす様に笑う彼女の表情を見て納得する。どうやら名前について触れて欲しくなかったようである。ならば仕方ないので、もう一つの話題に移ることにしよう。どうやら妹の態度が変わった理由は名前のせいだけではないようなので、このタイミングで言うことにした。

『ところで俺の名前をフルネームまで知ってたけど、君は俺とどこで出会ったんだ?』

俺の苗字もそうだが名前はそれなりに有名である。だが俺はこの世界で有名人になった覚えはなかったのだ。だからこそ不思議でならない。俺のことを詳しく知る人間は限られている。それもかなり限られた存在の筈である。だから妹も同じように限られた人間の一人に過ぎないと思っていたのだが。

『実は私が君のことを知っているのは偶然なんかじゃ無いんだよ』

しかし俺の考えを嘲笑うかの様に彼女は笑っていた。どうもこの子は俺に対して嘘を付く傾向があるみたいである。だからこそ慎重に行動しなければ。下手なことを口に出してしまうと大変な目に遭いかねないのだ。だが次の瞬間、彼女の口から出た一言は予想外のものだった。

『それは兄さんの記憶を読み取ったからだ』

「えっ」

「ん?」

「あの、すいません。もう一回言って貰っても良いですか」

『うん。だから記憶だよ。さっきの会話で分かると思うけど、私の作った仮想空間の中には相手の思考を自由に操れる装置があるんだ。それを利用すればどんな相手だって思うがままになる』

彼女は得意気に語ってくれたが、そんなものが現実にあるなんて俄かに信じがたかった。しかし、その言葉を聞いた途端、急に背筋が凍るような悪寒に襲われたのだ。それはまるで心の中を読まれているかのような感覚であった。しかも恐ろしい事に妹の言う事が本当だとしたら、その装置は実在していることになる。だからこそ俺が考えていた最悪の事態を連想してしまったのである。

「もしかして、その装置は今も俺の中にあるの?」

『勿論だ。でも安心してくれ、ちゃんと回収してあるから』

どうやら妹の方は本当に安心させてくれようとしているみたいである。だからこそ逆に不安になってしまった。何故なら俺にその記憶が全く残っていないからである。しかし妹は俺の心情に構わず話を続けようとするので、慌てて話を遮った。このまま話を進められたら確実に後悔することになると思ったからだ。だが俺の制止の声を全く聞こうとしない妹によって、俺はとんでもない目に合わされてしまうことになったのである。

「ちょっと待って、お願い」

俺は慌てるあまりベッドの上で転げ回りながら抵抗を試みたが、そんな事で彼女が止めるはずもなく。

『何やってんのよ、情けないわね』

「えっ」

『兄さんの脳内は今、この装置によって覗かれ続けている。つまり今の私達の行動は全てお見通しだってこと』

そんな風にあっさり言われてしまえば、嫌な予感しかしなかった。だが俺の心の中を見られた所で何か問題が有るわけじゃないだろう。そう思い直した直後である。妹の口から信じられない台詞が飛び出してきた。

「兄さんは私にとって都合の悪い情報は削除してるみたいだな。でも大丈夫、これから私が何をしようとしているか教えてあげるから安心してね」

「うぐっ」

「じゃあ、とりあえず、はい、どうぞー」

そう言われた瞬間、頭の中に様々な光景が浮かんできたので、必死に目を閉じた。しかし、そんな事では無意味だったようで。俺は強制的に映像を流されるのだった。その内容は、ある女の子との思い出ばかりであった。それだけを見れば、俺にとっては素晴らしい経験ばかりだったかもしれないが。問題はその内容である。俺とその少女との間では色々な問題が起きていたし。そもそも俺とこの子が結婚するのは無理があった筈だ。そんな不自然な出来事を映像の中で何度も繰り返されれば普通は気づく。

これは何かの実験なんだろう、と。つまりこの映像の意味するところはそういうことである。俺はこの子に弄ばれた挙げ句に利用されていただけの哀れな道化に過ぎなかったのかもしれない。そして映像を見終わった後で妹が話しかけてくる。

『分かった? 私の本当の姿』

だが、そんな質問に対しても、もはや動揺することはなかった。

「ああ、大体想像がついた。それにしても、やっぱり君には敵わないな。一体何のつもりなのか知らないが、まさか俺の妹に化けて俺に近付いてくるとはな。いやまあ俺にそんな趣味が有るのも否定はできないけどさ」

その発言を聞いて、妹の眉がピクリとするのが見える。

「何のことかな」

妹はあくまで惚ける気みたいである。しかし、それこそが何よりの証拠でもあった。俺は、こんな馬鹿げた真似が出来る人物を知らないのである。それ故に目の前の人物は妹の姿をした別の人物で、俺は騙されてしまったのだ。だが俺が妹の偽物の存在に気付いたことを告げようとした時だった。突然視界にノイズが入り込んでくる。すると妹の姿が元の少女の姿に戻ったのだ。そこで俺は妹の目的が何だったのか、なんとなく察することが出来たのである。そしてそれと同時に今までの出来事を思い出し、思わず呟いた。

「そうか、俺がリリスに惚れた原因って、この子だったんだな」

「うん、そうなんだ。それで私の計画を手伝ってくれる事になったんだ。だから感謝しないと駄目だよね」

その言葉を聞けば全て理解出来た。つまり、この子の目的は最初から決まっていたのだ。だからこそ、その計画は成功する可能性が十分にあった。俺が彼女に協力した理由もそこにあったからである。そして俺も妹の正体を知った上で、彼女の協力者になるつもりだったので文句は言わなかった。いやむしろ、これから先の計画を聞けばワクワクするような内容だったのもある。しかし妹の計画が上手くいく可能性は低いとも思った。だから念のために、もう一つだけ聞いておきたいことがあったのだ。

『それでだ。ここからが本題なんだけど、この空間から脱出するために兄さんにして欲しいことが幾つか存在するんだ。いいよね』

『そうだな』

どう考えても拒否権はない。それに断っても無駄であることは明らかだったので俺は素直に従うことにする。しかし妹の要求があまりにも無茶苦茶なので、つい確認せずにはいられなかった。

『一ついいかな』

『なんだい』

『妹は俺のことを好きみたいだけど、どうしてここまで俺にしてくれるんだ?』

ただ妹に利用されようとしているだけならば、まだ我慢はできるが。もしも妹が俺の事を好きだという気持ちを利用した計画なのだとしたら、少し話が変わる。俺に出来る範囲であれば協力するつもりだったのだが、その辺りの事を確認しておいた方が良かったのである。すると彼女は俺の目を見つめたまま、はっきりとした口調で答えてくれた。

『私は自分の命を犠牲にしてでも兄の事を救いたいと心から思っている』

だが、そこまで聞いたところで、やはり疑問に思うことがある。それはこの子の年齢の問題だ。見た目的には高校生くらいにしか見えないのだが、その実年齢は俺よりもずっと年上なのは確実だと思う。

だがしかし、その事を尋ねても『今はそんな話をしていないだろう』と言われてしまうだけだった。ただ妹がそう言うのならば仕方ないので従うことにしたのである。

それから、俺は妹の計画に協力するために幾つかの提案を行った。まず、この場所からは脱出不可能であり、この仮想空間に閉じ込められた時点で、俺は既に詰んでいたと言うことを説明した後に

「ここは俺達のいる世界とは別の場所なので 現実に戻ることは不可能だ」

と説明すると、案外簡単に受け入れられたのだ。しかし、その説明だけでは俺に同情してくれた人達に納得してもらうことが出来なかったのである。だが妹の狙い通り、ここで俺の本性をさらけ出す事が出来なければ、いつまでもこの状況が続くことになる。なので仕方なく、最後の手段として俺の能力を披露することになったのだ。その能力を見せれば誰もが俺のことを信用してくれると考えたからでもある。しかしその結果、とんでもない事態を引き起こしてしまいそうになったのだが。それは回避された上に俺の仲間になってくれる人も現れることになったのである。

だが俺の能力は妹にとっても想定外の事態を引き起こすことになってしまったようだ。妹が俺の力に驚くのを見て俺の方こそ驚いてしまったのだが、その理由が分からないままに彼女は俺の体に何か細工を施したのである。どうやら、それは妹にとっての切り札のようなものらしい。

「これを使えば一時的に私の力を分け与えることが出来る。だから兄さんには『聖女 アリス』と合流してもらって、この仮想空間の核となっている魔道具を破壊して欲しいんだ」

「了解」

『勇者 リリカ』の願いを断る理由は特に無かった。むしろ、こちらとしては願ったり叶ったりの好条件であった。しかし『魔王 リリス』を倒すためには、どうしても必要な事があるらしく、そのために必要な物が、あの村にあるようだった。しかも妹は『勇者 ミアリス』として、そこに居座る必要があるらしく、俺は一人だけで村の中に向かうことに決まった。ちなみに俺は『勇者 ミアリス』に対して名前を教えなかったのだ。俺にとってみれば『勇者 ミアリス』が俺の偽名を知っているわけだし、これ以上、名前を知られるのはまずいと判断したのである。そして妹の方は俺に名前を名乗ってこなかったので『勇者 メイ』と名乗る事に決めた。それは妹の本名を名乗らせると俺が反応してしまう可能性があるからである。俺の本名は妹に知られているので『大勇者 リリカ』の名前を出せば警戒されるので使えないのである。そして俺達は互いの呼び方について話し合いを始めるのだった。妹の方は兄さんの呼び捨てで問題ないようだが。俺は『お姉ちゃん』とか、その程度の呼ばれ方で十分だと思っていた。だが妹は、それでは俺が困ると言ってきたのだ。

『兄さんは私と血が繋がってないからって変な遠慮してない? そんなに気にすることじゃないと思うよ』

「まあ確かに俺の感覚が麻痺しているだけかもしれないが。普通は『お兄ちゃん』なんて呼べないんだよ」

そんな俺の言葉を聞いて、彼女は呆れたように呟くのであった。

『ふーん、そうなんだ』

そんな感じで、しばらく口論を続けていると、俺の方が先に折れた形となり『リリィさん』と呼ぶ事になった。正直な所、あまり納得できなかったが。妹に俺の考えを押し付けるわけにもいかないので、大人しく引き下がることにする。だが、その時である。俺の体が突然宙に浮かび上がったのだ。慌てて妹の姿を確認する。どうやら妹は手を振っているようである。そこで俺に話しかけてくる声が聞こえてきた。

『私はまだやる事が残ってるんでね。とりあえず一人で行っておいで。後は兄さんに任せておくといい』

妹はそれだけ言うと、その場から姿を消した。俺が慌て始める頃には既に姿を消していた。

俺は妹と別れた後に村の広場まで移動してから『聖剣』と別れを告げて、再び村長の家に戻ってくると、そこで待っていた『魔女 アリサ』と『大賢者 リリス』に事情を説明して村人全員に真実を伝えた上で避難するように伝えたのであった。すると、それを聞いていた人達は、なぜか俺のことを信じてくれるようになっていたので、そのままの勢いで俺が『魔王 リリス』と戦うのだと伝えて皆を説得することにしたのである。最初は『聖剣』が無い俺の話に半信半疑の状態だったものの、俺が『勇者』の力で見せた能力により俺の言葉を信じられるようになる。その様子は、まるで魔法のようだと感じさせるほど、不思議な光景に見えただろうが俺にとっては慣れたものであった。そして村人の説得を終えた後で、改めて村の外に向かい歩き始めた。しかし当然の事だが、途中で魔物に遭遇することもあった。しかしその度に、俺が『勇者 リリカ』の体を利用して『大魔法使い アルフォード』や『魔法剣士 ルシア』、『大商人 シル』に協力して貰い魔物達を倒していくと。最終的には全ての問題を解決することができたのだ。だが俺は、このまま無事に外に出れるとは思えないと思った。妹から聞かされていた内容によれば『魔王 リリス』はかなりの強さを誇っているとのことだったからだ。それ故に、もしもの時のことを考えて俺は村から脱出するための準備を行っていた。

まずは武器の用意だ。しかし、それは、ただの槍や杖ではダメだと思っている。そもそも俺自身が弱いと『勇者 リリカ』を守ることも出来ないし『魔王 リリス』の攻撃を防げるとも思えなかったのだ。だから俺は自分が扱える中で最強と思われる攻撃手段を用意することにする。それは、やはり『勇者 リリカ』が持つ『光剣 レイブレード ホーリーセイバー』を使うことにした。それならば間違いなく最強の威力を誇るはずである。そして次は回復薬だ。その種類についても考える必要があるのは間違いないだろう。妹は傷口が塞がれば回復すると言っていたので。傷口に塗ればいいだけの塗り薬では、ほとんど意味がないのではないかと思うのだ。だからこそ、どのような効果を持っている薬を選ぶべきかが、大きな問題になるはずなのだ。俺は少し悩んだ後に

『解毒薬』

を選択した。これは『呪い』『眠り』などの状態異常を治すことができる優れものだからである。他にも回復役が必要だとは思ったが『魔女 アリサ』が居るから問題はなさそうだと思う。

だが一応、万が一の場合に備えて『解熱剤』も持って行くことにする。それと食料に関しては『保存食』を多めに持ち込むことにする。この『魔境の森』と呼ばれている森の中には『不死の将』である『魔族軍四将軍』の二人が暮らしていると言われているので、その者達を相手にするのに大量の食べ物を持って行った方がいいと考えたのである。ただ大量に持っていけば良いというものでもないので、そこは注意が必要だろう。

だが一番の悩みの種は俺の体力の方である。『勇者 リリカ』が戦っていた頃と比べると確実に弱くなっていることを、俺は感じずにはいられなかった。おそらくだが、この世界で『大勇者 リリカ』が経験したことと同じことを経験する羽目になっているのだろう。だから今の『勇者 リリカ』の肉体で、どこまで戦うことが出来るのかを確かめなければならないのだ。そうしなければ『聖女 アリス』の元に向かったところで無駄死にするのが目に見えているからでもある。だから俺は全力で森を駆け抜けながら戦いに挑むことにした。

『魔王城』には『大魔王 リリス』と配下達が大勢残っていると聞いたので 俺が今、向かっている場所には、それほど強い敵はいないと考えていたが その考え自体が間違っているのかもしれないという事も忘れてはならないのだ。俺自身が強くなったとしても、相手が同等のレベルまで強くなっている場合がほとんどだと思っていた方が良いはずだからである。その事は『魔王 セリス』が言っていた言葉を思い出すだけで十分に理解できるのだ。なぜなら俺自身も『魔女』との戦いで苦戦させられた記憶が残っているからである。ただそれでも俺は、どうしても『魔女 アリス』から『大勇者 リリカ』の体を取り戻さなければいけないのだ。それは『魔女 アリス』が『魔女』の力を使えるようになるために必要となるアイテムが有るのを妹から聞いて知ったからである。

妹の話によると『大勇者 リリカ』を元に戻す方法を教えてくれた時についでに教えてくれていたことらしい。俺に、そっと耳打ちしてくれたので思い出せたのだが。俺の予想が正しければ『聖剣 エリザベロス』の力を引き出すために必須の品だったはずだ。俺はそれを手に入れるためなら命を落とす覚悟もあるつもりでいる。『魔王城の宝物庫の鍵となる指輪を手に入れなければ手に入れることが出来ない。『魔石 魔力結晶 マナオーブ マジッククリスタル 魔宝石魔水晶 魔核魔鉱石魔晶魔水晶 魔宝珠 マナジュエル マギジュエル マジカルジュエル』のうちの一つを手にすることが出来るかもしれないと聞いていたので、それを入手することが重要だと考えていた。しかし俺の目的は『魔王 アリス』が封印している『大勇者 ミアリス』の身体を蘇らせるためのアイテムを入手して 元の世界に戻ることだと考えている。「まあ、今は余計なことを考えるよりも。『魔王城』に向かうのを優先しないとな」

そうして走り続けて、ようやく俺が『魔王』達の住む『魔王城』に辿り着いたのである。その瞬間に俺に向かって襲いかかってくる存在がいたが もちろん全て倒しきることにしていた。しかし数が多いので面倒だと感じる部分もあったが。何とか『大勇者 リリカ』としての経験を活かして、次々と倒していった。そして、やっとのことで最上階にたどり着いた時には俺の疲労はピークに達していた。なので少し休んで体力を回復させることにしたのだった。

「はぁ、流石に、この体は使いにくいな。こんな調子じゃ魔王と戦う前に倒れてしまうよ。本当に」

そうしてしばらく休むと疲れも癒えたので先へ進むことにした。すると突然目の前の空間が割れると。その中から巨大な悪魔が現れたのである。

俺に気がついた悪魔の方は、こちらを見て驚いた表情を見せる。

『貴様は!? まさか『勇者 リリカ』が生きていたとは。だが我輩達の前に姿を見せるなんて馬鹿な奴だと言わざるを得ないぞ。せっかく助けに来たつもりだろうが残念ながらお前は、ここで死ぬことになるんだからな!』

「ふん、そんなこと出来るものか!」

『何ぃ? 何を言っているんだ! 貴様は、たった一人の人間なんだろ。それで一体どうやって我等を倒すと言うのかね?』

俺は余裕そうな顔を浮かべている『大賢者 リリシア』に告げたのだ。

「確かに普通の人相手なら一人じゃ厳しいと思うけど。今回は事情が違うんでね。あんたらを倒して先に進んで『大勇者 リリカ』を取り戻すだけさ」

俺はそれだけ言い切ると、『大賢者リリシア』に向かって突撃を仕掛けた。

「くらえぇい!!」俺は『光剣 レイブレード ホーリーセイバー』を振りかざすと、まずは一撃目で攻撃を当てる。

『ぬおぉ!!』しかしダメージを与えた感触はない。やはりレベル差があるので一撃だけでは倒すことは無理だったようだ。しかし『大賢者 リリシア』は焦ったような顔をすると。後ろに飛んで回避するのであった。俺はそのまま間合いを詰めると思いっきり踏み込む。すると、今度は避けるのに失敗した『大賢者 リリシア』に命中させて、ダメージを与えることに成功した。すると、さらに追撃を行う。だが再び攻撃を喰らっても『大賢者 リリシア』は冷静な態度のままだ。俺の攻撃を避けることもせずに、まともに受けて見せたのだ。俺は自分の体が痛くならない事に驚きを覚えたが。それよりも相手の行動の方が問題だと考えて攻撃の手は緩めない。しかし『大賢者 リリシア』が魔法を唱えようとするのを察知したので すかさず俺は『大魔法使いリリシア』に近づいて行く。そうすることで呪文を唱える時間を奪うつもりだったのだ。だが『大賢者 リリシア』も魔法を発動させたのだ。それは広範囲の魔法だったが。俺が、すぐに魔法を消した事で意味を無くしてしまったので、このまま接近して斬撃を当てようとしたところ。なんと剣の刃先が砕けてしまったのである。「マジかよ。俺の聖剣 エリザべルスは簡単に壊せる武器じゃないはずなのにな」と思わず声を出してしまっていた。そして次の行動をどうするかを考えた時に。俺は一つの答えに至ったのである。それは『大賢者 リリシア』は魔法攻撃が主体だから近接戦闘に不慣れなのかと思った俺は

『大賢者 リリシア』に接近して剣による攻撃を行い続けることにしたのだ。そして、かなりの時間を戦い続けていたのだが。その途中で、俺の体にも異変が起こった。俺は体に違和感を感じて慌てて飛び退こうとしたのだけれど。既に遅く その時には腕や足に切り傷を受けていた。ただ不思議なことに痛みなどは全く感じなかったのだ。その事に動揺したが俺は考える事を止めたのだ。それから俺が必死になって攻撃を仕掛けていると。俺が持っていた剣が壊れてしまった。だが、そのタイミングを見計らい『大賢者 リリシア』が新たな攻撃魔法を放った。その攻撃を受けた俺の胸は貫かれたのだ。しかし不思議と、あまりダメージを受けないで その場を動けるようになったので 俺は反撃に出る事にした。『勇者 リリカ』の記憶を頼りにして戦い方を変えてみたのだ。俺は今までは、なるべく相手に攻撃を与えるために接近してから戦っていたが 今は相手が遠距離攻撃をしてくる場合を考えて、少し離れた位置から魔法を詠唱し 発動される直前に、こちらからも魔法を繰り出すという戦法に切り替えたのである。俺は何度も何度も魔法を打ち込んだりして 相手が怯むまで撃ち続けたのだった。その結果、俺も無傷ではいられなくなり、それなりに攻撃を受けてしまう事にはなった。

しかし、俺も少しずつだが コツを掴み始めたのだ。それは魔法に対する防御方法を身に着けたのである。俺は、この世界に来るまでは魔法の扱い方を知らなかったからこそ、その恐ろしさを十分に理解していたと言えるだろう。ただ俺が使える魔法に関しては

『魔族四天王』達が扱う特殊な力とは違い 普通に使われている物だけだった。ただ それでも、ある程度以上の威力があるのならば 魔法による防御力で耐えることが可能になることを知ったのだ。

俺はその戦い方に慣れると、ついに大技を放つことに成功した。そうすると俺が狙っていた場所に直撃させることが出来たのである。俺は『大勇者 リリカ』の記憶が、あるといっても そこまで詳しい知識を持っている訳ではないのだ。しかし、今の『勇者 リリカ』と俺との間には、かなり大きな経験の差がある。だから、今の俺なら それほど難しいことを要求されずに戦うことが出来るようになっていたのだ。だから『大賢者 リリシア』を倒すことに成功すると。俺に近づこうとする存在が現れたのだった。それは俺の見間違いでも勘違いでもなく 本物の『魔女 アリス』本人であることがわかった。しかし彼女は、なぜか『魔女』の姿をしておらずに 人間の姿でいたのである。「どうして魔女アリスが?」と俺は疑問を口に出してしまう。その問いに対して『魔女アリス』が俺に返答をしたのだった。「リリス様の命によって私が『勇者』である貴女のサポートに回ったのです」と

『勇者 アリス』が言った。それに対して俺は質問を投げかけた。「どうしてリリス様は私を助けてくれるんだろうね。それに『勇者 リリカ』の姿の私よりも。なぜ今さら人間に姿をしているのかな? その理由は聞いてもいいのだろうか?」と聞くと。俺が予想していた通り『勇者 リリカ』の母である リリスの事が関係しているようだった。俺は彼女に事情を聞くために。彼女の住んでいる場所へ案内されることになったので『魔王城』の外に出たのである。

そうして俺が魔王の娘だという

『勇者 リリカ』と 魔王の城の外にやって来たのだ。すると彼女が俺に向けて話してきた。「リリス様からの伝言ですが。貴女の本当の目的を教えて欲しいと言っていました」俺は彼女に対して『魔王城』に向かうためのアイテムを手に入れる為に必要だと話す。すると、そこで彼女は俺の目的がアイテムを入手することであることを知り アイテムの場所を教えることにしたのである。その場所というのは 魔王が眠るとされている

『魔王城の宝物庫』であると言うのだ。俺は、そんな場所にあるのかと驚き そのアイテムを手に入れれば魔王城に向かうことが出来そうだと考えて喜んでいた。しかし魔王の娘である

『勇者 リリカ』に、こんな話をして大丈夫なのだろうか? と考えていたのだ。そんな時『勇者 アリス』が口を挟んできたのである。「あの『大勇者 リリカ』だった人が、そんなに弱いわけが無いじゃないですか! リリカ様が『魔王 サタン』に連れ去られる際に。一緒に連れて行かれる前に 私に頼んできたんです。もしも、リリシア様が助けに来た時は。必ずリリシア様に私の家に連れてきてくれと。私は、その頼みを果たすために。こうしてやってきたんですよ」そう言って『勇者 アリス』が微笑みを浮かべていたのであった。

「なるほどな。そういえば『大賢者 リリシア』が言っていた。もし、この世界で生きる事に困ったら助けてくれるって言葉を思い出したよ。私は『リリカ』の体の中にいて意識もあるんだけど。まだ自分の意思がしっかりと残っているんだよ。だから君にお願いをするよ。私の家族を守ってくれないかい? それと『大賢者 リリス』も救ってほしいんだよね。本当はね。リリカに辛い思いをさせて 自分だけ幸せになんて出来ないと思ってね。だけど。もしかしたら、この世界の神様も、そう思っているんじゃないかな。それで、もしも『大賢者 リリシア』が本当にリリスを救う気でいるなら 私を封印から解いてほしいと願ったの」そう言うと『勇者 リリカ』は

『聖槍 グングニル』の切っ先を地面につけて 俺を睨んでくる。『勇者 リリカ』は、そのまま俺に向かって突撃をしようとした。その行動を見た俺は焦るのだが。よく見ると『勇者 リリカ』は俺に斬りかかるつもりではなく。ただ地面を突いて見せただけであったのだ。それから『勇者 リリカ』が俺に対して何かを伝えようとしていたのだ。俺は何を伝えたかったのかが気になりながらも『大賢者 リリシア』との闘いを始めるのであった。そして『大賢者 リリシア』の放つ魔法の種類が変わってきたので 俺は防御に専念して、それを防ぐ事に集中することにした。『大賢者 リリシア』の攻撃は魔法だけでなく、体術も使いながら 俺に襲ってきたのである。

そして『大賢者 リリシア』が攻撃のパターンを変えてくる度に 俺はダメージを受けていったのだった。そのせいで体中に傷を負ってしまった俺は、なんとか致命傷を受けるのだけは避けることに成功していたのだ。

だが俺は、このまま攻撃を受け続ける訳にはいかないと考え。反撃の機会が訪れるのを待つ事にしたのである。だが 俺には攻撃に転じる為の時間がどうしても足りなかったのである。だから俺は隙が生まれるように魔法を使うタイミングを見計らい続けていた。そして『勇者 リリカ』が俺に話しかけて来たのである。「『大賢者』は強いだろ。どうだい? あいつの強さは?」俺の言葉を聞いた彼女は 俺の事を観察しながら。答え始めたのだった。「あんたが、どんな戦い方をすれば、どういう動きをするのかわかっているようだから 教えておいてやるよ。まず最初に『聖槍 グンニル 』の力を最大限に発揮するために。相手から攻撃を受ける事を避ける事に専念するんだ」と、俺は『大賢者 リリシア』との戦いの中で言われた事と同じ内容を、彼女に言われてしまう。

その事から『勇者 リリカ』が やはり『勇者 リリス』の転生体なんだという事がわかる。そして『勇者 リリス』も、その事について認めていたので間違いないだろうと思ったのだ。俺と『大賢者 リリシア 』の戦いの様子を観察していた彼女は話を続けたのだ。「次に相手の魔法に、どうやって対処するべきかを教えておくぜ」

俺は彼女の話を真剣に聞いていた。だが、『大賢者 リリシア』の動きが更に速くなって攻撃も激しさを増してきたので。俺も必死になって避け続ける事に集中をしていた。しかし俺は攻撃に転じなければ 何も変えることが出来ないと思っていたので 攻撃に移るタイミングを探していたのである。しかし いくら考えても、攻撃に移れる機会は訪れなかった。俺の心は絶望に苛まれそうになっていたのだ。しかし ここで俺を見守ってくれているはずの『リリカ』から応援されるような声が聞こえてきて心の底から勇気づけられた。俺は再び気持ちを切り替えると 魔法を使って反撃に出たのだ。

「さっきまでは魔法を避け続けて隙が出来るのを待っていたけど。今は逆に魔法を使い続けることにして 相手が、どのように動くかを見てみたいと思う」と、そう言った俺は。連続で魔法を使ったのである。俺は今までは、あまり魔法を使うことが得意ではなかったのだが。この世界に召喚されて以降 なぜか魔法の扱い方が分かるようになっていた。

そのため、俺は次々と魔法の詠唱を行っていくと、俺は、ありとあらゆる種類の魔法を発動していったのである。その結果 俺が発動させた全ての魔法を相殺する事が出来ずに。『大賢者 リリシア』は、かなりのダメージを受けてしまっていたのだ。だがそれでも『大賢者 リリシア』はまだ倒れていないのだ。そこで彼女は魔力の回復薬を使用する為に 俺への攻撃の手を止める事にした。

しかし俺は『リリス』や『メイ』からもらったアイテムによって大量のMPを保有していて。なおかつ俺は回復系統の魔法を覚えていなかったので、この場にいる限り、永遠に魔法による攻撃を続ける事が出来るはずだった。そんな俺の考えとは正反対に『大賢者 リリシア』の体が発光し始めたのだ。

「貴様を倒す準備が整ったぞ」と彼女が口に出して俺に対して言うと。今度は彼女が俺に対して猛攻を仕掛け始めたのだ。その勢いに圧倒されそうになった俺は慌てて回避をしようと試みるが。その行動を読まれてしまい『聖槍 グンニル』に切り裂かれて大きなダメージを負うことになったのである。「ぐわああぁー」と悲鳴を上げながらも どうにか立ち上がることが出来た俺は。彼女から距離をとるために全力疾走をしたのだ。

しかし、その行動を『大賢者 リリシア』は読んでいたようで。俺の行く手に回り込んで攻撃を仕掛けてきていた。「くそ。こんな所で」俺が再び攻撃をくらいそうになっている所に現れた『勇者 アリス』の剣撃が俺を救い出してくれたのだ。

「『大賢者 リリシア』。覚悟しろよ。私は絶対に許さないんだからな!」『大賢者 リリシア』に文句を言い出した『勇者 リリカ』は、かなり興奮している様子だった。だが、そんな状況でも『大賢者 リリシア』には、まったく余裕があるようであった。「ふっ 愚かな娘だな」と呟き 彼女も構え直すと。戦闘を再開させるのであった。俺は二人の戦いを見ながら。自分の不甲斐なさに歯痒い思いを感じ始めていたのである。

そんな時

『大賢者 リリシア』が俺に目掛けて魔法を唱えようとしていた。俺が咄嵯に『ホーリーシールド』を唱えると 俺と彼女の間に障壁が現れて 魔法を防ぐことに成功したのである。『大賢者 リリシア』も、すぐに自分の不利を感じたのか。『勇者 リリカ』に向けて魔法を放つと『勇者 リリカ』は、それを軽々と弾き返してしまう。その様子を見ながら俺は『勇者 リリカ』に声をかけたのだ。「助かったよ。ありがとうな。『勇者 リリカ』。それに、やっぱり君だったんだな」と、俺が話すと。俺が『勇者 リリカ』に対して、そんな事を言っていた。

すると 俺の言葉を聞いた彼女は、少し恥ずかしそうな顔をしながら俺に言葉を返してくる。「あんたを助けに来たんだけどね。だけど、どうしたら良いのかがわからなくってね。私に力を貸してくれるかい?」俺は 彼女の申し出を受ける事にする。そして二人で『大賢者 リリシア』の相手をすることにしたのだ。そして俺たちは『大賢者 リリシア』と戦う事に成功したのである。

「『勇者 リリカ』。君が俺に話しかけてきた時の言葉でわかったよ。君の体の中にいるんだろう?

『大賢者 リリス』って人が」と、俺が言葉をかけると。彼女は、とても寂しそうに笑いながら 自分の胸に手を当てていた。それから俺の方へと近づいて来ると、優しく抱き締めてくれて 涙を流し始めるのである。それから彼女は泣きながら言葉にしていく。「やっと会えたね。会いたかったんだよ。本当は、あの日。リリスが『魔王サタン』を倒して帰ってくるまで。私の中に入って貰うつもりだったんだよ。だけど『勇者 リリカ』は私の中から消えようとしなかったよね。だから リリカの意識が残っている事が、私にも分かったの。それでね。私はリリカと別れてから。この世界を救える存在になる方法を考えたの。だけど何も分からなかった。それで私に残された方法は、ただ一つだったの。それが私が私じゃなくなることなの。だから『大賢者 リリス』として この世界で生きていたんだから」俺は『大賢者 リリス』の言葉を聞いて、なんて声を掛けてあげたらいいのか分からなくなっていたのだ。

俺が黙り込んでいると。俺から離れてくれた彼女は、涙を拭いて真剣に話しを始めたのである。「私ね。実は凄い力を貰ったの。それこそ 大魔王よりも強いと言われているような強大な力だと思う。だって、それを手に入れてしまったから、今の私は普通の人には見えないの。だから もう誰も信じることが出来なくなって、誰からも相手にされなくなった。最初は『大勇者』だった『勇者 ユウジ』の魂が転生した人と話せるだけで良かったはずなのに。どうしてだろう?いつの間にか この世界の人間に、どうでもいいと思われても構わないと思うようになってる自分に気がついて、そして、どんどんと周りに人は寄りつかなくなっていったの。それでも諦められなかった。そして、ある時から。『魔王 ミレアナ』の体に、もう一つの人格が存在する事を知って。『大賢者 リリシア』として生きることを決めたんだ」

『大賢者 リリス』は俺の顔を見つめると。さらに話を続けて行く。「『大賢者 リリス』になった私は『勇者 リリカ』を目覚めさせて、二人で一緒に旅をする事に決めたんだ。そして私は世界を救った。そして今の世界を見ていて思ったの。もし、『リリス』の記憶がなければ この世界を、ここまで愛せなかったんじゃないかなって」と、言って『勇者 リリス』は話を終えたのである。そんな彼女に対して俺は言葉をかけようと思っていたのだが、なかなか良い言葉を見つけることができなかった。俺と彼女が何も言えないで居る時に もう一人の『リリス』が現れたのである。

現れた『大賢者 リリシア』を見た俺は。その圧倒的な魔力に驚き固まってしまっていた。

だが『勇者 リリカ』が そんな彼女に話しかけ始めた。

「お帰りなさい。リリス姉さん。待ってたんだよ」『大賢者 リリシア』に『リリカ』がそう伝えると『大賢者 リリシア』も嬉しそうに返事をしたのである。「リリカ 久しぶりですね。会いたかったんですよ。ずっと、あなたの身体に入り込んで。あなたと一緒に過ごした日々は。今まで生きてきた時間の中で一番楽しい時間でしたから。こうして再会出来た事は本当に幸せです」

二人は そう会話を交わしていたのだ。その事から、二人の仲は、かなり親しいものだと推測できるのだが。なぜ、その『大賢者 リリス』が『大魔王ルシファー』と名乗って

『大賢者 リリシア』と戦おうとしているのかが全く分からないのだ。俺は この場にいてもしょうがないと思い。『大賢者 リリシア』と話をする事にしたが 彼女が口にしたのは「お前は用済みだよ」と言う意味が理解出来ないものだったのである。

しかし俺は「ふざけているのか!」と言って彼女を睨み付けるのだが。彼女は「そう思われてしまっても仕方が無いかもしれないけど。本心なのよ」と言葉を返してくるので。俺は何も言い返すことが出来なかったのである。だが、そんなやり取りをしている間に『勇者 リリカ』が『大賢者 リリシア』の前に立ち塞がって「何があったかは知らないけれど。あんたが どんな目的を持って行動していたとしても、今は私の味方をしてちょうだい」と言っていたのだ。その『勇者 リリス』の言葉を聞いた俺は、「どういうつもりなんだ?」

と質問すると。彼女達は俺の質問の意味を理解したようで

『リリス』が俺の事についての説明をし出したのだ。まず最初に「私は

『リリカ』の体を借りて この世界にやってきました。目的は二つあります。一つはこの『魔王城 ルシフェラ』を守護する者の役目を終わらせる事。それと『大魔王 ミカエル』の復活を阻止する事なのです」と、彼女から俺に対しての説明が始まった。その内容を聞いた俺は納得できないところがある為。俺は彼女達に確認を行う事にしたのだ。

「『勇者リリカ』。君は一体何をしたいと思っているんだ? 」

「『勇者 アリス』様の体を奪い取り

『勇者』の力を我が物とした『大魔王 ミカエル』が復活したならば 世界の危機が再び訪れてしまいます。それだけではありません。もしも復活を遂げた『大魔王 ミカエル』に『勇者』の力を奪われた場合

『大魔女 メイ』は、この世界の全ての魔族を従えて

『魔王』を復活させる為に、他の世界から、大量の魔族の戦士達を引き連れて現れてしまうのです。そうなれば世界は 破滅の道を進むことになるでしょう。そうならないように、私が止めなければいけなかったのに、私の力は

『大賢者 リリス』に吸収されて 私は『勇者 リリカ』の中に閉じ込められたままの状態なの。そして私の体は『魔女 ミレイ』によって奪われてしまって 私も このままだと殺されてしまうのは分かっていたのだけど

『大魔王 ルシフネア』を復活させたくなくて、だから

『大勇者 ユウジ』に助けを求めに来たの」『大賢者 リリス』と『勇者 リリカ』が 俺に対して説明を行ってくれたのである。

「俺に どうにかして欲しいというのは、具体的に どうすればいいんだ? それに 俺が協力しなかったら どうするつもりなんだよ」と、俺は質問すると『勇者 リリカ』が俺に向かって「私は貴方なら、何とかしてくれると思っています。どうか力を貸して頂けないでしょうか?」と、言って来たので。俺が悩んでいると。『大賢者 リリス』が とんでもない事を言って来る。

「お前が協力してくれないと言うのであれば。お前が大魔王の器になる前に始末してしまうだけですよ。そして『大魔王』として 復活した私は、この世界を滅ぼそうと思えば すぐにでも出来るだけの力を手にいれたので 覚悟するが良い」俺は『大賢者 リリス』の言葉を聞いて、少し焦りを感じていた。それは、俺には彼女に対抗する手段がなかったからだ。

「『大賢者 リリス』あんた。どうしてそんな事を言い出すの? 」『勇者 リリカ』が驚いて声を上げると『大賢者 リリス』は リリカに向けて 笑顔を浮かべながら言葉を発したのだ。「どうして?決まっているじゃないですか。リリカの体を返して貰わないといけないからですよ。私の大事な体なのに リリカがリリカじゃなくなったんですからね。だから 早く元に戻さないと、大変だと思いますよ」『勇者 リリカ』が「リリス姉さんは、やっぱり変わってないよね」と呟くと。

それから彼女は「お願いします」と 真剣な眼差しで、俺を見つめて来て

「私は『大勇者 ユウジ』に賭けたいの」と、言葉を漏らしていた。俺としては『勇者 リリス』が言った通りにするのは嫌なのだが。この世界で『大魔王 ミカエル』が復活してしまったら。俺の住んでいるこの世界を 破壊されてしまうのが目に見えている。だから俺は『勇者 リリス』の提案を飲むしかなかったのだ。

「分かった。俺が出来る範囲で力を貸そうと思う」と俺が言葉にした後。『大魔王 ルシフネ』の体が消え去った。『大魔王 ミカエル』が復活するまで

『大賢者 リリシア』は、『魔王 ミリカ』と『大魔王 ミカエル』と戦うための準備を始めると言い残して 姿を消したのであった。「ユウジ これからは二人で一緒に旅をしていこうね」と、嬉しそうにしているリリカを見ながら。この世界にやって来た『勇者 リリカ』は、この世界の平和の為に『大魔王』として、戦い続けなければいけない運命を背負っている。この俺が、それを支えるしかないと強く思うようになったのだ。そして、その後で、俺はリリカと一緒にこの『大魔王城 ルシフェラ』にある、自分の家に戻ろうとしていた時である。突然

『魔王軍四天王 悪魔 ソロモン 』と名乗る人物が現れたので 俺と『勇者 リリカ』は警戒をしながら、奴の出方を見ていた。すると「貴女達は、私に敵対しないでくれませんか?私の目的は あくまでもこの世界にいる人間との友好ですから。安心して下さい」と言ってきたのだった。俺は「なぜ、『大魔王』と手を組もうと思ったんだ」と聞くと。

彼は 答えになっていない回答をしてきたのである。「『勇者 アリエス』様が、『大賢者 リリシア』様に殺されたからですよ。あの方は本当に良い人だったのに なぜ彼女が裏切ったのかが理解できません」と、話を続けていた。その話を聞く限りでも、リリカと同じような境遇にあった人物だと思うと 同情せずにはいられなかったのだ。「『大魔王 リリシア』の事は、リリカと俺に任せてくれ。悪いようにはしないから」と 伝えると ソロモンは、俺に頭を下げて感謝の言葉を述べてから「では 失礼致しました」と言って去っていった。俺が『大魔王 リリシア』を倒さない限り リリカやソロモンのような被害者が増えてしまう可能性があると感じた俺は 必ず『大魔王 リリシアン』を討伐しなければならないと感じ始めていた。

『勇者 アリサ』と『魔王 ミレイ』は、大魔王城の最上階に存在する『大魔王の間』に来ていたのだ。二人は大魔王の間にたどり着いた直後は「ここが 魔王の間で間違いないようです」と『魔王 ミレイ』が『勇者 アリサカ』に伝えると。

『勇者 アリサキ』が扉を開き中に足を踏み入れた直後に。部屋の中から、二人の人影が姿を現したのである。「ようこそ。我が大魔王城に、我が『大魔王 ミカエル』の眷属になりたいと望む者が現れてくれるとは嬉しい限りだよ」と一人の男が話しだすと。もう一人の男は、「大魔王様。あまり浮かれ過ぎないでください。貴方が『大魔王 ルシフネ』を倒したからといって、調子に乗って油断していても駄目ですよ」と言って。二人に対して注意を行っていたのである。

「分かっておるよ。我とて『勇者 アリサキ』と『魔王 ミラア』の強さぐらい分かっている。だが、お前達が『大勇者 リリス』と戦えるだけの力が有るかどうか確認させて欲しい」と大魔王が言い終わると。二人の男女が、大魔王の左右に姿を現すと、彼らは戦闘体制に入ったのだった。その光景を目の当たりにした『勇者 アリス』と『魔王 ミレイ』が臨戦態勢に入ろうとした時に。

『勇者 ミレイ』が、先に仕掛けた。彼女は大魔王の右隣にいた男性の体に『闇黒魔術』を仕掛けようとすると、男性から強烈な一撃を食らうと。壁に叩きつけられていた。

大魔王が、「やはり。ミレイの攻撃を避ける事が出来るか。どうせなら、もう少し本気を出してくれても良いんだぞ」と、大魔王が笑い出す。それから大魔王が、自分の左側に立つ、女性に向けて話しかけた。「『大魔王 ミカエ』様。私達は、今ここで全力を出すと、この辺り一帯は崩壊してしまいますので 御勘弁願いたいのですが?」と、言うと。大魔王は、再び大爆笑する。

大魔王に攻撃を仕掛けようとした『魔王 ミラア』だったが、攻撃しようとしたタイミングに合わせて大魔王から、鋭い蹴りを入れられてしまい、壁に向かって吹き飛ばされてしまった。しかし『魔王 ミラア』が地面に着地する前に『魔王 ミレイ』が大魔王の背後に回り込み『風魔術』の刃を突き立てようと襲ってきたのである。大魔王はその攻撃を察知すると『闇障壁』を展開して防いだ。「やるじゃないか。今のを防ぐなんてな。だが。俺達はまだ力を全て出し切ってはいないんだぜ。どうだ?そろそろ、お互いに本気になっていく頃だろう」大魔王がニヤつきながら話すと。「そうですね。これ以上の手加減は無用という事でしたら。私達も手加減抜きの勝負を始めさせて頂きましょう」大魔王が『勇者 ミカエ』と『魔王 ミリカ』に視線を向けると、大魔王の部下が、彼らの戦いに割って入る形で、彼らの前に立ち塞がったのである。

それから、戦いは始まったのだが、大魔王の側近達の連携により。戦況は五分の状態になっていたのであった。

「このまま、膠着状態が続くと思っていたんだけど。君達に勝ち目はないと 判断していたから、このまま、逃げてくれても構わない」と大魔王が発言した瞬間に。『魔王 ミリカ』と『魔王 ミレニア』は動き出して。一瞬で、目の前の大魔王の背後を取ると『聖魔刀 リリス 』で攻撃を始めたのである。大魔王は、『勇者 ミリス』に反撃しようとすると。『勇者 ミリア』は攻撃を急停止させたのだった。すると、彼女の後方から攻撃が繰り出されると、彼女は攻撃された方向を向く事なく攻撃を回避した。

攻撃をして来たのは、側近の女性の『魔王 ミカエル』であった。彼女は、そのまま、攻撃を繰り出した。大魔王はそれを難無く回避すると、後方に飛んで『勇者 ミリカ』との距離を取った。『勇者 ミカエル』と『魔王 ミカエル』の二人の魔王が、同時に大魔王に攻撃を仕掛けようとしたが。大魔王の前には、大魔王の護衛に回っていた大魔王の部下の二人が立ちふさがったのである。

大魔王の左右から攻めてきた、『魔王 ミカエル』と『魔王 ミネルバ』は、大魔王が部下の相手をしているうちに。彼に近づき攻撃を開始しようとしていたが。そこに現れた『大魔王』の側近の『魔王 ミカド』が彼女等の行く手を阻むと。二人は一旦大魔王と距離を置いたのだ。そして『魔王 ミカナ』は『魔王 ミリア』の方に向き直ると。「お前は 私の敵になるようだな。いいぞ。かかって来い。相手になってやる」と言い放った後。『勇者 アリサキ』と対峙している大魔王に、後ろから斬りかかった。

それを予測してなのか?『魔王 ミカコ』が、大魔王と『魔王ミカト』の間に現れて、大魔王に攻撃しようとしていた『勇者 アリア』を、蹴り飛ばすと、体勢を立て直す暇もなく攻撃を加え始めた。だが大魔王の側近達が介入したことにより、戦況が大きく変わり始める。

『魔王ミカエル』『魔王ミカカナ』『悪魔王 アザゼル』『悪魔族最強戦士』の四人は『勇者』を圧倒する事に成功はしていたのだが、まだ余力はあったのである。

それを見た大魔王の配下である。幹部クラスの実力の持ち主達は、それぞれの能力を発動させると『勇者』の三人を相手に戦い始め、そして、戦いの渦中にいるはずの『勇者』の三人は それぞれ別行動を始める事になる。大魔王は『勇者 ミリカ』と『魔王 ミラアリサ』と『大勇者 リリス』の動きに注目していたのだった。『大勇者 リリス』に意識を向けたのには理由があった。彼は、『勇者 アリサキ』に『大魔王討伐隊』に参加してもらうため。『勇者 アリサキ』がこの場に現れた事を予想して『大勇者 リリス』の居場所を探し回ったのだが、見つける事は出来なかったのだ。そのため。『大魔王討伐隊』のメンバーが誰一人として居なかった事が不自然に感じた大魔王が、大魔王城の近辺にいるはずのない人物『大勇者 リリシア』を疑ったからである。

(『勇者 ミリス』を、この場所に向かわせたのは、間違いではないはずだ)と思いながらも。念の為にと。警戒心を持ちつつ 大魔王の『勇者』を倒そうとする気持ちが高まっていった。

大魔王と『大勇者 リリス』が、お互いの能力を使用しあい、激しい戦闘を行っている間に。勇者達は それぞれが 自分達なりの戦いを繰り広げ始めていたのである。

「私は『魔王 アリッサ』よ」と、私が『勇者 ミリア』に対して名乗ると、「私の名前は

『魔王 アリサナ』よ」と、私と同じように自己紹介してきた。「貴女は『大魔王』の配下になりたいと思っているのかしら?」とアリサカ様に対して問いかける。その答えを聞く前に、「そうね。貴方が私達の味方をすると言うなら、仲間になっても構わないけど。そうでないのであれば 貴方は邪魔だから消えてもらうわよ」と私に対して言って来る。それに対して「そんなことを言わなくても良いでしょう?それに私は貴方達二人のどちらが本物の大魔王か分からない以上 どっちにも付くつもりはない」と答えると、「じゃあ。私達二人のどちらかを選ぶ事は出来ると言うのね?ならば。これから二人で戦う事にするから。そこで決着を付けましょうか?」と言ってくる。

だけど私は、二人の会話に割り込むように。「待ってください!!今は 争っている場合ではありません。『大魔王 ルシフネ』を倒す為にも協力してください。お願いします!!」と話して頭を下げる。すると『魔王 アリッサ』は少し戸惑いを見せると、もう一人の女性が話しかけてくるのである。「あらあら~、その様子ですと、その方は『大勇者 リリス』さんの妹さんなのでしょうか?それでしたら『魔王 ミライ』と申します。初めまして、よろしくお願いいたします」彼女は『勇者 ミカド』の娘『勇者 ミカイ』の従姉妹にあたる人物である。

『勇者 ミカナ』と、同じ種族の者なのだが。彼女の方が見た目が幼かった。しかし彼女の場合は『魔王』なので年齢は、見た目よりは遥かに上の年齢になっている。

彼女が言う通りで。私には姉がいるのだが。この『魔王城』に居る人達の中では、最も若く見えた。

そういえば、『大魔王 ミカル』の姿も見えなかったが。『大魔王』の『側近』達は、何処に行ったのだろうかと思ったのであった。それからしばらく時間が経つにつれて私達の『大魔宮』では。大魔王との戦いが始まりを迎えつつあったのだが。それはまた別のお話になるのである─

「どうするの?貴方達も戦わないって選択肢もあるんだけど?」とアリサカ様に話しかけると。アリサカ様が、「確かにそれも一つだな。でも俺達にだって。それなりの目的があるからさ。簡単に引き下がるわけにはいかないんだよな」と返答する。しかし、『魔王 ミカカナ』の方から「残念ながら。ここで、私達の仲間になると誓ってくれなければ。私達は容赦はしませんよ」と話しかけてきた。『勇者 ミカナ』、『大勇者 リリス』の二人は『魔王 ミカナ』の発言を受けて。「仕方が無いですね」と『大勇者 ミリナ』は話すと。「私達は 貴方達と戦う事を選択するしか無いようですね」と、『勇者 ミカド』も発言した。それから私と、他の二人の勇者は『魔王』の『大勇者 ミカリ』と対峙していたのである。すると、大魔王の配下と思われる者達が。私の方に向かって襲いかかってきたので。仕方なく応戦し始めたのだが。その時に一人の男性が現れる。「大丈夫ですか? 皆さん。僕が来たからもう安心ですよ。僕の能力を使うと。あっという間に終わるから 少し我慢していてくれれば 直ぐに戦いは終わりになりますからね」とその男性が話し出す。すると、『魔王 ミカカナ』が「何を言っているのよ。

今 目の前にいるのは、『死神』なのよ?あんたみたいな 役立たずなんかに何が出来るっていうのよ。

早く 引っ込んでなさいよ!!」と言い出した。すると男性は笑いながら。「君のような。馬鹿には、絶対にわからないだろうけど。僕の力で 君達が勝てる相手ではないのだよ。『大魔女 ミアリス』さんの時みたいに。君の『大魔法 アルクスラシル』は効かないよ。僕は死人なんだから。それよりも。『死神』とか。君は、何も知らないんだろうね。僕がどんな能力をもっているのか」と言った後。彼は呪文を唱えると

『大勇者 ミリシヤ』の前に立ち塞がっていた。『大勇者 ミリス』は剣を構えると。彼に攻撃を仕掛けたのだった。しかし。彼の攻撃は全く効かず。そして彼が手を上げると、その動きに合わせるように地面が隆起したのだった。それを見て『勇者 ミリカ』は、「あいつ 本当に『魔王』だったの!?どうしてこんなに強い奴がいたのよ。それに、こいつはいったい どういう能力を持っているのよ?」と驚いていると。今度は『勇者 ミリオ』が。「こいつ。あの大魔王の部下なのか?それにしても。なんていう力を持ってやがるんだ。これは 一筋縄では行かなそうだな」と言い出したのだ。私は彼等に近づき。「『勇者 ミカド』。貴方の持っている武器を貸してください。そして、この二人に攻撃を加えてください」と言うと。私は、この世界に来てから、新たに習得した能力を開放したのである。私の能力は、相手の弱点を見ることが出来る。さらに、相手との距離を縮めることで、相手が使っている武器の攻撃力が上がる効果があるので。私自身が強くなっている訳ではないが、彼等の攻撃を防げるようになったのである。それを見た二人は動揺しているようだ。

だが その時である。私の方に、大魔法使いが攻撃を仕掛けてくる。私が避けようと移動すると。私の行動を読んでいて、大魔法を放ってきたため。避けることが出来ないと判断したため。私も大魔法の詠唱を始めようとした瞬間である。『魔王 ミカカナ』の攻撃を避けようとするのだが 何故か避けられず。私はダメージを受けて吹き飛ばされてしまうのである。

そして、私を庇うように『勇者 ミカド』と、もう一人の『勇者 ミリア』が現れ。二人が大魔法使いと戦い始めると。大魔法使いも、その二人の連携プレーに驚きを隠せないような表情をしているのが見えるが、大魔法使いは、大魔法の威力を高めるための集中に入ると 周りの事など気にしていないようだったが。それでも『勇者 ミコト』が、大魔法を放つために準備を始める。私も大魔法使いに対抗する為に。

大魔法を放とうとした時。

「ちょっと待ったぁー!!」と言う声が響き渡る。

すると大魔王が姿を見せたのである。大魔王が、姿を現すと。大魔法使いも警戒をし始めたのか。『大魔境』の結界を張って大魔王を閉じ込めてしまった。

「大魔王 あなただけは私が倒します」そう言い放った後に私は、大魔法を発動させると 私の身体から光の柱が発生し その柱の中が輝きだし光が止むとそこには、もう一人の私が居て。彼女は自分の身体を見ながら。私に対して話しかけるのであった。「やっと私が現れたわね。貴方に、お願いがあるのよ。

大魔王の配下の者を倒してほしいの。このままだと、私たちの力が尽きて いずれは大魔王に敗れてしまう」そう言われた私は戸惑っていると。そんな様子を見ている『魔王 ミミカ』が。「あらら まさかとは思うけど。この子は貴女の子供って訳じゃないでしょうね?」と質問をする。

「違います。この子は、ユウマくんと言って 貴方達と同じように、別の世界の『人間』です」そう言うと。大魔王の方も。「えっ?そうなの?でも その子は『魔王』の力を持っていないのに よく倒せたわね?」と不思議がっているのであった。そこで私は

『大魔王』の『配下』について話した。すると、『魔王 ミカカナ』が私に向かって「それで。私達は『大魔境』の外には出られないけど どうすれば良いわけ? 大魔王を倒してくれるんでしょう?何か方法はないわけ?」と言われてしまい私は、「それは貴方達も分かっていますよね?大魔王の魔力を上回る力を身に着けるか。それとも『大魔王』と互角以上に戦える仲間を用意するしかないのです」と言うと『魔王 アリッサ』が、「それでしたら。仲間は『大勇者』で良いとして 貴方に 協力してくれそうな人物を知っているから紹介しますよ」と言われたのだが。私は「今は、そんな時間があるのでしょうか?今は、早く大魔王を倒して『大魔女 ルシフネ』を救い出す必要があるはずです。大魔王と対等以上の存在ならば。私達が協力して、その人を呼び出す必要があります」と答えると

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異世界は俺に都合がよすぎる!〜現代最強の勇者が引きこもりだったので、魔王が倒せない〜 あずま悠紀 @berute00

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