第11話 急展開やなぁ。。

『まず、奴らはきっと、俺と煌の推測通り、神の上の存在、つまりこの世と俺たちを作った奴が送り出してきたと考えられるんだ。きっと俺たちが奴らの計画上邪魔だから俺たちの命を狙ってきたんだ。で、その計画内容なんだが。。。』

焔と煌は息を飲んだ。。

『わからん!!!』

『はぁ???』

2人して間抜けな声を上げてしまった。

『ちょちょ、どーゆーこと?今の感じ、結構長い考察語りそうだったじゃん!!』

『いやー、語りたかった。うん。語りたかったぜ。でも分かんねぇからな。仕方ない!!』

変に潔いなぁ。。

『まぁでも、僕たちの命が狙われてるってことが分かっただけでも、これからの行動で対策が出来そうだよね』

『うん。そうだな。でも、僕たちが探してた他の神がまだいるのかいないのか、ここが分からないよね』

『うーん。もういないって考えても良いんじゃないかなぁ。。』

『ああ、なんとなくだが、いない気がするぜ!なんとなーく!な!』

ほんと、適当だなぁ。

『まぁとりあえず戻ろうぜ。あの変な宗教のおっさんたちも帰ってるだろうよ』

『うん。そうだな。』


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単刀直入に言う。僕は初めて人が死ぬのを見た。そして、人の死を悲しいと、悔しいと、辛いと思った。

『おい、これはどーゆー事だよ。。』

市場に戻る途中の野原。いつも通りの野原、そこには、あの、いつもだらしなくて、自分勝手で、わがままな、おじさんが。おじさんだったものが、横たわっていた。

『誰が。。。』

『まぁ、、アイツらだろうねぇ。。まじかぁ』

一般人にまで手を出した。焔の家族に。血の繋がりはなくとも、焔にとっては、大切な家族であった。

『なんで。。おじ。、、さん、??』

その目には、光がなかった。まるで光が届かない深海のような、真っ暗な、死んだ魚のような目。エルドは確実に。死んでいた。

『どうして。。こんな。。!!!』

焔の体から、炎が溢れ出てきた。

そして焔の体を覆い尽くした。

『おい、お前、その髪。。』

焔の髪は綺麗な赤色''だった''

綺麗な、黄金色。しかしどこか、黒さを含んだ、そんな髪をしていた。

『煌。全部。全部思い出したよ』

『え、?』

『煌。お前は俺の弟だ。家族だ』

『え?え?家族?ううん。僕には兄弟はいないよ?』

『煌、俺と初めて話した時のこと。覚えてるか?』

『うん。。覚えてるけど。。?』

『お前は俺に親の話をした。そしてお前は、自分の親を知っているかのように話していたが、自分の親の顔、分かるか?』

『そりゃあ。。。あれ。顔?』

『浮かばないだろ 』

『あれ。。でも確かに。僕にはパパとママが。。』

『ああ、いるさ。いる。だが記憶がないんだ。いや、消されたんだよ』

『え、?誰に?』

『外の人間だよ。俺たちは今、外側の大きな世界で作られた小さな世界の中にいる』

『え、え?何をどうしたらそーなるの?』

『宵、お前の推理通りだよ。ここは、俺たち神の上の存在。まぁ、''人間''が作ったんだ』

『人間が。。神を?』

『ああ、俺たちはこの世界を作ったわけでも、守ってる訳でもない。ただ利用されている』

『え。。何のために。てかてか!なんで急にそんな分かるの!!?』

『思い出したんだよ。全部』

『いやだから!なんで!!?』

『俺たちは、頭に記憶を操作するチップを埋め込まれた。そしてこの世界の神だということにされてこの世界に来た。』

『なんのために??』

『わからない。でもそれだけは思い出した。恐らくだが、俺にチップを埋め込む際、何らかのアクシデントがあって、上手く記憶を改竄出来なかったんだろう。だから、人間たちが作った''設定''が上手く入り込んでいなかった』

『ああ!!だからお前神の事なーんにも知らなかったんだ!意識空間とか何にも分かってなかったもんな!』

『ああ、そして煌、お前のチップも欠陥品だよ。初めて話した時、俺たちを兄弟だと言った。しかしあとから聞くと、そんなことは言っていないと言った。ほんの少しだけ、記憶が残っているんだよ。煌。思い出せないか。。?』

『うん。何にも思い出せないね。でも確かに家族の話をされると違和感がある』

『それで十分だ。とりあえず。。



出るぞ、ここから。


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