第29話 08時20分

 確か今日から新学期で俺は学校へと向かっていたのはずだ。既にいろいろあり疲れた気がするのは――気のせいだと思いたい。気のせいだと――無理か。俺の隣に原因が居るからな。原因が見えているのでこれは気のせいではない。現実である。時間にしたら短時間のはずなのだが。俺は何故にこんなに大変な思いをしないといけないのか。まあでもまもなく目標達成というのか。何とか。ホント何とか学校へとやって来た。ちなみに遅刻ということはない。セーフである。

 現在の事を言うとやっとのことで学校が見えてきたところだ。時間は今も言ったがまあ大丈夫だろう。まだ周りを学生が歩いているからな。ギリなら走っている生徒が居るだろうが。今はその光景がない。つまりセーフだ。

 そして先ほどまでは同じ制服だが知らない人が多めという状況だったが。学校が近づくにつれ。久梨亜は友人だろう人らに何度も声をかけられていた。久梨亜は友達が多いからな。俺と比べるとすごい差である。

 ちなみに俺もそこそこ普通に友人は居るのだが――多分久梨亜の相手をいつもしているからだろう。勝手に勘違いされているのか。みんな軽くあいさつ程度で去っていってしまう。

 そうそう。先ほど信号では刺されるような視線だったが。不思議なことに同じ学年の人から――そういう事無いんだよな。むしろなんか――ほほえましいというか。それはそれで変な視線だが……もしかしたら久梨亜が俺の知らないところで、何か言ってくれているのかもしれない。余計なことを言ってないといいが――まあ優等生久梨亜なら大丈夫だろう。まあでも俺的には普通に誰かと話したいんだがね。ホントみんな軽く挨拶で去っていく。久梨亜に話しかける人も少し話したら――なんだよな。久梨亜も俺の隣を何故かずっと歩くが――他の生徒と話すことはないのかね。とここ何年いつも思っていることだが――まあいいか。

 そんなことを俺が思いながら歩いていると学校の敷地に入っていた。――って、やっぱりギリギリじゃん。校舎に付いている時計、もう08時20分。うん、普通にギリギリまあ周りに人が居るからいいが。なんで俺は余裕を持っていたのにこうなるのか――まあその原因は――何度でも言う俺の隣に居る。


「おはよう」

「あっ。久梨亜。久しぶりークラス一緒になるかな?」

「沓掛さんおはよー」

「おはよー久梨亜」

「みんなおはよう」


 ホント俺の隣を離れることなく。でも今はみんなへとニコニコ挨拶をしているガキが原因である。まあでも学校には到着した。

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