第17話 07時33分

「ごちそうさまでした」


 やっと久梨亜が朝ご飯を食べ――って、待て。今何時だ?話していたから俺時間を気にしてなかった――ってもう07時30分過ぎてる!。

 これは……今から久梨亜の準備をして――さらに通学時間を考えると――ギリギリである。


「久梨亜。動け」

「食べたばかりだよ?」

「——動け」

「怖いー。ゴウちゃんが怖い。厳しい」

「ホント朝からイチャイチャしてー」


 沓掛家。朝から賑やか。マジで賑やか。そんなにいろいろのんびりと話したいならちゃんと起きて話してもらいたい。または休日にゆっくり話し合ってほしい。何で学校。それも新学期の時にこんなにのんびりというか、時間が限られている時に――である。


「久梨亜。準備するぞ」

「まだ食後の休憩」

「……」

「動きますよー睨まないでよ」


 睨むは意外と効果あるのだろうか?俺がちょっと無言で睨んでみると久梨亜が渋々立ち上がったのだった。


「あらあら、登校前にもう一回熱い事するのかしら?」

「——後ろも元気だ」

「ゴウちゃんが変な事言うからだよ?」

「……」

「——再度ごめんなさい」


マジで沓掛家に居ると俺のスタミナがどんどん減っていく。後ろからは楽しむ声と片付ける音。俺の横では――なんか言っているガキ。マジで大変だ。って早く久梨亜の部屋に移動して準備。そして出発しようだ。

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