希望の星

maris

第1話 希望の星

静寂で心安らぐ場所、宇宙で

星たちは、自分以外の綺麗な星をみつめ

その光景を楽しんでいた。


何故かしら?

少し前まではあんなに美しかったブルーの星

今では、すつかり灰色の雲で覆われて、

その姿を見ることが出来ない。


心配になった星たちは

自分の体を少し削って

隕石となり、その星に何が起こっているのか

調査した。


ある国の王様は隣の国が欲しくなり、

少し前まで仲良くしていたその国に

攻めこんでいた。


そこで、星たちは

人々の心を探ることにした。


攻めた兵士

自分だって、本当はこんな事はやりたくない。でも、それを拒むことは出来ない。

兵士となった自分の命は、惜しくない。

それでも自分が拒んだら、家族の命は保証されない、それほど恐ろしい王様に逆らうことなんて出来ないんだ。


そんな辛い思いが、灰色の雲となり空へ昇っていった。



攻めた国の人々

人の心を持たないと知った王様を私達は

もう認めてはいない。

本当は、皆で力を合わせて何とかしたい。

けれど、そうしたところで、結果は見えて

いて、多くの人々が死ぬことになる。だから、そんなことは出来ない。


そんな許せない思いが、灰色の雲となり、空へ昇っていった。


世界の国々のえらい人々

軍事力を使えば何とか出来るのかもしれない。でも、そうする事はもっと多くの国を

巻き込むことになり、

その時、王様は、何をしでかすかわからない。あいつは、悪魔の化身に違いない。


多くの知恵を絞ってもどうする事も出来ないジレンマが、灰色の雲となって空へ昇っていった。


世界中の人々

痛ましい映像を見て、戦争の恐ろしさに

恐怖をおぼえ、何とか出来ないものかと

心を傷め、巻き込まれた人々が可哀想で仕方ない。


そんな悲しい思いが、灰色の雲となり、空へ昇っていった。




自分の分身(隕石)から

ブルーの星が灰色の雲に覆われている理由を聞いた星たちは

その悲しい出来事と、色々な思いに涙を流した。



泣いてばかりはいられない

1つの星で解決出来ないなら

宇宙で解決する!



そうして、ブルーの星へ

宇宙防衛隊のパイプ型の船が向かい、

UFOキャッチャーでその王様をつまみ上げ

宇宙に連れ帰った。


星たちに暴かれたその正体は

暗黒星雲のラスボス的な存在の

宇宙人だった。

はなから人間の心など持ち合わせては

いない生物。


星たちは、2度と戻れぬように、

それをブラックホールへ投げ、葬った。



それから、

星たちは、ブルーの星の人々が

『希望』を失ってしまわぬように、

出せるだけの力を振り絞って

耀き続けた。


たとえ、太陽の光で見えないとしても、


ずっと、ずっと……今も

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希望の星 maris @marimeron

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