夜の日記

紫風

夜の日記

 一日の終わりに、日記を書く。

 日記帳はいま、5冊目。


 書く習慣がなく、始めのうちは、数日書いただけの真っ白な日記帳が積み重なるだけであった。

 カレンダーが変わるので、そのまま次の年も使えるわけではなく。

 というのもあるし、やはり年末になると、ダイアリーコーナーで来年こそはと、真新しい日記帳を見繕ってくるのが楽しいからである。


 転機が訪れたのは、1年前。

 とあるオラクルカードを購入した。

「記録しろ、か……」

 引いたカードを記録して、思いつくものや起こったことを書き留めよう、というものだった。


 美しいカードを並べて、一枚引く。

 月の写真の入った、落ち着くようなカードだった。

 番号とタイトル、キーワードを書き留める。



□▲〇


 月。

 徒然なるままに、書き止める。

 

 新月。満月。上弦の月、下弦の月。

 占星術に使うのは、10天体。と、いくつか。

 新月とは、月齢0で、夜空に月は見えない。

 満月とは、月齢15で、新月から数えて15日。

 上弦の月とは、新月と満月の間で、月齢はだいたい7と半分。

 下弦の月とは、満月と新月の間で、月齢はだいたい21ちょっと。

 占星術に使うのは、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10天体。

 それと、ドラゴンヘッド、ドラゴンテイル、リリス、キローンなど。

 ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは、天体ではなく、計算上のポイント。

 月の軌道・白道と、太陽の軌道・黄道の交わる点。

 リリスも計算上のポイントで、月の遠地点。


 月は、ひとのメンタルにも影響を与える。

 浮き立つ心、沈む心。


 月が沈む。月が上る。

 徒然なるままに、筆も滑る。


 滑るままに、思いは、日々を書き留めるに留まらず、イメージの海へと航海を始める。

 折しも今は、魚座木星期。1年に1度、滞在する星座を変える木星が、今は魚座に入っている時期ということ。

 魚座はイメージなどを司り、創作活動を後押しする。



 日記は日記にとどまらず、いつしかイメージノートになり、筆もその場を変えてキーボードになる。

 創作の海に漕ぎ出そう。

 生み出された物語は、いつしか誰かの手に渡り、そのひとの心を潤すかも。

 

 創作の海に漕ぎ出そう。

 まだ見ぬひとに、愛を渡そう。



□▲〇


 それでは、今夜の筆を置こう。



All End.

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夜の日記 紫風 @sifu_m

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