日記を書いて執筆ネタにしよう

hekisei

第1話

こんな格言があったように思う。


日記を1年間書き続けた人は何事かをなす人である。

日記を3年間書き続けた人は何事かを成し遂げた人である。


これは日記をポジティブにとらえている格言だ。

1年間だとか3年間だとかの数字はうろ覚えだけど。



一方、日記をネガティブにとらえる人もいる。


若い女性にとったアンケートにこんなものがあった。

どういう男を気持ち悪いと思うか、という質問だ。


なんと、「日記を書く男」がトップになってしまった。

2位は「母親を『ママ』と呼ぶ男」だったように思う。


毎日書いているオレにとっては余計なお世話だ。

人を変態みたいに言いやがって。

オレも好きで変態やってんじゃねえぞ!


だから、アンケートの回答者らにはこう返してやる。


「オレはな、日記を書いて金を儲けてんだ」

「ええーっ、いくら儲けているんですか?」

「100万円……は、いってないかな」

「すごーい!」


1万円でも90万円でも、100万円以下ということでは一緒だからな。

ウソは言ってない。



さて、オレが書く日記は、いつどこで何をした、という事実ではない

むしろ、何があってどう思った、という感情面だ。

あと、台詞も書いている。


だから日記というより簡単なメモといった方がいいかもしれない。

それをオンラインのノートに書き散らしているという感じだ。


1日に3つも4つも書くこともある。

体感的には1つ書くのに3分程度。


これらは執筆のための貴重なネタだ。


ネタが入ったら仕込みは新鮮な方がいい。

次の日は感情がすっかり抜けてしまう。

まるで炭酸の抜けたコーラだ。


ICレコーダーでの記録も考えたことがある。

悪くはないが整理が難しいうえにブラウズができない。

その点、日記の方が良い。



ということで、以前に書いた日記のページをめくってみる。

読むと当時の感情が蘇ってくる。


腹が立ったこととか、悔しかったこととか。

時には感動したこともある。


少々手直しして1000字程度の原稿にする。

体感で30分ほどかかるかな。


メインの言いたいことはすでに決まっている。


たとえばこうだ。


★車を運転していたら対向車が突っ込んできた。

★うまくかわしたオレすげえ。


次は言いたいことを引き立たせるための前振りを考える。


★最近、YouTubeでは対向車が突っ込んでくる映像を大量に見る。

★冷静にブレーキをかけ、ハンドルでかわすのがベストだと思う。


メインに続く締めくくりを加える。


★よく見たら対向車線の道路上に巨大な穴が空いていて、それをよけたらしい。

★オレも凄いが対向車も神業だったわけね。


完成したものを3行で表してみよう。


● 対向車が突っ込んできたら大変だ

● 本当に突っ込んで来たが、見事にかわしてやったぜ

● 実は対向車線に巨大な穴が空いていたんだな、びっくり!


ということで、完成したらカクヨムに投稿だ。


変態なりの意地を見せてやろうじゃないか。


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