絶対にばれます

「オオッフ!!なんと!! これは今まで経験したことの無い料理じゃ!」


 白濁したスープ。

 まるでミルクで作ったシチューのよう。

 しかし、口にしてみると・・・全く違う。


「こちら、豚の骨から取ったスープになります」


 独特の強烈なにおい。


 こちらの世界では、豚は家畜化されておらず、なかなか手に入らない。

 先日、たまたま野ブタを狩ったとのことで豚骨が手に入ったのだ。


 もちろん、眼玉が飛びでるほど高価。

 だが、国王陛下に提供すれば経費として払ってもらえるのだ。



 国王陛下がフォークとスプーンで食べようとすると・・

 スープの中に細長い麺が隠れていた。


「私の育った国では、小麦粉で作った面をスープにいれて食する料理を”ラーメン”と呼んでいたです」


「麺に絡むスープ。それらが合わさることで、料理の深みが出ます」

「おお・・確かに、麺を食べるとなかなか新鮮な経験であるな。これはうまい!」


 国王は満足したようであった。

 音を立ててすするのは下品とされている中。

 なんと、音を立ててすすっている。






「ぷあは!相変わらず見事な料理であった」

「ご満足いただけてうれしいです」

「来週も、よろしく頼むぞ」



 その前に・・・



 シュンは思った。


 この匂いで、きっと姫様にバレルと思うんだけど。


 謁見の間・・そして国王の息。

 独特なにおいが充満しているのだった。



 真夜中の罪。

 まさしく、罪深き料理である。


 





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真夜中に積み重ねる罪 三枝 優 @7487sakuya

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