フォルゴル大陸 真歴102000年頃(マゼ歴361年)~真歴102000年頃(マゼ歴385年)まで

真歴102000年頃(マゼ歴361年)。アシャッタやシャフォナと冒険を続けるうちにすっかり逞しくなったアマンダは、自身の故郷であるボーゼンへと立ち入る。かつての面差しなどまったくなくなった彼女が先王バウンズの忘れ形見であることなど誰も気付かず、しかも、王が変わったこと以外は特に大きな変化もなく普通に暮らしていた。ブリイザの治世は、バウンズの頃に比べると、諸外国の侵略に備えて軍備を増強したことからくる税負担が増えてはいたものの、それをはじめとした不平不満もないわけではなかったものの、だからといって極端に虐げられていたわけではなかったのである。バウンズの融和路線ではボーゼンが諸外国にいずれ蹂躙されてしまうと危惧したブリイザが強硬な手段を取っただけで、実はブリイザ自身もボーゼンの行く末を案じたがゆえの行動だったのだ。アマンダを処刑しようとしたのもあくまで後顧の憂いを取り除くための果断な処置としてのものだった。幾多の冒険を乗り越え、数々の死線も乗り越え、諸外国を見て回ったアマンダは、ブリイザの考え方に対しても、悔しいが共感できる部分があると感じ、父や母を殺された恨みは忘れることはできなかったものの、それは敢えて呑み込んで、復讐や王位の奪還などを目指すことなく、アシャッタやシャフォナと共に故郷を後にし、もう二度と戻ってこないことを誓った。「いいのか?」と問い掛けるアシャッタには応えることなく。


真歴102000年頃(マゼ歴382年)。アマンダとシャフォナに看取られつつアシャッタが生涯の終着点を迎える。冒険に生き冒険にすべてを捧げた人生だった。アマンダはあくまで<冒険の相棒>だったために夫婦というような関係ではなく、アシャッタとの間には子供もいなかった。


真歴102000年頃(マゼ歴385年)。アシャッタの死後も冒険を続けていたアマンダは、<ミトフ>という小国に立ち寄る。そこで王子の<マナタ>と出会い、冒険者としての技量を買われて、戦闘術の指南役となる。子供がいなかったアマンダはマナタに対して何とも言えない母性のようなものを感じてしまったようだ。ミトフは、近隣諸国から狙われており、しかしミトフを狙う近隣諸国同士が互いに駆け引きを行っている状態だったことでかろうじて均衡を保っている状況だった。まだ幼いマナタもそんな自国の状況を憂いており、自身が強い王となって国を守らねばという使命感に燃えていたのだった。




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