ウルカ歴000255年~(新)新暦032469年まで

ウルカ歴000255年。数ヶ月をかけてヌグレド=カッファイト全土を焼き尽くした魔獣トロファヌは、さらに巨大に成長する。マナ代謝生物であるトロファヌは、奪った命に含まれているマナを吸収し、成長するという生態を持っていた。そしてかつてアハティアイリス大陸で猛威を振るったダヒリス・ルーアに匹敵する脅威へと成長。そんなトロファヌの存在を察知したのか、長らく休眠状態にあったダヒリス・ルーアが覚醒。海を越えてレイオスティーリア大陸へと渡り、トロファヌと交戦。これら二柱の<怒れる獣神>の戦いは数百年続くこととなり、人間達はまるで恐竜の足物を逃げ回る小動物のようにただ安全な地を求めて転々とする生を送る形に。


ウルカ歴000713年。レイオスティーリア大陸全土を巻き込んだダヒリス・ルーアとトロファヌの激突は、ウルカ歴を作ったフォスルさえ壊滅させる。と同時に、怒れる獣神らもさすがに疲弊したのか戦いをやめ、ダヒリス・ルーアはアハティアイリス大陸に戻り、トロファヌは、かつて幕泉まくぜん直紀なおきが生涯を送った集落の跡地に戻り、眠りにつく。しかし、フォスル国の前身であるガクジョウ国で悪王キョウジが用いていた<時計>は機能を続け、その意味を理解する者がいなくなっても暦を刻んだ。この時にはレイオスティーリア大陸全土の人口はわずか数千人を数えるのみとなっていた。


ウルカ歴699224年。わずか数百年の間に激動の歴史を刻んだことの反動か、レイオスティーリア大陸の人間達が、亜人も含めて原人同然の暮らしを淡々と続ける中、ウルカ歴を刻んでいた時計が機能を停止し、ウルカ歴が終わる。そしてこの後、それこそ封じられでもしたかのように数百万年に亘って文明が生じることがなくなる。


ウルカ歴が終わって数百万年が経ち、人間達の数もエヴリネートス上でわずか数十万人程度とはいえある程度まとまった数になったこともあってか、再び集まって社会生活を送るようになり、指導的な立場の人間が現れ、<ルルト文明>が発生し、<新歴>が生まれる。これは、かつての<新暦>とはまったく別のものであるため、ここでは、あえて<(新)新暦>と表記する。


(新)新暦020034年。藍繪正真らんかいしょうま、邪神クォ=ヨ=ムイの手によってアハティアイリス大陸の小国<アテロス>に転生する。


(新)新暦020035年。アテロスと隣国<タティスト>の間で戦争が勃発。これに巻き込まれて藍繪正真らんかいしょうまと共に暮らしていた元奴隷の少女<トレア>が死亡。藍繪正真らんかいしょうまは失意と共に行方をくらます。その後、アハティアイリス大陸の各地で不死の怪物の目撃・遭遇例が相次ぐ。


(新)新暦031062年。<魔王ドレーア>(<ドーレーア>とも)の存在が確認され、アハティアイリス大陸を徘徊し始める。


(新)新暦032469年。魔導始祖<アルクル>が現れ、<魔法>が復活。<第二次魔法文明期>の始まりであった。


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