第二部:谷津いおいの場合

【第二部】第24話:谷津いおいの話をしよう

 >いやーやっぱ谷津やついおいのカリスマ性はやべーな! 音楽性のみならずファッションもステージの演出とかも、全部ひっくるめてアイツひとりで創り上げてるんだけど、それを残りの三人が支えて初めてThe Blueブルー Printプリントの世界観が生まれるって俺は思ってる。こんなバンド、久しく見てない。


 >いおい様、とりあえず美しすぎる。なんか嫌みじゃないナルシシストだよね。『美しい俺を見ろ』って感じで普通だったらキモいんだけど、実際の美しさとあの歌声聞いたら「喜んで拝見させていただきます!」ってなって草


 >つか、なんでブルプリがメジャーいかないか謎だけど、俺は行かないで欲しい。いおい様を東京ドームで見たいとは思わないw ブルプリのダークでアングラなオーラは、安易にその辺のJ-POP連中と一緒にして欲しくないね。


 >インディーズだろうがメジャーだろうが、もうここまで『いおい様カルト』ができてるんだから、すぐにその辺のハコ登って武道館なりドームなりでやるようになるでしょ。ブループリントの魅力は確かに谷津いおい様のカリスマ性ありきだけど、私は残り三人無しではいおい様はここまで活きてないと思う。


 >「残り三人」っていう言われようがすでに酷い件w 神谷は昔からずっといいギタリストだけど過小評価されてると思うし、ヒーロのベースだって最近すげえ勢いで進化してる。で、問題の中山も、今日のライブ見りゃ分かる通り半月前に加入したとは思えないほどブルプリの世界観に合ったドラミングで鳥肌立ったよ。



「何見てんの?」

「おまえは過小評価されてるらしいぞ」

「ん? そうなの?」

「いいから早く脱げよ」

「いや、このまま」

 神谷隼士は簡潔に言って、ベッドでスマホをいじっていたオレに覆い被さってきた。

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