暗闇の中の太陽

暗黒騎士ハイダークネス

私は真夜中が嫌い


 私の持論なんだけど、暗いときって、気持ちも同じように暗くなると思うのよ。


 真夜中なんてまさにそう、周りはとっても真っ暗で、電球も消えちゃって、月明かりだけが私の周りを照らして、それ以外はまーっくら。


 そんな月明かりだけが私を照らす中で私はどうしようないくらいに1人なんだって、死んじゃったみんなの後を追うこともできなくて、1人だけ生きて続けているっていうことを寂しいくらい自覚しちゃうんだ。


 それでね、周りの暗闇はいつも私を攻めてくるの

『なんでお前だけ』『お前が死ねばよかったんだ』『人殺し』『あの人を返して』

『シネシネシネシネシネシネ』


 みんなから言われて、そうしようそうしようって、何度も包丁で自分の首を刺そうとしたわ。

 でも、どうしても死ぬことができなかった。

 死ぬことが怖かった。

 私もあの暗闇の一部になっちゃうのが、私を助けて死んだ人の生きた意味がなくなっちゃうのがどうしてもいやだった。


 だから、私は生きた。


 どれだけ悪口を言われても、いないものと扱われても、ゴミを投げつられようとも、生きて生きて生きて。






          ツカレタ






 もう自分が何を考えているのかもわからなくて。

 生き続ける意味もわかなくて

 どうしようもなくなって・・・駅のホームで1歩踏み出せば、あぁ、ただ終われると思っていた時にあなたは私を助けてくれた。


 あなたの優しい手が私に触れてくれた。


 あなたの逞しい腕で私を抱きしめてくれた。


 優しい声で私を心配してくれた。


 その時、私はあなたの優しさで包まれたの。




 この日、私は運命の人・・・あなたと出会ったの。







 この暗闇の中で生きていたからこそ、私は君の手の温かさを感じられた。


 どうしようもない現実も、君という光がいるから、私は歩いて行ける。


 だから、今は私は真夜中が好き。


 暗闇だからこそ、君という太陽をもっと、もー-っと感じられるの。


 だから、もう永遠に離さないよ、私の太陽君。

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