第18話 作業間打ち合わせ

 11時30分になると大抵〝作業間打ち合わせ〟なるものが始まります。

 これは、各職種の〝職長〟が集まり、その日の午後の変更、翌日の作業予定、搬入予定などを持ち寄り打ち合わせを行うのです。

 この打ち合わせに、新人を1人で行かせることは、無いとは思いますが、私は担当者を始めて二週間後には、1人で参加させられました。

 ここで知っておかなければならない事は、各職長とも、自分の作業を、効率よく、少ない人工で、行いたい と言う思いを持っている事です。

 現場によりこの〝作業間打ち合わせ〟の空気は全然違います。

 余裕ある現場では、他職種の事を思いやり、紳士的な打ち合わせもありますし、追い込まれた現場では〝バチバチ〟の修羅場になる事もあるのです。

 これは、各職長とも、会社から〝圧〟がかかっている事があるからです。

 この日までに終わらせろ、あと何人工で終わらせろなどです。

 当然、電気の担当者も、所長などから、あれこれ命題を受けて参加するのです。

 この〝作業間打ち合わせ〟で発言したり、自分の

要望を通すには、建物全体の工程の内容を理解しなくてはなりません。

 Aと言う作業をやり、次がBで、次がCとかです。

仮に電気の作業をBとすると、Aのあと、Cがすぐ来る場合、うち(電気)のBがありませんよ とアピールしなければなりません。

 ところが、あなたがAと言う作業を理解せずに、

焦りからBをやらせろと、アピールすれば、

〝何だこの素人の電気の監督は!〟と職長の集まりで爪弾きになるでしょう。

 場合によっては、「この電気屋!」と修羅場も起きるかもしれません。

 しかし、作業間打ち合わせをこなせないと、担当者として、〝生業〟は成立しないと思います。

 只、基本的に意地悪な人は少ないので、思いやりを持って〝作業間打ち合わせ〟に参加したいですね

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