自主企画「SF考証手伝います!?」に参加いただきありがとうございました

※このコメントは、自主企画「SF考証手伝います!?」に関連したものです。
企画の都合上、作品を批評するような内容を含みますので、ご容赦ください。
なお、このコメントの末尾に、念のため、自主企画の企画内容をコピペしています。


<作品の感想>
暗すぎない雰囲気で、王道のロボットを使った戦争物を描いていた作品でした。機動の描写が丁寧で、情景がはっきりとわかるような記述力はとても素晴らしいと思います。
今作は始動編とのことですので、続編も楽しみに待っております。


<考証>
細かな点はほかにもあるのですが、細かいところを言いすぎると本作の疾走感とワクワク感が損なわれてしまうかと思いますので、下記の二点のみご指摘させていただければと思います。

*MTのサイズ感と、輸送用トラックについて
「第6話 抜錨」の中のシーンで、MTが輸送用トラックで運ばれてくるシーンがあります。一方、MTのサイズに関しては、「第4話 アイギス」で「全高21m、重量30.1t」との記述があります。
世界観ゆえかもしれませんが、30tの金属製の兵器で全高21mは、少し不釣り合いです。例えば、複合材料により、比較的軽量で第3.5世代の性能を実現した日本の10式戦車でも、全長10mで45t程度の重量があります。
また、このサイズのものを、トラック輸送するのには、かなりの困難があるかと思います。参考までに、実際の最大積載量30t程度のトラックは、幅3m、全長10m程度です。トラック輸送では、幅が道路幅に制限されてしまうので、大き目の人型兵器とは相性が悪くなってしまいます。(肩幅が身長に対して以上に小さな形になってしまいます。)
見たところ、全高が20m程度である必要はなさそうですので、全高を10m程度に短縮しておくと、整うのではないかと思います。

*カタパルトについて
本文中では何度かカタパルトを用いた発進シーンがあります。
しかし、その一方で、戦艦が空中のある場所で留まることができているような描写やMTが戦艦と並走(?)している描写もあります。
カタパルトとは、本来は、母艦と射出される機体の間で速度差が必要な場合に利用する装置ですので、この描画はやや違和感を感じました。
MTが自力飛行できるのであれば、切り離し装置程度でよいか、あるいは、接触防止用の簡易な射出装置でよいのかと思います。
とは言え、カタパルトからの発進にはロマンがありますから、接触防止用の電磁カタパルトとかの設定にし、大きな加速度を伴って射出されるような描写を抑えておいたら良いのではないでしょうか。


ほかにも、チューンを行う際の無理な点や、損傷時の破壊の様子など気になる点はあるのですが、作品の質感維持のためには、残しておいた方がよいのかと思いますので、割愛いたします。
もし、気になるようでしたら、別途返信のコメントをいただければと思います。
また、ほかにもご不明な点やご指摘などあれば、返信いただければと思います。



※企画内容の再掲
自分で小説を書いてみて気が付いたのですが、科学をベースにしたまじめなSF(ハードSF)とかファンタジー(?)を書こうと思うと、
「この設定で、これぐらいの威力って正しいのか?」
「この計算、実は矛盾してない!?」
などなど、色々と悩むことがありました。
そこで、同じ悩みを抱えている方、このイベントに参加してください。
私のわかる分野であれば、考証の確認をします。
(査読付き学術論文の査読をご存じの方は、それをご想像ください。)
<受け付ける作品>
下記の分野のいずれかについて、設定を行い検討した作品
もしくは、検討が必要な作品
・物理学(古典物理学)
・数学(線形代数・応用解析・統計)
・信号解析

<補足と注意事項>
・もし特定の部分について注目して検討が必要な場合は、「近況ノート」にイベント参加の記事を作成し、検討が必要な場所をメモしてください。私が無事そのノートを見つけた場合は、そのノートにもコメントします。
・私の行った考察の結果は、作品の該当するエピソードにコメントする形で返します。
 場合によっては、間違いを指摘するコメントを行うことになりますので、ご承知おきください。
・私はよく間違いを犯しますので、コメントの結果を過信しすぎないようにしてください。ご不明な点は、コメントに返信する形でご質問ください。(一応学位を持っている者ですが、同僚との議論でよくミスを指摘されます)
・処理能力に限りがあるので、コメントが大きく遅れる場合があります。
 場合によっては、コメントをお返しできなくなる可能性もあるので、ご了承ください。(その場合も可能な限り、理由とともにその旨をコメントするようにします。)