この恋が実るのは、もう少し、ほんのあと少し先であると信じたい。

冒頭、「あれ? これはもしかして?」と思わず立ち止まる瞬間がある。最初に戻ってもう一度読み直し、「ああ、やっぱり」と頷いてからまた読み進める。

タグがついた新品のスカートを履いた「ぼく」と「先輩」の恋のお話しは、普通の恋じゃないけど、誰でも共感できる切なさを孕んでいる。いつかこの恋が「普通」になった時に、ようやく「ぼく」の恋が実るのかもしれない。

短い中にこれでもかと甘くほろ苦い感情と、最後にチクリと社会を刺した作品です。あなたの5分で、ぜひこの作品を手に取っていただきたい。

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